ギルガメシュ

登録日:2012/02/12(日) 16:49:39
更新日:2024/01/18 Thu 00:25:07
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ギルガメシュあるいはギルガメッシュは、古代オリエントに実在した王。
シュメール初期ウルク第一王朝の王で、在位は127年間とも言われている。


メソポタミア文学の『ギルガメシュ叙事詩』には、神格化された形でその生涯が記されている。
神話におけるギルガメシュは既に偉大な王として知られた先代ウルク王ルガルバンダと女神リマト・ニンスンの間に生まれたとされ、
2/3が神で1/3が人であったという。
何で2/3かって?知るか。
……まぁ敢えて理由を探せば、半神以上に神に寄った、それだけ偉大な男だったという設定なんだろう。


王位を継いだギルガメシュは暴君として知られ、民に救いを請われた神は粘土より野獣エンキドゥを創造した。
予知夢によりエンキドゥがやってくることを知ったギルガメシュは、その強大な力には一筋縄では勝てないと判断し、
巫女をエンキドゥの元に遣わし七日七晩にゃんにゃんさせて骨抜きにする。
そして町に出て到着を待ち、これと決闘。

当初の計画通り弱体化はしていたがエンキドゥの力はなお強大で決着がつかなかったが、
巫女とのにゃんにゃんで知性を得ていたエンキドゥとは、


ギル「おめぇ……やるじゃねーか」

エンキドゥ「はっ、テメーもな」


と、不良漫画でよくある河原での殴り合いがごとく和解し意気投合。

ちなみに戦いの原因はギルガメシュが「他所の夫婦の寝室に自由に入り、そこの嫁を最初に(=旦那より先に)抱く権利」を行使していたため、エンキドゥに「それって違うんじゃないかな」と立ちはだかられたことである。

そんな訳で、二人が決闘したのは夕日に照らされた河原ではなく、恐らくは夜中の民家の玄関先である。


そうして対等な友を得たギルガメシュは丸くなり、二人でしばしば名誉ある冒険に出ることとなる。

ある日神々のレバノン杉を求めた冒険で、杉の番人である怪物フンババ(フワワ)と対峙。
強大な力を持つフンババも、太陽神シャマシュの加護を得たギルガメシュには敵わず敗北する。

そして命乞いするも、エンキドゥに論破されたためギルガメシュによって殺害される。

意気揚々とフンババの頭とレバノン杉を持ち凱旋するギルガメシュとエンキドゥ。
「ギルガメシュは英雄の中の英雄、エンキドゥは人間の中の人間」と褒め称えられた。

ちなみに、フンババ退治よりも杉を持って帰ったことで称賛された。
これは当時のメソポタミアで杉を含む森林というのは極めて貴重なものであり、遠征して伐採を開始する当時の黎明期の暗喩だとも言われている。


その姿を見ていた女神イシュタルは、勇ましいギルガメシュに一目惚れ。

あれやこれやとアピールしてみるも、彼女の移り気を知っていたギルガメシュはにべもなくこれを拒絶。
女神とは大概天候や自然の擬人化なので、貴重な反面掌返しも激しい存在で、
数々の良いオトコ達に加護を与えて英雄にしては食い潰す存在ともされていたのである。
そうしてプライドを傷つけられたイシュタルは、父ちゃんの王神アヌに頼んで聖牛グガランナを差し向ける。


鼻息ひとつで地を割るといわれる聖牛を相手に、ギルガメシュとエンキドゥは協力しこれを殺害。
しかしその結果、エンキドゥは聖牛とフンババを殺した罪で神の呪いを受け、病没。
ギルガメシュの方は特にお咎めなしだったが、これはギルガメシュは曲がりなりにも神の子ではあった為。
というか、ギルガメシュを掣肘する職務を与えられてやってきたのにそれを放棄してギルとズッ友になるわ、フンババ戦で終始日和ってたギルを鼓舞してフンババを殺させるわで、エンキドゥの方が遥かに罪が重いじゃねーか、と判断されたが故の裁定である。

友を失ったギルガメシュは、死を極端に恐れるようになる。


そして、エヌマ・エリシュの大洪水より生き延び、神々から不死を授かった唯一の男ウトナピシュテムに会いに行くことにした。


様々な困難を乗り越え、ウトナピシュテムの許にたどり着いたギルガメシュ。その熱意を認められ、六日六晩の不眠に挑むこととなる。

しかし、ギルガメシュはこれに失敗。
しょげて帰ろうとするギルガメシュに、ウトナピシュテムの妻は『若返りの葉』を与えた。


そうして帰路に就き、途中で休憩を取るギルガメシュ。
だがその隙をつかれ、大事な『若返りの葉』を蛇に呑まれてしまう。
この時より蛇は脱皮し、若さを取り戻すことができるようになったと言う。

それただの代謝だろとか夢の無いことは言うんじゃねーぞ



不死の法も若返りの手段も失ったギルガメシュ。
しかし彼はそれまでの冒険を振り返り、死を恐れるのではなく生を謳歌することこそ大切なことである、、と悟るのであった。


後世には冥界の王であるとされたが、それからは神格を落とされ、巨人や悪霊として伝承に語られることとなる。


〈二次創作〉



アクションRPGの真祖「ドルアーガの塔」(1984)の主人公。ギルといえば黄金のフルプレート、というイメージは本作による。
本作は天神アヌ、女神イシュタル(ゲーム内の名はイシター)、その巫女カイなどメソポタミア神話から取られたキャラクターネームが多い。
ちなみにボスのドルアーガはドゥルガーから取られている。


武器マニアな武人で、細かな設定やエンキドゥの姿は作品によって異なる。

  • ギルガメッシュ(ブラッド オブ バハムート)
巨獣の一体。漆黒の鎧を纏った騎士のような姿であり、6本の腕を持つ。
各腕には属性の異なる巨大な剣を握っている。
さらに後頭部にも顔があり「二つの頭を持つ巨獣」とも呼ばれている。 
巨大な剣を使った迫力のある攻撃がメインだが、
浮遊する土台には三門の砲台が付いており、そこから砲撃もしてくるので厄介。先に砲台を破壊しておきたい。
6本の腕も破壊可能であり、破壊すると剣を持った腕ごと千切れ、斬撃を封じることが可能。しかし、剣を伝って本体に乗れなくなるリスクが生じる。
「6本の腕を全て破壊する」がクリア条件のサブミッションも存在する。


多数の宝具を所持する「英雄王」。外伝作品で登場したエンキドゥは中性的な青年姿だったり。

生真面目な英雄だが、1990年を模した世界に現れた所為か名前の似た「ギルガメス」(『ドルアーガの塔』)風装備を振るっており、エンキドゥも女性に性転換して「カイ」と自称している。

アストラギウス銀河を二分する星間連合国家。社会主義的要素が強く統制が厳しいバララント同盟に反発する惑星による軍事通商連合が源流で、所属惑星に対する統制が比較的緩く資本主義的な路線をとっている。
百年戦争(装甲騎兵ボトムズ)にはアーマードトルーパー(AT)を最初に投入した勢力。

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最終更新:2024年01月18日 00:25