ゴブナイト (MTG)

登録日:2011/03/28(月) 12:21:49
更新日:2022/10/30 Sun 05:45:01
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ゴブナイトはマジック・ザ・ギャザリングのデッキ。と無色アーティファクトで構成される。


信号の邪魔者(1)
アーティファクト・クリーチャー 邪魔者
喊声 (このクリーチャーが攻撃するたび、他の各攻撃クリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。)
信号の邪魔者は、飛行か到達を持つクリーチャーによってしかブロックされない。
0/1

カルドーサの再誕(赤)
ソーサリー
カルドーサの再誕を唱えるための追加コストとして、アーティファクトを1つ生け贄に捧げる。
赤の1/1のゴブリン・クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。

ゴブリン奇襲隊(赤)
キッカー(赤)
ゴブリン奇襲隊が場に出た時、それがキッカーされていた場合、あなたがコントロールするクリーチャーはターン終了時まで+1/0の修正を受けるとともに速攻を得る。

メムナイト(0)
アーティファクト・クリーチャー
1/1

羽ばたき飛行機械(0)
アーティファクト・クリーチャー
飛行
0/2


オパールのモックス(0)
伝説のアーティファクト
金属術−あなたが3つ以上のアーティファクトをコントロールしている時に使用できる。
[T]あなたのマナ・プールに好きな色のマナ1点を加える。


1ターン目。
山をプレイ。
メムナイトを召喚。
羽ばたき飛行機械を召喚。
オパールモックスをプレイ。
山からのマナで信号の邪魔者をプレイ。
オパールモックスからの赤マナでカルドーサの再誕をプレイ。
羽ばたき飛行機械をリリース。
ゴブリントークンを3体並べます。


2ターン目。
山をプレイ。
赤マナでカルドーサの再誕をプレイ。
オパールモックスをリリースします。
キッカー払ってゴブリン奇襲隊をプレイ。
フルパンチ行きます。
奇襲隊効果でクリーチャー全て+1/0修正と速攻で。
邪魔者効果で邪魔者以外のアタッククリーチャー全て+1/0で
全て通れば25点ダメージです。


以上がぶん回った時のゴブナイトの全貌である。
消費手札が9枚のため、先行だと不可能なコンボだが、ぶっちゃけ回れば勝ちである。

「だけどそんなにうまく回るか?」

という疑問もあるだろうが、この時代の赤といえば
  • 1マナ3点火力 《稲妻》
  • 1マナ4点火力 《感電破》*1
  • 1マナ2/2速攻 《ゴブリンの先達》
  • 2マナでクリーチャーとプレイヤーに同時に3点を与える火力 《焼尽の猛火》*2
と、当時のレガシーに殴り込みに行けるパワーカードが目白押しだった*3
2ターンキルは夢だけど、4~5ターン程度であっさり勝利なんてことは平然とあったわけである。


さて、このデッキの設計思想は非常に単純かつ高潔である。

対戦相手が戦術を組み立てきる前に致命傷を与える

ぶっちゃけ単なる速攻デッキなのだが、その速攻性を極限まで高めるということを、スタンダードという狭い環境でやってしまい、しかもパーツが軒並み安い(後述)。
そのため多くのゴブナイト使いを生み出し、ともすれば「4万円スタート」と揶揄されていた神ジェイス時代を、白ウィニーや黒単除去コンとともに爽やかな風(自称)として吹き抜けていったのであった。
ぶん回った時の気持ちよさは他のデッキでは味わえない。

そしてぶっちゃけ殺しきれなくても、ライフを危険域にさえ持っていけば事実上とどめを刺せているのである。
非常に極端な例だと、相手のライフが残り1という状態ならあとはゆっくりトドメ用のカードを引くのを待てばいい、
一方で相手はフェッチランドを起動できなくなるので無駄牌が増えるし、クリーチャーはなるべくブロッカーに回したくなるので必然、反撃しにくくなり身動きが取りにくくなり、否応なくズルズルと止めを刺される時間が増える。というわけ。

このデッキ必要なカードは、全て揃えるのに一万円程。

このデッキにおける高額カードは
ゴブリンの先達約1000円×4
オパールのモックス約2500円1~3枚
あとはコモンアンコモン、あるいは汎用性の低いレアなので非常に安く組めるのである。
オパールのモックスが高くて手が出ないなら、いっそ別のパーツに変えてしまうという手もあった。
ゴブナイトの最大の強みである速攻性こそ落ちるものの、最大の問題である引きムラをある程度解消する助けになるかもしれなかったからだ。

ゴブナイトは当時、その値段や分かりやすさ、ぶん回った時の凄まじい気持ちよさから、スタンダード当時は初心者にたびたび勧められていた。
当時は神話レアが導入されたばかりであり、神話レアというだけで値段が釣り上げられていた。
《悪斬の天使》《精神を刻む者、ジェイス》《ワームとぐろエンジン》など、高額な必須カードが非常に多く*4
しかも2色土地が安くて1枚1400円程度のフェッチランドという時代である。そのため資金面でのスタンダードへの参入障壁がかなり高かったのだ。
ゴブナイトはその点、オパモ以外のパーツが軒並み安い。フェッチは不要だし、他のパーツも当時は100円もしないカードばかりだった。
設計パーツがよく似ているバーンに組み替えられる点*5や、レガシーに参入できる点*6*7などもそれを手伝った。


ただこのデッキ、初心者には値段と明瞭さが魅力的なのだが、初心者が扱いきれるかというとはなはだ疑問な点がいくつかある。

ひとつが「優秀なカードは確かに優秀だが、それ以外のカードを入れなければならない」という点。
いくらレガシーに殴り込みにいける面子が一通り揃っているとは言え、スタンダードによるカードプールが狭い中でのデッキの下限枚数が60枚である以上、上述の優秀なカード以外にもカードを入れなければならない。
そのためどうしても速度的に劣ったり複雑な運用をするカードというのを入れなければならず、その速度的に劣る、あるいは役割が特殊になるカードをどのように使いこなすかという点をきっちり考える必要が出てくる。
下手にコピーデッキを組んでも、その採用理由が分からなかったり、ひとまず代用品で済まそうとして大失敗したりと、かなり敷居が高い。
このデッキは引きが100点満点なら簡単に使える。引きが10点程度と悪ければ諦める。だが引きが赤点にならないギリギリの程度の場合、どうするかは熟練のプレイヤーでも難しい。

ひとつが「序盤は非常に強いが、序盤で相手を殺しきれないと負ける」という点。
冒頭の2ターンキルだって、最後の最後で単体除去を2回打たれたら*8以降場に残る《さまようもの》と同レベルのクリーチャーとこれから引くカードにすべてを託しながら、ほぼ負けが決まった試合を続けなければいけないのだ
この時代の赤単にはドローソースというものがない。だからもらったリソースを最大限に使いこなす必要があるのだが、そのリソースの割り振り方が問題になるというわけ。
また、ライフを0にすることにこだわるべきか、ライフを致命傷程度で押しとどめていても勝てるか、という相手の見極めも必要になる。
このあたりのセンスを磨くには、ゴブナイトはかなり特殊なデッキである。

そして最大の欠点が究極の速攻デッキの宿命として「とにかく引きムラが酷い」という点。
負けた時に何がいけなかったのかを考えるのもカードゲームの上達のコツだが、ゴブナイトの場合はプレイングのせいなのか引きが悪いせいなのかが本当に分かりづらい。
金田のバイクじゃないけれど、ピーキーすぎて初心者には性能を100%引き出しきれない(引き出せてるかわからない)ってわけ。
そして同じ赤単使いも「そんなのに乗ってる方が気が知れねぇぜ!」と、引きムラが激しいゴブナイトを嫌って、安定性を重視した重めのアプローチにシフトしていることも多かった。


ゴブナイトの弱点としては、小粒を並べて殴るウィニー系のデッキの天敵である全体除去。
特にタフネス1のクリーチャーが並びやすい性質から、2マナの《紅蓮地獄》には極めて弱く、3マナ(X=1)の《黒の太陽の頂点》を打たれても大苦戦必至。4マナの全体除去も、間に合ってしまうと当然つらい。
だがそれは、白ウィニーやエルフのような当時の小粒のクリーチャーを並べるデッキ全般に言えた話である。


ゴブナイトの不倶戴天の敵がこちら。

Kor Firewalker / コーの火歩き (白)(白)
クリーチャー — コー(Kor) 兵士(Soldier)
プロテクション(赤)
プレイヤー1人が赤の呪文を唱えるたび、あなたは1点のライフを得てもよい。
2/2

赤側のあらゆる攻撃手段が効かず、下手に動くと相手が回復してじり貧に持ち込まれる。当時の赤使いに地獄を見せたカード。
出すだけで赤使いは面白いようにピタッと止まる。1枚置かれたら完全に減速、2枚置かれた日には投了。
この時代はゴブナイトの他にも赤単バーンが隆盛しており、白が入っているデッキは対策としてこいつをサイドボードに4枚投入が当たり前。
場合によってはメインデッキから入って赤使いを苦しめた。赤に何の恨みがあるんだ!と叫びたくなるが、まぁゴブナイトに限らず赤単がそれだけ強かった時代なので…*9

何せプロテクションで赤からのまともな攻撃が一切通らず*10
しかもパワーが2と高いのでこちらのクリーチャーがだいたい1体持っていかれて、無視して相手の本体を狙ってもライフ回復が付いているせいで効率が非常に落ちる。

このカードに対する、ゴブナイトを含めた赤使い側の対処方法は大きく分けて3つある。
まず、相手が採用していないことを全力で祈る
もし相手が採用していたら、それを引かれる前に倒せるようにカードを引けることを祈る
そしてもし相手に出された場合、《危険なマイア》などの質が極めて低い無色の火力や、1ターンだけブロックを禁止する《くすぶる尖塔》でなんとか対処する

現実的な案としては一番下のみになるのだが、ゴブナイトの構築思想は『キルターンを極限まで速める』こと。
ぶっちゃけ現状の60枚ですら不純物だらけで嫌気がさすようなデッキなのに、ここにさらに対策カードの対策という不純物をねじ込んで速度を落とすため、強みが完全に死ぬ。

祈る、というのも冗談のように聞こえるが、引きの内容が60点程度でも相手が火歩きを出せなかったので勝つこともあれば、引きの内容が95点でも相手が火歩きを出したせいで負ける、なんてこともある。
そして《コーの火歩き》の存在を抜きにしてもゴブナイトというデッキは速攻を旨としたデッキなので継戦性が皆無である。デッキをどれだけ理想的に組んでも、結局1ターンに1枚のドローの質次第という運が付いて回る。
つまりこのデッキ、使用者は常に引きムラに悩まされる*11
きれいに回れば確かに群を抜いて強い。だがきれいに回らなかったら、あるいは相手の方がきれいに回ったら、このデッキは力不足の紙束なのだ。

今でこそ「捨ててから引く」タイプのドロー(ルーティング)や、「カードを一時的に追放しそこから唱えてもよい期間を設ける」タイプの疑似ドロー(衝動的ドロー)を擁する赤だが、
当時は手札を回転できるドローなんて夢のまた夢。一応《命運の輪》《怒鳴りつけ》のようなカードもあるにはあるのだが特例で、この時期のスタンダードにそんな取り回しのいいドローなんて存在しなかった。

そんなデッキなのだから、対戦相手からは蛇蝎のごとく嫌われる。火歩きで完封できる白使いからも嫌われた。勝てないひがみと言うなかれ、ゴブナイトは本当にそういうデッキなのである

緑青愛好家のトッププレイヤー、清水直樹氏は当時のコラムで赤が嫌いだと明言した上で

「1ターン目《ゴブリンの先達》で攻撃するなんて何も考えてなさそうでエレガントじゃない・・・
 トップした《稲妻》をプレイヤーに打ち込むなんていかにも運任せっぽい・・・
 《コーの火歩き》を出されて投了なんてダサすぎる・・・」

と酷評し、さらにこれをネタ振りにして赤いデッキ構築に挑戦しようというネタから出したのが《テゼレットの計略》(青)という、
何もそこまで嫌わなくてもとげんなりするほどのすさまじい嫌いようである*12
場合によっては使用者にすら嫌われたのだ。引きがまったく安定しない。
「コーの火歩きに当たるだけで盛大に事故って死ぬ、そうでなくとも右手にお願いするようなデッキ」という認識は、実は使用者の方が身につまされて理解していた

時は「ミラディン包囲戦」の時期。
コーの火歩き相手に悶死するのはいやだ…、そうでなくとも引きムラをどうにかできないものか…」と考えたプレイヤーは熱心に研究を重ねることになる*13


アプローチは大きく分けて3つ。

ひとつが、より爆発力を高めるもの。《キマイラ的大群》《壊滅的な召喚》などを用いて、《カルドーサの再誕》+《ゴブリンの奇襲隊》のコンボ性能を高めることで対処する。
さらに《ピストン式大槌》などの特殊な装備品も入れる型もあった。
これは引きムラに対する根本的な解決にはなっていないものの、苦手な相手に対しても速度を落とさずに戦えるという利点を強めた形になる。
弱点は解決しないが、殺傷力を高めてある程度対処」という形。

ひとつが、マナ域を重めに寄せて《槌のコス》《オキシド峠の英雄》などを採用し、継戦能力を高めることで安定性を出したというもの。
もっとも結果を残しているゴブナイトがこちら…なのだが、ここまでくるともう《カルドーサの再誕》パッケージを抜いた赤単にした方が強い、という結論を出すプレイヤーも多く、
そうなってくると「ゴブリンとメムナイトが抜けたのに名前はゴブナイトなのか…」「むしろそれって赤単じゃね?」という話になってくるのだが、とにかくそういうアプローチもあったということ。
弱点を解決したが、兵器としての個性を失った」という形。

そしてひとつが出てくるトークンがゴブリンであることから、《ゴブリンの酋長》のロード能力に着目してゴブリンの部族要素に寄せるというもの。
当時赤の優秀なクリーチャーにはゴブリンが多かった。そして《ゴブリンの酋長》によるロード能力が、5枚目以降の《ゴブリンの奇襲隊》のようにふるまえる。
他にも《信号の邪魔者》と《ゴブリンの戦煽り》など、似たような役割を持たせたカードを採用しやすい。
引きムラ問題が最も解消するのがこのアプローチ。ただしカードパワーは上2つに比べて大きく落ちるため、本末転倒な感はある。
基本セット2012ではまさかの《ゴブリンの手投げ弾》を入手してその弱点も解消した。
弱点を解決し個性も持っているが、肝心の殺傷力が落ちた」という形。


さて、ゴブナイト使いたちが自分なりの答えに向き合った時、そいつらはファイレクシアからやってきた。


Spellskite / 呪文滑り (2)
アーティファクト クリーチャー — ホラー(Horror)
(青/Φ):呪文1つか能力1つを対象とし、それの対象を呪文滑りに変更する。((青/Φ)は(青)でも2点のライフでも支払うことができる。)
0/4
ライフ2点で呪文の対象を逸らし、かつタフネス4。《稲妻》をそらされるし、《ゴブリンの先達》をはじめとしたクリーチャーの攻撃をがっちりブロックされる。ライフで払えるという性質から、どんな色のデッキにも入る。
一般的なゴブナイトがこのカードを倒すためには、ほとんどの場合2枚以上のリソースを割かなければならず、どうしても時間を稼がれてしまう。速度が命のゴブナイトにとっては致命的。
《欠片の双子》デッキをはじめ様々なデッキの対処ができる上に単に壁として優秀なので、メインデッキから平然と入ってくるのも頭痛の種。

Mental Misstep / 精神的つまづき (青/Φ)
インスタント
((青/Φ)は(青)でも2点のライフでも支払うことができる。)
点数で見たマナ・コストが1の呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
1マナのカードに対する強烈なカウンター。ゴブナイトの主力カードには1マナのものが多く、激烈に刺さる。特に《カルドーサの再誕》《ゴブリンの奇襲隊》あたりを打ち消されると悶絶、《壊滅的な召喚》を打ち消された日には即投了まである
ただしスタンダードだと仮想敵がそこまでおらず、採用率自体はそこまで高くないのが救いだった。

Batterskull / 殴打頭蓋 (5)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
生体武器(この装備品(Equipment)が戦場に出たとき、黒の0/0の細菌(Germ)クリーチャー・トークンを1体生成し、その後これをそれにつける。)
装備しているクリーチャーは+4/+4の修整を受けるとともに警戒と絆魂を持つ。
(3):殴打頭蓋をオーナーの手札に戻す。
装備(5)
このカード自体は5マナ。本来ゴブナイトからすればこんなの出されるまでに相手を殺せてないのは引きがひどすぎるせい。引きが酷いのはきっと自分の徳が足りないからだとお百度参りでも考えなきゃいけないレベルなのだが、
こいつだいたい《石鍛冶の神秘家》でサーチされて、その能力で「最速3ターン目から」「2マナの瞬速持ち」のように出てくる。一度でも攻撃されたらライフ4点を回復され、しかも警戒を持っているのでこちらから迂闊に攻められない。
つまり石鍛冶が出た瞬間焼かなきゃいけないのだが*14、その時点で石鍛冶には避雷針という仕事を立派に果たされている。それはそれでゴブナイトの強みである速度が落ちるのでまずい。

ゴブナイトの夢は、ここに散ったのだった。

一応捕捉すると、ゴブナイト自身はそれでもまだまだ全然戦えるデッキだった。《四肢切断》も得たし、相手が勝手にライフを減らしてくれる時代である。
しかしこの時期にもなると、ファイレクシア・マナによる呪文の無色軽量化、メタゲームにおける風当たりの強さなどから、
いわゆる「4ターンで決着をつけることだけを考えた超速攻デッキ」の路線では勝てなくなってしまっていた
その後「超の字がつかなくても速攻は速攻」と、速度を少し落として安定性を高めた赤単が登場。上記アプローチでいうと、継戦能力を高めることで安定性を出した2番目の型が勝ち残ることとなった。
神ジェイスと石鍛冶の禁止以降に頭角を現して猛威を振るい、白系デッキのメインから《コーの火歩き》が採用されるという環境を作り上げた。


このようにスタンダード環境において一世を風靡した「ゴブナイト」。
モダン以下の環境ではさすがに使いづらい…のだが、アプローチこそまったく異なるが、モダンに存在する「8Whack」というデッキが若干近い。
1マナの攻撃的なゴブリンを展開しつつ攻撃し、《壊滅的な召喚》で土地3枚を生贄にして3/3を2体出しつつ浮いたマナで、2種ある奇襲隊を出すと合計10点以上が確定。ゴブリンの手投げ弾で5点を放りこんだりして3~4T目にほぼライフを削りきっているという、超攻撃的な動きをコンセプトとしている。
《カルドーサの再誕》と《メムナイト》こそいなくなってしまったが、頭数を揃えてそれを奇襲隊で走らせるという動き自体は強く継承されている。
また、Pauperでは《ドラゴンの餌》などで頭数を並べつつ奇襲隊で走らせる、という動きを踏襲したゴブリンデッキが存在する。
ここにさらに《羽ばたき飛行機械》+《カルドーサの再誕》を入れた、往時のゴブナイトを思わせるアプローチも可能。
これらのアプローチはまったく主流ではないにせよ、ゴブナイトの思想の根幹である「奇襲隊による速攻」は色濃く残り続けている。




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最終更新:2022年10月30日 05:45

*1 実際には条件達成が必要だが、ゴブナイトならそれも容易

*2 実際には条件達成が必要だが、条件達成した時しか使わない

*3 《感電破》以外はすべて、当時のレガシーのバーンで基本装備として採用されていたし、《感電破》も親和で用いるレシピがあった

*4 当時基準。当時はまだスタンダードのカードなら1枚1000円で十分高値扱いだった。高額カードと騒がれたデュアルランドやタルモゴイフも、1万円を超えていなかったような時代である

*5 ここでは《カルドーサの再誕》パッケージによる速攻性を捨て、赤の汎用的な3マナ以上のカード、《槌のコス》《オキシド峠の英雄》などに変えて継戦性を見据えたもの、といった趣。実際にはゴブナイト、バーン、赤単の区別はかなりあいまいで、よほど変な名乗り方をしない限り名乗った人間によるところが大きかったし、弱点もだいたい共通している。だから赤単使いとデッキ分類厨以外からはほとんど「赤単」扱いだった

*6 当時はモダンという環境はまだなく、スタンダードかレガシーの二択だった。エクテンなんて店舗大会すらなかったし、EDHは当時やっと日本で流行の兆しが見えた程度である

*7 当時スタンダードにあったレガシークラスのゴブナイト・バーン絡みのカードは、対抗色フェッチランドに加え《稲妻》《ゴブリンの先達》《焼尽の猛火》《オパールのモックス》など。レガシーのバーンのパーツで当時高かったものは《Chain Lightning》の1500円程度で、これはあれば嬉しいがなくてもまったく戦える。つまりゴブナイトのパーツをレガシーに流用できて、これも勧めやすい一因だった

*8 2キルではあるが後攻2ターン目が前提のコンボ。《稲妻》《糾弾》《見栄え損ない》《スズメバチの一刺し》など、環境の中で見る除去はたくさんあった

*9 久々の《稲妻》復帰により、当時の赤単は「ミラージュ時代の再来」とまで言われたほどに強かった

*10 当時赤が与えてもらった白対策のカードは軒並みダメージ、つまりプロテクションで防がれるのでまったく通らない

*11 MTGに限らず、海外ではこういった「速攻と脆さを兼ね備えた戦術性」のことを「Glass cannon(ガラスの大砲)」と呼ぶのだが、こういった戦術はえてして評価を二分する。使う側や確実に倒せる側は喜ぶが、そうでない人からすれば「相手の運が悪ければ勝てる」というお祈りゲーになってしまうからだ。イニストラード以降、赤にルーティングをはじめとした小器用な能力が与えられたのは、《石の雨》をはじめとした戦術が排斥されていたことへの補填に加え、このカードゲームの醍醐味たる戦略性に反する「ガラスの大砲」戦術の脱却という意味もある。

*12 このあたりの独特の空気は当時のプレイヤーにしか分からないだろうが、当時トッププレイヤーの間では「赤は格下の色」という認識が強かった。

*13 ここでそれを考えなかったプレイヤーは「新たなるファイレクシア」以降で上級者の養分にされ、その理由に気づくことすらなかった。冗談のような話なのだが、ゴブナイトは引き次第で勝ててしまうデッキなので、大体大会が終わった後に「今日は引きがよくなかった、相手が引きが良すぎた」なんて話で終始してしまう…つまり「実際は的確に対処されていても、それを運が悪いで片づけてしまう」プレイヤーもいたのである。

*14 サーチこそされてしまうが2マナで出されることは防げる