地場衛/タキシード仮面

登録日:2010/03/07 Sun 20:05:57
更新日:2023/04/24 Mon 19:02:21
所要時間:約 11 分で読めます




「私はタキシード仮面☆」

「泣いているばかりでは何も解決しないぞ、セーラームーン…!」


タキシード仮面とは、漫画ならびにアニメ『美少女戦士セーラームーン』に登場する謎の仮面の男。
実際に「セーラームーン」を観たことのある人なら知らない者は殆どいないだろうが、正体は月野うさぎ/セーラームーンの恋人である地場衛(ちば まもる)である。


古谷徹(無印~セーラースターズ、劇場版Rの少年時代は緒方恵美)/野島健児(Crystal)
ドラマ:渋江譲二
バンダイ版ミュージカル:佐野瑞樹(93年夏)、望月祐多(93年冬~97年冬 ※キング・エンディミオンとしては97夏〜99年夏)、榎本雄太(98年夏)、
天野浩成(99年春~冬)、江戸英雅(00年冬~01年春)、浦井健治(01年夏~02年夏)、城田優(03年冬~04年夏)、宮本行(05年冬)
ネルケ版ミュージカル:大和悠河(2013年〜)

誕生日:8月3日
身長:180cm
星座:獅子座
血液型:A型
特技:陸上
好きな食べ物:チョコレート
苦手な食べ物:グリンピース(アニメではピーマン)
好きな色:黒
将来の夢:医者(アニメ・実写は不明)


人物

前世は地球が「ゴールデンキングダム」という1つの王国として栄えていた頃の王子・プリンスエンディミオン。
月の王国「シルバーミレニアム」の王女であるプリンセス・セレニティ(前世のうさぎ)と種族を超えた禁断の恋に落ちるが、
クイン・メタリアの扇動によって操られた地球の民が月に攻め込んだ際、セレニティを庇って命を落とした。
その後、セレニティの母であるクイーン・セレニティが命を賭して開放した幻の銀水晶の力により、現代に地場衛として転生することとなった。

タキシード(後述のように正確には燕尾服)にマント、目元を隠す白い仮面という奇抜な恰好で夜の街を徘徊するその姿は冷静に見るとどう見てもイカれた不審人物だが、
セーラームーンを颯爽と助けに現れるその姿から、当時の視聴者及び読者(特に小さなお友達)には格好良く見えていたのだから、不思議なもんである。

30世紀の未来では、幻の銀水晶の力でネオクイーンセレニティ(うさぎ)と共に不老長寿となり、キングエンディミオンとして地球を治める王になっている。
服装はタキシードではなくなったが、相変わらず例の変なマスク仮面をつけているあたり、10世紀近く経っても病気は治らなかったその奇抜なセンスは健在。

ちなみにモデルは東山紀之。


原作(漫画版)とCrystalでは高校生(初登場時高校2年生。後にうさぎの高校入学と同時に大学生となっている)で宝石専門の怪盗。うさぎとは3歳差と思われる。
幼少時に両親を交通事故で亡くし、事故のショックで記憶喪失になっている。
夢に出てくる謎の女性(=セレニティ)を探して銀水晶を狙っていた。

第一部の時点では、タキシード仮面の姿は彼が変装した仮の姿であり、変身能力は持っていなかった。
……なぜそんな変装をしていたのか。
(いつ頃変身能力を得たのかについては明確には描写されていないが、第三部の終盤で変身シーンが描かれたため、少なくともその時点では「変装」ではなく「変身」するようになっている)。
地球のスターシードであるゴールデン・クリスタルの持ち主(≒地球の化身)であるためか、サイコメトリーや肉体や地球のダメージを治すヒーリングなどの超能力を持っている。
というか、原作設定だと姿こそ異なるが事実上の「地球のセーラー戦士」に該当する存在だったり。(ゴールデン・クリスタルはセーラークリスタルであるため)

戦闘シーンは第二部(旧アニメの『R』に当たるエピソード)以外ではほとんど描かれず、うさぎの心の支えとして熱い口づけでヤる気を出させる彼女を激励することが主なお仕事。

後述の旧アニメ版に比べると、戦闘面で目立たない代わりに変態的な言動もほとんどないため、総合的に見てイケメン度がかなりアップしている。
キザな台詞でうさぎを赤面させており、すごく…少女漫画です…。
第二部(※うさぎはまだ中学生)の時点で彼女と一線を越えたことを窺わせるシーンがあったりするが…。
ちなみに「タキシード・ラ・スモーキングボンバー」という必殺技持ちで、第二部では未来で攻撃技が使えないうさぎの代わりに敵を攻撃していた。
第四部でうさぎとちびうさの外見年齢が入れ代わりうさぎが幼女化した時は色々と罪のイシキを抱えていた。



一方、旧アニメ版では自由に時間が使えるというメタ的な理由…もとい配慮から大学生設定になっているため、逆に視聴者にロリコン呼ばわりされてしまうことに。
(18歳設定であり、うさぎとは4歳年が離れている)
本人も無印でレイと付き合っていたときには気にしていたようだ…。
難関大学のエリートで親の遺産で一人暮らししている御曹司とのこと。
女子組や原作のお洒落さはどこへやら、壊滅的にダサいファッションセンスが特徴。
特に酷いのは、どこで買ったのか蚊取り線香柄のシャツの袖をぐるぐるまくった格好である。
他にもハイネックシャツを腕まくりしていたりする。

第一部の時点では、タキシード仮面の時はほぼ二重人格(ネタ発言的な意味でも)
セーラー戦士が変身すると自分も自動的に変身してしまう仕組みで、変身中の記憶は夢遊病のごとく失ってしまっていた。
(第一部の途中でその事実を悟り、以後は自発的に変身できるようになっている)
登場時には妙に耳に残る専用BGMを引っさげ、いつも赤い薔薇を投げる。

こちらも地球のスターシードの持ち主であるため不思議な力を持ってはいるのだが、原作に比べると目立つ形で披露する機会があまりなく、基本的には普通の人間。
学生カップル感が強い原作に比べ、アニメではうさぎと親子感がある。
公共の場ではうさぎとのいちゃつきを控えるといった良識人で、例えデートやおごりでバイト代が消えようともいつも優しくうさぎを見守る紳士である。


主にセーラー戦士のサポートと、迷言混じりのキザな激励を送る役割。
「ゲスト怪人の猛攻を薔薇攻撃で止め、激励を送りつつ形成立て直しの機会を与える」*1という活躍パターンが多く、直接戦う描写が少ないので、具体的にどのくらい強いのかよく分からない。
(が、タキシード仮面様が現れると元から恋人同士なうさぎや後の娘であるちびうさはともかく、何故か他のセーラー戦士までも俄然やる気を出して逆転するので、確実に戦いの場に貢献してはいる)
当時だから許されたのだろうが、今だったらセクハラ問題に成りかねない発言をする事もしばしば。

物語が終盤に差し掛かると敵に捕まり洗脳され、敵に回るなど、
セーラー戦士のサポートどころか明らかに迷惑をかけていることは当時から視聴者によくネタにされていた。
オンドゥルルラギッタンディスカ!
1シリーズに1回以上というハイペースで洗脳されたり攫われたり死にかけたりしており、それどころかガチで死んだことが2~3回、
挙げ句の果てに最終章となる『スターズ(原作における第五部)』では「アメリカに留学して以来音信不通…と思ったら実はとっくに死んでた」という、あんまりな扱いだったが、それ以前の話でもセイヤがうさぎの部屋に来た時には、ちびうさがあの写真から消えていた事もあって、それを示唆する伏線は貼られていた。
もはや「セーラームーン」の真のヒロインは彼だと言っても過言ではない
(美少女戦士モノで男がヘタレるのはシナリオ上ある意味お約束だが、このピーチ姫並みのヒロイン属性は原作でも遺憾なく発揮されている)。

が、ごくまれに仮面の奥から普段は見えない目が見える場合があり、そうなると面目躍如。
本当に同一人物なのか疑問に思うくらいの大活躍をする。ごくまれに。

一応セーラー戦士や敵の幹部格と格闘戦で張り合ったりと、そこそこの戦闘力はあるはずなのだがR以降はいまいちパッとしない。(まあ、幹部格が全員男性だった無印「ダークキングダム」編とは違いR以降は男性幹部が激減するというのも原因の一つなのだが。)
ひどい時には登場した直後にボコられたことも。戦闘面での扱いの悪さは某ウルトラ兄弟のコイツに通ずるものがある。
反面、旧アニメ版では彼の投げる薔薇攻撃はやたら強力で、鋼鉄の鎖だろうが何だろうが粉砕する。それどころか敵の攻撃を相殺したこともある(十本以上の薔薇で紅のルベウスの必殺級の光弾をかき消した)。
というか普通に戦うより薔薇投げたほうが強い
(薔薇による攻撃は旧アニメ版のみの演出なので、原作における超能力の代わりなのかもしれない)。

セーラームーンRではエイルとアンとの戦い後記憶を取り戻しうさぎと付き合い出すが、ある日のデートでうさぎとキスした途端、空からちびうさ(とルナP)が降ってくる。…別にキスで子どもができるわけではない
セーラームーンR15話で、うさぎの家族に「こちら、お友達の地場衛さん」と紹介されて、進悟の「へえ、バカうさぎにしちゃいい連れてんじゃん」との言葉にうさぎのパパが動揺すると「ジョギングの続きがありますから」と逃げ出す
そして同話で不吉なビジョンを見たことを理由にうさぎに絶交宣言する
…不吉なビジョンを見たのは結局未来からの自分の警告のメッセージだったのだが、うさぎの両親からすればうさぎがもて遊ばれたと取られても仕方ないよほど取り返しのつかない事をしてないか…?
結局S以降うさぎの父の出番は無くなったのでその後の事は不明である。原作では第二部以降もうさぎの父には快く思われていない描写がある(ギャグだが)。
SuperSではうさぎの家でセーラー戦士達といっしょに育子のレモンパイを食べておりうさぎの母との仲は良好な様子である。

セーラームーンRでは親がエナジーを奪われ預かり手の無い赤ん坊のベビーシッターを申し出たり、うさぎと絶交宣言した後も大雨の中ちびうさを探すのを手伝ったり、ちびうさのためにうさぎと父兄参観のカレーライス作りに参加したりと子どもを保護するちゃんとした大人としての一面が描かれている。「俺、カレーライスなんて作れないぞ?」との台詞があるため自炊能力は疑わしいが…。(一応家に鍋や包丁はある)

セーラームーンSでは何故かピュアな心の結晶を狙われた事が無い
一応イケメン好きなミメットが彼を狙おうとした事があったが、本来のターゲットである薔薇研究家を狙っている。
テルル戦では彼の攻撃がきっかけで相手が自滅するという大金星を挙げた。

SuperSではフィッシュ・アイが彼の夢の鏡を狙ったことがきっかけで、彼女(彼?)に「美しい夢を持つ意味とは?」と疑念を抱かせ、アマゾントリオ崩壊のきっかけを作る。罪な男である。

スーパーファミコンのゲーム版では活躍はスコア画面だけで、終盤ではボスキャラクターの一人として登場する。
続編であるRではクリアする度に彼の笑顔とキザな言葉が見れる。


年増のクインベリルを振ったり、同じく年増のエスメロードに色目を使われてドン引きするなど、ロリコン疑惑が強い。
伊藤郁子による未来の娘・セーラーちびムーンとの描き下ろしイラストが、幼女を誘拐する変質者にしか見えなかったりするのもかなりアレである…。

公式が病気と一部で伝説のアニメイトカセットコレクションでは、公式で変態仮面である
うさぎという正妻がいるにも関わらず、脳内で他のセーラー戦士たちを嫁や愛人にしたり
未来の正妻を飼い猫に妄想変換、天王はるかに対してパワハラでいびり倒したりとやりたい放題。
他にも酷い変態発言を連発している。
顔はイケメンなのに、頭の中は俺らと変わらないようだ。

バンダイ版セラミュでも、持ち歌に「シュールな愛炸裂させて〜♪」という歌詞があったり、
(洗脳設定だが)半ケツのホットパンツでノリノリで歌い踊るなど変態紳士だった。
仮にも元ヒーローになんてことを…。

二次創作(MAD含む)ではかなり変態キャラクターにされていることもある。
かなり昔のBL同人誌では結石持ちにされたこともある。

そんな彼だが、当時は女性に絶大な支持を得ていたらしく、今でも「女性がアニメで好きな男性キャラ」の一角に必ず入る。
アフレコの現場でも、ベテランである古谷徹の存在は当時まだ若手であった三石琴乃ら五人にとって非常に頼もしい存在であったらしく、アニメでの描写に引けを取らないほどモテモテだったそうである。
後年の少女向けアニメで、やっていることはタキシード仮面と似たようなものなのに声優陣からも快く思われていなかったようなキャラがいたことを考えるとえらい違いである。
が、改めて(特にアニメを)見るとその変態っぷりから「初恋ブレイカー」と称される事も。
某動画サイトでは1時間近い彼の迷シーンだけを集めたMADがあるくらいである。
特に空中ブランコに乗ってうさぎ達を救出する「ぶーらぶらー♪」のシーンは大人気であり、最近では公式でもガチャポンの景品にされた程。
更には某掲示板でタキシードクイズなる下ネタコピペが存在しネタにされている。

その強烈なキャラクターは今でも人気があり、『ハヤテのごとく!』の三千院ナギ(マスク・ザ・マネー)や『ピューと吹く!ジャガー』のポギー(レスラー仮面)など、アニメや漫画でパロディに使われる事がある。

余談だが彼の着ている服はタキシードではなく、一般的には「燕尾服」と分類される。


また、旧アニメ版ではタキシード仮面が登場しなくなった一時期、月影の騎士(つきかげのナイト)様というキャラクターが登場したこともある。
役割はほぼ同様で、苦戦するセーラー戦士の前にアラビア風の専用BGMと共に登場し、キザなセリフを送って激励していた。

大方の視聴者が当初から予想していた通り、実は彼とタキシード仮面は同一人物であり、
記憶(タキシード仮面としての能力)を失った衛の『うさぎを守りたい』という純粋な気持ちが生み出した分身のような存在だった。

タキシード仮面の時と違い変態要素はかなり少なくなったが、やはりどこか珍妙なところがあり、
事件が解決すると都々逸(五七五で構成された口上)でその場を締め、「アデュー」と言って去ってゆく
(「アデュー」とはフランス語の別れの挨拶であり、他の国にも「アディオス」や「アディオ」など似たような言葉が存在するが、どれももう会わない人に向けて使う言葉である)。




発言

以下名(迷)言の数々(こらっ、そこ「きもちわるい」とか言わない!)

「私は悪を切り裂く一輪のバラだ」

「セーラームーン私だ!!乗れッ!!」

「運転手は私だ」

「ハハハ」

「若い女の子の肌はピチピチしてフレッシュ。厚化粧など意味がない」

「赤ちゃんは可愛い。とりわけ、ほっぺにチューしたときの笑顔はたまらん」(月影の騎士)

「スーパーは庶民の健康の泉。新鮮な高原野菜や、とろけるようなしゃぶしゃぶ肉が怒っているぞ」
(※嫁と同じ台詞)

「太鼓は打楽器。正しく使えば人の心を感動させる。
 それを暴力に使おうなどとは音楽芸術の恥さらし…どうせなら太鼓は楽しく叩いて、ちゃんちきオケサでも踊るが良いぞ」

「ぶ〜らぶら〜♪」(登場のセリフ)
「セーラームーン、また太ったな。重いぞ!」
(※実はセーラームーンの脚にマーキュリーとちびムーンも捕まっていた。失礼極まりない。)

「強くなるために鍛えるのもよいが、優雅さだけは失わないでほしい」

「元気を出せセーラームーン!私は元気な君が大好きだ」

「正体がバレてもくじけるんじゃない!」(ネフライト戦にて)

「紳士たるボクサーは麗しき乙女をなぐるものではない、やさしく抱きとめてあげるものだ」

「美しいセーラームーンに涙は似合わない」

「ピュアーな心を弄ぶ者は、いずれピュアーな心によって裁かれる」

「砂糖菓子は乙女の夢が育む芸術。美しさに憧れる少女たちの夢も溶ける時がある…」
(この時はさすがのセーラームーンも困惑していた)

「薔薇で攻撃するのは私の専売特許だ」

「邪悪なパワーで強引に女性を我が物にしようとする卑劣な悪魔、ゆるさん!」
(プリンス・デマンドに対して。嫁の唇を間一髪守った時の台詞。)


ちなみに誤解のないよう言っておくが、前述のように変態言動の数々はほとんどアニメ版オリジナル。
月刊誌連載の原作と毎週放送のアニメがストーリー進行をほぼ同時にしていたため、
必然的に尺を合わせるためのアニメオリジナルのシーンが増えた影響である。
ちなみにアニメではセーラームーンも名乗り口上で数々の迷言を生み出しているのでどっこいどっこいの似たもの夫婦である。

なお担当声優の古谷徹は「シャアっぽいキャラを演じられる」ということでこの役に選ばれたことを喜んでいたが結果はご覧の通りであった



追記、編集お願いします。



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以下、驚愕のネタバレ





実はリアルにモデルがいるらしい。


彼は当時、商店街でガチにタキシードにマスクでプラカードを持ちチンドン屋をしていたとか。

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最終更新:2023年04月24日 19:02

*1 薔薇攻撃が原因で逆に怪人の攻撃が強化されるといったパターンもあった