オペラ座館殺人事件(金田一少年の事件簿)

登録日 :2012/06/10(日) 22:21:13
更新日 : 2017/03/22 Wed 20:09:44
所要時間 :約 17 分で読めます





地獄の業火 に焼かれながら
それでも私は、天国に憧れる


オペラ座館殺人事件とは、かつて金田一少年が解決した事件のうちの一件で、金田一少年の事件簿での最初の事件である。
単行本1~2巻に収録。全6話。

アニメ版での容疑者リストは上の段が左から仙道、神矢、早乙女、布施、緒方で下の段が桐生、亮二、日高、黒沢、歌月となっておりバックは薄い橙色。
登場する怪人は「歌月(かげつ)」。


【あらすじ】


美雪に頼まれ不動高校演劇部の合宿に音響係として参加することになった一。
主演女優が自殺した演劇部、その合宿の舞台となる伊豆沖の孤島に建つ曰く付きの洋館オペラ座館…そこで一を待っていたのは血塗られた惨劇だった…。


【以下ネタバレにご注意下さい】




【登場人物】
  • 月島冬子
CV:深見梨加/演:園田亜希子
不動高校演劇部2年。
舞台に立つだけで周りを魅了してしまう才能とスター性に溢れた少女。
「オペラ座の怪人」のヒロイン・クリスティーヌを演じる予定だったが、合宿の1ヶ月前に硫酸を被り、顔に大火傷を負ってしまう。
そしてその数日後…見舞いに来た演劇部員の目の前で冒頭の台詞を語りながら飛び降り自殺した。

  • 黒沢和馬
CV:笹岡繁蔵/演:夏八木勲
オペラ座館オーナー。
その名の通りオペラ座館はなかなかの規模の演劇舞台がある宿泊施設であるが、特に追加使用料金などは取っていないようだ。
「掃除さえしてくだされば、機材は今でも使えますよ(=自由に使ってくださって結構ですよ)」と太っ腹なところを見せてくれている。
人のよさそうな中年男性だが頬に傷痕があり、所々恐ろしい形相を見せる時がある。
なお、4年前に娘が自殺しているが、そのことが後に新たな殺人事件を引き起こすことに…。

  • 日高織絵
CV:永島由子/演:多田亜沙美
不動高校演劇部2年。
Fカップの胸を持つ明るく人懐っこい少女。
時折怯えたような表情を浮かべるが…
第1の被害者で照明(アニメではシャンデリア)に潰され圧死する。 記念すべき(?)作品初の被害者及び女性被害者
ちなみにその時パンチラしている…生きている時に見たかった…

原作では一に興味(好意)を示していたが、アニメ版では船酔いする一に「なさけな~い」と呆れる程度で
一との絡みもほとんどなく、変わりに怯えるシーンや「どうせ私には才能がない」と発言したりと、ネガティブな場面が増えている。

ちなみに、ドラマ版でも彼女の死体のポーズ(左手を宙に伸ばすようにして倒れている)はきっちり原作通りだが、
アップになるシーンを見ると その左手が明らかに動いている。
実際にやってみれば分かる通り、手を中途半端に伸ばした状態で静止させるのはかなり辛いので仕方ないが。

  • 桐生春美
CV:熊谷ニーナ/演:高原遊
不動高校演劇部2年。メグ・ジリー役。
普段は眼鏡に髪を左右に結ってキツイ言動が目立つが、舞台に上がると完璧に役になりきった美少女へと変貌を遂げる。
第2の被害者であり一と美雪に
「この殺人は月島冬子の幻影にとりつかれた誰かの仕業」
と意味深な言葉を残すが、その翌日首を吊っているのを発見された。
死んでいる時Yシャツにパンツ姿で微妙に胸が透けていた…だから生きている時に(ry

  • 早乙女涼子
CV:松井菜桜子
不動高校演劇部3年。
自殺した月島の代わりにヒロインになった、美人でスタイルも良いがかなりキツイ性格の少女。
上手く芝居ができない日高織絵に辛く当たり、終いには「彼女を外さないなら、自分がヒロイン役を辞める」とまで言い出す超迷惑な身勝手ガール。
日高、桐生が殺されていくことに異常とも言える怯えを見せているが…
ドラマ版では鷹島友代が代役となっている。

死の恐怖に対する明らかな怯えを見せ始めたのは、桐生の死体が発見された時。
歌月に襲われた後には、それまでの身勝手な言動やヒステリックな性格もすっかりなりを潜めてしまい
食堂に集められた際の、しょんぼりした様子のアニメ版の彼女は中々可愛らしい。

  • 緒方夏代
CV:富沢美智恵
不動高校演劇部顧問。
妖艶な雰囲気を醸し出す美女。喫煙者。
演劇部顧問としてもなかなか堂に入っており、一に「あのセンセイ役者やな~」と言わしめ、部員たちの評価でも「下手な女優よりよっぽど美人」と一目置かれている存在。
シリーズで最初に一の秘めたる才能に気付いた人。
一のIQが180であることを明らかにした最初の人物(なお、一の担任は最近(2014年)の作品の時点ですらそれを知らなかった)。
3人目の被害者であり、犯人のトリックの鍵を見つけてしまったため殺害される。
死体は全裸にされて浴槽に沈められていた…だから(ry

アニメでは教師ではなくオペラ座館のシェフとして登場、 盗癖があり宿泊客の物を勝手に持ち出す (後で返すとはいえ)という
問題ぶりも描かれたが、一の推理に役だったので、彼女の盗癖に感謝しないといけない…かもしれない。

  • 布施光彦
CV:伊藤健太郎/演:秋山純
不動高校3年。
演劇部部長でファントム役。
イケメンだがキザな性格で、序盤一を馬鹿にしていた。美雪を除く女の子達の前で手品用トランプを使ったトリックでカッコをつけるが、一に女の子達の前でそのタネを暴かれて恥をかいたうえに、一の本物の手品でトランプを股間に突っ込まれるという、さらなる辱めを受ける。
ちなみに、作中で有森が手書きしたオペラ座館の見取り図が登場するのだが、
彼だけ名前が書かれておらずどの部屋に宿泊しているか分からない 。このミスは 文庫コミックスでも修正されていない。
アニメでは月島冬子と恋人同士だったという嘘八百の噂を流していた。
上記のミスに加えてアニメのクレジットでは「布施一彦」と誤表記されるなど扱いが悪い。

  • 有森裕二
演:小橋賢児
不動高校2年。小道具係で美術部にも入っている。
(後の「学園七不思議殺人事件」によると「部活の掛け持ちは校則で禁止されている」らしいのだが、後に美雪もミス研と掛け持ちしていたりする)
一に月島冬子の自殺について教えた人物。今回の事件では半分助手のような役割で一と行動を共にすることが多い。
なぜかアニメでは重要人物のはずなのに存在を抹消され、彼のそっくりさんが登場。
ドラマ版ではこれまたなぜか名前が「裕二」から「裕」に変更されている1。

  • 仙道豊
CV:高戸靖広
不動高校2年。大道具係(アニメでは小道具係も兼任)。
原作では基本的に空気だがアニメでは小道具製作に並々ならぬ(一曰くちょっと病気入ってる)熱意を見せたり、
殺人に関して月島冬子の亡霊が犯人だと言ったりと不気味さが加えられている。

  • 神矢修一郎
CV:高木渉
不動高校2年。照明兼役者。
月島冬子の写真を隠し持っており、それを複雑そうに見ているが…。
アニメでは無愛想なキャラ付けがされている。
アニメでは彼のイニシャルS・Kが出てくるシーンがあるが遠野先輩は関係ない。もしオリエンタル号に乗っていたのであれば乗客リストに名前があるはずだし、悲恋湖に呼び出されているはずである

横浜で開業医をしているオペラ座館の宿泊客。
手術用のメスと鉗子で食事をしたりと、どこか常軌を逸した雰囲気を漂わせる。
後の準レギュラー。
今回の事件でオペラ座館が気に入ったらしく、後のオペラ座館・新たなる殺人でも再び宿泊。そのほか、タロット山荘殺人事件にも登場。
しかしアニメには出てこない。

  • 不動高校の数学教師
名前は正確には不明で、「ノモッツァン」だというあだ名があることが後の事件で判明する。
そしてそのさらに後の事件になるまで、金田一がIQ180であることを知らなかった(今回登場した緒方先生ですら知っていたことなのに)。
この事件の後もたびたび登場する。

  • 月島亮二
CV:堀川亮(現:堀川りょう
アニメ版のみ登場の人物。月島冬子の兄で、演劇部顧問。
「妹のことが心配で恋人ができない」という重度のシスコンであり、死後も妹の日記を常に持ち歩いていた。
有森と同じ顔で、アニメに登場しない彼の代役的ポジション。

  • 歌月
不動高校演劇部が来る前日にオペラ座館に現れた顔を包帯でグルグル巻きにしている謎の人物。
事件発生と同時に部屋に 地獄の業火に焼かれよ というメッセージを残して行方をくらませる。
日高、桐生、緒方の3人が殺害された後早乙女を襲うが失敗、追い詰められた末に窓から海に落ちたと思われたが…
余談だが桐生が殺害される時に彼が眠っている美雪の部屋を覗くシーンはかなり怖い。


【レギュラー陣】
今回が初めての事件となる主人公。
美雪に頼まれて演劇部の合宿に音響係として参加することになる。
今回の事件において、一は「時計とボーガンが行方不明になっている」ということなどから犯人が食堂に時限式トラップを仕掛けたことに気付き、それを逆手にとって犯人の正体を暴く。
だが、初めての事件でそこまで気が回らなかったor犯人の方に細工すれば問題ないと甘く見ていたためか、肝心のトラップ本体を探さずに放置するというミスをしでかした。(謎解きの際に問題のトラップについて「多分こんな仕掛けだろう」と想像で語っている台詞があるため、実は探していなかったことが分かる)
狭い食堂の中、しかも殺害対象となる人物だけを狙える位置となるとかなり限られてくるので、探せばすぐに見つかったはずなのだが…。
さすがにまずかったのか、ドラマとアニメではきちんとトラップを発見して解除している。

幼い頃から、美雪に何かあると、優しく慰めてやる性格だったらしい。

アニメ版では歌月に実際に襲われ、(歌月の演技だったとはいえ)ナイフで刺されそうになっている。

ヒロイン。
場馴れしていないためか、日高の死体を見つけた際に気絶するという今では考えられない姿を見せた(死体が親しい同級生だったことも影響しているかもしれないが)
ちなみに今回の合宿を計画したのは彼女であり、そのせいでこんなことになってしまったと、自分を責めたりもしたが、一に「お前は悪くない、俺が保証するぜ」と慰められ、感謝しながら抱きついた。
ある意味、彼女も犯人の犯行により精神的被害の犠牲になった一人であろう。
桐生の死体が発見される前、部屋に侵入した歌月に首を絞められて殺されかかる。・・・が、実は夢だった。
また、オペラ座の怪人のマスクをかぶった人物が、部屋の窓の外から覗き込んでいるところを目撃。・・・これは現実だった。しかし、上記の悪夢から目覚めた直後だったため、これも夢かと半分思っていて、そのことをすぐ一に伝えなかった。
終盤では、犯人からの脅迫状に怯える早乙女とともに部屋(一か美雪の部屋と思われるが、具体的には不明)にいるところを歌月に襲撃されるが、一と剣持が駆けつけたおかげで歌月が逃亡したことと、元々犯人には美雪や(あの時点での)早乙女に危害を加える気が無かったと思われることから無傷だった。
事件後、一とともに、生まれて初めてだという あること をした。

警視庁捜査一課の警部。
休暇で偶然オペラ座館に宿泊しに来ていた。
無愛想かつ高圧的な態度が顕著で、一を何回もガキ呼ばわりしている。
しかし、ワイヤーをロクに見もせず「老朽化による事故」と判断し、一に指摘されるなど、いい加減な所を見せてしまう。
事件を解決した金田一の推理力を見たことで「大した男だ」と認識や態度を改め、金田一に欠かせないレギュラーになる。






【以下事件の核心】






俺たちは…冬子と俺は愛しあってたんだ
お前らの知らない所でひっそりと―

  • 有森裕二
この事件の真犯人 「ファントム(歌月)」
月島冬子の恋人であった彼は、月島がなぜ硫酸を被ってしまったのか知っていた。
華やかな舞台で輝く月島に嫉妬した早乙女、桐生、日高の3人が服を焦がす程度のイタズラをしようとした末の事故であるという真実を。
しかし3人のことを誰にも言わず許そうとしていた月島の意を汲み、有森も3人を憎もうとはしなかったのだが…。
ある日、外の風に当たろうとしていた有森と月島の耳に聞こえてきた早乙女達の会話が全てを狂わせてしまったのである。

日高「よかったぁ!月島さん、あたしたちのこと誰にも言ってないのね!?」
桐生「ラッキーだったじゃないの」
早乙女「ほら、あたしの言った通りでしょ?

あの子、あくまでいい子ぶる気なんだから
おかげでこっちは助かっちゃったけど~~!!

反省するどころか悪びれもせず月島が入院している病院でこんな会話を交わしていた3人。
それを聞いて3人に怒りをぶつけようとした有森は、その時は月島に止められる形でその怒りを飲み込んだ。
しかしその翌日に月島が自殺し、その時に語られた冒頭の言葉を聞いた有森は決心する。

復讐しかないと…

歌月という異常な殺人鬼の存在を演出しながら日高、桐生、トリックの種を見つけてしまった緒方を殺害。
さらに歌月を死んだように見せかけた後、オペラ座館の食堂では座る位置が決まっていることを利用し、
ボーガンと時計を使った時限式の装置で早乙女を殺そうとする。
が、既にトリックを見破っていた一の細工で自分が早乙女の席に座らされ、更に自分の腕時計の時間をこっそりずらされていたため、
装置が起動するはずの時刻にボーガンを避けるために動いてしまい、犯人が自分であると証明してしまった。
犯行の露見後早乙女をナイフで殺害しようとするが、一の言葉で月島が復讐を望んでいなかったことを悟る。
しかし関係のない緒方まで殺してしまった以上、今更同情の余地など無く自身も早乙女達と同じ穴の狢であると言う現実を悟っていた彼は、ボーガンの射線上に自ら入ってその胸に矢を受けた。
最後はファントムのクリスティーヌへの愛は本物だったと言う一に「お前とはもっと違う形で会いたかった」と呟きながら死亡、その死は一に涙を流させた。
実は両親が離婚していた上に双方とも疎遠な一人暮らしを送っており、ほとんど身寄りのない状態であったことがラストで判明。
それを知った一と美雪はせめて自分たちだけでも、と有森と月島の墓参りをしている。
ドラマ版ではボーガンの罠が解除されていたため、歌月の偽装自殺をなぞるような形で食堂の窓を突き破って崖下の海へ飛び降り自殺している。

原作において、歌月に扮して早乙女を襲撃した際、彼女は美雪と一緒にいた。ここで逃亡して歌月が死んだように見せかけ、最後の朝に殺すつもりでボーガンを仕掛け、「死んだ歌月の罠だった」ということにするつもりだったことから、襲撃した時点では早乙女を殺す気は無かったようである。
襲撃の際、その場に美雪が一緒にいたことについては、多分 予想外 だったと思われる。そこまで計算できるとは思えないし、だいいち、そこで早乙女を殺す気が無かったのであれば、他に誰かがいたとしても結果は同じだから、計算する必要自体が無い。また、誰かと一緒にいたとしても、どっちみち無関係の人間を傷つける理由も意味も無いので、関係無い。
そもそも、場所は一か美雪の部屋(どっちか不明)なのだが、脅迫状を見た早乙女がそこに行くこと自体、予測不能と思われる。早乙女を尾行でもして、どこに行くか確かめてから襲撃したのかもしれない。

なお、オペラ座の怪人のマスクをかぶって窓から美雪の部屋の中を覗き込んだのは、「オペラ座の怪人」になぞらえた殺人であることを暗示するため。美雪の部屋を選んだ理由は不明だが、桐生の部屋の隣で、一番近かったから、という可能性がある。

オペラ座館で起きた3つの殺人事件の内、無関係の人間を殺害し、ターゲット全員を殺せなかったのは有森だけである。
更に余談だが、アニメではなぜか設定が変更されて有森自体がいないため、犯人は別の人物に変更されている。


…クリスティーヌ、君を見つめるたびに僕の胸は苦しくなる…
…あぁラウル、ラウル……私を呼んでくれるの? クリスティーヌと…

  • 神矢修一郎
アニメ版における真犯人。冬子の恋人である点など基本的な設定は有森と同じである。
アニメオリジナルで冬子とのなれ初めが描かれており、喧嘩相手に重傷を負わせてしまったことから「二度と暴力は振るわない」と誓ったものの、
不良少年であった過去から喧嘩を売られ続け、心身ともにボロボロになったところを冬子に慰められたことから彼女との交際がはじまった。
こちらもボーガンの罠が解除されていたため、最期は食堂から逃亡しオペラ座館の屋根から飛び降り自殺している。
(こちらは屋上から飛び降りた冬子の自殺をなぞる形になっているが、直接の死因は飛び降りた際に持っていたナイフが腹部に刺さったこと)

  • 月島冬子
有森の死後、警察が有森の住んでいたアパートを捜索した際、溜まった郵便物に埋もれ、封も切られずに放置されていた一通の手紙が発見された。
それは月島が有森に宛てて書いた遺書…中に書かれていたのは、自分が早乙女達3人への憎しみに心を焼かれる前に死を選ぶこと、
そして有森にも3人を憎まないでほしいという内容。


「有森君もどうかあの三人を憎まないで
いつかまた同じ天国(くに)で暮らせるように……」

一の言う通り、月島冬子は復讐を望んでなどいなかったのだ。

しかしその手紙は、月島の死によって復讐という地獄の炎に身を焼かれ、アパートにも帰らずに彷徨う日々を送っていた有森に届くことはなく…
そういう意味では、この事件は悲しいすれ違いが起こしたものと言えるのかもしれない。

  • 日高織絵
事件後、金田一は日高、桐生、早乙女の3人は月島に対する罪悪感に怯えていたと推理した。
だが、実際にその様な態度を事件前から見せていたのは日高織絵だけである(早乙女の怯えは罪悪感ではなく自分が殺されるかもしれないという恐怖感からくるものだった可能性がある)。
もし、有森が月島の恋人だったことを彼女が知っていれば、結末は変わっていたかもしれない。

  • 桐生春美
第一の事件が起き金田一達と自分の部屋に戻る際「まるで月島さんの亡霊が私たちに復讐してるみたい」と意味深な発言をしている。
やはり彼女も心の奥底では月島に対する罪悪感に怯えていたのだろうか。

アニメ版では殺される前夜の一たちとのやり取りに台詞が追加され、
彼女の月島冬子に対する嫉妬の深さを窺い知ることができるようになっている。
「あたしね、心から冬子の亡霊に会いたいわ。会って言ってやるのよ!
『あなたの隣にいると、死ぬほどみじめだった! この哀しみがあなたに分かる…?』ってね」

月島に危険な悪戯を仕掛け、挙句の果てに死に追いやってもなお、彼女への嫉妬を抱き続けた桐生。
それは罪悪感から逃れるためのものだったのかもしれないが、
その心は憎悪という炎に焼かれた「歌月」の心と同じように、嫉妬という名の地獄の業火に焼かれ、醜く変わり果てていたのかもしれない…。

  • 早乙女涼子
有森のターゲットの3人の中で唯一生き残った。
だが3人の中で月島冬子の自殺に対する責任が一番重いのは間違いなく彼女である。
月島冬子に危険な悪戯を仕掛け、顔に大火傷を負わせた上、月島が入院している病院の屋上で心無い一言を言い放ち彼女を自殺に追い込んだ。
更に月島が自殺した後も周囲の人間を罵倒するなどきつい性格に改善は見られず焦りの色を見せ始めたのは桐生が殺されてからで、犯人からの脅迫状を受け取った時は、一と美雪に相談を持ち掛けた。
公式ガイドブックによると、今回の事件での自責の念から学校を自主退学し、各地の老人ホームを訪問するボランティア活動をしているとのこと。
有森と月島の命日にはいつも墓参りに訪れているらしい。
また剣持警部曰く「月島が硫酸を被ってしまったこと自体はやはり事故だから」と言うことでお咎めは事情聴取のみとなったとのこと。
原作では、事件後、美雪は早乙女が特に罪に問われないことに対して安堵の意思を示しており、有森が自殺して号泣する早乙女に同情する気持ちもあったようだ。

  • 緒方夏代
犯人にとって都合の悪い物を発見してしまい、口封じ目的で殺害された。
この時点で犯人は既にターゲットの3人の内2人は殺し終えており、残るは早乙女のみという状況だった。
つまり先生が殺されたのは早乙女を殺すまでの時間稼ぎの為である。
だが最終的に犯人は早乙女の殺害を断念した。
(犯行時に服に血がついたため)服を脱がされ全裸にされた。が、よく考えると後頭部が割れて大量出血してる時点で溺死に見せかけるのは困難である。
罪も無いのに教え子に殺された時点でとてつもなく不幸なのに、死後、男に全裸にされ、そのうえ複数の人間に裸を見られるという辱めまで受けるという、泣きっ面に蜂どころじゃない子の事件最大の被害者である。

  • 剣持勇
この後、準レギュラー第1号として、一や美雪の良き理解者、協力者となる。
ちなみに、月島の事故の話を聞いた時、「犯人「歌月」は月島の縁者か親しい知人で、彼女の自殺の理由を何かで知り、復讐のチャンスを狙っていて、合宿のことをかぎつけ、前日にホテルにチェックイン。「オペラ座の怪人」になぞらえて月島の無念を晴らそうとしている」と推理。実際のところ、この推理は、 大部分が当たっていた


【原作との違い】

原作では第一話なのだが、ドラマ・アニメ版ではなぜか『学園七不思議殺人事件』にその座を奪われている。

◇ドラマ版
  • 演劇部が月島の自殺によって原作以上に部員不足に陥っており、ミス研に助っ人を頼んだという設定に変更。
    • そのため、鷹島が早乙女、真壁と佐木が神矢及び仙道の代役となっている。だがその鷹島は後の事件にて、金田一少年の事件簿シリーズ史上最もカオスなキャラになってしまうのであった・・・
  • 結城先生は登場しない。
  • 日高達3人が月島にした悪戯は月島を理科室に呼び出し、お化けに仮装した日高達が月島に糸が出るスプレーを吹きかけたに変更。
  • 『オペラ座の怪人』のヒロインの名前の発音を、原作で採用されていた「クリスティーヌ」から「クリスチーヌ」に変更。
  • 黒沢が月島冬子の演劇の師匠であった設定が追加され、月島の復讐を行う歌月の罪を被ろうとする。
    • 「近年の台本ではファントムの台詞にある『地獄の業火』が『地獄の炎』に変更されている」という設定になっており、
      黒沢が諳んじて見せた「『地獄の業火』に焼かれながら」という台詞と、歌月が残した「『地獄の炎』に焼かれよ」というメッセージの違いから、
      一が黒沢の無実を見抜く流れとなっている。
      • ただし、一が黒沢が無実であることを証明するシーンがあるのはディレクターズカット版のみであり、テレビ放送版ではカットされている。
        そのため、剣持警部たちと黒沢が一緒にいる間に歌月による鷹島襲撃事件が発生したことで黒沢への疑惑が晴れる流れとなっている。
  • 月島冬子の遺書は黒沢に送られている。
    • 有森については「ある人」と名前をぼかした上で触れられており、
      「鷹島たちについて話してしまったことを後悔している」「いつか天国で結ばれたい」と書かれていた。
  • 日高殺害の捜査の際、観客側にいた美雪が緞帳の向こうの舞台側にいる一に声をかけており、一がその事で日高の殺害トリックに気付く。
  • 犯人の最期を変更(前述)。

◇アニメ版
  • 前述のように犯人が変更されている。
  • 有森裕二は登場せず、デザインのみを引き継いだオリジナルキャラとして月島亮二が登場する。
  • 桐生春美の学年を3年生に変更。
  • 緒方夏代の設定を演劇部顧問からオペラ座館のシェフに変更。
  • 結城先生・剣持は登場しない。
  • ファントムのデザインが劇場版準拠に。
  • 日高織絵は舞台照明ではなくシャンデリアの下敷きになる。また、半ば脅迫めいた形で劇場に呼び出され許しを請うシーンなどが追加されている。
  • 中盤、一が緒方が持ち出した月島冬子の日記を発見し、そこに恋人の名前が「R」と伏せて書かれていたことから、
    唯一イニシャルに「R」の含まれる月島亮二に疑いの目を向ける。
    • 実際には、「R」は恋人本人ではなくクリスティーヌの恋人である「ラウル(ラウル・シャニュイ子爵)」のイニシャルから取られたものであった。
  • 全裸など肌の露出が激しい被害者の死体シーンは全て服を着せるなどの配慮がされている。
  • 美雪が使っていた部屋の2階は空き部屋になっている(原作では緒方が使っていた)。
  • 一と美雪が舞台の緞帳の実験を行う際、一が美雪の下着を言うシーンはカット。
  • 犯人の最期を変更(前述)。



◇余談
事件の発端となった、月島冬子に対する「悪戯」には硫酸が用いられたが、硫酸は当然のごとくきちんと管理をしなければならない毒劇物に指定されている。
早乙女ら一般生徒が持ち出せるのも論外だが、
月島が浴びた硫酸の瓶のように「鍵の開いたガラス戸の棚の上段」に配置する不動高校も管理責任を問われるべきである。
(普通は鍵のかかる暗室の倉庫に、それも地震等で転倒した際に割れないようにするために、なるべく床に直置きにする)
ある意味、真の事件の発端は不動高校と言えるかもしれない。
さすがに劇薬管理の杜撰さが酷すぎると判断されたためか、アニメ版では、
「早乙女たちが硫酸の瓶を持ち出したあと、それを机の上に置きっぱなしにしており、月島が転んで机にぶつかった拍子に瓶が転がり落ちた」
という流れに変更されている(前述のように一般生徒が教師の監督なしに劇薬の瓶を持ち出せたこと自体も問題だが、そこは話の流れ的に仕方ないだろうし、もしかしたら何らかの方法で盗み出した可能性もある)。



追記修正は緞帳を下ろした後にお願いします。

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