Historica Double Divine Dominion

登録日:2012/05/31 Thu 20:22:13
更新日:2023/01/06 Fri 21:52:19
所要時間:約 5 分で読めます




川上稔の長編ライトノベル、GENESISシリーズ境界線上のホライゾンからスピンオフした同人誌。公式での略称は「Historica DDD」または「HDDD」。
川上稔オンリー同人誌即売会でのみ発売されていたため入手困難で、一時期はTENKYの公式サイト復活に伴いそちらでも購入可能だったが、同サイト閉鎖により現物入手が困難に。
但し2019年現在は作者の公式「PIXIV FANBOX」にて順次有料配信がスタートしている。

なお、境界線上のホライゾンのスピンオフではあるが境界線上のホライゾンの登場人物は一切登場せず、どちらかと言えばGENESISシリーズのスピンオフに近い。

2016年現在11巻+「PLAYING GUIDE」全2巻まで制作されている。



□概要
前述の通り境界線上のホライゾンのスピンオフではあるが、漫画や小説ではなく設定資料集。
簡単なストーリーに始まり、キャラ紹介や、職業の紹介、世界観、装備一覧に序盤のミッション、モンスター一覧と、まるでゲームの説明書のような作りとなっている。というか著者本人も「RPGのマニュアルっぽく」と言っており、
実際にルール説明重視の「PLAYING GUIDE」・職業一覧の「PLAYING GUIDE2」も発売された。

境界線上のホライゾン以前の重奏世界における欧州ガリア地区を舞台とし、竜族の支配やカール大帝の即位に関するごたごたに関わる事になるどこかで見たような三人娘を主人公とし物語が進む事となる……らしい。



□ストーリー
聖譜歴796年。
環境神群が頑張り過ぎて人類がろくに住めないアッパー環境になった地球。
その克服研究と土地問題解決のために作られた重奏世界では、歴史をやり直そうとしつつ、しかし環境克服の試練が存在していた。

欧州戦線はガリア西部にて東征が停滞。東部はシベリア東側で一定の成果を収めつつあるものの、中央部に進行することは人員量から至難とされた。
ローマ崩壊を促したゲルマンの大移動は寒冷化による野性竜属の大移動と重ねられた一方、人類は生活の大基盤を失い、竜属の支配地となった欧州は各国のゲリラ戦によって克服戦線を保っていた。
重奏神州作成時のサンプリングの責任問題が今更に問われもしたが、何の功を呼ぶでもなく、人類は欧州奪還を第一の課題とすることになったのである。

それはさておき、竜属達も縄張りを持っているおかげで寒冷化が進んだり、こっちからいらんことしなけりゃケッコー平和なもんで、克服戦線の前線より後ろでは順当に人口も増えていた。
そんな裏方を支えるのが重奏世界制作と管理を行う現世側、神道勢力である。
武士勢力の台頭が聖譜によって予告される時代、現世側から重奏世界に来て、環境克服を手伝ったり、地脈管理を行う者達がいた。

これはそんな時代の、そんな連中の話。



□登場人物

○アサマル(ASAWARU)
種 族:人間
基本職:巫女
信 奏:浅間系サクヤ
ランク:上位

  • 人物
どこかで見たような巨乳巫女。ただし義眼は入れてない。
本編の巫女との関係は不明。
アサマルは愛称であり、後述のR.D.Gが彼女の名前を上手く発音出来ずルウと言ってしまい、カイがアサマルという徒名にした。
恐らく名前はリュウかとおもわれる。

神州における富士浅間神社の巫女であるが、重奏世界の各臨時神社の保全やインフラの権限付与の為に重奏神州に来ている。要約すればとっても偉い人。
ハイエリア・ワイバーンと呼ばれる、高空を飛ぶ、体長が最低でも12m以上ある亜竜を射落とした事があるらしい。

  • 能力
MRG(魔力)が高く、バリバリの術式派……の筈だが弓の扱いにも長けており、後衛からの射撃で敵が前衛と接触する前に全滅することも多々有る。
また、術式に関しても攻撃、回復、防御問わず幅広く術式を扱える他、富士浅間神社からダイレクトに流体供給を受けているため、規格外の魔力を持つ。が、攻撃術式は弓で十分事足りるため、あまり使用しない。

「私に対し、ひどく、誤解があると思うんですよ」


○カイ(KI)
種 族:人間
基本職:遊び人
信 奏:大椿系ウズメ
ランク:中位

  • 人物
どこかで見たようなエロ遊び人。ただし弟は居ないと思われる。
本編の遊び人の関係は不明。

アサマルの幼なじみ。
武士階級の家系で神州ではとっても位が高い人ではあるが、武士の台頭によりオッサンくさい文化になってきたためアサマルの護衛として重奏神州までついてきている。
彼女が神州に帰るかは武士文化が洗練されるか否かに関わっている。

  • 能力
AGR(速度)が高く、よく避ける。武器を使用した一撃必殺タイプであるが、いかんせん本人が気分屋であるため本気で戦うかは解らない。本気じゃなければ単なる優秀な的。
術式はステータスアップ系を多用。

「あらあら、助けが欲しいの?」


○R.D.G
種 族:人狼
基本職:騎士
信 奏:大椿系ツバキ
ランク:一般

  • 人物
どこかで見たような人狼騎士(信奏も同じ)。ただし髪は黒い*1し巻いてない。
本編の騎士の遠い祖先で、母親もどこかで見たような顔や胸をしている。

本人は隠しているが人狼種族の長で人狼の中でもとっても偉い個体。でも胸はHARD。竜属の大移動により住み処を奪われており、生存区奪還やらその他諸々のため欧州解放を目指すアサマル達に加担する。

  • 能力
素の状態でもSTR(筋力)が高めのアタッカーであるが、種族限定解除により膂力が更に上がる。
ただ、種族的に術式の使用は苦手としており、やっぱり種族的に術式が効きにくい。相手の攻撃術式が効きにくいが、こちらの回復、ステータスアップ系術式も効きにくいため良くも悪くもワンマンタイプ。

「生まれの御蔭で苦労してますのよ?」

他にもどこかで見たような者たちが多々出ている。



□その他
○本編では「それにつけても親父はカール」とかネタにされているカール大帝であるが、その襲名者が未だに決まっていなかったり、襲名の要所となる土地が未だに竜属支配下直近だったりとかなりリアルにヤバかったりする。
なお『境界線上のホライゾン NEXT BOX』によると死闘の末、何とか人間がカール大帝を襲名し、竜属への反撃に繋がったという。

○本書のラストに導入SSが存在しているが、そこで交わされるアサマル達の会話から、恐らくアサマル達の正体は聖譜越境隊と推測される。
また『境界線上のホライゾン』5下で、竜属が「(ちょうど本書の時期に)謎の集団に襲われ土地を追われた」と回想しており、その時アサマルやカイらしき人物を目撃している。
なお、その関係者らしい竜と浅間・智の会話で、桜の意匠は浅間神社の古式装備と判明した。

○上記の登場人物以外にも、どこかで見たことのあるような登場人物がいろいろと登場する。

○2018年末から始まったウェブ作品『境界線上のホライゾン NEXT BOX』では「HDDD英国編」と銘打たれた話が連載されており、本作初出の「アーサー・スリーサーズ」が登場する等リンクする描写が登場している*2




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  • 文:川上稔
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最終更新:2023年01月06日 21:52

*1 本編7中では「人狼の髪の黒さは生まれた環境の過酷さを示す」とあり、恐らく後述する竜属の蹂躙の影響を受けたものと思われる。

*2 但し一部設定が異なるため、恐らく本作とはパラレルな関係と思われる。