オリジナル7

登録日:2010/01/10 Sun 15:06:03
更新日:2022/12/19 Mon 09:06:28
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ロボットアニメ『ガン×ソード GUN SWORD』に登場するロボット『ヨロイ』の系統の一つ。
また、そのパイロット達を指す言葉でもある。



【概要】

物語の舞台、惑星〈エンドレス・イリュージョン(E.I.)〉は、元々地球(マザー)から犯罪者を送って隔離する囚人惑星であった。
そしてこの星に跋扈する粗暴で凶悪な犯罪者たちを管理するための「力」として開発されたのが〈オリジナル7〉と呼ばれる7体のヨロイである。
惑星E.I.で最初に作られた機体たちであり、現行型にはない様々なオーバーテクノロジー(飛行能力、電磁シールド等)を備えている。
自動車等どう見てもヨロイでないかつてのマザーの乗り物までヨロイと呼ぶのは、このオリジナル7を参考にしたから。


全機何らかの武器に対応しており、搭乗者の持つ専用武器、主武装、変形した形態、全て同種の物になる。
元は対応した主武装しか搭載していなかったが、『カギ爪の男』側の機体は改良によりビーム兵器が追加されている。

搭乗者が持つ専用武器は布状になり、普段身体に巻いておける他、通電させることで硬度や形状を変えて応用が出来る(ヴァンは刀を螺旋状で固定しバネにした)。

オリジナル7は囚人達を管理する存在として、当初は責任感や実力のある囚人(プリズナー)を選出して何代か続いたが、次第に私欲に溺れるようになっていき、マザー崩壊後に至っては特権階級さながらと成り果てた。

余談だが全てのオリジナル7はダン・オブ・サーズデイがベースになっている


◆ヨロイインターフェースインプラントシステム

機体をパイロットの生体電流でコントロールするシステム。
これにより操縦するうえで通常の乗り物のような操縦レバーやスイッチといった装置を使うことなく、パイロットのイメージした通りに機体の挙動を制御することが出来る。
更にコントロールには機体の制御コンピューターによる高度な補助も働くため、地上や水中は勿論、初めて訪れた宇宙空間でさえもパイロットの思考イメージを忠実に再現した動作を可能とする。*1

但し常人の生体電流では微弱過ぎて機器が読み取れず操作することが出来ないため、使用するには生体電流を強くする改造手術を行わなければならない。
改造された場合は生体電流の強化以外にも、銃弾で心臓を打ち抜かれる等常人なら即死するような外傷を負っても死ぬことが無い、半不死身ともいえる高い耐久力・修復力を得ることが出来る。
だが同時に、定期的に機体へ搭乗し、肉体を機体側のシステムとリンクさせ調整を施さなければ体調を崩し、やがて死に至るようになる。
つまり搭乗者は自分の機体に乗り続けることを強いられ、万が一機体を失えば搭乗者自身にも逃れ得ぬ死が待っている一蓮托生の関係となる。
このような非人道的仕様はオリジナル7が囚人達の中から選ばれた牢名主であるがゆえの「首輪」の役割である。作中ではヴァンとガドヴェドがこの身体改造を施されている。

一方、カギ爪の男の組織では、ヨロイの方を改造して搭乗者の改造を不要にしているが、これでも強い生体電気を発生させる特異体質の者、つまりE.I.に生まれた一部の新人類にしか操縦出来ない仕様となった。

身体を改造した者を《オリジナル》、機体を改造した者を《ネオ・オリジナル》と呼び、後者はその関係者は、前者を「旧式」と揶揄する。
機体と神経をシンクロさせて操縦するため、人間の挙動と全く異なる動作をするには高度で特殊な技能が必要。
そのため、「旧式」には扱えない外付けの光学兵器も使いこなすネオ・オリジナルは強い自尊心を持ち、「旧式」を軽んじる傾向があるのもこのため。

コックピットの仕様は共通で、床に専用武器を刺して動かすようになっている。
内部は普段は流体で薄暗いが、集中が高まりヨロイとのシンクロが高まった時には周囲が白い輝きに覆われる。
また、身体改造を受けている場合は搭乗するとその時負っている外傷を一気に回復させることも可能。


◆G-ER流体制御システム

電圧の変化で硬化したり液体化する青黒い流体物質を機体内部に貯蔵・制御する機構。
オリジナルの機体に必要不可欠な物で、オリジナルがレプリカには不可能な二足歩行などが出来る理由はこの流体が生み出すパワーにある。
各機の外装の下に見える青色のメインフレーム部分はこの流体で構成されている。
また、全機の共通して存在する各部のパイプ状のパーツにはこの流体が大量に充填されており、硬化時には他の部分に比べ高い強度を持つようになる。
なのでこのパイプ部が最も防御力の高い部位になるが、万が一これを破壊されると流体を一気に失ってしまう可能性もあるため、防御に用いるには相応の技量が求められる。

カギ爪の組織はこの流体を扱える技術を獲得しており、組織に協力したブッチ博士も独自に一部のレプリカヨロイにこの流体を使用している。


◆サテライトベースシステム

オリジナル7は一体につき一基、E.I.衛星軌道上に人工衛星《サテライトベース》を持ち、普段は武器形態でここに待機している。
衛星は常に搭乗者が持つ専用武器の位置座標を捕捉・追尾しその上空の宇宙空間に位置取っており、それぞれの専用武器を用いた特定のアクション(ヴァンのVの字斬りなど)に反応し格納しているオリジナルを射出し地表へ落下させる。
そして地上で戦闘などを終えたオリジナルはオートパイロットで武器形態に戻り、自力で飛行し再び自分のベースへと戻っていく。
これがオリジナル7の基本的な運用形態である。

落下合図の送受信はベースとの間に遮蔽物が存在しても有効であるが、降下する際にはどうしても周囲の物体を破壊してしまうため、屋内や地下、海底といった場所では危険なため呼び出すことが出来ない場合もある。

オリジナルは破損してもこの衛星に戻れば自動修復されるので、基本的に修理は必要ない。
また、音声入力で登録さえ済ませれば別のヨロイの衛星での整備も可能。


《オリジナル7一覧》

【サウダーデ・オブ・サンデイ】

〈銃剣〉
オリジナル7最強の機体。機体カラーは金。
戦闘時には流体で構成された青い翼を展開し高機動による銃撃を行う。接近戦も行える銃剣は、強固な装甲でも容易に両断する。
この機体は常時飛行し続けるという人体からは逸脱した行動を要求されるので、乗り手にはオリジナル7の中でも特異な才能が不可欠。
また、改造以前のオリジナルの中で唯一火器を備え、囚人惑星破壊システム〈プリズン・プラネット・デストロイヤー〉とリンクする機能を持っているなど、オリジナル7の中でも特異な存在であったことが窺える。
過去になんらかの事情でサテライトベースを破壊され、残った格納コンテナ部分に入ったままの状態で海に沈んでいた。
その後事情を知らぬヴァンたちの協力でサルベージされ地上で組織に修復・整備されていた。この時ネオ・オリジナル仕様に改造され胸部に三連ビーム砲が追加された。
最強、保志ボイス、翼付きとくれば某准将を思い出すのも吝かでないが、多分関係ない……多分。
名の由来は「郷愁」「孤独」。

◆ミハエル・ギャレット
CV.保志総一朗
ネオ・オリジナル
ウェンディ・ギャレットの拐われた兄。通称ミギャー
カギ爪の男』の理想に共感し、サウダーデのパイロットになった。
かなりの秀才で、幼くして両親を亡くした後は法的手続きも何もかもほぼ独りでこなして妹を守ってきた。が、その優しさと賢さが災いして独りで悩みを抱え込むきらいがある。

最初は良識に悖ると考えてカギ爪の思想に反発したものの、若さ故の理想の高さや妹を守って生きてきたことにによる重圧、E.I.の強烈な治安の悪さと未熟さに対して以前から抱いていた不満が共鳴して、その計画に賛同するようになる。
その後も若さ故「同志」の理想を理解仕切れず苦悩するが、最終的に決意を固め、任務を遂行する。
サウダーデを乗りこなす紛れも無い天才だったが、テンション上がり過ぎて武器形態で自在に飛行するという人間離れした奇抜戦法を披露するどこぞの童貞には及ばなかった。
作中で脱童貞した。主人公童貞なのに…。
「引っ込めバカァアア!」


【ディアブロ・オブ・マンデイ】

〈斧〉
太い四肢を持ったパワー型。
外装と機体出力を強化したシンプルな仕様で、ダンに比較的近い機体。
また、既に乗り手が存在していたためかカギ爪側のオリジナルで唯一機体側の改造が施されておらずビーム兵器も搭載していない。
そのためオリジナルの中でもダンと並んで旧式に当たる。
名の由来は「悪魔」。

◆ガドヴェド・ガオード
CV.岸野一彦/辻親八(スーパーロボット大戦Tスーパーロボット大戦30)
オリジナル
旧オリジナル唯一の生き残り。通称ガチペド。
ヴァンの昔の知り合いで、野獣同然だったヴァンに一応の礼儀作法等を教えた師弟のような関係だった男。非常に堅い武人気質。
ネオ・オリジナルの他のメンバーはスタイリッシュな戦い方をすることもあり、無骨なプロレスのような彼の戦闘スタイルは無粋と評された。

旧オリジナル7にあって、まだ若くて理想と正義感に燃えていた彼は、ヴァンと会う前から『カギ爪の男』と理念を共にしていた。
『カギ爪の男』とヴァンや旧オリジナル7達が一堂に会することは相互にとって有益な結果を生むと思い、一同をヴァンとエレナの結婚式に呼んだが、それがエレナの死の原因となってしまった。
その事を契機に、カギ爪の計画はE.I.を救う唯一の方策と考えながらも、その是非や自身の所業について苦悩し続けてもいた。
ヴァンと勧誘した後にその葛藤を明かし、自分の行動の是非をヴァンとの勝敗の結果に託してヴァンと戦い、敗北。
理想は破れたが自身の罪がヴァンの手で裁かれたことに納得し息絶えた。

前半ヴァンがいじっていたパズルを与えたのはこの男である。
「贖罪か!断罪か!」


【メッツァ・オブ・チューズデイ】

〈レイピア〉
肩から二本のレイピアが生えている高機動型。肩の付け根辺りにビーム砲を備えている。
名の由来は「森」。

ウィリアム・ウィル・ウー
CV.真殿光昭
ネオ・オリジナル
騎士道を重んじる男。冷静沈着なタイプかと思いきやかなり情緒不安定だった。すぐ鼻血を出す。一人の時は全裸がお好き。
『カギ爪の男』クー・クライング・クルーの息子だが母親を独占する父親を憎み殺害しようとし、それを庇った母親を殺してしまった過去を持つ(情緒不安定の原因)。
また彼は自身の血を不治の死病に犯されて居るカギ爪に提供し、父を延命させていた。元々ウーはその為に産まれた子供である。

一度はヴァンを完膚なきまでに叩きのめして彼に死の恐怖を与えるが、復活したヴァンの前に散った。
声優がガオガイガーのピッツァで機体名はメッツァになっているのは偶然か、はたまた……。
ちなみに裸族
「捧げるのだぁあああああああああああ!!」


【ダリア・オブ・ウェンズデイ】

〈三節棍〉
蝶のような翼を持つ機体。ビーム砲の他、元から持つ硬化流体を使った変則的な攻撃も可能。
また迷彩能力を持つ。
名の由来は「ダリア(花)」。

ファサリナ
CV.倉田雅世
ネオ・オリジナル
咲き乱れちゃうキムタカデザイン爆発の女性パイロット。蝶が好き。
存在そのものが18禁
エロい。
元娼婦であり、そこから救いだしてくれた『カギ爪の男』に敬服している。感情の起伏がほとんどなくふわふわとした喋り方をし、言うこともほとんどカギ爪のコピペ。
エロい。
操縦する時はもちろん三節棍をコックピットの床に刺している訳だが、それでポールダンスを踊ってる(ように見える)。
エロい。
劇中はのらりくらりとした喋り方でヴァンを苛つかせるウザキャラとして書かれているが、ミハエルの筆卸しの相手をしたのは彼を懐柔させる目的もあったものの、彼のために命令以上の行動をしたりとなんだかんだでミハエルのことを愛している可愛らしいところがあり憎めないキャラ。エロい
最後は彼と共に瓦礫の中に消え生死不明。脱チェリーのためではなく彼女のために生きていると信じるファンは多い。
「あらあ、激しい……ああ……乱暴過ぎますぅ……」


ダン・オブ・サーズデイ

〈刀(蛮刀)〉
主人公ヴァンが操る白いヨロイ。
ディアブロと同じくオリジナル7の中では旧式に当たるが、所謂汎用機のようなもの。最終的にサウダーデさえ倒した。
当初はヴァンが未熟であるため真の能力が使えなかったが、対ディアブロ戦でコツを掴み、対メッツァ戦にて扱い方を会得。フルパワーを発揮した。
カギ爪との最終決戦ではヴァンが能力に覚醒した影響を受けG-ER流体を巨大な剣にして使う力を手に入れる。
この攻撃はスパロボでは『神は裁き』と名付けらており、この名はダンの別名らしい。

作中で自身のベースを破壊され再起不能に陥るが、ディアブロのベースを代用して復活。
復活後にそのベースも破壊されるが、最終決戦後にはジョシュアによってまた別のベースが登録された(どの機体の物かは不明)。
名の由来はヘブライ語で「神は裁き」。

ヴァン
オリジナル
我らが最強の童貞。
現在のオリジナル7で唯一『カギ爪の男』に協力していないため欠番メンバーと呼ばれる。
オリジナルだが、最終回で元々改造無しでヨロイを動かせる電気体質の持ち主だった事が発覚。
旧世代と新世代のハイブリッドとなった。この能力はオーバーフロウと呼ばれる。
「チェエエエ――ストッ!」


【シン・オブ・フライデイ】

〈トンファー〉
獣のような姿を持つ大型機。局地戦型。
センと対を成す機体であり、合体が出来る。戦闘はセンとのコンビネーションが強み。
名の由来は「罪」。

カロッサ
CV.大本眞基子
ネオ・オリジナル
人間の協力性について双子で検証する実験の過程で産まれた被験体の子供。
それまでは全く性質の同じ双子を作っていたために対抗意識が否応なく芽生えて実験は失敗続きだったが、方針転換して双子の性質を変えて生み出された彼は、気弱で優しいメリッさへの保護意識が強まったことが功を奏して成功作と看做された。

極度のシスコンであり、妹のメリッサを泣かせる奴は殺すと断言する。生い立ち故に常に愛情に飢えているので、妹が好意を寄せ、彼女を奪うかも知れないミハエルには非常に攻撃的。
役立たずになって『カギ爪の男』に捨てられる事を恐れており、功を焦ってヴァン達に戦闘を仕掛け、ギリギリまで追い詰めるも結局は返り討ちに遭い死亡する。
彼の最後の突撃がもとでレイは視力が減退しカギ爪を殺すことができなかった。
「死ね! 死ね! 死ねぇ!!」


【セン・オブ・サタデイ】

〈チャクラム〉
シンとの合体機構を持つ細身の機体。合体機能の影響もあって、両機共に恐竜の類を想起させるデザイン。
名の由来は「眠り」。

メリッサ
CV.斎藤千和
ネオ・オリジナル
カロッサの妹。兄とは違い、気弱で大人しく引っ込み思案な性格。泣き虫だが優しい子。可愛い。
研究所からの脱走の折に動物と暮らしていた期間が長い影響もあり、兄共々食事のマナー等はちゃんと習得できていない。
ミハエルに惹かれていたが、兄を第一に考えている。口下手で気弱な性格が災いして、その想いをなかなか伝えられていなかったが。

気が進まないながらもカロッサがヴァン討伐に猛進したため止む無く付き合い、優勢に戦闘を進めていた。が、カロッサの焦りとメリッサの戸惑いから徐々に連携に綻びが生じて劣勢に立たされ出し、最終的には戦闘時にヴォルケインのライフルからカロッサを庇い死亡する。
「私は……絶対、カロッサを……捨てないよ……」





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最終更新:2022年12月19日 09:06

*1 本来必要とされる細かな姿勢制御などを全てコンピューターに丸投げ出来る。