機獣新世紀ZOIDS

登録日:2009/08/17 Mon 00:04:09
更新日:2024/03/26 Tue 20:46:18
所要時間:約 6 分で読めます




トミーから発売されたプラモデル『ZOIDS』を用いた漫画作品。コロコロコミックで連載されていた。
作者は上山道郎。
単行本はてんとう虫コミックスより全5巻。時を経た2019年には新装版が全3巻でリリースされた。


ゾイド -ZOIDS-』というタイトルでアニメも放送されたが、主な登場人物は大体同じでもストーリーやそれぞれの設定・過去などは違うものになっている。
また、一部の名字が設定されていなかったキャラにも独自に名字を設定している。
本作オリジナルゾイドも多い。主人公ゾイドのみならず、民生ゾイドにもタートルシップとも違う船舶用カメ形ゾイドなどが出ていた。




【あらすじ】
父親に憧れ、自身の“相棒”となるゾイドを求めていたバンは、いつも行っている砂漠の遺跡に向かう道中、野良ゾイドの〈ガイザック〉に襲われる。
なんとか遺跡に避難したものの、移動手段であるホバーボードが破壊されてしまい、村に帰れなくなってしまった。

遺跡内部で修理用のパーツを探す最中、ガイザックの攻撃によって遺跡が破壊され、バンの前に隠し部屋が現れる。

バンはそこで“カプセル”を発見した。




【主な登場人物】

バン・フライハイト
14歳。ゾイド大好き熱血少年。
どんな時でもあきらめず、曲がった事が大嫌いな主人公らしい性格。非常にゾイド思いであり、ゾイドのために身体を張り、涙を流す。
偉大な父親に対する憧れから、いつかすごいゾイド乗りになろうと夢見ており、相棒となるゾイドを探していた。
遺跡で発見した小型ゾイド〈ジーク〉を相棒にする。


フィーネ
ジークが入っていたカプセルの隣にあった小さなカプセルから出てきた黒(緑?)髪の少女。名前以外一切の記憶を失っている。
ジークとテレパシー的な意志疎通ができ、ジークがバンと合体していれば会話も可能。また、『気』を送る事で人間やゾイドを癒す事ができたり、ゾイドを察知するなど様々な能力を持つ。
感情の起伏に乏しかく無表情だったが、バンと旅をする内に、徐々に人間らしくなっていく。
ちなみに、カプセルから出てきてさっそくバンとキスした。
(゚□゚)


アーバイン・キャバリエーレ
眼帯の盗賊。苦労が多かったせいか老けて見えるけど18歳。
現実的な性格でけっこう厳しいことを言うが、根はいい奴でバンの兄貴分的な存在になった。
孤児院育ちであり妹が一人いるが、アーバインとは違って素直ないい子(その妹からは当初、危ない仕事をしていると疑われていた一方で共和国内のどこかの会社でサラリーマンをしていると思われていた)。
一見ただのチンピラだが、ゾイド乗りとしての腕は軍の兵士よりも遥かに上で、相棒のステルスバイパー〈トルナード〉を巧みに操る。
ちなみに、アニメだと眼帯の下は普通の目だが、こっちでは義眼(義眼を差別的表現と曲解されるのを回避するためにアニメ版では変更したとのこと)。


◆ムンベイ・メ・ジャバル
相棒のグスタフ〈タルタル〉と共に行商人をしている褐色の肌の女性。ゾイドの扱いに長けるカトマン族族長の娘である(兄もいたが物語開始前に亡くなっている)。メンバーを仕切る姉御のような存在。
ゾイドや人間の『気』の流れをみることができ、お灸などの知識を持つ。


◆メリッサ・スー
まだ10歳だがゾイド工学研究所の主任研究員を務める天才科学者。
ストームソーダー〈風剣〉を使う。
海で機雷を作り続けるハンマーヘッド〈ヴァイキング〉の捕獲事件でバンと知り合い、以降度々手を貸すようになった。
アーバインに気がある様子。


ロブ・ハーマン
ヘリック共和国の軍人。帝国軍にスパイとして潜入するという大胆すぎる任務に就いていた。
ステレス仕様のストームソーダーに搭乗。バンたちが窮地に陥れば、先に自分が命を捨てでも特攻しようとする良い意味での軍人気質の持ち主。


◆ルイーズ・テレサ・キャムフォード
ヘリック共和国の大統領。
見た目は穏やかな貴婦人といった感じだが、一国の大統領というだけあって犯しがたい威厳がある。
怒った時の気迫は尋常ではなく、軍人やゾイドまで気圧されるほど。さすがハーマンの父親というだけある。
ちなみに、ミドルネームは「エレナ」ではない。


◆トミー・パリス
大統領の護衛を務めるパイロット。乗機はディバイソンだが、ほとんどいいとこなしだった。
アニメには登場せず、バトスト版に登場した人物。バトスト版ではコマンドウルフに乗っていた。


レイヴン
黒い髪の少年。
ゾイドを憎悪しており、全てのゾイドを殺すために動いている。歳はバンと変わらないが、軍人さえかなわないほど高い操縦技術を持つ。
ジークとそっくりな黒いゾイド〈シャドー〉を連れている。


カール・リヒテン・シュバルツ
ガイロス帝国軍の軍人。階級は大尉→少佐。
最初はあたかも侵略者のような登場をしたが、すぐに高度な判断力と高潔な人格、そしてそれを上回る軍人の矜持を秘めた好漢であることが示された。
乗機はアイアンコング。余談だが、初登場時はガトリング砲を装備していなかった。


◆ドクトルF
ガイロス帝国の天才科学者。
ジェノザウラーバーサークフューラーの開発者でもあり、その頭脳は1世紀先を行っていると言われている。
行動は如何にもなマッドサイエンティストであるが、続編ではプロイツェンと和気藹々とした雰囲気で会話、外伝でも年甲斐もなくアーバインを妙に熱い言葉で諭しており、この手のキャラにしては人間味がかなり強い性格をしている。


ギュンター・プロイツェン
ガイロス帝国の摂政。実質的な国家元首。
アニメ版はもちろん、バトスト版とも違う人格と設定を持つ。
連載中はシルエットと名前のみの登場となった。




【主な登場ゾイド】
ジーク
バンが遺跡で発見した白銀の恐竜型ゾイド。
〈オーガノイド〉と呼ばれる種であり、ゾイドの力を引き出す能力を持つ。体内にバンを取り込み『合体』する事で、戦闘を行う。
小さい身体ながら、背中のブースターを使った体当たりは、ガイサック程度の小型ゾイドなら破壊し、中型ゾイドでも押しとばせるほどの威力を持つ。また、合体するとバンの傷が回復する。
バンと合体したまま『ジークハート』という文字通りハートの形に変形し、他のゾイドと合体することも出来る。ジークが合体したゾイドは能力が向上し、合体前に負っていたダメージも回復する。
よく(゚□゚)という顔をする。
実は戦うことより、お昼寝したり日向ぼっこしたりするのが好きなボクっ娘


◆ジーク(大)
バンの父親の相棒だったコマンドウルフ
主の墓の上で機能停止していたが、上記のジークの力で蘇生。村を守るためレイヴンのセイバータイガーと戦い、大破した。
上記のジークの名前はこのジークから付けたものである。


シーザー
今は亡きムンベイの兄が駆っていたシールドライガー
主の残した“ある物”を守り、それを狙う者と一人で戦い続けていた。無人にもかかわらずとんでもない強さを持つ。


◆トルナード
アーバインの相棒のステルスバイパー。
螺旋を描いて身体をバネのようにして高くジャンプする『蛇流竜巻(スネークツイスター)』や、相手に巻き付いて機動性を奪う『蛇流縄縛(スネークワインダー)』等、蛇型の機体を活かした技を得意とする。
これらの攻撃はアーバインの技量があってこそである。
途中ぶつ切りにされるがステルスドラゴンとして復活、空も飛べるようになったりする。


◆タルタル
ムンベイの相棒のグスタフ。空気。


風剣(フェイジャン)
メリッサのストームソーダー。水中戦を考慮した装備を持つ。


◆シャドー
レイヴンが連れている黒いオーガノイド。
ジークとそっくりな見た目で、ジークと同じく主や他のゾイドとの合体能力を持つ。
だが、普通のゾイドでは合体で大幅なパワーアップと引き換えに死んでしまう。


セイバータイガー
最初の敵としてウィンドコロニーを襲撃。
正規軍のものをシャドーが作ったコンピューターウィルスに感染させて暴走させた、というアニメ版とは異なる出自。
ちなみにコロコロコミック掲載時は「サーベルタイガー」と呼ばれていた。
同時期のアニメポスターではシールドライガーやコマンドウルフが旧Mk-2カラーで掲載されたものがあり、制作当時の雰囲気が感じられる。


ジェノザウラー
レイヴン用というよりシャドー用に誂えられたゾイド。
ゾイドコアが七つもあり、そのパワーと生命力によってシャドーと合体しても命を失わない。
ジェノブレイカーも登場したが、バーサークフューラーのかませに終わった。


バーサークフューラー
レイヴンの最後の乗機。調整段階でもアイアンコングやジェノブレイカーを蹴散らすほどのポテンシャルを誇る。
最終的に「シャドーエッジ」に改良されて実戦投入されるが、バンとレイヴンの精神力の差によってまさかの大敗を喫する。
ただし機体が破壊されたわけではないため、続編でもレイヴンの愛機として活躍し続ける。


◆D
謎のゾイド。フィーネが金属細胞のサンプルを見ただけで怯えて取り乱す事から、かなりヤバいゾイドらしい。
作中ではシルエットのみの登場だったが、どこからどう見てもデスザ(ry





【評価】
コロコロの漫画とは思えない画力でゾイドの激しい戦闘を再現されており、評価は高い。
だがアニメ終了のせいか、当時はバンとレイヴンが決着を付けた所で打ち切られてしまった。

この打ち切りにはアニメ終了の他、コロコロが雑誌の低年齢化を進めた結果、比較的高年齢から支持を得ていたこの作品が打ち切られたという説もある。



まったくもって遺憾の極みだが、作者が個人サイト『別冊兄弟拳』で続きを描いている。
ありがたい話である。

ちなみに掲載時の最終回は、オリジナルゾイド同士の決戦であった。




【『別冊兄弟拳』連載分】
作者の個人サイトに掲載されているゾイド漫画。

◆機獣新世紀ゾイドEX
本作の続編。現在第7話まで掲載されている。ただし2006年7月9日から更新停止中。
ちなみに、ルドルフやプロイツェンはここでようやく登場する(ドクトルFが本格的に話に絡むのもここから)。
後に作者が同人誌として出版した。既刊2巻だが、超品薄。

◆機獣新世紀ゾイド 外伝〈アーバイン外伝・月夜の追憶〉
アーバインがメリッサに過去を語る話。
時系列的には第三巻の第六話の冒頭でアーバインが別行動して二日後である。
一読しただけでは分からないようになっているが、実はこの話にもドクトルFが出ており、アーバインの左目が義眼になった経緯と義眼の出所が明かされている。



◆機獣超世紀伝説ゾイド クロスオーバー・XGジェネレーション
バンと『ゾイドジェネシス』の主人公であるルージとのコラボ作品。
本作のオリジナルゾイド〈シーザー・ザ・キング〉の名前が付く経緯が語られる。



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最終更新:2024年03月26日 20:46