原初神(ギリシャ神話)

登録日:2011/05/15 (日) 11:59:04
更新日:2023/10/04 Wed 19:15:00
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原初神とは、ギリシャ神話における神の系譜の中でも、最も古い位置にいる神々である。


ギリシャ神話に登場する神々の原点とも言える存在で、世界の始まりから存在したと言われる。
有名なクロノスティターン十二神ゼウスらオリュンポス十二神の親や祖父母に当たる神でもある。
特に「闇」「天空」「大地」といった普遍的な物の神格化である事が多い。



カオス

厳密な意味での原初神。あるいは、原初神の中でも最初に生まれたとされる神。
「混沌」と訳されることが多いが、原義を訳せば「大きく口を開けた」「裂け目」「虚空」のようになる。

事物が存在し始めるにはそれらの存在を確保できる場が必要であり、その場である「世界」や「宇宙」と呼ばれる全てをカオスが作り出し、
そこに他の原初神が存在を現したと言われている。
何かをするという訳ではなく、ただ存在することこそが最大の権能である。

よく分からんという人はPCに例えると分かりやすい。
世界がOS、人や神々などの様々な存在がアプリケーションやファイルとすると、カオスはハードディスクである。
つまり、カオスがまかり間違って死亡しようものなら、その下にいる全ての存在は権能とか能力ガン無視で消滅する


ガイア

原初神の一神。ご存知ギリシャ神話の大地の女神で、クロノスらティターン十二神の母親。
つまりゼウスハデスのおばあちゃん。聖書におけるノア。


タルタロス

原初神の一神で、神格化された冥府・奈落そのもの。あのパーティー荒らしで有名なテュポン大先生のお父さん。

ハデスが支配する冥界の更に下に存在し、天と地の間の距離と同じだけ、大地から更に低い所にあると言われている。
タルタリヤの父
なるほど……分からん

神々ですら忌み嫌う空間で、ヘカトンケイルやキュクロプス、クロノスやティターン神族、怪物テュポンなど様々な神、怪物が幽閉された事がある。


エロス

原初神の一神で、恋心と性愛を司る神。健全な男子諸君からは切っても切れない縁にある。
後に軍神(笑)アレスと美の女神アフロディーテの叔父とされるようになった。
……何で?

原初神の中でも崇高で偉大で、どの神よりも卓越した力を持つ神だった。ローマ神話ではキューピッドと呼ばれる。

エロスの矢には愛情を操る力があり、黄金の矢で射られた者は恋の病にかかり、鉛の矢で射られた者は恋を嫌悪する。
この力は自分を含めた神にすら効く。この力は、限定的とはいえ神の心を操れる唯一無二の力である。

代表的な話に、アポロンに黄金の矢、ダプネーに鉛の矢をそれぞれ撃ち、
ダプネーのストーカーになったアポロンにダプネーが追い詰められ、逃げ場がなくなった時、貞操の危機を感じたダプネーが月桂樹になったという話がある。

また、ハデスのペルセポネ誘拐劇もエロスの矢に射たれたから、という説もある。

ちなみにこの一連の騒動、エロス本人は遊び心や馬鹿にされた報復でやってる。
原初神にしては単純と言うべきか、原初的≒原始的≒単純と言うべきか。

かつてはゼウスを凌駕する最強の神とされることもあったとか。


エレボス

原初神の一神で、神格化された幽冥。ニュクス同様、カオスから生まれた神。
地下世界、暗黒の神だが、よくタルタロスと間違われる。

妹のニュクスとの間に、天空神アイテール、昼の女神ヘメラ、冥府の渡し守カロンを儲ける。
流石ギリシャ神話、原初神から近親相姦万々歳である。
また、ガイア、ウラノスより先に近親相姦した神で、近親相姦の原初神でもあり、喜ぶべきか喜ばざるべきかその血は色濃く後世に受け継がれている。

また、息子のアイテールとは表裏一体の存在。


ニュクス

原初神の一神で、神格化された夜。夫のエレボスは共にカオスから生まれた姉妹。
娘のヘメラとは表裏一体の存在。

エレボスとの子の他に単独で、
忌まわしき神モロス
死の運命を司る神ケール
死の神タナトス
眠りの神ヒュプノス
夢の神オネイロス
非難の神モモス
苦悩の神オイジュス
義の神ネメシス
欺瞞の神アパテー
愛欲の神ピロテース
老年の神ゲーラス
争いの神エリス
迷走と破滅の神アーテー
などを生んでいる。

宇宙始原神、
別説では天照大神と同一しされている
また、別伝では運命の三女神モイライも産んでいる。
パパスやヌワスは産んでいない。


ヘメラ

原初神の一神で、神格化された昼。エレボスとニュクスの娘で、アイテールとは兄妹。

母ニュクスとは表裏一体の存在で、同じ家に住んでいる。
ニュクスが夜をもたらしている間、ヘメラはお留守番。ヘメラが昼をもたらしている間、ニュクスはお留守番と交代制で働いている。


アイテール

原初神の一神で、神格化された光り輝く清澄な大気。ヘメラとは兄妹。
アニヲタ的には様々な作品で頻出する「エーテル」の由来。
このwikiを見ている人ならお世話になっている人も多いであろう
「イーサネット」の「イーサ」もアイテールの英語読みが由来。


ウラノス

原初神の一神で、神格化された天空。ガイアが1人で産んだ息子あり夫でもある。
最初の世界の支配者となった。
晴天や青空も兼ねた神だが、本来は夜空のような暗い天が神格化されたものであり、星を散りばめたマントを纏っている。

ウラノスがガイアと交わることで世界の秩序を表す神々が生まれていくことになる。

アニヲタ的には『強殖装甲ガイバー』に登場する組織「降臨者(ウラヌス)」の名に使われ、神話になぞらえて息子クロノスや孫ゼウスも組織名に使われている。


ポントス

原初神の一神で、神格化された海洋。ガイアが1人で産んだ息子。
ウラヌスがクロノスにアレを切り落とされた後、代わりにガイアと交わり、神々を作ったりもした。

紛らわしいがポセイドンは「海を支配する神」であり、ポントスは「海そのもの」である。


クロノス

原初神の一神で、神格化された時間。綴りは Chronos 。同じ時の神に神格化された時刻「カイロス」がいる。
クロノスは過去から未来へと流れる様な一定速度・一定方向に機械的に流れる時間を司り、カイロスは一瞬の時間や人間の主観的な時間を司る。

ゼウスらの父親である農耕神クロノス Kronos とは元々は別の神だが、しばしば同一視されてきた。
これは農耕神 Kronos の語源が「完成する」、すなわち「万物を達成し、終極に導く」という意味だったためと言われる。
(なお、日本でも現代にいたるまで時の神「年神」と作物の神「稲神」とが混同されているが、
これは「季節という時間」によって「季節の恵み」がもたらされることに繋がっている)

元々は川の神という説もある。
「ナノーネ」とか言ったりしない。



追記、修正はカオスから産まれてからお願いします。

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最終更新:2023年10月04日 19:15