スパゲッティ(パスタ)

登録日:2011/12/16 Fri 14:35:58
更新日:2024/04/12 Fri 19:30:13
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こいつにスパゲティを食わしてやりたいんですが
かまいませんね!!



スパゲッティとは、イタリアのパスタの一種で、紐のように細長いものを指す。
パスタとは小麦粉を捏ねて作られた食品の総称であり、スパゲッティもマカロニやラザニアなどと同様に数あるパスタの一つ。
なのだが日本人は「パスタ」と言われるとこれを思い浮かべる。実際、本場イタリアでも食べる頻度は高い。

概要

ロングパスタの一つで、太さが変わるとスパゲットーニ、スパゲッティーニ、フェデリーニなどの別種となる。
ロングパスタのバリエーションはかなり豊富であり、太麺からそうめんサイズ、さらに断面形状も円形、平打ち、管状など多種多様。
そのなかでも直径1.9mm前後で断面が円形のものがスパゲッティと呼ばれるが、統一基準がないため製造メーカーによって微妙に差異がある。
また国内では大抵の人にはロングパスタ=スパゲッティと言われるため、国内メーカーも「スパゲッティ・太さ○番(フェデリーニ)」や「太さ○○㎜スパゲッティ」のように表記している事が多い。
案外、スパゲッティと言われているものを一纏めにパスタ(麺)と呼ぶのは、迂闊にスパゲッティと言うよりも実は正しい…時もあるのかもしれない。

起源については定かではないが、紀元前4世紀のエトルリア人の墓から出土したスパゲッティの遺物がある。
マルコ・ポーロが中国の麺料理に倣って作ったと言う説があるが、これは歴史的事実の無い俗説であり、大きな誤り。

中華麺は、数百年前の中国の一寒村の生活史に、山より湧き出る水を使ったら、
井戸水を使った麺とは異なる麺が出来たのが由来とされており、直接の接点は無い。

18世紀の頃のナポリ国王フェルディナンド4世はどこで味を占めたのか、これが好物だったが、当時のスパゲッティはトマトジュースやチーズをかけて食される庶民の食べ物であった。
16世紀の頃からイタリアやフランスでフォークが使われる様にはなっていたが、スパゲッティをフォークに絡めるという事が無く
(初期のフォークは2歯、もしくは3歯で、今みたいに弓状にもなっておらず主に取り分け用)、手掴みで頭上まで掲げ、口を上に開けて食べると言う、
当時の価値観でも非常に見苦しい食べ方をしなければならなかったので、とても王侯貴族のテーブルに出せる代物では無かった。

ナポリ国王は、宮廷で毎日スパゲッティを食べられる様に指示したが、上品に食べられるようにと王妃マリアが料理長に命じて、
取り分け用のフォークを食器として使わせる事となった。この時、先の長い3歯のフォークを元に更に扱いやすい様に先が短くて4歯のフォークとした。
スパゲティには欠かせない弓なりのフォークが一般的になったのは、更に遅れること19世紀初頭である。

なお、スパゲッティを蕎麦よろしく音を立ててすするのはマナー違反である。
ラーメン文化に慣れたシェフや食通の中にはパスタもすすって食べたほうが旨いという人もいるらしいが、行儀が悪いという認識はある模様。

あと向こうではスプーンを使うのは子供だけと思われているので、イタリア行ってスパゲティを頼むとスプーンは基本的についてこない。
別に日本で使う分には全く問題ないが、念のためにフォークだけで食べられるようにしておくのがベターだろう。
なおパスタ料理はイタリアではスープと同じ扱いである。


■主なスパゲッティ料理

◆ラグー・アッラ・ボロネーゼ
肥満の街ボローニャ産まれの、挽き肉とトマトのパスタ。いわゆる「ボロネーゼソース」。
ラグーとはフランス語で「煮込み」という意味で、要するにボローニャ風の煮込みソースという意味になる。
ボローニャ住まいの金持ちがフランスのラグー料理に着想を得てお抱えの料理人にワインや野菜、肉をたっぷり使って作らせたのが起源なんだそうな。
因みに本来はタリアテッレ(卵を使った平打ちのパスタ)と和えた物をスパゲッティ・ボロネーゼ(ボローニャ風スパゲッティ)と呼び
実はよく見る乾麺の細いスパゲッティと和えた物は厳密にはボロネーゼではない。
もっとも最近はイタリア本国でも広まりつつあるようだが。

アメリカのミートソースのきっかけとなったが、トマトを煮込まずに風味付けに最後に加えるので、ちょっと酸味がある。

ミートソース
↑と似て非なるもの
一番の違いはトマトの使用量。新大陸アメリカ原産のトマトはイタリアでは貴重だが、アメリカに移住した人はふんだんにトマトをソースに入れることができる。
元はアメリカに渡ったイタリア系移民が作り始めた物が広まったらしい。
日本ではスパゲッティといえばこれかナポリタンがイメージされるほど代表的な存在である。

カルボナーラ(炭焼き風)
玉子と生クリームとベーコンのパスタ。ベーコン大活躍。ベーコン万歳。黒胡椒とパルメザンチーズの風味もいかす。
ただし本場イタリアでは気分的にあまり好まれていないそうな(アメリカ軍に占領されてた際、兵士の持ってた食料から誕生した為)。

ペペロンチーノ
ニンニクオリーブオイル、唐辛子のシンプルなパスタ。
正式にはアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノと言う。
アーリオはニンニク、オーリオは油(特に指定がなければオリーブオイルを指すことが多い)、ペペロンチーノは唐辛子を指し、すなわちそれらを用いて作ったパスタということ。
イタリアでもパッと作れる家庭料理。だがそれ故にレストランのメニューにはのらない
現地でもいわゆる節約料理のようなイメージで見られており、
素寒貧でも安く手に入るこれらの素材だけで作れるという意味を込めて絶望のパスタと呼ばれるんだとか。
口が臭くなるので噛むブレスケアとセットで頂こう。油を使うのに実は意外に低カロリー
消化も良く、すぐエネルギーになって体も温めるので、ダイエット中の女性や冬場には嬉しい逸品。

◆ボンゴレ
二枚貝を使ったパスタ。
よく見るトマトベースの物は「ボンゴレ・ロッソ」(ロッソは「赤」を意味する)。トマトを使用しない物は「ボンゴレ・ビアンコ」(ビアンコは「白」の意)と呼ばれる。
また、後述するペスト・ジェノベーゼを使った「ボンゴレ・ヴェルデ」やイカスミを加えた「ボンゴレ・ネッロ」といった派生料理も存在する。
貝からでた濃厚なダシの旨味がたまらない。
大抵スープスパ。
アサリやハマグリを使った物が伝統的にボンゴレと呼ばれ、ムール貝(ムラサキイガイ)等を加えたものはフルッティ・ディ・マーレと呼ばれる事が多い。

ペスカトーレ
漁師風という意味。
漁に出た漁師が本命の魚を獲る途中で釣れた雑魚や外道等をまとめてトマトソースでごった煮にして食べたのが由来。
日本的にはイタリア版あら汁といったところか。

イカスミスパゲッティ
おいピーーーィです
ネーロともいうんだよジョセフ
新鮮な魚介類が特産の「アドリア海の女王」ことヴェネツィアの名物料理。
同地の料理には同じ地中海に面したスペインの地中海料理と多くの共通点を見いだすことができ、古くから文化的交流があったことを感じさせる。
イカスミの黒で分かりにくいが、実はトマトベースのパスタ
スパゲッティだとソースが跳ねて服が汚れるため、どちらかというとショートパスタや、パスタではないがリゾットなどで好まれるソースである。

◆プッタネスカ(娼婦風)
オリーブとアンチョビ、ケッパーで塩味を効かせ、唐辛子を加えて仕上げたトマトベースのパスタ。
一皿でさまざまな酸味を味わうことができ、アンチョビの旨味と塩気、唐辛子の辛さも手伝って一口食べるごとに食欲が増す。
尖った味なので多少好みが分かれる料理ではあるが、一度ハマればちょくちょく食べたくなるような癖になる味わい。
客商売で忙しい娼婦が仕事の合間に手早く作って食べた賄いが由来という説もあるが、実のところ正確な起源はよく分かっていない*1
ナポリにおいては「マリナーラ」と呼ばれる。同地方の文化では魚介類を使ったパスタに粉チーズを掛けるのは邪道だとされているため、
代わりにオリーブ油で炒めたパン粉をかけるのが一般的。
ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』でトニオ・トラサルディー虹村億泰に出したスパゲティはこれである。
なお、当然ながらスタンド使いではないシェフに作られたこれは実際に食べても虫歯が勢いよく抜けて瞬時に生え変わるということはない。

◆アラビアータ(おこりんぼ風)
唐辛子を強く効かせたトマトソースパスタ。唐辛子を多めに入れる点を除けば、使う食材はプッタネスカとほぼ一緒。
アンチョビを入れずにニンニクと唐辛子だけでシンプルに仕上げるレシピもあり、とりあえず唐辛子の辛さと風味が強調されてさえいれば、概ねアラビアータの範疇に入ると思われる。
辛さが足りなくてもアラビアータだと言われればアラビアータだし、激辛でもプッタネスカだと言われればプッタネスカだと言えそうなくらいには区別は曖昧。
観測されるまではただのトマトソースパスタであり料理名は確定しないのである。
スパゲティではなくペンネを使う場合は「ペンネ・アラビアータ」と呼ばれ、比較的こちらの名前のほうが聞き慣れた呼称かも知れない。
一応断っておくが、「ペンネ・アッラ・プッタネスカ」という料理も存在するため、使用するパスタの種類で両者を区別しているわけではないようだ。
「アラビアータ」は日本語での呼び方であり、本来はall'arrabbiata(アッラッビアータ)(イタリア語で「怒り」を意味する)と読むのが正しい。地名のアラビアとは関係ない。
食べると唐辛子の効果で顔が赤くなるためこの名前が定着したらしい。

◆ジェノベーゼ
ジェノバ地方名物の、バジルと松の実、(粉)チーズをふんだんに使ったソース「ペスト・ジェノベーゼ」を絡めたスパゲッティー。
非常に長い歴史のあるソースであり、その起源は9世紀ごろにまで遡るとされる。
イタリアでは原産地名称保護制度により極めて厳密に材料と調理法が定められており、この基準に合致した物しか「ジェノバ」の名を名乗ることが許されない。
そういった事情があるためか、ジェノベーゼとほぼ同じレシピで作られたパスタソースが単に「バジルソース」と称して売られていることも。
コスト削減のためか松の実の代用品としてカシューナッツが入っていることも。……まぁ、ただの「バジルソース」ですから。

少々まぎらわしい話になるが、日本では「ジェノベーゼ」といえばバジルを用いた緑色のソース(ペスト・ジェノベーゼ)を指すことが多い。
しかし、イタリアではタマネギと挽肉を中心とした茶色のソース(ジェノベーゼソース)を指す。
ジェノバの名はあくまで地名であって、バジルペーストの意はむしろ「ペスト」の部分にある。
前者は Pasta al pesto genovese (ペスト・ジェノベーゼのパスタ)で、後者は Pasta alla genovese (ジェノベーゼソースのパスタ)とされ全く別の料理である。

◆ポヴェレッロ
卵を使用したパスタ料理。店のメニューには無い貧乏人のパスタその2。TKGならぬTKP。さすがに生卵をぶっかけて混ぜたりはしない。
麺以外の主な材料は、卵、(粉)チーズ、ニンニク、油、塩、胡椒、ハーブ類くらいのもので非常にシンプル。もやし炒めと大差ない。
卵を2個使うレシピが多く、あらかじめ目玉焼きを2つ作り、1つは崩して麺と絡め、1つは麺の上に乗せる。卵の固さはお好みで。
チーズを入れないレシピや目玉焼きを乗せないレシピも存在する。
……というか、家庭料理なので特にこうしろというような決まったレシピはない。たとえ素人だろうがいくらでもspaghetti del poverelloを名乗れる。
いずれにせよ、卵を使っているためボリュームがあり、淡泊なリッチな味わいになっていてコストの割には満足感がある。
途中で飽きてきたらタバスコでもかけて食えばいい。


■和風パスタ

日本人も麺料理大好き民族故か、スパゲッティを気に入ってしまい、様々な料理を編み出した。
大半の和風パスタは東京・渋谷(宇田川町)に本店を構える『壁の穴』が発祥で、現在では海外でもローカロリーで人気を博している。
これらはお箸で食べてもいいが、横文字料理でも、お箸のマナーは守ろうね。

◆タラコスパゲッティ
たっぷりタラコと海苔のパスタ。
「壁の穴」の常連だったNHK交響楽団のメンバーがキャビアを持参し、スパゲティにのせてくれといったことがそもそもの始まり。
タラコを生クリームで溶いたタラコクリームスパゲッティも素敵。少しピリッとした明太子も美味。
刻んだネギやタマネギを加えたり、(おそらくクリームの代用として)バターやマヨネーズを加えるレシピもある。
本物のタラコから作るとなるとかなりの手間になるが、昨今はレトルトで簡単に作れる。
家庭で作る場合は、材料を一通りボウルに突っ込んで茹でたパスタと和えるだけなので、タラコor明太子の身をほぐすのが面倒臭いが言うほど難しい料理ではない。

◆きのこスパゲッティ
和風のスパゲッティの中ではかなりメジャーな具材であるキノコ。
ぶなしめじ、舞茸、エリンギなど歯ごたえと存在感があるキノコをたっぷり入れ、
日本特有の文化である出汁を存分に効かせて召し上がる。まさに和洋の織り成すコラボ。
バターで味付けをするタイプもあり、こちらは風味が洋風になる。
上記のタラコスパゲッティと融合させてもなかなか美味しい。
手抜きでお手軽に作るなら、ありあわせのキノコとお吸い物の素(とお好みでバター)で妥協してもそれっぽいものにはなる。
この調理法、永谷園も自らテレビCMや公式サイトで推奨しているので、「外道だ」などと思わずどんどんやろう!!お手軽で美味しいぞ!!

◆あんかけスパゲッティ
名古屋市発祥の魔改造スパゲッティ。
ピーマンウィンナーなどを加えて赤いあんをかけたパスタ。実は胡椒が効いており辛い。
……アンチスパイラルではない。

◆大根おろしパスタ
大根おろし醤油またはポン酢でいただくあっさりとしたパスタ。
ツナやかいわれ大根を混ぜると更に美味しい。
夏の暑い日に食べるとGOOD。

◆梅パスタ
茹でた麺を梅肉or梅肉をベースとしたソースで和えたシンプルなパスタ。
梅肉だけでもそれなりに食えるものにはなる(特に味梅なら)。
あらかじめ梅肉を白だし、めんつゆ、醤油、みりん、酒などの調味料を適当な割合で混ぜたもので溶いておくと、味のバランスが取れ麺にも絡めやすくなる。
使う油は(EXV)オリーブオイルが基本だが、ごま油との相性も良い。油は上述のソースを作る段階で一緒にしておいても構わない。
調味料の配合に失敗したくないなら、梅ドレッシング(あるいはそれを微調整したもの)を利用する手もある。
梅干しの分量は麺100gに対して梅1粒くらいが目安。梅の量を増やすか減らすかはお好みで。
仕上げにしそ(大葉)を刻んだものを振りかければ完璧。さらにかつお節をかけると旨味が増してより食べ応えのある味になる。

◆しそパスタ
昔ながらの洋食屋や喫茶店などで提供されていたなんちゃってバジリコ、もといバジリコもどきのしそ(大葉)を使ったパスタ。
東京・麻布(飯倉片町)にあるイタリアンレストラン「キャンティ」が発祥で、同レストランには政財界・芸能界の著名人が多数訪れたことから一挙に広がったとされる。
とりあえずしそと麺(とニンニクその他の材料)さえあれば作れるため、家庭でもそれなりに食べられていたものと思われる。
素朴な料理ながら、しその風味とパスタの相性は良く、慣れのせいかバジルを使ったものよりもこちらのほうが好みだと言う人もいる。
また、大葉ではなく青じそドレッシングを使うレシピもある。その場合は大根おろしやしらす干しと組み合わせるのが定番か。
他にも、ジェノベーゼのレシピを流用した"しそジェノベーゼ"なる料理も開発されており、こちらもこれまた美味。
ちなみに、バジルとしそはどちらもシソ科の植物である。香りは全然違うけど。

◆納豆スパゲッティ
和食の定番食材でありながら日本人の間でも好みが分かれる納豆とパスタの異色のコラボ。案外味は想像通りというか普通。
味付けは各種調味料を自分で配合してもいいが、付属のタレでも十分といえば十分。
塩気が足りないと感じたら醤油やめんつゆ(白だし)を足せばおk。お好みで鰹節やバターを加えて旨味を増強しても良い。
食す際にはひきわり納豆の使用を強く推奨する。さもないと麺に絡みにくく大半の豆が皿に残りがちになる。

◆あさげパスタ
こちらは永谷園が販売するインスタント味噌汁である「あさげ」*2をパスタソースとして使うもの。
「えーっ」と思うかもしれないが、こちらも永谷園自身がアレンジを勧めており、あさげの袋にレシピが書いてある。
豚バラ肉とネギを炒めた物を具として使うのが基本。
なお、レシピではあさげを最後に加えるように指示されているが、これは味噌の香りを残すための工夫。
永谷園の他のインスタント商品では、前述したお吸い物のエセきのこスパゲッティや、お茶漬けの素などもパスタと好相性。

◆スケベニンゲン
海鮮系の白ワインスープパスタ。非常にアルコールが強いそうで、食べる人次第では本当に助平人間(すけべにんげん)になってしまうかもしれない。極細麺のカペッリーニを使用。
厳密には和風ではないかも知れないが、日本生まれということでここに。東京・銀座にあるイタリア料理店の店名であり、同店のオリジナルメニュー。
オランダのデン・ハーグ基礎自治体(日本でいう市町村)のリゾート地区の名前に由来し、イタリア料理店の開業を考えていた店主がたまたま同地を訪れた際に店名にしようと思い立ったという。何とも軽そうな命名の経緯だが、店主は正式に首長に面会して許可を得た上で使用している。
現地での発音は「スヘーフェニゲン」という感じなのだが、綴りが「Scheveningen」なので、このようにしばしばスケベニンゲンと読まれてしまう。

◆枢軸のパスタ
バター醤油ベースで具にはソーセージとキャベツを入れたパスタ。日独伊の要素が全部入っているのでこういう名前。

ナポリタン
トマトピューレを煮詰めて味付けしたもの(ケチャップ)をパスタにからめたもの。
名前と、イメージから勝手にイタリア料理にされているが、れっきとした日本生まれ。
これも厳密には和風ではないかも知れないが、日本生まれのパスタでは最もポピュラーな存在と言っても過言ではないだろう。

正確な起源には諸説あるが、特に有名な物としては神奈川県横浜市にあるホテルニューグランドの二代目料理長だった入江茂忠氏が考案したという物。
氏は、アメリカ進駐軍が持ち込んだ軍用食の缶詰入りスパゲッティ*3を見て、
以前に文献で見た中世頃のナポリで食べられていたスペイン風トマトソースパスタを参考に、
生トマトやピーマン、玉ねぎ、細切れのハム等を一緒に炒めた物を作ったのだとか。
パスタはあえてアルデンテにならないように長めに茹で、さらに茹でたての物ではなく、しばらく寝かせたクタクタの物を使うのがポイント。
この過程を経る事で麺に粘りが生じ、ケチャップのソースがよく絡むようになるのだ。

「今日はイタリアンレストランで食事だおれはナポリタンにするぜやはりイタリアンは本場のナポリタンに限る(キリッ」


■その他のパスタ


◆サラダスパゲティ
サラスパの名前でお馴染みのサラダ用パスタ。
サラダ用としてはマカロニなどのパスタもあるが、こちらは麺状。細いのが特徴。キュウリやハムが入っている場合も。
なお本場の料理人にとって冷やしたパスタは言語道断だとか。

◆スパカツ
北海道釧路のB級グルメ。
アツアツな鉄板の上にパスタと豚カツが共存。

◆素パスタ
茹でたスパゲティにオリーブオイルをかけただけの貧乏料理。
せめてお茶漬けの素やお吸い物の素、ふりかけ等で味付けできる程度に進化させたいところ……。
元サッカー選手フィリッポ・インザーギの勝負飯であり、子供のころからブレザオラと一緒に食べていたという。

◆甘口抹茶小倉スパ、甘口イチゴスパ、甘口メロンスパ、甘口きしめん風チョコスパ、なべスパ、おしるこスパ等
名古屋の某喫茶店が生んだ伝説のメニュー達。
詳しくは個別項目を参照。

ミートボールスパゲッティ
アメリカ発祥のスパゲッティ。
詳しくは上記項目参照。

【余談】

日本では呪文のように唱えられてるアルデンテ(歯ごたえのある)だが、これはシチリアからナポリぐらいまでの、イタリア南部の方で好まれる食べ方で、
ミラノやヴェネツィアといった北部だと、手打ちの生パスタが多いからアルデンテはない。というかアルデンテは乾麺にしか存在しない

のではあるが、イタリアでは現地の人が生パスタでも普通に「al dente」(アルデンテ)と言っているのが現状だったりする。

また、英語圏などでは「(皿に盛られたスパゲティの麺のように)ごちゃごちゃした/複雑に絡まった」といった意味のスラングとして使われる事もある。
たとえば「スパゲティコード(スパゲティプログラム)」なら「雑然としていて書いた人間にしか理解できないコンピュータのプログラム」を、「スパゲティシンドローム」なら「治療・延命のために医療機器のコードを大量に繋いだ状態の患者」を指す。

『夕陽のガンマン』や『荒野の用心棒』など、イタリアで制作された西部劇はアメリカやヨーロッパでは「スパゲティ・ウエスタン」と呼ばれている。
日本では『日曜洋画劇場』でおなじみの淀川長治氏が「スパゲティでは細くて貧弱そうだ」との理由から「マカロニ・ウエスタン」の名称を考案し、それがそのまま定着したという経緯がある。



こいつにこの項目を追記・修正さしてやりたいんですが
かまいませんね!!

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最終更新:2024年04月12日 19:30

*1 「娼婦が客への接待に出した」「刺激的だが毎日食べると飽きる、たまに食べるのが良いというところが娼婦を思わせるから」といった説もある。

*2 同社製品「ひるげ」「ゆうげ」でも代用可。

*3 といっても、実態は薄力粉で作ったコシの無いクタクタの麺を砂糖で甘味を付けコーンスターチでとろみを加えたケチャップと一緒に缶に詰めこんだだけで具も入っていない、という凡そ美味しそうとは思えない代物。