北条晴臣(相棒)

登録日:2011/12/06 Tue 21:32:13
更新日:2024/04/20 Sat 14:17:16
所要時間:約 7 分で読めます





ぞーおさん、ぞーおさん、おーはなが長いのね♪

そォォォよ♪ 短けりゃ

ブゥゥゥゥゥタなのよォォォォォ♪



相棒シリーズには、主役の二人やレギュラー陣の他にも度々魅力的なキャラクターが多く登場する。
その中でも事件の犯人はなおさら視聴者の心に残ることだろう。

「平成の切り裂きジャック」浅倉禄郎、「ウィム・パティオル」でお馴染みの悪魔、村木重雄をはじめとして強烈なインパクトを残した犯人達。
その中にあってなお輝く名悪役。

それが「閣下」こと北条晴臣である。



【閣下のご紹介】

北条晴臣(演:長門裕之)

閣下は各国で大使を歴任した外務省の元エリート官僚であらせられます。

自身を「閣下」と呼ばないと返事も振り返りもしない傲慢なお方です。
自らの地位を笠に着た官僚体質のテンプレの様な老いぼれでいらっしゃいます。
明らかに「地位=自分の力」と勘違いしておいでです。

また、「受けた恩は忘れないけど、受けた仇はも~っと忘れないよ」と自ら言う通りの陰湿さと狡猾さ、残忍さを併せ持っておられます。
さらに、若い女が大好きなスケベ爺で二度の登場回の両方で美女に手を出そうとしていらっしゃいました。


【「相棒」での閣下のご活躍】

・シーズン1 12話(最終回、2時間SP)

「午後9時30分の復讐 特命係、最後の事件」

閣下は11話から続く連続事件の中心であり、特命係誕生のきっかけとなったキーパーソンとして登場されました。
項目最初に書かれている童謡「象さん」の替え歌を歌っているお姿は、演じる長門氏の怪演によりどこか恐ろしさを感じさせる様な不思議な雰囲気でございます。
もちろん、これには意味があり、「自分は鼻の長い『ぞうさん』=絶対的な鼻(権力)を持った王様」であり、
「自分以外の人間は鼻の短い『ぞうさん』=鼻(権力)を持たない家畜のブタ」である事を暗に表しており、自分以外の全ての人間を根底から見下している閣下の傲慢かつ極悪非道な御心の現れなのです

一年前に怪しげな手紙をいただいてから何かに怯えてらっしゃるようですが、
一方で川端蘭子(演:池脇千鶴)という若い女性と暮らしているところを見るとなかなか図太いじじ…いえ、おじいさまです。
ご両親を亡くされた蘭子さんを学費で釣るあたり、流石というべき好色っぷり。ご自分を「閣下」と呼ばせる勘違いっぷ…傲慢さはこの頃から。
警視庁特命係杉下右京警部や亀山薫巡査部長の無礼な態度に憤慨しておられました、特に後者からは顔面に鉄拳を一発喰らわされており、後述の事件でも恨み節を吐いておられました。
15年前に閣下の屋敷での籠城事件のどさくさに紛れて、蘭子さんの父上であり、自身の部下でもあった柳田幹夫氏を殺害した疑惑が浮上しますが…




以下ネタバレ






やはり、柳田氏を殺したのは閣下でした。しかもそれを隠蔽するために、救出のために突入したSATの工藤隊員を殺害し、15年前の真相を知っている人間達を部下の公邸料理人・鈴原慶介(演:川島宏知)*1*2に命じてつぎつぎと殺害するという外道っぷり。
動機は公金横領を告発されたことでした。当時の外務省は見て見ぬふりをし、おこぼれにあずかっていた人も口を閉じました。
そのことを当時の生き残りの萩原壮太氏(演:内藤剛志)*3に白状させられてなお、

あんた…それでも人間かよッ!

俺は、選ばれた人間だ

特命全権大使って知ってるか?ん?

陛下から、国の代表と認められた人間だ!

全ての特権を与えられた選民だよ

お前なんかが気安く口を利ける相手じゃないんだバカ野郎!!

と、「特命全権大使」だの「天皇陛下に~」だの「全ての特権を与えられた選民~」だの戯言をぬかしながらご自身を誇示しようとなさる閣下の醜態に杉下氏は、

愚かな人間が、この世にはいるものですねぇ。おまけに哀れだ。

ああ、おわかりにならないといけませんのではっきり申し上げましょう。あなたのことですよ

と、とどめの一言。

惨めな閣下はついに殺人犯として起訴されることと相成りましたが、
小野田公顕官房室長(演:岸部一徳)、瀬戸内米蔵法務大臣(演:津川雅彦)による超法規的といえる取引で保釈されました。

・シーズン4 1話(2時間SP)「閣下の城」

2年半も裁判を引き延ばし、推定無罪のまま天に召されるおつもりな閣下は77歳の誕生パーティーに、
小野田氏や瀬戸内氏、そして特命係のお二人と帝都新聞記者・奥寺美和子女史(演:鈴木砂羽)をお招きになりました。
「すべてを水に流そう」とは閣下とは思えぬ殊勝ぶりです。


そして、会場である別荘アイアンハート城*4にて、
秘書の郷内繭子(演:高橋かおり)さんと婚約発表なさいました。


しかし、翌日、執事の郷内嵩人氏(演:高杉瑞穂)の遺体が発見されます。
そして容疑者として、繭子さんが逮捕されますが…



以下ネタバレ


犯人はやっぱり閣下でした。

閣下は特命係のお二人に繭子さんを逮捕させた後で自ら真犯人を名乗るおつもりでした。
誤認逮捕した特命係を虚仮にすることで復讐しようとしたのです。相変わらず器の小さなお方です。

しかし、そんなことなどとうにお見通しだった杉下氏に、閣下は逆に嵌められてしまい残していた証拠映像も押収され、ついに逮捕。保釈もパーになりました。これにより、2年半にも亘った特命係との因縁は、特命係の勝利で幕を閉じました。


余談ですが、映像の中の閣下は長門氏の演技もあって腹筋崩壊ものでございます。是非ともDVD等でご覧になってください。

米沢これはこれで、恐ろしいものがありますなぁ…。
芹沢復元しなくていいって言ったのに…

以下さらにネタバレ
実は閣下は繭子さんのお願いで嵩人氏を殺したのでした。繭子さんは閣下の財産と嵩人氏にかかっている生命保険が欲しかったのです。なんという悪女!*5




閣下は拘置所行き、裁判では間違いなく死刑判決が出ることでしょう*6
でも心配はいりません。繭子さんが毎日面会に来てくれますし、判決が出る頃には閣下は天国(地獄?)に行っているでしょうから。

その後の処遇は不明だが、演者の長門氏が逝去したため、おそらく作中でも獄中死及び病死したと考えるのが望ましい。


~Happy End?~







「項目を荒らせ?」
「だって閣下、荒らしなんでしょ?だから、お願い!」
「しかし、今度やったら俺は保釈取り消し、アク禁になるんだ。運営も間違いなく永久追放するだろう」
「新しく荒らしをすれば、運営議論も延びるでしょ?大丈夫よ。追記・修正される前に閣下は天国だわ」

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最終更新:2024年04月20日 14:17

*1 この鈴原という男は超一流のシェフだが、地味に3件の完全犯罪を達成している。「殺し屋に転職した方が良いだろ」と思わされるほどに殺し屋としても優秀。強いて言うなら期間を空けなかった事と仕事をあまりにも完璧に達成し過ぎた事で官房長から疑われる事になったが。

*2 鈴原啓介を殺害したのは後述の萩原。この際に鈴原から木村ら3人の殺害の実行も聞き出している。だが「工藤の言葉で閣下への復讐を考えたなら初手で閣下を狙えば良いし、閣下は鈴原へ元部下達の殺害を指示してたんなら殺さずに捕まえて証拠を掴んだ方が良かったのでは?」という意見もある。

*3 警視庁富士見警察署署長。彼は当時工藤隊員を看取り、亡くなる直前に全てを聞かされていたが、当時の上層部は荻原の報告に取り合わず、また彼自身も出世のため黙殺していた。

*4 実際の収録は弟の津川氏が名誉城主を務めるロックハート城で行われた。

*5 しかし、嵩人氏の保険金は1億円である一方で、閣下の保釈金5億円は閣下の殺人により国に没収されてしまった。もし閣下に殺人を犯させなければこの保釈金もいずれは繭子のものになっていたはずであり、差し引き4億円損したことになる。そのため嵩人を殺させたのが本当に生命保険金だけが目的だったのか、という疑問は残っている。

*6 17年前の事件では柳田氏と工藤隊員を、2年前の事件では木村・山本・田口の殺害を教唆、今回の事件では嵩人氏と、合計6人の殺害を行っている。