ギルド(MtG)

登録日:2012/06/13 Wed 16:55:03
更新日:2024/02/16 Fri 19:02:55
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この記事ではTCG『マジック・ザ・ギャザリング』に登場する数あるギルドのうち、最も代表的なラヴニカ次元におけるギルドについて説明する。



概要

世界の端から端まで都市で覆われた次元、ラヴニカ/Ravnicaを支配する10の勢力。
10のギルドはそれぞれ異なる二色の組み合わせで、色の組み合わせに応じた異なる主義や特性を持つ。

05年世界選手権優勝のデッキの『セレズニア対立』はギルドのカードを多数用いた緑白デッキであったこともあり、
この概念が登場して以降二色の呼称としてギルドの名前を用いることが多くなった。

ラヴニカは先述の通り次元そのものが巨大な都市になっており、他の一般的な次元で見られる自然の森や海といったものがほとんど存在しない。
ラヴニカにおける基本地形は「どこが〇〇(基本地形の種類)だよ」と言われるような絵柄となっており、
例えば島には整備された水路が、同様に森には人工的な緑地が描かれている。
海もとうの昔に埋め立てられたと考えられていたが、ゾノットと呼ばれる陥没孔が開き、地底の海に暮らしていたマーフォークと地上人の交流も始まった。

ラヴニカにおいて10のギルドはそれぞれが市民の生活において欠かせない各種インフラと関わっており、
ギルドとしての野心や方向性は別として、ラヴニカに欠かせない存在であることは間違いない。
また、全ての住人がギルドに所属、あるいは関係しているわけではなく、「門なし」と呼ばれるギルドと縁のない住人たちも居る。

かつてのラヴニカは他の次元と断絶した次元であった言われており、
様々な次元を自由自在に行き来していたプレインズウォーカーも、この次元にだけは入ることが出来なかったらしい。
だが、大修復の影響で全ての次元が影響を受けた結果、ラヴニカもプレインズウォーカー達が行き来できるようになった。

+ 【ラヴニカブロックでの設定、ストーリー】
各ギルドは過去に覇権を争う戦争を行っていたが、約一万年前に魔法による強制力を持った協定「ギルドパクト/Guildpact」が結ばれて以降、
表立った争いは行われていない。
しかしどのギルドも覇権を狙っており実質冷戦状態にある。

ラヴニカ・ブロックではボロス軍に所属するアグルス・コスが、ラヴニカで起こる事件を追っていくが、
様々な黒幕の思惑が絡みあった結果、ギルドパクトが破壊されてしまう。
その後、10のギルドは全てが崩壊したと言われ、ラヴニカ市民のジョークやゲームの中で登場する程度のものとして語られており、
現在のラヴニカを実質的に支配しているのは無限連合である。
という設定だったのだが……

+ 【ラヴニカへの回帰ブロックでの設定、ストーリー】
ラヴニカへの回帰ブロックでは、なんだかんだギルドは衰退はしていたが滅んではいなかった。
まぁアメコミ等ではよくあることですが…

体制に変化が見られるギルドはあるものの、本質はどのギルドも変わっておらず、相変わらずギルド間で睨み合っていた。
そして一触即発の空気が流れる中、イゼット団の長ニヴ=ミゼットによって「暗黙の迷路」を使った競争が提案される。
各ギルドはそれぞれ1名ずつ走者を送り出し競技に参加するが、
走者達とは別にプレインズウォーカーのジェイスやディミーア家のラザーヴが乱入、
ゴール地点でラザーヴに誑かされた走者達が戦いを始めてしまうが、これをジェイスが止めることに成功し、
ジェイスが生けるギルドパクトとしてラヴニカの平和を守る者となった。

+ 【ラヴニカ3部作(ラヴニカのギルド~灯争大戦)での設定、ストーリー】
以前からニコル・ボーラスによって目を付けられていたラヴニカは、着実にボーラスの侵攻が進んでいた。
10のギルドのうち半分がボーラスの手に落ちている。
そしてラヴニカに向けて多くのプレインズウォーカーが集いつつあり、ボーラスとの最終決戦が始まろうとしている。

ギルドの対立関係

各ギルドは自分の色の共通の友好色(赤白であるなら緑)を持たないギルド(赤白であるなら青黒)と敵対している。
  • ボロス軍とディミーア家
  • セレズニア議事会とイゼット団
  • ゴルガリ団とアゾリウス評議会
  • グルール一族とオルゾフ組
  • ラクドス教団とシミック連合
あくまで際立って険悪極まる組み合わせというだけで、ぶっちゃけどのギルドも別のギルドをクソだと思っている。

ラヴニカのギルド間の思想差が非常によく表れているのが《焦熱の結末》というカードのフレーバー・テキスト。
追加コストとしてクリーチャー1体を生け贄にして5点のダメージを飛ばすというものなのだが、このカードのフレーバーを語る一文はギルドの相いれない思想差を物語っている。
ボロスの軍団の兵が見たのは尊い自己犠牲だったし、ラクドスのごろつきが見たのは焼身自殺だったし、イゼットの錬金術師が見たのは失敗した実験だった。

それでもラヴニカを脅かすボーラスに対しては、全てのギルドが一致団結してゲートウォッチとともに立ち向かった。灯争大戦では多色カードであってもテキスト欄に透かしが入っていないことでギルド同士の団結が表現されている。


ギルド一覧

ラヴニカ・ブロック時点ではボロス軍、セレズニア議事会、ディミーア家、ゴルガリ団の4つが上位ギルドと言われ、残りのギルドよりもラヴニカ全体に対する影響力が段違いであった。(ラヴニカへの回帰ブロック以降の勢力図はどうなっているのか不明だが、とある人物の思想的に恐らく影響力の差は縮まっていると思われる。)

アゾリウス評議会/The Azorius Senate

「すべての法を学ぶのに永遠の時がかかるなら、法を犯す時間は残らない。」
配色:白青
ショックランド:神聖なる泉*1
特徴:現状維持の強制、保守的な立法府
社会的役割:司法・立法・法整備
ゲーム上の特徴:予見、留置、附則、コントロール
ギルドマスター:アゾール(創設者)→(幾代か挟まる)→アウグスティン四世→レオノス、別名オビーズ・マルゼディ*2→イスペリア→ドビン・バーン→ラヴィニア(建前上は代理)
主な構成種族:人間/ヴィダルケン/スフィンクス/ホムンクルス

立法府としての機能に特化し、ラヴニカの法整備を生業としているギルド。
官僚的かつ保守的で、限りない現状維持(ラヴニカのすべての住人に何もさせないこと)を実行しようと目論んでいる。
創始者であるアゾールがギルドパクトを生み出し、さらにギルド間のバランスが崩れた時の安全装置を作っており、それに関する話がラヴニカへの回帰ブロックの物語である。なお、アゾール本人は後に意外な形で登場する。
ラヴニカ三部作ではイスペリアがヴラスカによって殺害され、代わりにボーラスが送り込んだドビンがギルドマスターとなった。そのためアゾリウスのカードにはドビンが持ち込んだ飛行機械が見られる。

パーミッションの定番の青白だけあって非常に防御的。手札を減らさずに効果を使用できる予見、クリーチャーを封じる留置といった防御的な能力を持つ。
有名なカードはアウグスティン四世大判事、再誕の宣言、スフィンクスの啓示、拘留の宝球、至高の評決など。

固有メカニズムは「予見」「留置」「附則」。
「予見」は手札から予見カードを見せ、コストを払うことで発動する能力。強力な効果は少ないが、性質上非常に妨害されづらい。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「留置」は、対象のカードの攻撃・ブロック・起動型能力の発動を次の自分のターンまで禁止する能力。
クロックパーミッション・コントロール向きの能力。
ラヴニカのギルドでの新メカニズム「附則」はインスタントだが自分ターンのメインフェイズに唱えるとボーナスを得るというもの。

詳細は個別項目参照。

オルゾフ組/The Orzhov Syndicate

『入館は無料です。必ずご寄付を。』
配色:白黒
ショックランド:神無き祭壇
特徴:黄金による支配、拝金主義
社会的役割:あらゆる商取引・士業・経済や市場の維持・治安維持*3
ゲーム上の特徴:憑依、強請、死後、ライフゲイン/ライフロス/ドレイン
ギルドマスター:幽霊議員オブゼダート*4→ケイヤ→テイサ・カルロフ
主な構成種族:人間/スピリット/スラル

敬虔な宗教の皮を被った拝金主義のギルド。ラヴニカのビジネスにおいてオルゾフの関知していないものは無いと言われる、ざわ…ざわ…聞こえてきそうなギルド。
あと銀行の運営もしている。ただし当然高利貸しで、返済できなければ身体含むありとあらゆる物が取り立てられる。死後に霊になっても返済まで彼らから逃れるすべはない。
逆に寵愛されれば、死後になっても裕福や権力が維持され第二の人生が満喫できる。
ラヴニカ三部作では幽霊殺しを専門とするプレインズウォーカーのケイヤが、幽霊の特使であったテイサと共謀し、オブゼダートを殺害してギルドマスターになった。
新ファイレクシアの侵略戦争後は、ケイヤの侵略戦争時の職務怠慢を告発するという形でテイサがギルドマスターに着任。しかし普段の業務はトミクに押し付けている。

白黒らしくコントロール能力に優れ、徴税はライフドレインという形で再現される。
有名なカードはオルゾヴァの幽霊議員、屈辱、絶望の天使、幽霊議員オブゼダート、オルゾフの簒奪者、ケイヤなど。

固有メカニズムは「憑依」「強請」「死後」。
「憑依」は憑依持ちクリーチャーを場に出し、それが死亡等で墓地に置かれたとき、別のクリーチャーを指定して「憑依」する。その後憑依されたクリーチャーが死亡すると何らかの効果を発動するというもの。憑依持ち呪文もあり、こちらの場合は唱えて解決するだけで憑依できる。
見ての通り物凄く回りくどい上にルールがややこしく、それでいて特に強力なカードも無かったため人気が低い。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「強請」は、強請を持つパーマネントが戦場にいて、呪文を唱えた時に追加で(白/黒)のマナを払うことで1点ライフドレインできる能力。
強請持ちのパーマネントが複数あればその分誘発でき、ライフドレインしまくることができる。
ビートに対する延命にも、コントロールに対するフィニッシャーにもなるので便利。
「死後」は死後Xを持ったクリーチャーが死ぬとXの数字と同じ数の1/1飛行トークンが出てくるというもの。

ディミーア家/House Dimir

「認めるは危うし。認めずば命なし。」
配色:青黒
ショックランド:湿った墓
特徴:情報の掌握、暗躍
社会的役割:報道機関
ゲーム上の特徴:変成、暗号、諜報、ライブラリー破壊
ギルドマスター:ザデック(創設者)→ラザーヴ
主な構成種族:人間/吸血鬼/多相の戦士/スピリット

徹底した秘密主義を取り、一般市民にはその存在は都市伝説扱いされている。情報の操作を武器にラヴニカの完全支配を企む。
ディミーア家の存在が公のものとなった回帰ブロック以降は
  • 案内人、調査員、記者、記録者といった都市機能の一員として、一般市民にも姿を見せる「公然」
  • 工作員、スパイ、暗殺者、精神魔術師らが暗躍する「潜伏」
  • ギルドマスターとその直属だけが知り、痕跡も一切残されず構成員にすら知られていない「内密」
の3段階構造で活動している。
背景ストーリーでも基本的に悪役。だがラヴニカ3部作ではボーラスに対峙する側のギルドとして登場しているのでダークヒーローっぽい雰囲気。最終的にはボーラス側のPW、ドビンと派手にドンパチし彼の視力を破壊した。

青黒らしくデッキ破壊などライブラリー操作が得意で、同じマナコストを持つカードをサーチ出来る変成能力はコンボデッキのお供。
有名なカードはディミーアの巾着切り、不可思の一瞥、ディンローヴァの恐怖など。

固有メカニズムは「変成」「暗号」「諜報」。
「変成」はそのカードを捨てることで同一のマナコストの別のカードをサーチできるというもの。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「暗号」はエンチャント(オーラ)のようになる呪文で、普通に唱えた後、クリーチャーを一体対象にしそれに暗号化(エンチャント)、そのクリーチャーの攻撃が通れば呪文の効果がもう一度発動されるというもの。
アンブロッカルと相性が良い。
ラヴニカへのギルドブロックでの新メカニズム「諜報」は占術の亜種で、ボトムの代わりに墓地へカードを送るライブラリー操作。使う感覚もだいたい占術と同じだが墓地利用との相性はもちろん良い。同セットの再活などともシナジーする。

詳細は個別項目参照。

イゼット団/The Izzet League

「実際に起こす価値があるのは、結果が見えない行動のみだ。」
配色:青赤
ショックランド:蒸気孔
特徴:知識の探求、無謀さときまぐれによる研究
社会的役割:生活インフラの維持管理・研究による成果や副産物
ゲーム上の特徴:複製、超過、再活、インスタントとソーサリー
ギルドマスター:ニヴ=ミゼット(創設者)→ラル・ザレック
主な構成種族:人間/ゴブリン/奇魔/ドレイク

知識の過剰な追求を行う錬金術師や魔術師の集団。その高度な実験の真意は人間を遥かに凌駕する知能をもつドラゴン、ニヴ=ミゼットの大いなる暇潰しに付き合うマッドサイエンティストの集団。
暇つぶしで今日も人が電解される素敵なギルド。
実験から生まれたものがラヴニカの役に立ったりもする。ミジウムという合金はリアル垂涎の超合金。あと水道や電気も彼らのおかげで通っている。
初代ラヴニカでは一部の研究者が騒ぎを起こしていたが、回帰ブロックでは逆にラヴニカを静めるためにミゼット様が迷路競争を提案した。
ラヴニカ3部作では何故かミゼット様が表に出てこなくなったため乳首が指導者として治めている。彼もまたボーラスの息がかかった人物だが、本人はむしろラヴニカ愛に溢れている模様。

青赤は呪文の取り扱いが得意な為か奇天烈なコンボデッキの要になる。
コイン投げなどの博打要素や場に混沌をもたらすカードも多く、カードの名前や印刷自体でもカオスだった。
龍英傑(ドラゴジーニアス)」とか「凍結燃焼(フロストバーン)」とか「宇宙粒子波(コスモトロニックウェーブ)」とかもはや中二感すら感じるカード名の読みがすごい。
有名なカードは火想者ニヴ=ミゼット、電解、ニヴィックスのサイクロプス、弾けるドレイクなど。
イゼットカラーではないがニヴ=ミゼット再誕も有名か。

固有メカニズムは「複製」「超過」「再活」。
「複製」は追加で払ったコストの回数だけその呪文をコピーするというもの。これのついた軽量呪文は非常に使い勝手が良いため重宝される。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「超過」はマナコストを過剰に払うことで呪文の範囲を広げる能力。
ラヴニカのギルドでの新メカニズム「再活」は手札からカードを捨てることによって墓地からもう一度唱える事が出来る能力。ぶっちゃけフラッシュバックだけど再活コストは軽め。

詳細は個別項目参照。

ラクドス教団/The Cult of Rakdos

「万民が苦痛に喜びを見出さんことを。」
配色:黒赤
ショックランド:血の墓所
特徴:殺戮と争乱による享楽、血の祝祭の実現
社会的役割:製造業(主に鉄鋼)・退廃的娯楽・訳ありな揉め事の処理
ゲーム上の特徴:暴勇、解鎖、絢爛、スーサイド
ギルドマスター:ラクドス(創設者)
主な構成種族:人間/デビル/ゾンビ/デーモン

他の全てを犠牲にしてでも自分たちだけのために動き、血や炎や叫び声の享楽を謳うギルド。ギルドの人間すらその犠牲の一部になる。サドマゾ。
結構加入希望者は多いらしいのだが、死亡率の高さ故にちっとも人口が増えない。
団員のための「おもちゃ」を作る職人たちはラヴニカの鉄鋼業界の中核だったり、
馬鹿騒ぎが市民の娯楽になったりとグルールと違ってなんだかんだ貢献もしている。
恐らく、そして唯一ラヴニカ3ブロックを通してギルドとしての体制に変わりがない貴重なギルド。

ゲーム的には、お互いにライフロスしたり手札を捨てたりするスーサイド能力が多く、中でも手札が0枚のとき強化される暴勇能力が特徴的。誰だインフェルニティつったの悪魔火ぶち込むぞ。
有名なカードはラクドスの穴開け魔道士、悪魔火、殺戮遊戯など。

固有メカニズムは「暴勇」「解鎖」「絢爛」。
「暴勇」は手札が無い時に発揮する能力。リスクは高いが効果も強め。のちのアモンケットブロックで「手札1枚以下」という条件を持つカードが登場し、開発部はこれを暴勇になぞらえて「ちょい勇」と読んでいたとか。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「解鎖」は、クリーチャーが戦場に出た時、+1/+1カウンターを1個乗せる代わりにブロックできないようなる能力。
攻める時は鎖を解き放ってカウンターを乗せ、守る時はカウンターを諦めブロックに回せる。
とはいえ快楽のために全てを犠牲にする彼らが守勢になる頃にはたいてい敗勢なのだが。
ラヴニカのギルドでの新メカニズム「絢爛」はそのターン中に相手がライフを失っていれば絢爛コストでそのカードを唱えられるというもの。
単純にマナコストが軽くなるだけではなく、通常よりも重くなる代わりに追加の効果を得るカードも。

ゴルガリ団/The Golgari Swarm

「自然の最も美しい点は流転だね。完璧な連続であり、休むことなき生と死の繰り返しさ。」
配色:黒緑
ショックランド:草むした墓
特徴:死からの再構築、病の散布
社会的役割:社会的弱者への保護・廃棄物処理と再利用・食糧生産
ゲーム上の特徴:発掘、活用、宿根、墓地活用
ギルドマスター:スヴォグサー(創設者)→(間があるか不明)→石の死の姉妹→ジャラド→ヴラスカ→なし
主な構成種族:エルフ/ゴルゴン/クロール(昆虫)/ゾンビ

「死」は自然のサイクルの一部で新たな「生」を生むものとして考えている。疫病を撒いて死体を増やし、それを生き返らせ使役する。
また、ごみ処理や死体処理、貧困者や傷病人への配給など「インフラの末端」も担っている。
指導者が複数人居たり派閥があったり内ゲバに忙しい。ラヴニカ3部作ではボーラスの息がかかったヴラスカが女王として君臨している。…がそれはボーラスの諜殺から彼女を助ける為のジェイスの策であり、最終的にボーラス側と戦う事に。*5
ファイレクシアの侵略戦争では完成化したヴラスカの先導によってファイレクシア側に加担。結果他ギルドから満場一致で非難され、生き残りの大半もギルドを離脱した。
ヴラスカ自身も失踪してしまったため、組織として成り立っているかも怪しい状態にある。

カードとしてはクリーチャーは死ぬのを昼寝くらいにしか思ってないのだらけな設定を反映して墓地関連が豊富。
特にキーワード能力「発掘」はモダン・レガシー・ヴィンテージで活躍する超強力な墓地肥やし能力。
裏の友好色とも言える緑黒の組み合わせなだけあって他のギルドよりも能力が噛み合う。
除去も優秀で、大半のカードに干渉出来る。ほぼすべてのパーマネントに触ることができるので、「裏テーマとして除去があるのでは?」と言われるほど。
有名なカードはゴルガリの墓トロール、壌土からの生命、死儀礼のシャーマン、突然の衰微、暗殺者の戦利品など。

固有メカニズムは「発掘」「活用」「宿根」。
「発掘」は自身が墓地にある場合、ドローする代わりに指定枚数をデッキから墓地に落とすことで墓地から回収できる能力。上述のように墓地回収はほぼオマケで強力な墓地肥やし能力として扱われた悪名高いキーワード能力。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「活用」はマナコストを払い、墓地のクリーチャーを追放することで、そのクリーチャーのパワー分の+カウンターを場のクリーチャー一体に乗せる効果。
クリーチャー版フラッシュバックの変化形とも言える能力。
当然墓地肥やしとも相性は良いが、普通のビートダウンでも、戦闘で死んだ活用クリーチャーをマナが余った時に活用することで有効に使える。
ラヴニカのギルドでの新メカニズム「宿根」は墓地に落ちているクリーチャーの数に比例して利益を得られる今までに比べて随分シンプルな能力語。墓地を肥やすカードとの組み合わせで非常に協力になり得る。

余談ではあるが、
墓地肥やし及び墓地カードの再利用といった墓地アドバンテージに特化し、「発掘」をはじめとする自身で再利用するための墓地カードを増やす墓地肥やしを行えるある程度自己完結した能力のカードデザイン、
そもそも墓地はゲームを進めて行くに連れ自ずと増えていくものといった点もあってか、
  • ゴルガリの墓トロール(ラヴニカ:ギルドの都で登場)→2011年5月19日モダンフォーマット制定時よりモダン禁止指定、2015年1月23日モダン禁止解除、2017年1月20日よりモダン再禁止指定
  • 死儀礼のシャーマン(ラヴニカへの回帰で登場)→2014年2月7日よりモダン禁止指定
と新旧ラヴニカ共にモダン禁止指定を受けてしまうほどのパワーカードを排出してしまったモダンの問題児でもある。死儀礼はレガシーでも禁止された。

詳細は個別項目参照。

グルール一族/The Gruul Clans

「グルール違う?じゃあ死ね!」
配色:赤緑
ショックランド:踏み鳴らされる地
特徴:復讐、文明とギルドの破壊
社会的役割:はみ出し者への受け皿
ゲーム上の特徴:狂喜、沸血、暴動、ステロイド戦略
ギルドマスター:Cisarzim, Lord of Chaos(創設者)*6→(間があるか不明)→腹音鳴らし→ドムリ・ラーデ→腹音鳴らし
主な構成種族:人間/オーガ/サイクロプス/ミノタウロス

文明を忌避し、その場の激情に突き動かされて略奪を行う野蛮丸出しのギルド。ギルドのくせに文明とギルドの破壊が目的。
指導者からの命令は"Crush them!(ぶっ潰せ!)"と"We eat!(みんな食え!)"だけという気持ち良いほどの蛮族っぷり。
次元全体が都市であるため、都市生活に馴染めなかった者達の受け皿にもなっている。
炎樹族ザル=ター等、いくつもの部族が集まって構成されており、その中で最も強い者が全体の代表者となる。
ギルドシンボルとなっているかがり火の様なマークは、グルール内で最大勢力を誇る炎樹族のマークである。
元々はシミックやセレズニアのような自然派ギルドだったらしいが、どんどん都市化していくラヴニカの中で居場所を失い、いつしかこのような蛮族集団になったという。
ラヴニカへの回帰の時点でギルドマスターの腹音鳴らしはやや老いてきていると言われていたが、ラヴニカ三部作ではドムリが腹音鳴らしを倒してギルドマスターになっているが……。

が最終的には 勝手にボーラスを救世主と勘違いし、暴走したドムリを除いて ボーラスを倒すよう一致団結した。しかも負けて権威が落ちた筈の腹音鳴らしを再び族長にし、他ギルドと共闘する熱い展開に。 ただし馬鹿ドムリは除く

ファイレクシアの侵略戦争後は、侵略によって生じた廃墟を占拠することで縄張りを拡大。ただし拡大しすぎたせいで防衛の手が回っておらず、しばしばボロスとの衝突が起きている。

ゲームではとにかく殴るのみ。殴って狂喜してまた殴って押し切るという赤緑らしい脳筋っぷり。まさにステロイドの色である赤と緑なだけはある。暴動と言いながら小回りを利かせる小賢しさ器用さも。
有名なカードは巨大ヒヨケムシ、瘡蓋族のやっかい者、炎樹族の使者、グルールの呪文砕きなど。

固有メカニズムは「狂喜」「湧血」「暴動」。
「狂喜」は相手1人にダメージを与えていると+1/+1カウンターが指定個数が乗って戦場に出る能力。後に吸血鬼系の能力としてラヴニカと関係ない次元でも採用された珍しい能力。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「湧血」はクリーチャーを「巨大化」のようなコンバットトリック呪文にできる能力。
クリーチャーとして唱える時より軽いマナコストを払い、手札から湧血を持つクリーチャーを捨てることで、湧血クリーチャーと同じP/T修正、更にキーワード能力を持つクリーチャーならその能力も追加する。
「呪文を唱える」訳ではないため、非常に打ち消しにくいのが特徴。赤と緑の対抗色であり文明思考の青へのヘイトである。
前のめりなグルールらしく、攻撃クリーチャーにしか使えないので注意。
ラヴニカのギルドでの新メカニズム「暴動」はクリーチャーが速攻か+1/+1カウンター1個を持った状態で場に出るグルールらしからぬ柔軟な能力。

詳細は個別項目参照。

ボロス軍/Boros Legion

「判事どもなら、全部の書類に署名して、それから判決といくんだろう。だが、俺が裁きを下すのは今だ!」
配色:赤白
ショックランド:聖なる鋳造所
特徴:法による秩序と統制、妄信的な執行者
社会的役割:治安維持・警察もしくは軍事的機構
ゲーム上の特徴:光輝、大隊、教導、ウィニー速攻
ギルドマスター:ラジア(創設者)→フェザー→オレリア
主な構成種族:人間/ミノタウロス/天使/ゴブリン

正義の証「炎」と高潔さの証「光」を重視する法の代言者にして軍隊。問題の解決手段は武力武力アンド武力。どこぞの大国みたいなギルド。
普段は警察的な役割を担っている。
ラヴニカブロックの主人公、アグルス・コス/Agrus Kos, Wojek Veteran はここの所属。
ギデオン・ジュラも一時期身を寄せていたことがあったが、方向性の違いから離れることになった。喧嘩別れというわけではなく、灯争大戦で再会した際には再び共闘している。

小型クリーチャーや軽量スペルが非常に優秀。今では「ボロス」はウィニーの代名詞になっている。
有名なカードは稲妻のらせん、ボロスの速太刀、ボロスの反攻者、贖いし者、フェザーなど。

固有メカニズムは「光輝」「大隊」「教導」。
「光輝」は対象にしたクリーチャーと同じ色を持つクリーチャーにも効果を与えられるという能力。ぶっちゃけ地味
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「大隊」は3体以上のクリーチャーで攻撃した時に、パワーが上がったり、キーワード能力が付与されたりといった能力が起動される、という非常にウィニーらしいもの。
ラヴニカのギルドでの新メカニズム「教導」は攻撃時に自分以下のパワーを持つ攻撃クリーチャーへ+1/+1カウンターを乗せる、こちらも集団での速攻を持ち味とするギルドらしい物である。

詳細は個別項目参照。

セレズニア議事会/The Selesnya Conclave

「我ら一人ひとりの中に、我ら全員の力があるのです。」
配色:緑白
ショックランド:寺院の庭
特徴:自然との調和、絶対守護
社会的役割:土木(景観・都市計画)・自然と生物の保護*7
ゲーム上の特徴:召集、居住、トークン生成
ギルドマスター:マット・セレズニア(創設者)
便宜上のギルドマスター*8:不明→トロスターニ→イマーラ・タンドリス
主な構成種族:エルフ/ドライアド/ワーム/ロクソドン(象)

全体主義で共同体であること何よりを重視し、自然と調和しそれを世界に広げることを目的としている。
ただ、ギルド内の中心的人物はいかなる隠し事も許されないなど、全体主義の悪しき面も見え隠れしている。
団員たちは狂信的とも言えるほど慈善活動に勤しんでおり、外部からはやや疑われている模様。
セレズニアに所属するゴリラエルフのイマーラは、ラヴニカに来たばかりのジェイスに施しを与えて以来、ジェイスと親交がある。

緑白なだけあり小型~中型クリーチャーとトークンの扱いに長け、気づいたら戦場がトークンで制圧されていたりする。共産圏はこうやって拡大していくんですね。
有名なカードは番狼、召還の調べ、制圧の輝き、ロクソドンの教主、倍増の季節、ロクソドンの強打者、世界棘のワーム、イマーラ・タンドリスなど。

固有メカニズムは「召集」「居住」。
「召集」は唱える際に任意の数の自クリーチャーをタップし、その数だけコストを軽くしてくれるというもの。
やや攻め手が止まってしまうが、変わりにドでかいクリーチャーがいきなり飛び出してくることも。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「居住」はトークンのコピーを行う能力。
居住を行うコストは低いので、強力なトークンを一体作ってそれをどんどん居住すれば効率良く強力な軍団を作り上げれる。
ラヴニカのギルドでは召集が再録され、召集のためにタップしたクリーチャーへメリット効果を与える召集持ちが登場した。

詳細は個別項目参照。

シミック連合/The Simic Combine

「我々は自然における種族の欠点を排除し、我々自身が設計した能力と入れ替えたのだ。」
配色:緑青
ショックランド:繁殖池
特徴:自然の回復、生命の改良
社会的役割:医療福祉・自然と生物の保護*9
ゲーム上の特徴:移植、進化、順応、+1/+1カウンター
ギルドマスター:シミック(詳細不明)→モミール・ヴィグ→ゼガーナ→ヴァニファール
主な構成種族:人間/エルフ/マーフォーク

ラヴニカに残存する僅かな自然の保護を目的としたギルドで、その研究過程での産物である医療技術でラヴニカの市民生活に貢献している。
しかし保護した生物を改造し、進化の意図的な誘導を行うことが真の目的。
そのせいでシミック所属のクリーチャーは種族がカオスな事になっており、例えば
  • 成長室の守護者エルフ・カニ・戦士
  • 両生鰐クロコダイル・カエル
  • ハイドロイド混成体クラゲ・ハイドラ・ビースト
といった具合。
初代ラヴニカの背景ストーリーでいろいろやりすぎて崩壊しかけたが、後にラヴニカにはいないと思われていたマーフォーク達によって再興された。
ラヴニカ三部作では高まりつつギルド間の緊張の中で、ゼガーナより優れた思想を持つとしてヴァニファールが新たな主席議長となった。

緑青の役割的にはクロック・パーミッションで組まれることが多い。ギルドのテーマとしては+1/+1カウンターを扱う能力が主。
有名なカードは虚空粘、三角エイの捕食者、実験体、ハイドロイド混成体など。

固有メカニズムは「移植」「進化」「順応」。
「移植」は指定個数の+1/+1カウンターが指定個数乗った状態で戦場に出て、別のクリーチャーが戦場に出るとそのクリーチャーに自身の+1/+1カウンターを一つ移動させても良いというもの。
自分のパーツや部位を新しいクリーチャーに追加するイメージだろうか。
ラヴニカへの回帰ブロックでの新メカニズム「進化」は、進化持ちクリーチャーが戦場に居る状態で、自分が新たにクリーチャーを戦場に出し、新たに出たクリーチャーのパワーかタフネスが進化クリーチャーより高ければ進化クリーチャーに+1/+1カウンターを乗せる、という能力。強いクリーチャーに感化されて強くなるイメージ。
ラヴニカのギルドでの新メカニズム「順応」は過去に登場した怪物化に似ているが、条件付きで再度発動が可能になっている。


余談

兄弟作のデュエル・マスターズの十王篇の10チームは「2色構成」「チームごとに固有の能力を持つ」「カードに所属チームのエンブレムが入っている」など、このギルドが原型になっている。



ギルドの都の十個の項目、それぞれが互いを滅ぼし合う。追記、修正が行われギルドパクトが再び蘇らない限り。

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最終更新:2024年02月16日 19:02

*1 フレイバーテキスト「くつろぎの場(ただし許可を持つ者に限る)。」があまりにも有名。

*2 ラヴニカ・ブロックのストーリー「ディセンション」にて、幽霊となったアグルスに体を貸した元アゾリウスの役人。ストーリーでは脇役、カードでは1枚のフレイバーテキストに出てくるだけだが、公式コラムで判明した。当然カード化されていない

*3 意外にラヴニカ社会に問題があると、解決に尽力する事が多い。無論ラヴニカ社会の不和=自分達の金儲けがやりづらいという魂胆込みで。

*4 死後幽霊になった権力者たちの集団で、特定の誰かではない

*5 ボーラスは精神操作やテレパス魔法にも精通しており、二心を抱く事がばれたら始末される為。ジェイスはイクサランで意気投合したヴラスカに、然るべき時に記憶を復活させるよう了解を得た

*6 カード化されていない

*7 シミックと違い、手づかずのまま保護する事を主にしている

*8 普段は表に出てこないマット・セレズニアの声を伝える代弁者が便宜上ギルドを治めている

*9 セレズニアと違い、積極的な品質改良や改造を良しとしている