ストームソーダー(ゾイド)

登録日:2010/02/15 Mon 00:57:14
更新日:2024/02/17 Sat 14:04:03
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「天定まって、また能く人に克つ!我こそは平和の使者、翼の男爵アーラバローネ」



「誇り高き嵐の刃ストームソーダー恐れぬならばかかってこい!」





ストームソーダーとは、タカラトミーの『ZOIDS』に登場する機体の一種。

【機体スペック】

番号 RZ-029
所属 ヘリック共和国
分類 テラノドン
全長 10.1m
全高 12.9m
重量 47.0t
最高速度 M3.2

武装・装備
ウイングソード×2
トップソード
2連装パルスレーザーガン×2
    or
アイアンクロー×2
エンジンポッド


ヘリック共和国軍が、ブレードライガーガンスナイパーと同時期に完成させた、戦闘機タイプの空戦ゾイド
銀色の流線型ボディや、穴あきでない密閉式の翼装甲化されたキャノピーなどが特徴。

はがね・ひこうタイプの動物だがエアームドではないし、ガルーダでもない。

【開発経緯】

本機は純正のヘリック共和国ゾイドではない。
もともとはガイロス帝国がジェノザウラーとともに開発していた、レドラーの後継機となるべき空戦ゾイドであった。

しかし当時、「新型ゾイドの開発プラン」を掲げた班はジェノザウラー開発のために予算を使いきってしまい、こちらの開発は大きく遅れていた。
同時並行で「既存ゾイドの改造プラン」があったが、こっちの班は同じ予算でダークホーングレートセイバーの二機を開発している。
新型開発班がジェノザウラー一機しか作れなかったのは、予算と時間の都合であったとされている。

そのため、こちらのプランはしばらく放置されていたのだが、いかなる経緯でかヘリック共和国の諜報部が盗み取り、本国に持ち帰った
そして、その設計図をヘリック共和国が自国の技術で完成させ、配備したのがこの「ストームソーダー」なのだ。日頃の行いの悪さから純帝国製を共和国がパクって運用していると誤解されることもあるが、実際には前述の通り帝国開発の飛行ゾイドをベースに共和国独自の技術が組み合わさったハイブリッドゾイドと言うべき代物と言える。

共和国もブレードライガーを開発しているが、ブレードライガーは(ダークホーンやグレートセイバーと同様)シールドライガーの改良機種であり、開発にかかる予算や時間は余裕があった。
その余裕を、ストームソーダー開発に回せたのだろう。

……よくよく考えると帝国内部には原型機の開発データは残っているはずなので、ガイロス帝国でも量産は可能なはずだが、なぜかその兆候さえない。
おそらくニクス大陸には適合する野生体がいないものと思われる(デルポイ大陸には同種のレイノス野生体がいる)。


【機体性能】

三本のレーザーソードを使った近接格闘戦を得意とし、ブレードライガー同様すれ違いざまに敵機を斬る。
もちろん、それだけでの戦闘は非常に難しいので、翼には小型のパルスレーザーガンが全部で四門搭載されている。対地爆撃には火力不足は否めないものの、空中戦を行うには必要十分な威力であった。

ブレードライガーやガンスナイパーと同じくオーガノイドシステムも限定的に搭載されており、機体出力は同じテラノドン型のレイノスを大きく上回っている。
しかし空戦用の本機にはシステムが収まりきらず、エンジンポッドを外付けにしている*1

西方大陸戦争時、共和国が帝国から制空権を奪取出来たのは、ほとんどこの機体あればこそ。

マッハ3.2(音速の約3倍=秒速約1.2km)というすさまじいスピードと運動性能を持つ反面、火力が乏しいためにほとんど接近戦しかできないと言って良い。
しかし出力に余裕があるため、小型ゾイド程度であれば空輸可能であり、空挺作戦も可能。
…そこ、自機のソニックブームで抱えた機体が壊れるとか言うな。ちゃんとコンテナあるわ。そもそもいつもMAXスピードで飛ぶわけでもないし。

また、実際の運用では爆装をして大規模爆撃を行ったこともあり、カスタマイズ次第で様々な運用もできる。

同じ空戦ゾイドであり仮想敵のレドラーと比較した場合、1対5から1対10の差で圧勝と言われている。


【活躍】

【バトルストーリー】

開発経緯は上記の通り。

ZAC2100年の3月に「ガリル遺跡」方面の戦いで先行配備された。
4月には共和国軍拠点の爆撃に出撃した1000機のレドラーと迎撃に現れたストームソーダー200機が一時間に及ぶ空戦を展開。
結果、

レドラーは「撃墜:325、中破:407」
ストームソーダーは「撃墜:28、中破:33」

という、「レドラーとのキルレシオは五倍以上」というのを実証するほどの歴史的な勝利を収めた。
レドラー側が爆撃装備をして重くなっていたことや、ストームソーダーは待ち伏せしていたための有利性などもあるにはあったが、この格差は圧倒的だった。

5月にはストームソーダーが爆撃任務を行っており、やはり爆装も可能であることを立証している。

以降も本機の活躍で空戦では常に勝利を飾り、エウロペ東部の制空権を確保するに至る。
爆撃能力の不足も、重武装化したプテラスボマーの登場や、「空の王者」サラマンダーの復活によって補われ、
生産数の不足もレイノスの再就役によって何とかめどが立ち、ヘリック共和国空軍の精強ぶりは絶頂期を迎えることになる。

戦争の舞台が暗黒大陸に移った後も引き続き運用されたが、帝国軍が開発したザバットの登場により制空権確保による絶対的な安全性は無くなった。
なにしろ相手は倒してもいくらでも湧いてくる無人機、しかもザバットを投下してくるホエールキングはストームソーダーでは迎撃不可とくれば、死を恐れない特攻を仕掛けてくる爆撃機を防ぎ切ることはストームソーダーと言えども不可能である。
更にネオゼネバスに重要拠点の殆どを奪われると、その生産性の悪さが災いして新しい機体の補充が不可能になる。
その結果、ネオゼネバスとの戦いでどんどんその数を減らしていき、共和国軍は空軍の主戦力を量産が可能なブロックスゾイドのナイトワイズへと移行させることを決定。
結果、元々配備数が少ないサラマンダー共々、最強クラスの性能がありながら第一線から姿を消すこととなった。


【アニメ版】

元盗賊団「デザルト・アルコバレーノ」の生き残り、「アーラ・バローネ」の赤仮面と紫仮面が搭乗し、バン・フライハイトと行動を共にするルドルフ皇帝を空から支援。
前口上が凄い。
デスザウラー戦では、荷電粒子供給ファンを攻撃して一時的に抑える等の活躍した。
ちなみにこの「空から背後に回って供給ファンを攻撃する」というのは、かつてバトストにてサラマンダーがやろうとして果たせなかったこと。
旧シリーズのバトストを読みかえしてから見ると一層感慨深い。

第二部ではガーディアンフォースに組み込まれたのか、相変わらずの勢いで様々に転身。
旧帝国軍に奪取された上位機種「3S」とも対戦しているが、赤仮面は「ゾイドは“心”で動かすんだよ」という明言を残した。
ちなみにこの時3Sを奪取したパイロットは二人おり、一人は後に狙撃を得意とするガンダムに、もう一人はどんな状況でも帰還する不死身な奴になった。

『音速の決闘』ではキャロルの乗る赤いストームソーダーが登場。性能面等に変更は無いようだ。
キャロルの声優が玉川紗己子で、シャア・アズナブル役で有名な池田秀一の嫁だからなのかも知れない。
アーバインライトニングサイクスと「音速の決闘」を行うが……

また成層圏上のデススティンガーを撃墜するため、アーバインとトーマ・リヒャルト・シュバルツが搭乗。
見事撃墜したかに思われたが…

キャロルの話もそうだが、イセリナ山をデススティンガーが襲った時のエピソードもとにかく辛い。
最終回にてロッソが無事に帰ってきたことだけが唯一の救いである。


【各種バリエーション】

  • 風剣
漫画版『機獣新世紀ZOIDS』に登場。
外見はほとんど変わらないが、首に小型バルカンを武装し、尾も水中で活動出来る様にスクリューを搭載している。
名前の読み方は「フェンジャン」。


  • 雲剣
同じく、漫画版に登場したオリジナル。輸送能力を強化しており、小型ゾイドを格納出来る大型コンテナを増設している。
名前の読み方は「ユンジャン」。


  • S4
同じく、漫画版のオリジナル。
トームーダー・テレス・ペシャル」からSの頭文字が四つあるので「S4」と呼称される。
機体色が黒くなり、脚部も簡略化された。武装に関する詳細は不明だが、小型のガトリング砲が確認されている。
ロブ・ハーマンの搭乗機として登場。
ハマシュートはしない。

アニメ版では「ストームソーダー・ステルス」、通称「3S」の名称で登場した。


  • ストームソーダーF
ZOIDS SAGAシリーズに登場。
ストームソーダーの武装を変更した改造機。
頭部に赤色のバルカン砲を装備しているのが特徴。


  • ストームソーダーF1
ZOIDS新世紀/0に登場。
ラオン博士がチーム・ブリッツへの復讐のために制作した機体で、対地攻撃能力強化機体。
各所にミサイルなどを大量に装備し、機首にもガトリング砲が追加されている。


  • ストームソーダーFX
ZOIDS SAGAシリーズに登場。
ストームソーダーの次世代技術の試験機。
全体を青色に塗装し、長距離キャノンやエネルギーシールドなどで装備している。
FXとは「フューチャー・エクスプローラー」の略。

電撃ホビーの設定画によると増槽ぽいのはフリーラウンドシールドで、長距離キャノンは高出力ブラスター。
4連レーザーは実際は2連レーザーで、外側は2連高速キャノンとなっている。
さらに、ミサイルランチャーにバルカン砲、Eシールドと何でも付いてる万能装備になっていた。


  • ストームソーダー2
電撃ホビーの「SMACK ZOIDS!」掲載されたストームソーダーの強化機体。
背部に二連ビームキャノンを装備したマグネッサードライブブースターを装備している。
操縦性に難があったためにお蔵入り。

  • ストームソーダー(リコリススペシャル)
ソーシャルゲーム「ZOIDS 鋼の絆」の登場するオリジナル機体。
ゾイドアカデミーがアカデミーの生徒のリコリス・ブルーメル用に調整した機体で、彼女のパーソナルカラーである黒と赤に塗装されており、黒いボディに各パーツのエッジ部分が彼岸花のような赤に塗装されている。
イベント報酬の機体だったが、とにかく格好いいために非常に人気のある機体だった。

【ゲームのストームソーダー】

エース遺跡の地下10階のボスとして登場。
このゲームは飛行ゾイドへの命中率がかなり低く抑えられているため、探知系のスキルがないと倒すのに非常に苦労する相手である。





追記・編集はレドラーの五倍の勢いでお願いします。

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最終更新:2024年02月17日 14:04

*1 逆にこれが機体の改造を容易にすることになる