FINAL FANTASY(ゲーム)

登録日:2012/05/10(木) 05:02:18
更新日:2024/04/13 Sat 10:39:43
所要時間:約 7 分で読めます






このせかいは あんこくにつつまれている
かぜはやみ うみはあれ
だいちはくさっていく
しかし ひとびとは1つのよげんをしんじ
それをまっていた
このよ あんこくにそまりしとき
4にんのひかりのせんし あらわれん
ながいぼうけんのすえ
4にんのわかものがこのちにたどりついた
そしてそのてには
それぞれクリスタルがにぎられていた



FINAL FANTASYとは1987年12月18日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたファミコンソフトのタイトル及び、同シリーズのタイトルである。
本項目では、第1作について触れる。

目次



★概要


ドラクエと並ぶ国民的二大RPGの片割れとしてFFの略称で親しまれるFINAL FANTASYの記念すべき第1作目。略称はFF1。

現在でこそ国民的RPGとして知られるFFシリーズだが、当時のスクウェアは過去に発売したソフトの売り上げが振るわなかった為、本作の売上次第ではゲーム開発から撤退しようと考えていた。
その決意表明として「最後の夢=FINAL FANTASY」と名付けられたというエピソードはかなり有名。
WSPSGBA、ガラケーアプリ、PSP、iOS/Androidと様々な機種に移植されており、不安定だったゲームバランスを見直したリメイクもされている。

システムとしてはMP式ではなくWizと同じく回数制限制の魔法、現在のFFシリーズには存在しないサンガーなどの魔法、最近のユーザーに優しいFFではありえない狂った難易度を誇るダンジョン氷の洞窟など、シリーズ初作品であるが故の初々しさやアンバランスさが見受けられる。

しかし、その一方でサイドビューからの戦闘画面によるドットキャラのアニメーションやFFシリーズお馴染みの飛空挺、ジョブシステムが既に存在している事など、シリーズの原型が確かに感じられる作品でもある。

また、現在でこそ珍しくないが、当時のFCソフトとしては非常に珍しいバッテリーバックアップ機能、早い話がセーブ機能を搭載しており、これは他のRPGでパスワードの記載ミスで心を折られてきた当時のFCプレイヤー達にとっては大変有り難い代物であった。
ただしファイルは一つしかない。

そして、FFシリーズでお馴染みの力の入ったグラフィックと演出は本作の頃から存在しており、OPの演出に関してはよく話題になる。


★ストーリー


主人公達が持つ4つのクリスタルに光を取り戻し、世界を混乱させる4体のカオスを倒す。

という比較的シンプルな内容となっているが、最初のカオスを倒してからは比較的自由度が高く、ラスボスに挑むまでの進め方に決まった順番は存在しない。
(難易度的に推奨される順番は存在するが)


★登場人物


・4にんのひかりのせんし(ウォーリア オブ ライト

FF1の主人公全員共通の肩書きであり、デフォルト名が存在せず、台詞も一切無い
最初にキャラメイクでジョブも好きな物を自由に選べる。クラスチェンジすると二頭身から四頭身になる
全員同じジョブにしての縛りプレイなどを挑むユーザーも現れた*1

・セーラ

昔のRPGではおなじみの囚われのお姫様。
ラスダンに辿り着く頃には、彼女から貰えるとあるアイテムの存在を忘れていた人も多いだろう。
後のFF9におけるダガー(ガーネット)の本名の元ネタ。

ガーランド

セーラ姫をさらったコーネリア国の元騎士。
元々はコーネリア国随一の剣の使い手であったが、姫を手に入れ国を自分のものにしようとした。
最初のボスなのでかなり弱い。後の輪廻厨。

・コーネリア王、ジェーン王妃

セーラの両親。コーネリア王は主人公達にクリスタルの予言を信じて娘の救出を依頼した。
ジェーン王妃はエンディングにしか名前が出ないので、「誰?」となった人も多いだろう。
セーラ同様、ダガー(ガーネット)の実母の元ネタ。

・マトーヤ

両目が見えず「すいしょうのめ」というアイテムで視力を補っている。
彼女の住処のBGMは人気がある。

・ウネ

メルモンドの町に住む学者。
ロゼッタ石を渡すと主人公たちにもルフェイン語を教えてくれる。

・バハムート

後の召喚獣としておなじみの竜王。
本作では召喚獣ではなく、勇気ある者に力を与える偉大な存在。

・スミス

ドワーフの鍛冶屋。アダマンタイトを渡すとエクスカリバーを作ってくれる。


■ひかりのせんしのジョブ一覧

()内はクラスチェンジ後の名称

せんしナイト

装備出来る物が多く、序盤から安定して使える。
その見た目はどう見ても赤いケンシロウ。もっともオーソドックスな前衛職。
ナイトにクラスチェンジすると装備出来る物が増え、初歩のしろまほうも使える様になる。
戦士と聞くと装備にお金がかかるジョブと思われがちだが今作では装備の大半が宝箱から入手できる。
また特殊な軽装備や魔法の方が高価な事から意外とお金を使わないジョブである。
FC版では前述の赤いケンシロウの通りナイトにクラスチェンジしても等身が上がりノースリーブになっただけという非常に地味なグラフィックだったがGBA版にてサークレットとマントが追加されるという王道の勇者系ヒーロー然とした姿になり好評。

シーフにんじゃ

地雷職。まだ敵から物を盗むことが出来ない。ハッキリ言って弱い。
序盤こそ逃走の成功率の高さが生きるが、貧弱な攻撃力と低い耐久力が徐々に足を引っ張る事になる。
にんじゃにクラスチェンジすると装備出来る武器と防具が増え、くろまほうを使える様になる。
…だが精々ヘイストを使ってのサポート要員とするのが無難。前衛職では一番弱い。
GBA版以降では命中率上昇が強化され攻撃回数の増加が顕著になり、戦士より火力が出る事も珍しくない。
軽装スピード型アタッカーとしてきちんと差別化され面目躍如された。

・モンク(スーパーモンク)

大器晩成型の肉体派アタッカー。
序盤こそあまり強くないが、1レベルごとに攻撃力が2、防御力が1上昇し、やがて素手の攻撃力と防御力がインフレを起こす
その反面、低レベル縛りを目指すには向かない。また特殊攻撃に対しては無力なため注意。
FC版ではスーパーモンクになると他は据え置きで何故か魔法防御の成長率が下がるというバグ(仕様?)がある。
この謎の性質のせいで全ジョブで唯一クラスチェンジする旨味が無い。(ちなみに魔法防御は隠しパラメータだった)
GBA版以降はクラスチェンジで素手攻撃、防御の計算が変更、魔法防御の成長率もちゃんと上がるようになり、スーパーモンクが真っ当な上位職になった

・あかまじゅつし(あかまどうし)

いわゆる魔法戦士職。器用貧乏そうに思えるが、後のシリーズでの扱いに比べると恵まれている。
せんしに次ぐ装備としろまほうとくろまほうが使えるおかげで、ドラクエで言う所のオールマイティな勇者ポジション。
あかまどうしにクラスチェンジ後は蘇生魔法のレイズも使える様になる為、益々万能ぶりに磨きがかかる*2
…当然装備と魔法の両立には相応のお金がかかるのだが。後半になるほど差が大きくなる。
ちなみにモデルがあり、本作のキャラデザを担当した天野喜孝が挿絵を描く菊地秀行のVAMPIRE HUNTER Dが元ネタである。
魔法系ジョブはFC版で不遇な扱いが多かったため、リメイク版では色々とテコ入れが入っている。その中でも赤魔は特に装備面の扱いが良い。

・しろまじゅつし(しろまどうし)

初心者向けキャラ。他のRPGでいうところの僧侶に当たる。
慣れたプレイヤーには火力不足故に外されがちだが、困った時の回復魔法による回復役は貴重な存在である。
しかし、本作では魔法に回数制限がある上に回復量もショボい為、普段は魔法効果のあるアイテムを使う係となり易い。
クラスチェンジ後は最高ランクの白魔法が使えるようになるが、やる事はあまり変わらない。
ヘイストがある赤の方が選ばれがち。ちなみにHPがシーフやあかまじゅつしより上がり易いという特徴がある。
リメイク版では使用アイテムが増え追加装備にも恵まれ、知性依存になった魔法のおかげでアタッカーにもなれる。
特にGBA版以降は魔法が回数制からスタンダードな数量制に代わり、回復量もアップして必須職となっている。
また、リメイク以降では唯一女性として扱われている。

・くろまじゅつし(くろまどうし)

攻撃魔法での雑魚散らし要員
くろまほうのエキスパートだが、本作の魔法は回数制限付きというネックが足を引っ張る。
ボスまで大事にとっておくよりも、強力な攻撃を持つ雑魚敵を一掃する為に使う方が効率的。
結果的にここ一番で役に立てないので慣れたプレイヤーにはリストラ候補。モチーフはおそらく銀河鉄道999の車掌さん。
クラスチェンジ後は何故かスネ夫ヘアーになる。またCCしても装備できる物があまり変わらないなどどこか不遇。
オマケに魔法効果のアイテムが有る上に威力も変わらないので、フレアーでさえ一掃できない終盤はお荷物と化す。
GBA版以降では知性が高いほど魔法威力が上がる仕様になったことで、他の魔法職と比べても明らかに威力が違う魔法が使えるように。
リメイク版で一番汚名返上したと言えるジョブ。


■4体のカオス(カオス四天王)


リッチ

を司るカオス。ボロボロのローブを纏った髑髏の魔導士。
物語開始と同時期に目覚め、地中深くのアースの洞窟で大地を腐らせ始めていた。
メルモンドの町を襲ったバンパイアは彼の配下である。弱点は火。
4体の中で唯一のアンデッドだが、最初に戦うカオスだけに一番弱い。
後に再登場した時は再生怪人なのにフレアーを使うなどかなり強化されている。

マリリス

を司るカオス。四体のカオスの紅一点である6本腕の蛇女。
物語開始の200年後に目覚め、灼熱のグルグ火山を噴火させて世界を滅亡させる予定だった。
しかし光の戦士達の頑張りでリッチが倒された影響により、早めに叩き起こされてしまう。
そのせいなのか、実は睡眠効果のあるスリプルの魔法がよく効くというネタキャラ。
グルグ火山で戦う。弱点は水・氷…とされているが実際は等倍。状態異常に弱い。

クラーケン

を司るカオス。見た目はまんまタコ
200年前から深海に存在する海底神殿で海を荒らし、光の力を弱めていた。
なぜか片言でしゃべる。弱点は雷。腕(脚?)が多いので攻撃回数が非常に多い。
海底神殿で戦うのだが、強力な武器防具が揃うのでフルボッコにされる。
ただし墨を吐いて暗闇状態にしてくるので長期戦になりがち。

ティアマット

を司るカオス。浮遊城に住む6つの頭を持つドラゴン。
古代天空人が作った北の文明を破壊し、400年前から天空高き場所に存在する浮遊城で風を止めていた。
本来四体のカオスの中でも最強なのだが、毒(1では即死扱い)に弱いという欠点がある。
ちなみにこいつのいる浮遊城5階には遥かに強いデスマシーンが徘徊していたりする。
そのせいで北の文明のデスマシーンに追い込まれ閉じ込められて脱出できないでいるとか言われている



・カオス

本作のラスボス。この世を闇に包んだ元凶であり、時を超えた憎悪の源。
2000年前の過去から自分の分身達を送り込み、世界を滅亡させようとしていた諸悪の根源。
黄金の鎧を纏った竜のような身体を持ち、強力な魔法や地震・竜巻・津波・炎を使用する。
なぜか戦闘BGMが通常戦闘のままという。
その正体は輪廻を遡ったガーランド

・余談


上記のように「最後の夢」として名付けられたFINAL FANTASYであるが、後にシリーズ化したことで「最後」ではなくなったため以降は「究極の寓話」という意味合いに変更された。

また、「ファンタジー」という題名や、作中での剣と魔法でのバトル、世界観から、中世モチーフのよくあるファンタジー物だと思われるが、
その実「延々繰り返されるタイムリープ」「古代の超文明」「明らかに場違いなデスマシーン」等、高度な科学力の存在を示唆したり、
時空・次元への干渉や影響等、SF寄りの設定や描写も散見される
後のシリーズでも「本編中はのんびりした放牧的な世界だが、所々高度な科学が見え隠れする」という手法が散りばめられており、
宇宙人が出てくるのも珍しい話では無くなって行くのだった。

詳しくはネタバレになるが、本作の前日談にあたるのはDISSIDIA FINAL FANTASY





すべてのものに かがやきを・・・・

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最終更新:2024年04月13日 10:39

*1 ジョブを途中で変更することは出来ないため、構成がまずいと最悪途中で詰むこともある。

*2 FF1にはフェニックスの尾が存在しないので地味に助かる