怪盗セイント・テール

登録日:2012/10/29(月) 02:23:13
更新日:2023/06/28 Wed 15:14:29
所要時間:約 7 分で読めます




主よ、タネもシカケもないことを
お許し下さい







立川恵の少女漫画。講談社「なかよし」連載。
プロトタイプである1994年10月号~1995年1月号までの短期連載を経て、本編が1995年3月号~1996年10月号まで連載された。
さらに、1996年11・12月号と姉妹誌「るんるん」1997年3月号に掲載された番外編も存在。
単行本はKCなかよし全7巻と、KCDX新装版全4巻。

美少女怪盗と少年捜査官の追いかけっこと恋の駆け引きを爽やかに描き、簡単に例えると学園少女漫画版キャッツアイである。

テレビ朝日・ABC系列にてアニメ化。1995年10月12日~1996年9月12日まで毎週木曜日の午後7時30分から30分番組で4クール。
製作は『ルパン三世』や『名探偵コナン』でおなじみの東京ムービー(現:トムス・エンタテインメント)で監督は鍋島修。
劇中音楽は同じなかよし連載・東京ムービー製作の『魔法騎士レイアース』の他、
仮面ライダー555』『ジョジョの奇妙な冒険(第1部)』でお馴染みの松尾早人*1が担当。
なんと原作とアニメが同時に終了しており、しかも原作準拠で完結というメディアミックスとして理想的かつ奇跡的な終わり方を迎える。
放映当時のメディア販売はポリグラム(現:ユニバーサルミュージック)が担当していたが、後にタキコーポレーションとバンダイビジュアルからそれぞれDVD-BOXが発売された。
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンからBlu-ray BOXが発売予定。

主題歌は前期OP「時を越えて」を松雪泰子が、後期OP「明日へと駆け出してゆこう」を松田聖子が担当。
EDは井上昌己が前期「純心」と後期「UpSide Down」の両方を担当したが、完結編5話分のみ特別ED「夢見るメロディー」を梶谷美由紀が担当した。


★あらすじ
洋風レトロすら感じさせる港町・聖華市。そこでは時に、権力を持つ悪党どもが善良な市民たちを食い物にしていた。
迷える子羊たちの嘆きを聞き届け、夜の街に一人の少女怪盗が降り立つ。その名は怪盗セイント・テール。
彼女は持って生まれた手品の技で、悪人から盗まれたものを奪い返して悪事を暴き、犯罪被害者に救いをもたらしていく。
一方で、飛鳥大貴(通称アスカJr.)はセイント・テールに理解を示しながらも、犯罪で解決するやり方を否定して彼女を追っていた。
刑事の息子である彼は、その情熱を市長に買われて『セイント・テール専任捜査官』に任命される。
実はセイント・テールの正体はアスカと同じクラスに通う手品師の娘、羽丘芽美。
彼女は親友で見習いシスターの深森聖良と共に、悩める子羊の救済のためセイント・テールに姿を変えていたのだった。


★登場人物

  • 羽丘芽美
CV.桜井智
聖ポーリア学院中等部に通う勝気でお転婆な少女。手品師の父と、元怪盗だった母(芽美自身はその事実を知らない)を持つ。
犯罪被害者救済のために怪盗セイント・テールに変装(アニメでは変身)して、悪人の屋敷に潜り込む実働担当。
普段はロングヘアだが変装中はポニーテールにくくっており、セイントテールの名前の由来もここから。

  • 深森聖良
CV.井上喜久子
学院礼拝堂の見習いシスター。芽美の親友でセイント・テールの共犯者兼仕掛け人。
礼拝堂に懺悔にやってきた迷える子羊達を救うため、情報収集を担当。

  • 飛鳥大貴(アスカJr.)
CV.岡野浩介
聖華市警・飛鳥友貴刑事の息子。
持ち前の正義感と好奇心を市長に認められ「セイント・テール専任捜査官」に任命される。
本来、安楽椅子探偵タイプなのにセイント・テールを自身の手で捕まえる事に拘るあまり毎回武闘派探偵の行動を取って体力不足で自爆する。

  • 高宮リナ
CV.永島由子
市長の姪。正義…と言うよりも独善の塊。行動はいちいち過激。婦警になるのが夢。
アスカJr.に惚れ込みコネを乱用して彼の助手に収まる。

  • 佐渡真人
CV.森川智之
新聞部所属のパパラッチ少年。
捏造と恣意的な世論操作がとっても大好きなマスゴミ野郎。キザで二面性が激しい。女の子には優しいが男や本性がバレている相手にはぞんざい。
自分の捏造を邪魔したセイント・テールを逆恨みしている。
ついでに自分より目立っているアスカも嫌っている。
当初は芽美を口説こうとしていたが連載後期より聖良に惹かれるようになる。

  • ルビィ
CV.こおろぎさとみ
芽美のペットのハリネズミ。
ハリネズミにしては、らしからぬなかなかの器用さで芽美の助手を務める。

  • 恭子&涼子
CV.岩男潤子&こおろぎさとみ
通称「Noiseな2人」。
噂好きで活動的な芽美達のクラスメート。実は結構トラブルメーカー。

  • 飛鳥友貴(アスカ刑事)
CV.大塚明夫
アスカJr.の父。聖華市警察の刑事。
我が子を「息子」と呼ぶ。
普段は昼行灯を装っているが、やるときゃやる大人。潜入操作の為によくコスプレしてたりする。
かつては「怪盗ルシファー」の専任捜査官だったが捕まえる事が出来ずに終わっている。

  • 羽丘源一郎
CV.井上和彦
芽美の優しいパパ。超一流の手品師。
セイント・テールの使うマジックのネタ元。しかし娘のやってるコトには気付いてない。

  • 羽丘映美
CV.榎本智恵子
芽美のママ。元怪盗。
かつて「怪盗ルシファー」として猛威を奮っていた過去がある。
娘も怪盗をやってる事には気付いていないが夜歩きしている事は薄々感づいている。

  • 仙道真珠
CV.かないみか
最終章に登場した謎の魔少女。
催眠術を用い聖華市に混乱を招く。
セイント・テールに対しても催眠術をかけ、正体を喋らせたり、風船のマジックを破るなど、椛子とともに苦しめた。

  • 仙道椛子
CV.幸田直子
真珠の義母。かつて怪盗ルシファーと覇を争った怪盗ローズマリー。
ルシファーへの復讐の為に聖華市を訪れるが、その矛先をルシファーの娘であるセイント・テールへと向ける。
面白い本名がコンプレックス。


★備考
前番組があの『魔法陣グルグル』である事から何かにつけて比較され当時のアニヲタからは散々に不当な評価を受けた作品である。
(当時のアニヲタたちの評価法自体、多分に未熟で問題があったワケだが)
しかし少女漫画として見本の如き丁寧な純愛や葛藤の描写や怪盗ものとして「犯罪被害者救済」や「奪還」を扱った画期的な部分は非常に評価が高い。
インターネットコミュニティーの黎明期から発展期の作品であり、そこから好評を得ていった最初期の作品でもある。
作者の立川恵も実は当時ニフティサーブの会員であった。
その為ファンコミュニティーの結束は現在でも固い作品であると言われる。

あの「リアルぽに男」として有名な漫画家・井上よしひさをポニーテールの魅力に大・覚・醒させた作品としても知られる。


★二次創作
同人誌では芽美と聖良の百合モノや芽美とアスカJr.の純愛モノが主流。
時にリナや真珠との三角四角関係モノがあったりする。

が、ソレだけなら、どんな作品にもあるフツーのパロ同人。

実は同人誌・同人イベントを経由する事なくインターネットコミュニティーを中心として
かなり真面目(もちろん非エロで健全)なシェアード・ワールド形式の二次創作が複数の同人作家によって展開されていた。

中には後日談となる次世代(子ども達の)ストーリーや前日談となる怪盗ルシファーと飛鳥刑事のストーリーも描いたサイトもあり、
これらサイト群により一種の『セイント・テール サーガ』とも言える重厚な世界観が構築されている。

これら作品群は非公認ではあるものの実は、いくつかの二次創作作品は原作者の公式サイトからリンクがなされていたりする。






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最終更新:2023年06月28日 15:14

*1 当時、松尾は新人だったため、すぎやまこういちが監修として補佐した