星界の紋章

登録日:2010/11/19(金) 12:21:05
更新日:2023/05/18 Thu 13:25:25
所要時間:約 6 分で読めます




星界の紋章は森岡浩之のSF小説。全3巻。続編として「星界の戦旗」(既刊6巻)、番外編の短編集として「星界の断章」(既刊3巻)がある。

以下人物説明とネタバレ。

【登場人物】

○ジント
CV:今井由香
惑星マーティン出身。17歳の茶髪の少年。故郷がアーヴに侵略された際に、父の工作によってアーヴ貴族入りした為、地上人ながらアーヴとして生きなければならなくなる。
爵位を嗣ぐ為に軍に入らねばならないので、帝都ラクファカールに向かう巡察艦ゴースロスに乗ることに。
正式にはリン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵公子・ジント。陽気だが複雑な自身の境遇から割とシニカルな物言いをする。人当たりがよく温和。協調・順応性が高いが、弱気になったラフィールを叱りつけるなどの芯の強さもある。
また『紋章』エンディングでは「売国奴」である父への反感から故郷で反乱が起き父が死亡。その後跡継ぎとして伯爵となるも、『戦旗』では反乱側との和平条件として二度と故郷に戻らず内政に干渉しない事になった。
「半径一○○光年で信頼できるのはそなたしかいない―ぐらいはいってくれてもばちはあたらないだろうに。とことん可愛くないなぁ」

○ラフィール
CV:川澄綾子
ヒロイン。16歳のアーヴの少女。
巡察艦ゴースロスに乗っていた翔士修技生(平たく言えば見習い軍人)でジントを迎えにくる。実は現在の皇帝の孫娘。正式にはアブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール。アーヴでは知らない者はいないので自己紹介は省く。しかしジントは出自の為、全く認識しておらず、彼女の名を尋ねて以降お互いに名前で呼び合う関係になる(後にジントは「無知と幸運のなせる業」と評する)。
レクシュから受けた任務のため護衛として艦から出た後はジントと行動を共にする。
目鼻立ちが美しく、黝い髪。尖った耳を持つ。性格はツンツンしていて怒りっぽい。だがそこがイイ。
「ラフィールと呼ぶがよい!」

○レクシュ百翔長
CV:高島雅羅
巡察艦ゴースロスの女性艦長。初対面のジントですら「親切」と伝わる真摯で誠実な人柄。アーヴ貴族についてジントに心構えを教えた。
艦が何者かに襲われる前にジントとラフィールに航行日誌を預けて逃がす。実はラフィールの遺伝子提供者(平たく言えば母親)。
「まだ蕾のうちに散らせてなるものですか」

○フェブダーシュ男爵クロワール
ジントとラフィールが連絡艇を補給する為に訪れたのが彼の領地。
地上出身の父を許せず監禁し、使用人を全て女性で囲み夜の相手に、挙げ句の果てはラフィールとセクースして自然受胎(アーヴは人工子宮が一般的)させて皇族になろうとする作中屈指のネタキャラ監禁男爵。おまけにCV:子安…。
「知るか、馬鹿!」

○フェブダーシュ前男爵スルーフ
CV:麦人
息子と違い飄々とした好好爺。ジントとラフィールを助ける。境遇の似たジントには人生のアドバイスも。
「おまえさんとつきあうと、健康に害がありそうに思えるのはなぜじゃ?」

○マルカ・ミン・葬儀屋・ビル・ダスワニ
CV:日野由利加・世田壱恵・高木渉・久賀健治・天田真人
反帝国クラスビュール戦線の面々。リーダーがマルカ。ミリタリーコレクターがミン。不幸体質が葬儀屋。飛ばし屋がビル。無口なダスワニ。
「祈るのよ」
「入手にはたいへん苦労したのだよ」
「むかしな、二階から茨の茂みに飛び込んだやつがいたんだ」
「引き離しているぜっ」
「このほうが、ずっと、速い」

○エントリュア
CV:石塚運昇
ルーヌ・ビーガ市警。カイトと組んで不時着した船の乗組員を探している。警察と軍隊の違いを心得ているお方。
カッコいいおっちゃんで、地味にいい仕事をする。最後は統合体に反感を持ち、オレ○ジのように全力で見逃す。
「訊かれなかったからな」

○カイト
CV:池水道洋
人類統合体の憲兵大尉。遺伝子をいじるのを良しとしない統合体側で、シレジア不老族と呼ばれる遺伝子に処置をした者の家系である。
迫害や冷遇をされて来たせいもあってアーヴに凄まじいコンプレックスを抱いている。ネタキャラ2。
「アーヴに逃げ道はありません」

○トライフ提督
CV:小杉十郎太
派手な戦いをしたがるスファグノーフ門沖会戦の星界軍司令官。
しかし実際優秀で引き際や道理も心得ている上に何より強い。彼と副官カヒュールの善後策の問答は漫才のようで人気がある。
「情報局の連中はまさに猫の餌係にうってつけである!」

○スポール准提督
CV:深見梨加
作中の人気人物で、かなりの自信家。門沖戦では偵察(ただし前に「強行」とか「威力」とか付いてもおかしくないぐらい攻撃的)分艦隊司令官の女傑。戦争をしているなかで平然とあくび+鼻歌+「退屈」発言をする。
実力もあり蹂躙が得意。性格もSで、ネチネチいじめるのが好き。ラフィール曰く「陰険なスポール」と「性格のいいアブリアル」はソリが合わないのだとか。こちらも副官クファディスとの掛け合いが人気。
「あなたバカなの?」「それともバカのふりをしてるの?」

○ディアーホ
帝宮で飼われているネコ。ホーリアの娘のザネリアの息子。後にジントが飼う。
ラフィールは遺伝子提供者を知りたがったが、父ドゥビュースは「出生の秘密があった方が子供の人格が豊かになる」と拒否。
しつこく尋ねるラフィールに彼が連れて来たのは飼いネコのホーリア。もちろん冗談だがラフィールは一晩中、自分がネコの子供と思って泣いた。
…と言うエピソードからディアーホをラフィールの甥と呼ぶこともある。

作品内ではアーヴ語という創作言語が設定されており、独特の世界観を醸し出している。以下少々紹介。

【アーヴ語】
平面宇宙〜ファーズ
アーヴが発見した宇宙。平たく言えばワープゾーン。出入口を門〜ソードと呼ぶ。この中に入る艦は時空泡〜フラサスに包まれなければならない。じゃないと死ぬ。

端末腕環〜クリューノ
携帯兼パソコン兼3Dテレビに熱源探知、果ては軍用だと救難信号まで出してくれる未来型チートツール

桃果汁〜ティル・ノム
ラフィールの代名詞。ピーチジュース。彼女はこれを熱くして檸檬〜ロープを浮かべて飲む。作者が「ラフィールの味覚が変わっている」という設定で書いたが実際飲んでみると意外とイケるらしい。

ばか・愚か者〜オーニュ
ラフィールの最終兵器。これを言われると余りの愛らしさに反論出来なくなる。かわいいなぁ。

【用語解説】(戦旗にて確認出来るデータも含む)
◎アーヴ
ざっくり言えば人類に似た種族。元は人類(日本系)によって生み出された遺伝子改造実験体だった。
額に空識覚器官〜フローシュをもち、脳には航法野〜リルビドーがある。

頭環〜アルファを媒体にしてレーダーのように対象を認識することが可能で、だるまさんが転んだにきっと強い。宇宙船を動かせるのもこれらのおかげ。
20歳ほどで成長が止まり老けない。平均寿命が250歳と長生きする。つまり大量のピチピチしたジジバb)…ラフィールが怒って筆者は一陣のプラズマ〜グノーになりました。酒に強くどんなに飲んでもホロ酔い程度。
結婚という制度を持たず、一人の親から子供が産まれる。子供を作る際は、人から遺伝子をもらったりクローンを子供にしたり他人の遺伝子をごちゃ混ぜにしたり。その上で遺伝子調整を行う。
その際にその家系の身体的特徴(家徴〜ワリート)や性格が出やすい。と言うより、むしろ出すことに意義を見出だす。
人類と袂を分かってから2600年もの時間経過や、他と隔絶された生活を長く送ったせいで、現代人とは価値観が激しく解離している。
美形髪が青いなどの特徴がある。
他国家系に「アーヴその性、傲慢にして無謀」と恐怖される。

ただ同時に古(誕生時)の伝統を残していこうという文化もあり、「星界の断章」では伝統の「眼鏡っ娘」体質を代々受け継ぐ一族やBL同人誌即売会がアーブ内に存在することが語られている。



なお第二部「星界の戦旗」は続編が長らく出ないままであったが今年三月に五巻を発売することが決定した。
でもこれで第一部終了だそうで…

2018/09/05に「星界の戦記」の六巻が発売された。

追記修正宜しくお願いします。

「Wiki篭りその性、追記にして修正」

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最終更新:2023年05月18日 13:25