ダークマスターズ(デジモンアドベンチャー)

登録日:2011/02/01 Tue 21:48:06
更新日:2024/01/16 Tue 18:49:02
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アニメデジモンアドベンチャーに登場した四体の究極体デジモンの総称。四天王とも呼ばれる。


【概要】

初登場は第40話「魔の山の四天王!ダークマスターズ」

選ばれし子供達」がヴァンデモンを追ってデジタルワールドから現実世界へと去った後のデジタルワールドに突如登場。
強大な闇の力によってデジタルワールドを再構成、スパイラルマウンテンを形成してそこに君臨した。
それぞれが究極体故の恐るべき力を誇り、その部下たちも通常のデジモンより強力なため、それまで現地にいたデジモンたちは恐れおののき、また彼らの攻撃によって多くのデジモンが命を落とした。
作中では、完全体であるピッコロモンやトノサマゲコモンが死亡し、デジタマモンさえレストランを放棄する有り様となっている。

リーダー格はピエモンであり、実質ピエモンが他の三体を率いている形に近い。
もっとも彼らの上下関係もあまり明確ではなく、お互いに口調は対等。そもそも協力する場面も無い。

なお、アニメオリジナルの所属であるため、公式的にこの4体に関わりはない。
原作では、メタルシードラモン以外は『デジモンペンデュラム ver.2~5」にそれぞれ登場したウィルス種の究極体(メタルシードラモンはデータ種)であり、率いる軍団の名前もここから取られている。


【メンバー】

メタルシードラモン

CV:風間勇刀

「ククク……選ばれし子供たちよ、狩りは始まったばかりだ……」

のエリアを支配していた、黄金に輝く巨龍
ダークマスターズでも最大級の巨体と、水中のみならず空中から地上までカバーする活動範囲、必殺技「アルティメットストリーム」による高い殺傷力、クロンデジゾイド合金による堅固な防御力を兼ね備えた、一番手とは思えないほどの強豪。
上司としてのスタンスは飴と鞭を分けるタイプであり、戦果を出した部下にはご褒美、失敗した部下はお仕置きというスタイル。ヴァンデモン・エテモン・ピノッキモンなどと比べるとある意味良心的。

ディープセイバーズ暗黒軍団を率いて子供たちを追い詰め、空中から海中までのすさまじい猛攻でウォーグレイモンを圧倒し噛み砕こうとしたが、特攻をかけたホエーモンによって吹き飛ばされてしまいウォーグレイモンを離してしまう。
逆上してホエーモンを殺害するも、その直後にウォーグレイモンがブレイブトルネードを繰り出してきたのでチャージなしのアルティメットストリームを放つも打ち砕かれ、発射口から飛び込まれて体内をズタズタにされるグロ死を遂げた。
しかし、メタルシードラモンのすさまじい攻撃は、子供たちの精神さえ蝕んでいくことになる。

小説版ではアルティメットストリームの発射時にレオモンが捨て身で発射口を塞いだため、逆流して頭部が吹き飛ばされる。その状態でなお攻撃を続けウォーグレイモンに八つ裂きにされるという、胴体をほとんど吹き飛ばされたレオモン共々文字でしか描写されないのをいいことにアニメ版よりもさらにグロテスクな最期を遂げた。

他の3人が武装解除されて氷漬けにされたり、動き難い地下でとんでもミラクルに負けたり、異空間に押し込まれたりしていることを考えると、ダークマスターズで唯一純粋な力比べで戦死したデジモンである。


ダークマスターズでは唯一…というか「デジモンアドベンチャー」では唯一ボスを務めたデータ種。初出はペンデュラムver2.0『ディープセイバーズ』。
同弾ではウィルス種の究極体にプクモンが登場しているが、こちらはハリセンボンモチーフの小柄なデジモンのため、敵ボスとしてのインパクトを重視してメタルシードラモンが選ばれたと思われる。
要するに見た目は大事だということである。

余談だが、プクモンは完全にハブられてる訳では無く、02のドラマCD版(本編終了後)の敵として登場している。(CV:阪口大助)
イタズラ感覚で他のデジモンを騙して人間界に大騒動を起こしたが、懲らしめられるだけで済み、ダークマスターズの面々と違って倒される事は無かった。

●ディープセイバーズ

  • シェルモン
    溺れたフリをして子供たちを襲う。
    第2話に登場したのと同じ個体。
    何気に喋れるようになっている。
  • アノマロカリモン
    メタルシードラモンに投げ飛ばされる。
  • ハンギョモン
    編隊を組んで子供たちを追跡。水圧にやられる。


ピノッキモン

CV:小桜エツ子(現:小桜エツコ)

「ボクに足りないものってな~あに。はやく答えなさい、答えられないと殺しちゃうよ」

森のエリアを支配していた、主のいない操り人形。初出はペンデュラムver4.0『ウィンドガーディアンズ』
必殺技は「ブリットハンマー」だが、ほかにも「ドリルノーズ」「フライングクロスカッター」などの攻撃技や、他者を操るワイヤー術なども持つ。
ウィンドガーディアンズを率いる。部下の数はダークマスターズでもかなり多いが、わがままな性格で命を軽視する発言が多く、気に入らなければ部下をあっさり殺す。そのため人望が全くない(タケル曰く「友達がいない」)。
唯一の忠臣にして理解者であったジュレイモンさえ殺してしまったが、ジュレイモンが伝えようとしたことは最後までピノッキモンに疑問として残っていた。
……ジュレイモンからは「心が無い」と評されていたが、彼の言葉が突き刺さったのは心だったはず。
決して成長する余地がなかったとは言えないだろう。
しかしヤマト太一がそれぞれ成長していく中で、一人だけ成長しなかった彼は、一人だけ迷いの森をさまようことになる。
最期は部下も武器もことごとく失い、尾羽打ち枯らしてすがる声すら踏みつぶした結果、メタルガルルモンのコキュートスブレスにより凍死する。

「ジュレイモン…ボクに足りないものって、何だッタノ…?」

ちなみに、登場話数はダークマスターズでもダントツに多いものの、ストーリー的には選ばれし子供たちの分裂と成長に重点が置かれ、あげくデジタルワールドの平和を望む者の意思やら過去編やらメタルエテモンの再登場やらが割って入ったため、扱いはあまりよくなかったりする。
搦め手でウォーグレイモンを操るなど確かに強いものの、アトラーカブテリモンにふっ飛ばされてガルダモンにブリットハンマーを砕かれたことで追い詰められたことから、他の三人に比べると肉体的な強さは一段劣る模様。
念のため言っておくと、初登場時はダメージを受けていたとはいえ完全体に進化したパートナーデジモンたちを纏めて倒す、ズドモンとの一騎打ちに勝利、メタルエテモンを手玉に取る戦いもするなど、究極体としての強さはきちんと描写されている。

小説版では森の中で火炎放射器をブッパなそうとしてジュレイモンに止められるなど、ジュレイモンの苦労が描かれた。最後は概ね同じような末路を辿るが、コキュートスブレスで凍らされた後に叩きつけられて粉々にされるというひと手間が加えられた。

●ウィンドガーディアンズ

  • ジュレイモン
    ピノッキモンの忠臣。「樹海の王」と呼ばれる、迷いの森の支配者。
    策略を巡らせて二大究極体が激突するきっかけを作る。
    ……悪意を持って唆したとはいえ、ジュレイモンの向けた言葉はヤマトの思いと迷いを暴き、結果として彼の成長にも大きく影響を与えることとなる。
    一方、彼がピノッキモンに向けた言葉もまた、彼の心に深く突き刺さったが……
  • キウイモン
    ピノッキモンの側近。
    ジュレイモンとは違い、遊び相手として接する程度の様子。
  • ブロッサモン
    タケルが隠れている場所を教えたが、タケルが移動していたためピノッキモンにの報告をしたとして殺される。
  • マッシュモン
    上に同じく。
  • デラモン
    ピノッキモンの部下だが彼のことは大嫌いとのことで子供たちに協力
    語尾が「〜である」で特徴的。
    必殺技はロイヤルナッツ、とッで大違いである。
  • フローラモン
    デラモンと同じく子供たちに協力。
    その後の行方は不明。
  • ガーベモン
    ミミちゃんウンチを投げ返されたり、ウンチがピノッキモンに直撃したり、ガンダムネタをしたりと、ネタに事欠かない
    ゴミ箱の中身がブラックホールになっていてすごい。
  • ウッドモン
    集団でオーガモンを襲っていたが、隕石ことメタルエテモンにより死亡。
  • レッドベジーモン
    ピノッキモンが言うには、友達。簡単に見捨てていたが友達。


ムゲンドラモン

CV:江川央生

「選ばれし子供たちを倒すことが最優先である……直ちに実行準備!!」

機械で構成されたエリアを支配していた、銀灰色に輝く鋼鉄竜。初出はペンデュラムver5.0『メタルエンパイヤ*1
ピエモン曰く「つまらない戦闘マシーン」だがそれ故に「隙のない」デジモン。
その表現に偽りはなく、メタルエンパイアを率いて子供たちのチート代表とも言うべき光子郎の作戦をことごとく上回る頭脳戦を展開した。
その頭脳や組織力に加えて、完全体でも最強クラスのアンドロモンが数秒の足止めが精いっぱいというほどの超パワーと、完全体総攻撃にもノーダメージという防御力をもって分裂していた子供たちを圧倒し続けた。

…だが、突如として不思議な発光をしたヒカリの影響を受けたウォーグレイモンのドラモンキラーにより一閃。一瞬で破壊される。
このようにダークマスターズの中では非常にあっさりとした退場をしたが、強さは徹底的に描写されているため過去編などが入り結果的に話数が増えたピノッキモンとどちらが扱いがいいかは人による。

●メタルエンパイア

  • ハグルモン
    ムゲンドラモンの作戦を伝達するオペレーター。
  • メカノリモン
    声が高い。バケモンが操縦する。
  • タンクモン
    声が野太い。ハイパーキャノンが強力。
  • ガードロモン
    なぜかピエモンに駆り出され、ムゲンドラモンの指揮下にはいなかった。
  • メガドラモン
    空を飛翔し猛烈に爆撃を掛ける暗黒竜デジモン。出撃シーンがかっこいい。
  • ギガドラモン
    完全なメガドラモンの強化版となっているが、本来の設定はメガドラモンほど小回りの利く飛行が出来ない。
  • ワルもんざえモン
    ヌメモンを強制労働させていた。メタルエンパイアでは例外的なコメディキャラで隙も多く、ムゲンドラモンをマジ切れさせる。


ピエモン


「おやおや、人形になってもまだ泣いている。すぐみんなと一緒にしてあげますからね」

ダークマスターズのリーダー格。狂気の道化師。初出はペンデュラムver3.0『ナイトメアソルジャーズ』。
ナイトメアソルジャーズを率いて闇のエリア、スパイラルマウンテンの頂上にて待ち受けていた。
ダークマスターズ編を経てかなり成長したはずのウォーグレイモンでもまともに攻撃を当てられない身のこなしと、そのクロンデジゾイド製の装甲を破壊するほどのパワーを持つ難敵。
さらに四本の短剣を投げて自在に操る「トランプソード」や、サイコキネシスのような技「トイ・ワンダネス」、指先から銃弾のようにエネルギー弾を放つ「エンディングスペル」、
そして子供たちとパートナーデジモンを人形に変える術などを駆使して、トリッキーかつ強力な戦い方を見せた。

なにより、ピノッキモンを数倍にしたような嗜虐性と、子供たちを本気で殺しにかかる直接的な危険性が、ピエモンの最大の脅威と言える。

最終的に選ばれし子供たちをほとんど全滅に追い込み万事休すかと思われたが、最後まで希望を捨てなかったタケルによってホーリーエンジェモンが覚醒し形勢が逆転。ヘブンズゲートとダメ押しに加えられた二大究極体の必殺技で亜空間へと送られる。
なお、第51話サブタイトル画面のポーズと演出が完全にウルトラマンそのものである。

●ナイトメアソルジャーズ

  • レディーデビモン
    エンジェウーモンとの女の戦いで、太一や光子郎及び視聴者に女の怖さを見せつける。
    この二人にはお世話になりました。
  • イビルモン
    形勢不利となったピエモンが呼び寄せた。成熟期。
    個々の力はそう強くなく、オーガモンなど成熟期たちでも一蹴できるレベル。
    ヘブンズゲートによってピエモンともども亜空間送りにされる。
    ちなみにクロスウォーズでもヘブンズゲートをくらっている。


【そして…】

ピエモンが倒されたことで最後のエリアが解放され、ようやく現実世界とデジタルワールドに平和が訪れると思われた。
だが、ゲンナイから届いたメールには衝撃の事実が綴られており……


ほんとうの敵は…存在そのものが世界を歪ませる生き物で……
ダークマスターズは、その歪みのせいで力を得たにすぎないそうです……!


【余談】

4体とも高い人気を誇るデジモンであり、ゲーム作品での登場も数多い。
全員仲間として使える作品も少なくないため、複数体で戦える作品だったら、4体を場に出してダークマスターズを再現……したいところだが、
残念ながらデジモンのゲーム作品は、場に出せるデジモンは基本的に三体までなので、全員をいっぺんに繰り出すことはできない。

ダークマスターズとの戦いはアニメ終盤の山場としてかなりの話数を使って描かれてはいるものの、作中の経過時間としては非常に短期決戦となっており、
太一たちが再びデジタルワールドを訪れてからピエモンを倒すまでの経過時間は、長く見積もってもせいぜい1週間程度だったりする。

なお、設定上では先代のパートナーデジモンの進化体である四聖獣(+後に先代アグモンが進化したと判明したファンロンモン)を封印した事からもその強さがうかがえるものの、アドベンチャー本編ではメンバー中2人が四聖獣よりも総合的な戦闘力で劣るであろうウォーグレイモンの特攻対象である為、強い事には強いが、本当に彼らが四聖獣より強かったかは正直疑問が残る。
特にファンロンモンは設定では並みのデジモンでは傷をつけることすら叶わない存在である為である。
後述の事実と照らし合わせるとアポカリモンの誕生の影響による力を得たことでようやく封印レベルだったのかもしれない。

デジモンストーリーロストエボリューションや超クロスウォーズのクエストでは彼らと戦う事が出来、いずれも生半可なパーティでは勝つのが難しい強敵となっている。


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最終更新:2024年01月16日 18:49

*1 当時の表記。現在は勢力名やリメイク版も含め、『メタルエンパイア』で統一されている