GetBackers-奪還屋-

登録日: 2010/08/20(金) 18:11:39
更新日:2024/01/30 Tue 20:57:48
所要時間:約 6 分で読めます




GetBackers-奪還屋-』とは、週刊少年マガジンで連載されていたある種の伝説の漫画。
連載期間は1999〜2007年、全39巻。

原作・原案:青樹祐夜
作画:綾峰欄人


【概要】

主人公の二人は、依頼を受けて「奪われたもの」を「奪り還す」職業「奪還屋」の「ゲットバッカーズ」。
彼らがスラム街「裏新宿」や、その中核となる「無限城」を舞台にバトルを繰り広げ、その中で世界の秘密に迫っていく様子を描いたバトル漫画。

作画の評価が高く、週刊漫画として載せられるのかと思うほどの書き込み、グロエロシーンが豊富にある。
ついでにBLシーンもやたら多い。

内容面はハイパーインフレバトル漫画として有名であり、一昔前には2chなどの「最強議論」系スレで桁違いの強さと判定されていたことでも知名度が高い。
当時の2chや集い住人には、「本編読んだことはないけど名前だけは聞いたことある」とか「赤屍?が強いんでしょ?」くらいの認識は持っている人も多いのではなかろうか。
DBなどと同じく「○○より強い~より強い~」というコピペが出回っていたため、それには見覚えのある人もいるかも知れない。
+ コピペの一例。一応ネタバレ注意
何でも出来るという神のカードで高次元(高位現実世界)から現実世界を支配する支配者
も干渉できない高位存在のルシファーを倒す蛮を赤子同然に扱い、全ての物理攻撃を回避できる毒蜂
の全力を上回り、無限にスピードが上がりスピードやパワーという小賢しい物を通り越して相手を追い込んでいく本気蛮
が雑魚の中の雑魚になる、上の世界以外のものは決して敵わないという法則を持つゴブリンズ
よりも遥かに強い、手だけで5,6mはあるベルトラインの住人×数十匹を圧倒する十兵衛と俊樹
が数倍強くなっても倒せない、時間軸を支配しコマ送りのような動きで攻撃する遊利より格上で次元の狭間から攻撃してくる舞矢
より遥かに強い祭蔵が前座と化す夜半の部下13人より20倍強い裏風鳥院数十人とそれを従える四弦を瞬殺する太極石十兵衛
を軽い一撃で倒す夜半に対抗する蛮父の配下の三騎士をすれ違っただけで倒し時間軸を乗り越えてしまった聖痕ポール
が苦戦する紫紋の約100兆?の剣による光速斬撃を15cm動くだけで全てかわし、一撃で倒せる第6感ポール
が神の力を持ったことで次元が違うなんてもんじゃないという神の領域に突入してもベアナックルで互角だった蛮父
の攻撃を片手で受け止め、紫紋並に強い弥勒5人をまとめて瞬殺し、5人より遥かに強い夏彦の斬撃をわざと薄皮1枚切らせてかわせる蛮
が苦戦する本気の夏彦の数倍以上強い雪彦の次元階層ごと吹っ飛ばすというブラックホール攻撃を相殺できる銀次が追い込まれる本気の雪彦
と笑い合いながら戦える第6感銀次より強い呪術王に匹敵する夜半よりも上位の存在であり
相手が止まって見える超時間に存在しさらのその超時間も操作し一方的に攻撃でき、さらに神の力を持ったことで決して敗れざる超存在となった鏡
を軽く瞬殺した赤屍と戦える、時空や次元を超えても干渉できない時空のズレに存在し相手の見る全てのものを支配する来栖
の全てのものを根本から無に還す波動がまったく効かず、あらゆる攻撃が無効化されるという雷帝
が進化した100%雷帝の次元を突き破り空間を破壊し全てのものを分子も残さず消滅させるプラズマを防御もせずモロに受けてもビクともしない本気蛮
がさらにアスクレピオス解放で暴走しても余裕でフルボッコにする蛮父が足元にも及ばない呪術王
のこの世の全ての負のエネルギーを収斂してセカイごと消し飛ばすという絶対破壊
で多次元階層より上位の世界を完全に覆っても相殺した雷帝
より高位の神であり因果律や時間など世界のあらゆる可能性・要素をシナリオ通りに支配しているTHE・CLOCK
でもどうしようもない創生王候補の蛮の攻撃を片手をポケットに入れたまま10億分の1mまでひきつけてかわし
こんなものですかと失望する赤屍と張り合える覚醒蛮とセカイを無に還して自由に作り変えた銀次
を軽くゴミ箱送りに出来る無限城近くのチンピラヤクザ
を一蹴したヤクザより遥かに強く最強のお方と呼ばれる菱木竜童
を金的蹴りで倒すマドカ最強

少年漫画ならパワーインフレはよくある事だが、本作のそれは特に著しく、中盤からは雑魚キャラでさえ下手なゲームのラスボスを軽く凌駕する。というかデフォで時間無視行動ができる。

パワーだけでなく話の規模や展開のインフレも凄まじく、特に展開は急過ぎるため一巻抜くだけで果てしなく置いてかれる。
最終章に至っては一話抜くだけで置いてかれる。もちろん、途中から読んでも置いてかれる。さすがキバヤシ
その割には、序盤からほのめかされていた「バビロンシティ」などのセカイの真相が明らかになるのが最終盤ということもあり、「部分的に読んだ/流し読みしたけどよく分からなかった」という人は多い。

そのため、何かにつけて「中二病漫画」と言われたり、途中で投げ出した人もいるはず。
というか、連載終盤はいつ終わるのか、強くなりすぎだろ、という意見で既に読者から見切られていた。一部では逆にカルト的人気はあったけどね。

そういう要素に埋もれがちではあるが、序盤から至るところに張り巡らせてあった伏線をキレイに回収しきっていたり、
世界観自体もそれなりに説得力のある形で練り込まれていたりと、おもにキバヤシ理論に耐性のある設定厨からの評価が高い要素も多く存在する。
そのため、初見ではアレだが読み直すと良作・名作と絶賛する人も少なくないとか。
「読んだけどよく分からなかった」という人も、時間があれば読み返してみると新たな発見があるかもしれない。



【登場人物】


美堂 蛮(みどう ばん)

主人公。ウニ頭と眼鏡がトレードマークで、バトルの天才。
200kgオーバーの握力と邪眼が武器。邪気眼じゃない。
「ウィッチクイーン」と称された祖母を持ち、「魔女の一族」の末裔。中盤以降はその出自に応じた技も扱うように。
駐禁取ってくるポリ公と裏新宿のヤクザには絶対勝てない。

天野 銀次(あまの ぎんじ)

もうひとりの主人公。無限城に君臨するギャング「VOLTS(ボルツ)」の元頂点、「雷帝」。
現在の彼は、およそバトル漫画に似つかわしくないような心優しい少年なのだが…
省電力モード「たれ銀次」になれたり、電線から「充電」すると傷が治ったりとなかなかに不思議生物。これらもただのギャグ描写かと思いきや…
やっぱり駐禁取ってくるポリ公と裏新宿のヤクザには絶対勝てない。

赤屍 蔵人(あかばね くろうど)

トリックスターの役割を担う「運び屋」。
通称「ドクタージャッカル」。
「自分が死んだところを想像できないから死なない」と嘯く超越者であり、バトルの実力は底知れぬほど高い。

HEVN(ヘヴン)

「ゲットバッカーズ」の二人にヤバい仕事を提供してくれる「仲介屋」。
おぱーいが犯罪級にエロい。作中屈指のエロ担当。乳首券が発行されたこともある。
最終章にて彼氏が出来た。

王 波児(ワン ポール)

喫茶店Honky Tonkのマスター。「ゲットバッカーズ」にはいつもツケでコーヒーをタカられる。グラサン。
実は先代の「ゲットバッカーズ」の片割れ。

工藤 卑弥呼(くどう ひみこ)

7つの毒香水(ポイズンパフューム)を操る「運び屋」。通称「レディ・ポイズン」。
蛮とは腐れ縁。何やかんやで蛮大好き
ヘヴンに次ぐエロ担当。
ただし全裸でも乳首がないツル乳だったこともある。乳首券の在庫事情は厳しい。

馬車 號造(まぐるま ごうぞう)

巨大なトラックに乗る「運び屋」。通称「ミスターノーブレーキ」
二つ名の通り、例え恐竜が出てもブレーキを踏まないでドリフトする凄い人。しかもトンネルの中で。
実は脇役としてちゃっかり登場する事が多い。
女体化した事もある。

MAKUBEX(マクベス)

元VOLTS四天王の一人で、現「無限城」下層階のリーダー。凄腕ハッカーの引きこもり、「無限城の電脳」。
14歳という若さでありながら十兵衛の姉と付き合っているプレイボーイ。
「“IL”を奪り還せ!」編の黒幕であり、無限城上層部の「シナリオ」に抗おうとするも…

風鳥院 花月(ふうちょういん かづき)

元VOLTS四天王の一人。「弦使い」の流派である「風鳥院流」宗家の出である男の娘。
作中では「案内屋」をやっている。
十兵衛の嫁

冬木 士度(ふゆき しど)

元VOLTS四天王の一人。彼も「奪還屋」に就いており、特に蛮とは犬猿の仲。
あらゆる動物を操る「操獣術」の能力者。どころか、一時的には自身が動物の特徴を宿す「百獣擬態」もできる。
マドカにデレデレ

筧 十兵衛(かけい じゅうべえ)

元VOLTSの一人。「飛針」で戦闘・治療をする。序盤のある出来事から盲目になる。
兵器レベルにギャグが寒い。

笑師 春樹(えみし はるき)

元VOLTSの一人。「鮮血の道化師」。
その二つ名の通りどこかおどけた立ち振舞いやギャグを連発するが、その実は信念を秘めた熱い男。
「龍髪」を束ねた鞭「楼蘭舞踏鞭」を操る。

鏡 形而(かがみ きょうじ)

無限城上層階(バビロンシティ)に生息する強キャラの一人。相手を煙に巻くような立ち振舞をするが、バトルも理不尽なほどに強い。
その正体は「ブレイントラスト」の一員であり、「無限城」という存在の根幹にある「魔鏡理論」の生みの親でもある天才科学者「加賀美京司」。

余談だが、作者曰く一番リアルでいたら怖いキャラはタレ銀らしい。
さらに余談だが、ソウルイーターの大久保篤がデビュー前にアシスタントしてた漫画でもある。
さらにさらに余談だが作者はGTOのアシスタントをしていた
鬼塚も「獲物…ゲットバッカーズ」とか言ってる


【主要概念】

この節はネタバレを多量に含むため、どこまで執筆するか検討中です。追記・修正お待ちしております

「無限城」

「VOODOO CHILD」

「神の記述」

「アーカイバ」

「バビロンシティ」

「ブレイントラスト」

「クオリア計画」



【アニメ】


原作いじくりに定評のあるスタジオディーン製作でアニメ化(前番組のRAVEと同様)。
お色気は規制されており、ヘビースモーカーの蛮が20歳に引き上げられるなどの変更がされていた。
原作と比べ全然グロくなく明るいシーンも多いため、アニメ版の方が好きなファンもいるようだ。

あのガンダムSEEDの30分前に放送されていたこともあり、新規のファンを獲得したが…種ファンは花月(キラ声)と十兵衛(ムウ声)が温泉に入るこのアニメを見てどう思ったろう。
また、士度役星野貴紀のデビュー作。そして、グラビアアイドル(当時)の乙葉が出演したことでも話題になった。


【キャスト】

美堂蛮‐神奈延年
天野銀次‐森久保祥太郎
HEVN‐夏樹リオ
王波児‐松本保典
夏海‐乙葉
風鳥院花月‐保志総一朗
筧十兵衛‐子安武人
MAKUBEX‐斎賀みつき
工藤卑弥呼‐桑谷夏子
赤屍蔵人‐飛田展夫

【余談】

最強スレでの扱いについて

様々な作品間で「最強キャラ」を決めようという「最強議論」は昔から定番ネタの一つであり、2chにもそうしたスレッドが複数存在する。
が、「全知全能の神様」のような存在が登場する作品は多くあり、それらをすべて同率一位としてしまうとランキングがランキングにならないという理由から、
暫定的に「全知全能を行使できる範囲が大きいほうが強い」として強さランキング付けをする、というルールがこうした議論においては主流である*1

この「範囲」というのを突き詰めると最終的には、雑に言うと「世界を何個支配しているか」という勝負になってくる。
そうした観点からこの作品を見た場合、おもにキバヤシのせいで世界間の入れ子構造が無限に続くような設定が存在する「GetBackers-奪還屋-」の世界観における「全能」キャラが支配する世界の数は非常に多く、「強い全能キャラ」ということになるのである。
まあそんなの抜きにしても滅茶苦茶なインフレを起こしてるのは冒頭に貼ったコピペのとおりだが





その呪わしき命運尽き果てるまで
古き集いより下りたもう
wiki籠り座(アニヲタ)を宿すものなり

されば──
我は求め訴えたり

記せ──
その叡智の限りを以て!!



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  • 実は良作
  • 描き込みが細かいだろ?
  • 嘘みたいだろ?週刊連載なんだぜ、これ
  • なんだ…ただのエロマンガか…
  • 最強はヤクザ
  • 02年秋アニメ
  • 意味不明

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最終更新:2024年01月30日 20:57

*1 もちろんそうでないルールもある。2chの最強スレもスレごとにルールが微妙に違い、特に全能周りは繊細な話題