松平・元信(境界線上のホライゾン)

登録日:2011/08/30 Tue 17:17:54
更新日:2023/08/25 Fri 19:58:58
所要時間:約 4 分で読めます




君はどちらだ
世界を揶揄して喜ぶだけの批評家か
それとも、楽しむ者か

それとも、世界を作りに行く者


松平・元信とは川上稔著〈GENESISシリーズ〉『境界線上のホライゾン』の登場人物。ここでは彼の自治領“三河”についても解説する。

眼鏡をかけ学帽つきの黒の長髪、マイクを小指を立てて握るオッサン。
後に極東の支配者となる松平家(後の徳川家康)の襲名者で、アピール好き。“武蔵”が三河に立ち寄るたびに通神(インターネットや通信網)を通じて授業のように何かを教える口調で話す。




○自治地域“三河”
現在、極東各地はそれぞれの国がそれぞれの教導院を建て、教導院主体での自治を進めているが、いずれ極東の支配者として成立させるため、三河だけは高度な自治が聖連より認められている。
また本編開始十年前にP.A.ODAと暫定同盟を結び、そのP.A.ODAが聖連を脱退したため中立国となり、現在は半鎖国状態。
“人払い”を進め、さらに怪異が頻発するようになり人口が減少。
三河城内部の運営などの多くは自動人形によってまかなわれている。

なお、中立国であり“武蔵”に肩入れしない証明として元信は“武蔵”への乗艦を禁止されており、通神を用いたアピールも少なくなった外との交流を少しでも行いたいと元信が独自に行い始めた。



○事業
単体で都市制圧も可能な兵器“大罪武装(ロイズモイ・オプロ)”を開発し、各国へと分配。
本編第1巻上ではK.P.A.Italiaの教皇総長が新しい“大罪武装”の開発発注に訪れている。(三征西班牙は教皇総長の船周りの警備のために寄港)

また新名古屋城内部の東西南北に四つ、中央に統括用の一つ、計五基の地脈炉を持ち、地脈炉運用の禁じられた国に地脈炉より抽出した流体を用いた加工品を大量提供することで利益を得ている。



○“授業開始”

今夜は私の方でも面白いものを用意している。
夜に、三河の方を見ているといい。

ちょっとした花火

を用意しているからね。
では――、本日の授業はまずこれにて!!

三河到着直後の
通神より抜粋

そして、『境界線上のホライゾン』という巨大な物語は動き出す。
地脈炉の暴走を意図的に引き起こし、それを阻止しようと駆けつけた手勢を本多・忠勝鹿角を始めとする家臣たちを使って退け、彼は笑顔で言う。

『どうだい地脈炉暴走、さぁ三河の消滅を見てみたい人は元気良く手を挙げなさい』

……はーーい!!
ぼぉく見たいでーす!

暴走阻止のために出撃していた立花・宗茂の『何故立場の悪い極東をわざわざ危機に陥れるような真似をするのか』という問いに、

『危機って、面白いよね?』

『先生、よく言うよね?考えることは面白いって。じゃあ、やっぱり、どう考えたって、――危機って、面白いよね?』

『考えないと、死んじゃったり、滅びちゃったりするんだもんなあ。――すっごくすっごく考えないと解決出来ないと思うんだけど、それってつまり』

――最大級の面白さだよね?

と返すと同時に

  • “大罪武装”が人間を材料に造られたこと
  • 既に“嫉妬を司る大罪武装”が存在していること
  • それが“大罪武装”を持つことを禁じられている“武蔵”にあること
  • “大罪武装”を巡って各国が争乱を起こさねばならないように全てを仕組んだこと

などを明かし、この地脈炉の炉心爆発による、三河消滅を以って『世界の滅びを掛けた授業』の開始を宣言。
地脈炉暴走を確実にし、最期は本多・忠勝と多くの世話役自動人形とともに、爆光の中へ消えた。

ちなみに、“武蔵”が三河に寄港する際に、P-01s(ホライゾン・アリアダスト)が「誰かが私に手を振っていました」と言っていたが、その時P-01sに手を振っていたのは元信公であった事が判明する。(バレバレだが)






以下、作品のネタバレになるため注意







○彼の背景
末世の謎を追う武蔵勢は、実は元信が末世の謎に迫り「公主隠し」に飲まれた織田・信秀の教え子として『創世計画』を立ち上げ、
かつ30年前に末世対策としてある場所に『どこにもない教導院』を立て、各地の若者達を教え共に『創世計画』とは違う末世対策を模索するも失敗したという過去を知る(10下でその詳細が明かされた)。
ホライゾンの母「マリア」ともそこで出会ったのだが、『どこにもない教導院』崩壊理由となった事件で教え子達は「公主隠し」の標的となり、マリア達は次々と子を残し消えていった。
また弟であり「長男の襲名者」でもあった松平・信康(『どこにもない教導院』所属者)も独自に末世対策研究をしていたが、彼もまた15年前公主隠しに呑まれていた。
そのため10下では三河での地脈炉超過駆動について「公主隠しを防ぐための苦肉の策」説が提唱されている。
また『Ⅳ中』において、神格武装に匹敵する機体“四聖武神”を作り、各地に送ったのも元信だということが判明。
この件は11中にて詳細考察がされ、11下にて最終決戦時の鍵の一つとなっている。



話が進むにつれ、トーリや感情を取り戻したホライゾンから度々極道親父呼ばわりされる様になっている。
まあ世界を救うためとは言えかなり酷い事をしているのは確かだが。
しかも9巻下ではさらに…
+ 以下核心となるネタバレのため折り畳み
弟の遺した研究での成果から得た「情報」からホライゾンの遺骸を改造し、「ホライゾン生前の記憶を持った」純生体型自動人形織田・信長(形式名「P-01m」)を制作。
そして延々ホライゾンの記憶をリピートして感情を持った信長から改良型創世計画用大罪武装「断罪武装」を開発、
創世計画発動時には断罪武装を持った信長が、運命ごと死ぬことで計画完遂されるというかなりエゲツナイ企画まで残していたことが判明した。
ちなみに計画のコードネームは『オーバーバベル』(言詞というワードも登場している)。
また10巻中では創世計画用の決戦船として、羽柴・藤吉郎用の弩級戦艦『大和』を準備、三河消失時の地脈暴走を使って位相空間に転送していたことも明かされている。
さらに言えばその羽柴も、ズタボロの遺骸が元なため身動きが取れない信長用端末も兼ねて元信が創った黒髪ホライゾン中卒バージョン顔自動人形だったり。

だがその一方で、10巻下では『大和』と同時に武蔵の大規模改造資材とドックも位相空間に遺していたことが判明。
また信長のアイデアを基に五大頂用専用術式を開発する等、まったく非情というわけでもなかったらしい。







そして最終巻ラストでは、末世解決直後『10年前』が再現された空間でトーリの呼びかけに答え、ホライゾン達の前に登場。
娘と再会しP-01sの由来を語った後、諸々のうっぷん晴らしを込め一発殴ろうとしていたトーリを逆に殴り(娘を奪っていった分だそうな)、皆に教師としてのエールを送り去っていった。





なお彼の死後、10中で彼の襲名権は娘の旦那となった葵・トーリへと渡り、10下にて彼を将軍すっ飛ばして東照大権現へと進化させるきっかけとなった。





『はーーい!!ぼぉく追記・修正したいでーす!』

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最終更新:2023年08月25日 19:58