美しい魔闘家鈴木

登録日:2010/12/13 Mon 12:39:11
更新日:2024/01/25 Thu 12:12:25
所要時間:約 22 分で読めます





千の姿と技を持つ

美しい魔闘家鈴木!

美しい魔闘家鈴木だ!!


幻海「2回も言わなくても聞こえてるよ!魔闘家の鈴木サン!」

「私の名前を呼ぶ時は、“美しい”を付けるのを忘れるな!」

美しい魔闘家鈴木は幽☆遊☆白書の登場人物。
CV:曽我部和恭

見た目は人間と区別がつかないが、妖怪(魔族)の青年である。

彼のことを人に口にするときは"美しい"という言葉を付けるのを忘れてはならない。



【概要】

千の姿と千の技を持つと豪語し、姿に関しては言葉通り、登場する度に姿が変わっている(ジジイ→ピエロ→フルボッコ→包帯→素顔)。

その発言通り非常に器用であり、その中には状況に応じて自らの妖気の波長を自由自在に変えられるという能力や変装能力もある。
また幻海の技を見てその性質を見抜くなど、単なる脳筋でもない。

本編開始前、「強い妖戦士田中」と名乗っていた過去がある。





【劇中での活躍】



◆暗黒武術会編


初登場。
裏御伽チームの大将だが、最初は 怨爺(おんじい) と名乗り、その通り老人の姿をしていた。
曰わく、

『私が老人に変装したわけは、年寄りは私の最も嫌いな生き物だからだ。
最も嫌いなものに化けることで自らの闘争心をさらに高めたのだ。
老いは醜い!もはやこれは罪だ』
…との事。
なお、変装のクオリティは非常に高く、外見どころか身長、妖気の波長すら変えていた。*1

なお、怨爺(おんじい)という名前の由来は不明。
可能性として考えられるのは
  • 『アルプスの少女ハイジ』の「アルムおんじ
    • 他のチームメンバーが日本のおとぎ話由来であるのに対し、スイスの児童文学由来
  • フランスの戯曲『オンジーヌ』*2
    • 特に、登場人物の一人である水の精霊王は第2幕では奇術師に扮している。
  • 逆に、“明確な由来がない”ということ自体が、他のメンバーと違っていることの証左
等であろうか。
…といっても、お爺さんの出てくる日本のおとぎ話は『こぶとり爺さん』や『花咲か爺さん』、『桃太郎』や『笠地蔵』など枚挙に暇がなく、怨爺の外見自体もそれらを意識したもののため、ある程度の違和感は感じても真相に気づくのは難しいだろう。

チームメンバーが1人も欠けることなく準決勝まで上り詰め、浦飯チームと対戦した裏御伽チームであったが、仲間の魔金太郎、黒桃太郎、裏浦島、死々若丸がことごとく倒されたため、ついに自らリングに立つ。
桑原には相性が有利だったのもあり、ノーダメージで勝利するが、幻海に変装を看破された為、マスクを脱いで姿を見せた。

マスクを脱いだ彼はピエロの様な格好をしており、怨爺の時とはうって変わって派手。
もちろん周りの観客はポカーンとしていた。
その目的は、自分を主役とした恐怖神話を作り上げること。
奇抜な扮装は、自分の姿かたちを後世に残さないことで、神話の神秘性をさらに高めるためだった。

この大会を制し、老人を皆殺しにして反対者も皆殺しにするという恐怖政治を布いて自身の恐怖神話への足がかりにすると宣言。
浦飯たちへの殺意をむき出しにする観客の妖怪たちをも「どっちも応援できねえ」と恐怖させ、
さらに幻海の敗北をその1ページ目にするとのたまったが……

死々若丸との戦いで幻海が使った、相手の妖気の波長に合わせて逆利用する「霊光鏡反射」の技は妖気の波長を自在に変えられる自分には通用しないと豪語し、
妖気の波長を様々に変えて七色の妖力波を放つお気に入り技「レインボーサイクロン」を放つ。



…が、それ以前の問題だった。
美しい魔闘家鈴木自体のレベルが低すぎ、妖気を取り込むとか反射するとかの小細工など必要なく、単純に身体能力だけでボコられてしまった。
殴るついでに幻海に付け鼻も取られてしまい、その美しい鼻が白日の下に晒されてしまう。
この時見えた鼻は以外にもかなり整った形をしており、幻海いわく「素顔の方が伝説を作りやすいんじゃないかい?」とのこと。

「お前の技はすべて見せかけだけで軽い」
「お前を倒すのに霊気は要らない」
「霊光波動拳の修行の苦痛に比べれば屁みたいなものさ」
とボロクソに言われた彼は、とうとうプッツン。
身体能力を強化する技である「爆肉鋼体」を使って挑むが、付け焼刃的に身体能力だけを上げてもどうにもならなかったようで、幻海にはまったく敵わず、一方的にボコボコにされてKO負けした。


「しまった………!」

「あ… あひる」


樹里「あひる…?」( ゚Д ゚;)


「コイツの美しいツラとやらを拝むの忘れてた」


樹里「(それ?)」∑( ゚Д ゚;)


アニメ版では飛影、蔵馬からも「話にならない」「弱すぎる」と酷評されると同時に呆れられている。



鈴木はそのまま敗者としてフェードアウトするかと思われたが…。
その後、決勝を控えた桑原蔵馬の前に素顔を晒した状態で現れる。

蔵馬「ちょっとびっくり」

自分が文字通り道化(ピエロ)でしかなかったことに今さら気付いた美しい魔闘家鈴木は驚くほど素直に負けを認めていた。
その後自らの過去(後述)を明かした後、桑原には試しの剣、蔵馬には前世の実をそれぞれ託して激励する。*3
このアイテムは浦飯チームに不可欠の役割を果たす事となる。

また、幻海の見立ては間違っておらず、このとき見せた美しい魔闘家鈴木の素顔は本当にイケメンであり、蔵馬のような中性的な美形とまではいかないものの、なかなかに整った男前なものであった。
なお、幻海にやられた時はやった本人も素顔を見れず残念がるほど顔面もボコボコにされており、全身傷だらけで包帯を巻いていたが、割とさっさと治っている。アイテム作成技術で何か回復向けのアイテムを使ったか、妖怪だから治りも早いと言うことなのか。


大言壮語を発しておきながらアッサリとやられたため、ただのダメキャラにも思えてしまう美しい魔闘家鈴木であったが、この潔さに「案外いいやつ」という印象を持った読者も少なくなかったであろう。

また、裏御伽チームのメンバーが持っていたそれぞれのアイテムは全て美しい魔闘家鈴木が考案・開発したものである。
彼が与えた各人専用アイテムを駆使して戦うチームとして確立されているとも言える。決してダメキャラというわけではない。
単純な実力面でも、桑原をブラックホールで一蹴する、獄界六凶チームの中堅を倒すなどしているので、暗黒武術会参加者の中では決して弱い部類とは言えない。
そもそもメンバーを一人も欠くことなく準決勝まで勝ち上がった事実があり、弱いと酷評されているのもあくまで最上位の強豪と比較した場合と言えるだろう。

もう一つ、彼の見かけ倒しっぷりを看破した幻海の発言を要約すると道具作りの腕前は天才的だが、それを自分自身の強さと勘違いしたというものであった。
つまり、少なくともその道具作りの才能は本物なのである。
幻海が認めるだけでなく、作品の一つである試しの剣を目の当たりにした戸愚呂(兄)も「あの剣は確かに厄介」「なかなか便利な道具(要約)」と評するほどの職人なのだから、「素晴らしい武器職人佐藤」とでも名乗ってそっちで活躍することもできただろう。
同チーム内だけで見ても、飛影に瞬殺された魔金太郎よりはおそらく強いだろうし、その魔金太郎でも獄界六凶チームの先鋒には無傷で勝っている。

あくまで自分自身の力量については過大評価していたものの、飛影が現状では黒龍波を撃てない状態にあることを看破したり、幻海の霊光鏡反衝についてもその性質を一見しただけで的確に見抜いて対処したりなど、分析眼や応用力にも光るものもあった。



◆魔界統一トーナメント編

美しい魔闘家鈴木は蔵馬の部下として再登場。
大会でフルボッコにされた幻海に弟子入りし、彼女の指導の元、「美味い食事と適度な運動」*4で戸愚呂を超え、仙水とタメをはれるS級クラスの妖怪に急成長した。
良い師に巡り合えたのも大きいが、本来の資質や才能は彼が思っていた以上に本物だったのだろう。

性格に関しても敵だった頃はボロクソに言われていたが、「枯れかけた夢をもう一度咲かせてもらった」「恩返しさせて頂く」と蔵馬や幻海に強く恩義を感じており、至って真面目で誠実なキャラになっている。
素があまりに実直なため、ああなってしまっていたのは生い立ちや環境に原因があったのかもしれない。

本編で一度も絡まなかった幽助に対しても戸愚呂(弟)を倒した人物であるからか好意的であり、
蔵馬から最悪の場合、黄泉と幽助のどちらに付くかを聞かれた際は、1人無回答と答えた死々若丸の文字をわざわざ幽助に書き直している。
死々若丸が幽助への恨みを口にすると「死々若!めっ!」と窘める辺り、完全に死々若丸の飼い主保護者。

凍矢や陣らと同じく予選を易々と突破するものの(アニメ版ではパワーアップしたレインボーサイクロンを使って他の妖怪たちを蹴散らしていた)、詳細は不明ながら本選では目立った活躍は出来なかったようである。*5
が、トーナメント終了後、妖怪アイドルグループ『カルト』のメンバーにして、暗黒武術会準決勝・決勝の審判であった樹里に想いを寄せられている事が発覚。あの試合の美しい魔闘家鈴木を見て!?
彼女には、(本人は気付いていないが)かなりボケており、例えるなら顔の良い山崎(邦正)さん(現:月亭方正)という印象を持たれている*6
爺になったりピエロになったりした辺りの事だろうか…?
まあその頃には当時と比べて驚くほど精悍で爽やかなキャラに成長しているので、好感を抱くには十分ではあるが。

ちなみに、トーナメント表では単に「鈴木」とされ、美しい魔闘家は付いていなかった。
単に省略されただけとも考えられる(名前が5字以上の妖怪は登場していない)が、暗黒武術会を経て憑き物が落ちた彼は、もはや「美しい」に執着する必要が無かったのだろう。



【美しい魔闘家鈴木の技】




波長を変えた七色の妖気を繰り出して相手を攻撃する技。
死々若丸を倒す決め手となった幻海の『霊光鏡反衝』が相手と気の波長が合っていないと使えない技であることから、その手を封じる(一度に何種類もの妖気を放出すれば防ぎようがない)ために放った。
その理論自体は間違っていなかったものの、幻海にとっては直撃しても何ら問題がないレベルの威力であったため全く通用しなかった。
一応、命中した幻海の体を吹っ飛ばして叩きつけた石壁を粉々にするくらいの威力はあるので、こけおどしというわけではない。相手が悪かったのである。
アニメ版の魔界統一トーナメントでは強化版である「レインボーサイクロン・エクストラフラッシュ」を開発し披露している。
こちらは同じ予選ブロックにいた選手全員を一瞬で場外にふっ飛ばしており、見掛け倒しではない威力を持つ模様。


◆妖気弾


名称不明。観客席の一部を破壊して、鈴木の演説に対して野次を飛ばす観客たちを黙らせた。
原作では大した事はなかったが、アニメ版ではかなりの範囲の観客席を吹き飛ばす威力となっている。ぶっちゃけレインボーサイクロンより強い


◆死出の羽衣と同じ効果の技


名称不明。後述の死出の羽衣と同じ効果をアイテム無しで再現した技。
原作ではブラックホール状に展開、アニメ版では両手の間で発生させた妖気で黒い半透明の球体を生成し、桑原をこの技で一蹴した。

◆変装


どんな敵も欺けるほどに精巧な変装技術。本人曰く「趣味」。老若男女はもちろん、身長や体格までも擬態でき、更にはどこから用意したのか服装も自由自在。
「別人に化ける」点だけで言えば、後に登場する「柳沢光成」の能力「模写(コピー)」の上位互換。*7
わざと嫌いな者に化けることで自らの闘争心を高めると言う使い方もできる。
(ぶっちゃけ、怨爺の時の方が桑原を翻弄したりするなど強く見えるぐらい。)
変装のレベルは非常に高く、妖気の波長も変える凝りよう。
幻海が見破った時の様子を見るに、蔵馬や飛影も気が付かなかった模様。


初出はゲーム。
おそらくレインボーサイクロンの派生技で、手から妖気を発射しているように見えるが詳細は不明。


◆爆肉鋼体


筋肉を増大させ、パワーを強化する。
戸愚呂(弟)には遥かに及ばないものの、リングの床に素手で穴を穿てる程度のパワーにはなった。
戸愚呂(弟)のアレと原理的には同じ技であるらしい。
そのためか、ゲーム作品においては戸愚呂(弟)が使用する同様の技もこの名前が採用されていたりする。
アニメ版ではこの技を見せた後、戸愚呂(弟)から「バカが」と呆られるシーンが描かれた。
この技を使う際に「前回優勝かなにか​知らんが戸愚呂程度の技ならこの通りよ!!」と戸愚呂のことを良く知らないようなことを言っていたが、
後述のことを考えると「強い妖戦士田中」であることを気付かれない様にしていたブラフと思われる。こんな状況で芸の細かいことを
こちらも、レインボーサイクロンと同じく理屈そのものは間違ってなかったのだろうが、そもそもの実力が低すぎてそれ以前の問題であった。
戸愚呂兄が100~1000の操作だとしたら、美しい魔闘家鈴木は1~5と言ったところだろうか。



美しい魔闘家鈴木はゲーム作品では妙に愛されており、これに限らず様々な技が追加されている(原作では披露した技が少ないこともある)。
更には専用BGMまでひっさげて登場した。が、幻海の評通り火力が低いので最弱キャラである

なお、他にも995の技があるとの事だが、劇中で披露されることはなかった。*8


【美しい魔闘家鈴木が作ったアイテム】



◆奇美団子


受けたダメージを記憶する黒桃太郎の体に合わせて作られたアイテム。
記憶した攻撃への耐性を得て自身の戦闘力を高め、さらにダメージを回復するが、一度の戦闘で使えるのは猿・雉・犬の三回まで。(恐らく、それ以上は流石に黒桃太郎の肉体が耐えられないと思われる。)
また、その性質上一撃で殺されると意味がないという欠点がある。
特定の技に頼り切りの相手ならば非常に強力な働きをすると思われるが、黒桃太郎は勝ちを急いで最後の団子を使う凡ミスをしてしまった上に、相手の飛影の技の数も豊富であった事が敗因になった。

◆逆玉手箱/前世の実


裏浦島と蔵馬に与えたアイテム。
魔界で発見された新種の植物、トキタダレ花の果肉から抽出した液体。
摂取すると、一時的に体が過去の姿に戻る。
描写から単純に若返るわけではなく対象の時間そのものを戻していると推測され、液体版タイムふろしきのようなもの。
摂取した成分の濃度と量によって程度を加減でき、やりすぎると生まれる前まで戻ってしまう(が、蔵馬のような「人間に憑依して転生した」場合は人間として生まれる前=妖狐に戻る)。
また時間を戻したあとも記憶は維持される。

裏浦島は逆玉手箱として死々若丸から手渡され霧状で使用し、蔵馬は鈴木から貰った原液を直接飲んだ。
前者は幼くし弱体化した相手をなぶる為、後者は自身が妖狐の姿に戻る為と使い道(対象)が違う。
ちなみに、逆玉手箱は使用者の裏浦島が「自分以外の奴が若返る」と言っていたように彼本人には効果が無かったが、事前対策か何らかの調整をしているのかは不明。
一緒に巻き込まれた審判の樹里は幼児化していたが、まあ裏浦島も基本的に長命な妖怪なので、同じく巻き戻っても大して変わらないくらい元々高齢だったのかも知れない。という事は幼児化した樹里は20歳代くらいの年齢という事に?

なお繰り返し使うと身体が耐性を持つのか効果が薄れる模様。
蔵馬は対裏浦島戦の煙・決勝戦前に自分で試しに飲んでみた時・鴉戦の直前で少なくとも合計3回飲んでいるが、
試しに飲んだ時よりも鴉戦の時の方が早く効果が切れて南野秀一の姿に戻ってしまっている。
代わりに、これを摂取した事による副次効果なのかは不明だが、南野秀一の姿に妖狐・蔵馬の妖力が徐々に戻っている。


◆魔哭鳴斬剣(まこくめいざんけん)


あまりの妖力に弁慶すら封印したといわれる妖刀。
死々若丸以上に凶悪な妖力を放っているらしい。
…なのだが、鈴木作のアイテムなので、弁慶のくだりはハッタリと思われる。そもそも副作用もわからない試作品が存在している(後述)辺りが怪しい。
もしくは、弁慶が持っていたオリジナルをモデルに作ったのかもしれない。*9
詳しくは死々若丸の項目へ。


◆死出の羽衣


これも死々若丸に与えたアイテム。
妖力を込めた布で中と外界を遮り、異界への入り口を作る。
中に入った相手はどこかに飛ばされるが、どこに行くかは使用者にも分からない。
怨爺(鈴木)の場合はアイテム無しでも異界の入口を作ることが可能であり、観客からは「ブラックホール」と評された。
本人も「儂位になると何も使わなくても、この通り」と言っており、千の技の中の一種だと思われる。

ちなみに死々若丸戦と合わせてコレによって2回飛ばされた桑原は、2回とも同じ島にある古い方の闘技場に飛ばされた。
すぐ戻ってこれる近場で済んだ上にそれが2回も続いたが、人によって飛ばされる先が決まっているとかではなく、
単に桑原が神がかり的に幸運だったようだ。


◆試しの剣


鈴木本人のトーナメント敗退後、桑原に託したアイテム。魔哭鳴斬剣を作る際に試作したものらしい。

触れた者の気を吸い取って成長する魔界の植物「ヒル杉」を使って作られた剣だが物理的な刃や鍔はなく、見た目は剣の柄しかない。
桑原が使った際には強力な霊剣を発生させるだけでなく、桑原の持ち味の耐久力と回復力も高めたり、剣の形も自在に変化した。
だが、前世の実同様に「副作用がでない保証はない」と前置きされており、武術会後は桑原が一時的に霊力を失った理由として疑われていた。*10
特に武術会で破壊されたわけではないのだが、魔界の扉編では桑原は霊気が使えなかった期間が長かったのと副作用の可能性を考えたためか携帯しておらず、以後出番はなかった。


これらの他にも、裏浦島の使った武器だけでなく結界を作り出す効果を持つ釣り竿も美しい魔闘家鈴木が作成したのアイテムとみられるが、特に明言はされていない。
またチームメイトのうち魔金太郎だけはアイテムを与えられていなかった。あるいは使う暇もなかったのかもしれない。


なお美しい魔闘家鈴木自身は、自分が戦う際には特別なアイテムは使っていない。
当時は自身の強さではなく技の多彩さばかりに目を取られる性格であった事、武器の特殊効果だけなら技として再現できる(死出の羽衣)事から、
自分用の武器を作る必要は無いと考えていたのだろうか。

魔界統一トーナメント編でも原作においては仲間達のために道具を作った描写はない。
ただこちらは改心して師にも恵まれたことで自分自身の強さを磨く事に目覚めており、
魔界統一トーナメントの趣旨なども考えると、そもそも道具を作る動機自体が無い。
……が、それだと暗黒武術会で幻海に魔哭鳴斬剣を破壊された死々若丸が武器なしになってしまうので、
アニメ版では死々若丸の新武器として新魔哭鳴斬剣が登場。少なくともアニメ版では道具作りも続けていたようだ。


【余談】

美しい魔闘家鈴木は、ある意味では戸愚呂(弟)のifの姿であると言える。

かつて「強い妖戦士田中」(アニメ版では名前部分は触れず)と名乗っていた美しい魔闘家鈴木は、暗黒武術会で戸愚呂(弟)と戦ったことがあった。
しかし格が違いすぎて30%の戸愚呂(弟)を見ただけでアッという間に戦意を喪失し、クツの裏を舐めてでも助かりたいと命乞いをしており、
そのあまりの見苦しさに戸愚呂(弟)は「殺す気すら失せる」と結果的に見逃されている、という苦い過去がある。
これが兄の方だったら間違いなく殺されていただろうからある意味運がよかった。

初登場時点での彼は、野次を飛ばしてきた武術会の観客を攻撃して容赦なく殺害するなど、飛影に「マッド・ピエロ」と呼ばれるような残虐な人物であった。
が、改心した後の良心的で気さくな本来の人柄を見ると、これらの言動は、いわゆる“キャラ作り”によって行っていたか闇堕ちして迷走中によるものだと思われる。
裏御伽チームは元々そういうコンセプトのチームだったので、チームとして見ると浮いていたわけではないのだが。

幻海に敗れて以降は、すぐさま己の非を認めて本来の姿に戻った。
そんな方向性でやっていくのは無理があることを本人も心のどこかで自覚し、自分を否定する者を求めていたからかもしれない。

「強さを求めたが故に自らを偽った」という点では、彼も、ある意味では戸愚呂(弟)と似た者同士であったのかもしれない。
それを知っていたのかは不明だが、老いを恐れ嫌悪していたという点は戸愚呂とよく似ている。
が、皮肉にもその実力不足と精神の弱さゆえに、一度ならず二度までも強敵に敗れそして生き永らえたことから本来の自分に戻れて格闘家として真っ当な道を歩み始めた鈴木と、
なまじ強すぎたことと責任感が強すぎた余りに、最後まで自分を責め続け最終的に自らの意思で冥獄界にまでいった戸愚呂(弟)とは、実に対照的な結末を迎えたと言えるだろう。



私は伝説を作る!
私が主役の恐怖神話だ!!
この項目はその伝説の第一歩となる!!
お前達は伝説の証人となる
Wiki籠もり全てに私の項目を追記、修正してもらう

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最終更新:2024年01月25日 12:12

*1 怨爺の時は大柄な桑原どころか審判の樹里よりも低く、変装を解いた際とでは全く違う。

*2 『オンディーヌ』とも

*3 ちなみに、原作では桑原は美しい魔闘家鈴木としての姿を知らないので「誰?」的な顔をしていたが、アニメでは飛ばされた後、ダッシュで戻ってきて試合を観戦してたので「お前あの鈴木か!」と思い出してもらえてる。(そして直後に「“美しい”を付けるのを忘れるな!」とツッこんでる)

*4 蔵馬談。実際にはクソまずい薬草と地獄のトレーニング。鈴木「美しい特訓ではなかった!」

*5 アニメ版では、とんでもなく強い妖気の相手(ほぼ間違いなく雷禅の旧友の一人)に当たって敗退してしまったらしい。

*6 ちなみに、それをゲスト出演したダウンタウンの番組(ガキ使?)で、山崎氏本人の前で言っているのではないかと思われる描写がある。全くの余談だが、若かりし頃の山崎氏はかなりのイケメンであり、素顔の鈴木にも結構似ている。

*7 こちらはあくまで「変身」。また、記憶や性格といった変身対象の内面情報を把握できる特長がある。

*8 本人は全部見せたかったと言っているが、作者からも添え書きで「ムチャ言うな」とツッコミを入れられた。

*9 劇中の平安〜鎌倉時代は、雷禅などのS級妖怪やそれにも匹敵しうる化け物じみた霊能力者が幅を利かせていた全盛期であり、美しい魔闘家鈴木とは別に、その時代の魔界の刀工が作りあげたオリジナルの魔哭鳴斬剣が存在していても不思議ではない。

*10 実際は全く関係なかった。試しの剣涙目である。