UMA(ウルトラマングレート)

登録日:2012/09/19 Wed 02:47:12
更新日:2024/04/19 Fri 16:08:09
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「ここは軍隊じゃない。ロイド副隊長、習慣を改めたまえ」


UMA(ユーマ)とは、円谷プロによる日本・オーストラリア共同製作の特撮ドラマ『ウルトラマングレート』に登場する特捜チーム。


▲【概要】▲

「Universal Multipurpose Agency」の略。この略称は『未確認生物』と引っ掛けた製作側のシャレらしい(未確認生物=UMAは和製造語)。
訳すると「万人の為の多目的機関」……全くもって何をする組織か伝わってこないが、未知の災害や超常現象の調査・対応の為に国家の枠を超えて設立された組織。
任務の為に戦力を保有しているものの決して軍隊ではないのだが、吹き替え版では「国際的軍事組織」とされる。
劇中ではゴーデスの襲来を受け、怪獣対策が第一義となった。

寄付や募金で運営されているという異色の運営体制。

アメリカに本部があり、シベリア、日本海、インド、南太平洋(オーストラリア)、南アフリカ、イギリスなど、世界各地に12の支部が置かれている。
その中でもアーサー基金を擁する南太平洋支部が最大であり、作中でももっぱら南太平洋支部が活躍するため、本項もそれに絞る。
怪獣の他、結果的にテロ組織を壊滅させた事もある。

隊長や主人公を含む多くが科学畑出身で、未知の生物である怪獣の出現に際し、分析やディスカッションを重要視するのが特徴。
隊員同士は割と気安い間柄なのか、原語版ではジョークや皮肉も結構飛び交う。

また、ウルトラシリーズで恐らく最もトンデモ兵器に縁遠いチームでもある。
後述のハマーだけが並ぶ格納庫や、怪獣の24時間監視の為にトラックやテントでキャンプする様子などは国内シリーズでは見られないリアリティを感じさせる。
ウルトラマンナイスのところ?ありゃ人員構成がトンデモだ。

なお、UMA憲章により、基地の設備が一部の国家や軍人によって勝手に使用された場合は、発電装置を自爆させて全装備を使用不能にする事となっており、
そこから再使用可能にするには全支部の指揮官の合意が必要。



▲【隊員】▲


◇アーサー・グラント隊長(演:ラルフ・コトリール/吹き替え:小林昭二)

「基地は我々の命だ!」

南太平洋支部隊長。自分の基金を持つ金持ち。
彼の財力で南太平洋支部の武装は充実している。…つまり他支部はそれ以下という事だが。
資金集めのパーティーもあったりする。彼からの融資を願う巨乳研究者もいた。
火星で確認されたウルトラマンの情報を隊員にも隠すなど食えないオッサンだが、部下の為には本気でキレる。
また、アーミーに占拠された基地を弁舌で奪還したり自らが古文書の解読にあたるなど知性派。
一方で、パランガスの時やUF-0の時など、たまに頼りない一面も見せたこともある。
設定は54歳で、どちらかといえば長官というイメージ。

吹き替え版では『ウルトラマン』のムラマツキャップ役の小林昭二氏が演じている。


◇ロイド・ワイルダー副隊長(演:リック・アダムス/吹き替え:山寺宏一)

「あー…五分待て」

直情的で愉快な黒人。31歳。
軍事訓練の経験者で、実戦でのリーダー。
バイオスの回で隊長代理を請け負った際には明らかにテンパっていたため、大局的に事態を見るのは苦手らしいが、
UF-0の時は頑張って臨時指揮官をこなした(隊長はゲームに絶賛逃避中)。
一方で人間も自然の一部である、という意見に耳を貸さないなど、少々視野の狭い面も見られた。
当初は「宇宙人みたいなことを言う」ジャックを毛嫌いしていたが、いつの間にか現場でトランプする仲になっていた。

後に山寺氏は『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』にて面白宇宙人ガピヤ星人サデスを演じる。


◇ジャック・シンドー隊員(演:ドーレ・クラウス/吹き替え:京本政樹)

「彼はもう一度やり直すチャンスをくれたんだよ」

主人公。26歳の日系人。
元宇宙飛行士の科学者。宇宙飛行士の訓練によるものか、身体はかなり筋肉質。
UMAに参加するのは第三話から。
火星でゴーデスに遭遇し、探査船を破壊されて地球へと帰る術を失ったかに思えたが、
そのゴーデスを追ってきたグレートと一体化し、奇跡的に地球への帰還を果たした。

グレートと一体化後は彼と一心同体の関係にあり、時折彼からのメッセージを深層意識下で受け取る。
場合によってはそれをUMAの隊員等に話すこともあるが、話したところでその根拠が無かったり、
グレートの意識の影響なのか、宇宙人寄りの上から目線の話し方になってしまったりで、あまり信用されない。

また、グレートと念話で話すこともあるが、TPOをあまり気にしないため、傍から見ればいきなり独り言を話しているように見え、
そもそもとして件の火星からの奇跡の生還について「気が付いたら帰ってた」と(他に説明しようがないのもあるが)曖昧に話していることから、
他の仲間たちはもちろん、背景を知っている視聴者目線でもかなり胡散臭い言動が目立つ、怪しい人物に見える。
そのためか、マジャバ編では「彼が独り言を言うと必ず何か起こります」「高度を上げたほうがいいな」とヒロインたちから言われたり、
周囲から見て怪しい言動をしてしまい、チームメンバーから頻繁に怪しまれる。

ただ、地球やそこに住む人々のことを大切に思う気持ちは本物で、
宇宙全体を等しく大切に思うグレートと時に意見が食い違い、念話で議論する(あまり理路整然とはしていないが)こともあるが、
最終的には今身体の主導権を握っている側の意見を尊重する方向で落ち着く*1のが常で、グレートとは強い信頼関係で結ばれている。


実はシリーズでも稀有な「五体満足のままウルトラマンと一体化し、正体がバレないまま分離した」変身者。
ただしジーンには正体を知られていた節があったり(というか、気づかれない方がおかしい)、
アーサー隊長にはペンダント(デルタ・プラズマー)に何かあると睨まれて没収されたことがある。

名前は「ジャック」でもウルトラ兄弟の4男とは関係ない。

ちなみに吹き替えを担当した京本氏は日本語版主題歌も担当し、
後に『ウルトラマンティガ』、『ウルトラマンダイナ』にハヤテ・シン役でゲスト出演している。


◇ジーン・エコー隊員(演:ジーヤ・カリディス/吹き替え:榊原良子)

「駄目よジャック!戦って!ゴーデスを倒して!」

本作のヒロイン。23歳。
エンジニアで、ジャックの高校の後輩。
自分の設計した探査船が壊れる、一時ゴーデス細胞に侵されるなど結構気苦労の多いお姉さん。
ちなみにノーブラと思しきシーンがあるが断定はできない。
つまりどういうビジュアルなのかというと、Tシャツ越しに…これ以上はお察し下さい。
資金集めのパーティーに同伴したりもしている。
一応ジャックの恋人ポジションだが、ゴーデス編以降はロマンス描写がめっきり減った。


◇チャールズ・モーガン隊員(演:ロイド・モーリス/吹き替え:柳沢慎吾)

「あんた子供殺して勲章もらうの?」

媒体によっては「モルガン」とも。
生物学、考古学、様々な博士号を取得し、怪獣の分析で手腕を発揮する。26歳。
大食漢だがメタボではないし、ギャグ担当だが名言多数。言動とノリは軽いが、性格はかなりのイケメン。
デガンジャに勝手に攻撃したり、宇宙人の人妻に一方的に惚れて事態をややこしくしたりと、若干トラブルメーカーでもある。
ブリューワーが基地を占拠した際は持ち前のコメディリリーフ振りで彼を振り回した。

吹き替え版では柳沢慎吾氏のためかアドリブが多い。
なお、柳沢氏は後に『ウルトラマンオーブ』の渋川一徹役で顔出し出演する。


◇キム・シャオミン隊員(演:グレース・パー/吹き替え:平野文)

「ゴメンよ。この街はアンタにゃ相応しくないさ」

東洋系で、ジーンの姉貴分。25歳。
ハマー操縦の技量に優れる。
攻撃的だが子供や弱者には優しい。ちなみに部屋には青竜刀らしきブツが…
元は孤児で、吹き替え版では男口調。
このチームは全員制服をラフに着こなしているが、彼女の服は赤で特に目立つ。


◇技師
ゴーデスセンサー諸共、スタンレー・ハガードに抹殺された。



▲【その他関係者】▲


◇ブリューワー将軍(演:ピーター・レイモンド・パウエル/吹き替え:飯塚昭三)

「男なら戦場で死んでみせろ!」

豪州の軍事組織アーミーの偉い人。
ゴーデス撃破のためにUMA基地を占拠する、部下に無策の突撃を命じる、
ゴーデスをオーストラリア大陸諸共核で吹き飛ばそうとするなど危険な方。
最終回では「シラリーを核攻撃すれば死の灰が世界中に降り注ぐかもしれない」という警告を無視してミサイルを撃った挙句、
そこまでしておいてシラリーには効果ナシという、軍法会議モノの大ポカをやらした。
ただ、ウルトラマンに依存せずエイリアンや怪獣を倒すため、彼は彼なりの正義感に従って行動している事をご理解頂きたい。
勿論、超獣攻撃隊南太平洋本部の横暴な司令官および街を巻き込んで怪獣を排除せんとし事態を悪化させた統合防衛軍の副官
「地球防衛」のために手段を択ばずUPGを強引に解散させた国際防衛機構長官
超獣を解析し異次元壊滅兵器を搭載した特空機を開発した地球軍の作戦部長のように、誉められた人物ではないのも確か。


◇アイク・ユベロス(演:デヴィッド・グリボウスキー/吹き替え:岸野一彦)

「一匹でも倒せればな…」

アーミー情報部の親分「チーフだ!」
UMAに対して功を焦るあまり失敗する事が多い。
ブリューワーの典型的な腰巾着かと思いきや、彼へ銃を突きつけUMA基地の指揮権をアーサーへ返すなど漢を見せる。
緊急時でも出世や物欲を気にする俗物的な人物であったが、最終章ではサボタージュを理由に警備員に降格され、
勤務先で貧困と怪獣に翻弄される貧民街の人々と交流する内に改心。
一時は貧民街の人々と共にカルト教団に入信したが、その教祖に愛想を尽かして奪ったメッセージ板をUMAに提供して勝利に貢献するなど、やっぱり漢。



▲【UMAの退治・対処した怪獣】▲


UMAの援護により、TV版ではバランガス戦、マジャバ雌戦、バイオス戦、UF-0戦で、
劇場版ではブローズ戦、バランガス戦でグレートに勝利をもたらした。


▲【所有メカ】▲

南太平洋支部の基地はオーストラリア近海の孤島。
防衛砲台の建設には十年かかった。

◆ハマー
全長14.5m
乗員2名
最高速度M5.5
主力戦闘機。名前はジープと同じなのにまさかのジェットヘリ。
特徴的な噴射音がする。
自動照準装置は燃料計の脇にあるらしい。
そして、実はウルトラらしいトンデモ兵器はこれぐらいしか無い。
宇宙にはシャトルで行くし、深海作業は洋上からロボットを下ろすし。
企画書には色々あるのに。

また、昆虫怪獣マジャバを文字通りの一撃で粉砕するミサイルを搭載している辺り、スペックは凄いのかも知れない。
他にエキシマレーザー、装甲貫通弾、エチケット袋やラジカセ等を搭載。
ただしレーザー砲は、グレートの凄ェ装甲には全く通用しなかった。
グレートを攻撃した理由は地球でのデビュー戦にてウルトラマンが「もう一匹」の怪獣と認識された為。その反応が普通だ
アーサー曰わく「値が張るマシン」
コックピットのシーンはいつも揺れている。

「ジェットハマー」名義で玩具も発売されており、コクピット内に隊員フィギュアが乗っていたり、ネット弾発射ギミックがあったりとやけに凝った仕様だった。
『テレビマガジン』1990年2月号によると、初期案の仮称は「イクシオニス」


◆サルトップ(サルトプスとも)
特殊車両。
市内のパトロール、もしくは「私用」に用いられるパトカー型の1号、
大型火器タルサー砲(パルスキャノンとも)を搭載した4WDの2号、
2号と同型だがタルサーは無い調査車の3号がある。
ベース車は1号が三菱・ギャラン、2号と3号が三菱・パジェロ。


◆隊員服
UMAの隊員が着る制服。
下に着るTシャツにはUMAのエンブレムが書かれている。
明るい色や未来的なデザインが多い防衛隊隊員服としては珍しく、現実の軍隊の軍服のようなデザインをしている。
アーサーの物は士官の軍服に似た専用モデルである。


◆UMAガン
光弾を発射するレーザー拳銃。
一話でUMA未参加のジャックも使っているので、プロップの使いまわし人気機種のUMAカスタムということなのかも知れない。


◆ブラックランチャー
対怪獣用レーザーライフル。
対怪獣だが対人でも使っている。


◆タルサー砲(パルスキャノン)
サルトップに搭載している強力な大型レーザーキャノン。
一人で運用する際は銃架を用いる。


◆通信機
透明なパッドがついた通信機。


◆ゴーデスセンサー
読んで字の如く、ゴーデス細胞を探知するセンサー。
衛星とリンクしてゴーデス細胞を探知し、獲得した情報はリアルタイムでデータベースに記載する優れものだが、
第一部終盤でスタンレーにデータを消されてしまった。





ネタバレ注意





◆プレートビーム
最終回で使用。
古代人が遺し、アイクが奪還したメッセージ板(プレート)をタルサー砲に取り付けて中核にした最終兵器。
敵の光線を吸収・強化させて投げ返す能力で、一度はグレートを倒した怪獣コダラーに対して使用。
コダラーに投げ返させた光線をプレートで再度反射し、それを3度繰り返し、コダラー側の許容量を超えさせて倒した
が、同時にプレートも耐えられず溶けてしまった。 




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最終更新:2024年04月19日 16:08

*1 例えばUMA入隊についてはグレートは反対していたが、最終的にはジャックの意思を尊重してUMA入りしている一方、怪獣との戦いでジャックが倒すことに難色を示しても、最終的にグレートがやむなく倒すこともあった。