スピリタス

登録日:2012/01/13(金) 08:35:36
更新日:2024/04/04 Thu 13:24:09
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当記事は飲酒を勧める物ではありません!!
また、20歳未満の飲酒は法律で禁じられています。


──心。精神。魂。気迫。
それは、生命の水──


概要

『スピリタス(spirytus)』とはポーランド原産のウォッカ、広義では蒸留酒全般(スピリッツ)を指す言葉である。
ただ、問題があるとすればそのアルコール度数…、

なんと、アルコール度数96度である。

なんと、アルコール度数96度である。


数字から分かると思うが、世界一アルコール度数の高いお酒である。


原材料は良質なライ麦やジャガイモで、それらを蒸留すること70数回、この96度という度数をつくりあげた。

「あれ? 70回で96度だし、100回ぐらいすれば100度逝くんじゃねw」
とか思う人も居そうだが、実際にはこれ以上は無理なそうだ。
詳しいところは共沸、で各自調べていただきたいが、まあ要するにアルコールが揮発する温度では水も蒸発するから蒸気の中に混在するってだけなんだがな。
風呂だって湯気だらけだろ? 40度やそこらでも。
100%をやりたければアルコールを結晶化するしかない。

ちなみに、有名所で次に高いのは、ブルガリア原産の「バルカンウォッカ」で88度
ワールドランキングだとこれも5位だけどね

飲み方等

さてさて気になるお味などに関してだが人によって違うかもしれないので、本家様のものを借りるが…

『味は、初め刺すような痛みと強烈な焦燥感があるが、それを過ぎると甘く感じる。』

とある。
よく分からない?

「the アルコール」
とでも言っておこうか。
消毒用アルコールよりもアルコールしてます。飲み物じゃねぇよ、となる感じ。
参考までに、一般的な消毒用エタノールのアルコール濃度はおよそ70~80%前後である。つまり、このお酒をちょっぴり精製水(コレ大事)で薄めれば消毒用エタノールの代用にもなっちゃうのだ*1
普通に消毒液買った方が安いけど。

ただし、それはストレートで飲んだり割合を間違えたときなど。
普通の人はストレートで飲んだりせず、カクテルなどのベースにする。

本家様曰く、

『原産国のポーランドではウォッカとは別の種類の製品であり、狩人が携帯して森で手に入る水を混ぜて飲んだり、家庭用消毒薬として戸棚に常備したり、
家庭でチェリーなどの果実を漬け込んで果実酒を造るのにも使用され、そのまま飲む習慣はない。』

原産国さえそれである。
ストレートはおすすめしない
というか普通の人なら一口含んだ瞬間に口が焼け付いて飲めたもんじゃない。
ごくごくメジャーな蒸留酒でも焼酎で25度、強いウイスキーでも約40度が上限。
これでもストレートを飲めるのは余程飲み慣れたか生粋の呑兵衛レベルの人間なわけで…。

どうしてもストレートで飲みたいのであれば、キンキンに冷やすことで多少は飲みやすくなる。零度やそれ以下まで。
純アルコールの凝固点は-140℃以下なのでそれ以下でも凝固はしないが、冷たすぎて飲みにくい。というか凍傷になる。
飲みやすくなるが、飲みやすいということはたくさん飲むという事態につながり…死ぬぞ?脅かしでも誇張でもなく。

どちらにしろ、 一気飲みしたり、ノリで人に飲ませるような代物では、断じてない *2
特にアルコールに弱い人に飲ませるとごく少量でも即刻急性アルコール中毒などで死なせてしまいかねない。
もう一度言う。悪酔いするとか体を壊すとかそんな次元の話じゃない。
死 に 至 り ま す  。 

カクテル用に使う方は果実酒を作ってみるのも良いかもしれない、アルコール度数が高いので漬け込みが早く済む。

ちなみにショットグラスに注いだスピリタスにタバスコをお好みでぶちまけてから飲むメラゾーマというカクテルが存在するが、常人に飲むことはまず不可能。
下手に手を出すと地獄を見ることになる。

また、そのアルコール度数ゆえ飲むときは火気厳禁。実際に、国内でも火事が起きているので注意がいる。
喫煙者がいる場合やバーベキューや手持ち花火をやる時に持ち込む場合は特に注意した方が良い。
というか、普通のエタノールと同じ扱いをするべし。

YouTube等には口に含んで、霧吹き状に飛ばして引火させ…
汚物は消毒だ~!!
みたいにしてたりする動画があったりするが、
大変危険なのでやめましょう
口の中身に引火して大火傷する可能性があります。

また、純度が高すぎて揮発性も強い。開封しっぱなしにして一晩放置すると半分以上が蒸発する。


「スピリタス…

アルコール度数96%の強烈な酒だ…

わかるよな?

そんな酒が気化しているそばで 煙 草 な ん か 吸ってるとどうなるか…」

ボンッ!!

とかやって黒の組織の幹部から逃げるのに使ったりした。
他に小学シリーズに連載されてた番外編のサーカスの話では、アルコールの“燃えやすく凍りにくい”性質を利用し、
箱の外側を凍らせて脱出不可にして中を燃やして焼殺した事件まであったりした。

「スピリタス…確か親父が愛飲していた酒…!」

余談

人体に直接かける用法で使う消毒用アルコールは70度前後である。
それより度数が高いと雑菌も殺せるが、人体の細胞も侵してしまい、かえって治癒の妨げになる。
しかし、度数が低いと殺菌力が弱い上に、細胞にもある程度はダメージを与えてしまう。
もし酒場で怪我をして手元にスピリタスしかない場合は、うまく薄めて70度にしよう。
それができないんだったら酒よりも水道水で傷口を洗うだけの方がマシだぞ。

最後に、このスピリタスはアルコール度数の極めて高いお酒で、ストレートで飲む事を想定したものではありません。
飲み会のノリ、酔った勢い、自棄飲み等のせいで過剰な量を摂ったり、一気飲みは命取りになります。つか死にます。
急性アルコール中毒等で死にたく無ければ、他人を殺したくなければそこの処を肝に銘じてください。




追記・編集はスピリタスで酔わない方がお願いします。

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最終更新:2024年04月04日 13:24

*1 「薄めなくてもそのまま使えばいいじゃないか」と思う人もいるだろうが、エタノールは濃度60~75%前後の範囲でないと殆ど殺菌効果を発揮しない為、スピリタスの場合は薄める必要がある。

*2 ほかの酒でも飲む事を強要させるのはダメだが。