テニスの王子様 最強チームを結成せよ!

登録日:2011/09/05(日) 16:43:16
更新日:2024/03/15 Fri 23:35:37
所要時間:約 30 分で読めます




とある昼下がりの会議室。
そこには関東の強豪校をあずかる監督・顧問達が顔をそろえていた。

議題は関東地区のさらなるレベルアップ。
激論の末、一つの案が決定した。
関東一円の中学から、学校の枠を超えて選手を選抜する。
そして編成したチーム同士で大会を行うのだ。

その場で何人かの選手がチームリーダーとして選ばれる。

「彼らなら、リーダーシップを発揮し、
大会をレベルの高いものにしてくれるだろう…。」

(取扱説明書より抜粋)


『テニスの王子様 最強チームを結成せよ!』は2004年にコナミより発売されたPS2用ソフト。
テニスの王子様を原作とする(一応)テニスゲームである。

+ 目次


概要


テニプリのゲームといえば、今ではほとんど乙女ゲーにシフトしてしまっているが、本作は恋愛要素一切無しの純粋なテニヌ(とボウリング)ゲームである。
作品名からも分かるように、本作は『好きなテニプリキャラでドリームチームを作り、育成する』という、テニプリファンの夢を詰め込んだゲームとなっている。

登場キャラの多さ、育成の自由度やテニヌの再現度の高さ、ネタの豊富さ等が高く評価され、よくある低予算キャラゲーとは一線を画す完成度を誇る。
テニプリファンの主要層である女性ファンだけでなく、男性ファンでも十分楽しめる作品となっており、発売から長い年月を経た現在でも動画サイトではプレイ動画が投稿され続けるなど根強い人気を持つ。


本作の特徴

■登場キャラクターの多さ

登場キャラクターは原作の関東大会編までに登場した主要選手を概ね網羅しており(かなりマイナーなキャラクターも一部登場する)、ゲーム開始時点で50人近くが使用可能。
さらに、特定条件を満たすと解禁される隠しキャラも当然存在する他、一部キャラにはマイナーチェンジ版*1も存在する。
おまけに、竜崎桜乃や橘杏といった女性キャラすら使用可能。


■育成シミュレーションとしての面白さ

育成シミュレーションとしては『大会までにできるだけトレーニングを重ねて、選手のステータスを上げたり新しい技を覚える』というシンプルなシステムにまとまっている。

分かりやすいシステムであるがゆえに、普段育成シミュレーションゲームを遊ばない層でもとっつきやすく、かつ育成の自由度自体はかなり高いため、育成をやり込みたい人でも楽しめる。
たとえ都大会レベルの学校の弱小キャラでも、鍛え上げれば手塚跡部真田といった全国区の有名選手を圧倒するほど強くすることが可能。


■豊富な技によるテニヌの再現度の高さ

原作では話が進むごとに現実離れした技が増え、『これはテニスではなくテニヌ』などと言われているが、本作はその『テニヌ』の再現性が高く、試合パートでは現実離れした技の応酬を楽しむことができる。
原作ではこれといった必殺技が登場していないキャラも多いが、本作ではそういったキャラにもオリジナルの必殺技がやたらと用意されており、技のバリエーションはかなり豊富。

また、テニスのルールを無視した技も非常に多く、試合を面白おかしく盛り上げてくれる。
  • 相手のコート一面にボールをばらまく
    • 技の効果としては、相手の移動力を下げつつ、ライン際でのイン/アウトの判定を自分有利にできる。
  • 「貸しなさい」の一言で相手のサーブ権を奪う
    • 試合中、相手サーブで始まるゲームでも強引にサーブ権を奪ってしまう。
  • スコアが間違っているといちゃもんをつけ指摘し、自チームと相手チームのスコアをひっくり返す
    • 獲得ゲーム数を逆転させるので、わざと5ゲームを落としてから逆転すれば、あと1ゲームとるだけで勝つことができる。
テニスゲームとしては大問題だが、テニヌゲームとしては大正解であり、そのキャラらしいぶっ飛んだオリジナル技や原作の細かいネタを拾った技の数々に、ファンならニヤリとできるだろう。


■圧倒的なセリフ量とスタッフの遊び心溢れるネタの数々

試合中はフルボイスであり、一部の技は各キャラ固有の専用セリフが用意されているなどネタも細かい。
有名どころで言えば菊丸英二の初期技『菊丸ビーム』が挙げられ、これを他のキャラに覚えさせて使うと、自分の名字に置き換えて技名を叫ぶ。(例えば使用者が手塚国光なら「手塚ビーム!!」と叫ぶ)

試合中に聞ける様々なセリフはネタの宝庫であり、本作の醍醐味でもある。
真面目なキャラがフザけた技名を叫ぶなどは日常茶飯事で腹筋崩壊すること請け合い。


+ ネタ台詞が印象的な技の数々
  • 破滅への輪舞曲(ロンド)
    • 「破滅への輪舞曲だ!踊ってもらうぜ!」
    • 跡部の二段スマッシュ技。
    • 執拗に踊りを要求するテニス部員の皆さん。(以下、一例)
      • 不二「破滅への輪舞曲、踊ってみるかい?」
      • 河村「破滅への輪舞曲、レッツダンシーング!!」
      • 仁王「破滅への輪舞曲、そーれ踊りんしゃい」
      • 伊武「破滅への輪舞曲、何その名前?」
      • 天音「破滅への輪舞曲、ロンドンでロンド…ぷっ!」

  • スカッドサーブ
    • 「一球……入・魂ッ!」
    • 鳳の代名詞である高速サーブ。

  • 菊丸ビーム
    • 「〇〇ビーム!」(〇〇は自分の名前)
    • 菊丸の初期技。
    • 手塚や跡部あたりのノリノリな技宣言は腹筋に悪い。

  • スマッシュしまっす
    • 天音ヒカルのスマッシュ技。
    • 各キャラにちなんだダジャレが飛び出す。(以下、一例)
      • 手塚「仏頂面の部長…!」
      • 海堂「このバンダナ、黄ばんだな…」
      • 橘「橘だけに、立場がねぇ!」
      • 伊武「深司、信じらんな~い」
      • 日吉「ジジイになっても(わかし)!」
      • 切原「赤也が打ったらアカンやーん」
      • 柳「お前の技には負けマスター」*2
      • 真田「刀を買ったな。…くだらん!!」

  • 逆だ!小僧!
    • 亜久津の技で、相手の意表をついてオープンコートに高速ショットを放つ技。
    • 相手が女子選手の場合(竜崎桜乃、橘杏)、「逆だ!小娘!」等に台詞が変化。(以下、一例)
      • 越前「逆だ、小僧…ってね」/「逆だよ…あ、えーと…何だろう?」
      • 不二「逆だよ、坊や」/「逆だよ、お嬢さん」
      • 壇「逆だ、小僧!…すいません」/「逆です、お嬢さん!」
      • 忍足「逆やで、坊主」/「逆やで、嬢ちゃん」
      • 柳生「逆です、少年」/「逆ですよ、レディ」
    • 壇太一のオリジナル技に「逆です!小僧さん!」というものも。性能的には亜久津の技の劣化版。

  • レーザービーム
    • 「これにて遊びは終わりです、アデュー」
    • 柳生の得意技である超高速パッシングショット。
    • いろいろなキャラの「アデュー」が聴ける。(以下、一例)
      • 越前「これで終わり、アデュー」
      • 桜乃「これで終わりです…あ、あでゅー!」
      • 跡部「これで終わりだ!アデュー!」
      • 忍足「これでお終い。ほな、アデュー」
      • 切原「これで終ーわり、アデュー!…って、何語ッスか?」

  • レギュラー外し
    • 榊太郎の技。相手にショックを与えて一時的にピヨらせる。(=技使用不可になる)
    • 他校の生徒相手にもお構いなしにレギュラー落ちを言い渡すネタ技。
      思わずガーン…とショックを受けるキャラのリアクションも笑いを誘う。
    • 榊専用技ではないので、練習(?)すれば他のキャラも使用可能。

  • 俺様の手足
    • 丸井「きっちり返すぜ…ジャッカルが」
      ジャッカル「おい、俺かよ!?」
    • 丸井ブン太の専用技。元ネタは原作でのワンシーン。
      ゲーム内ではダブルス専用技で、パートナーのショット技の性能を上げる。
    • 「きっちり返すぜ」の後に丸井がパートナーの名前を呼び、そして呼ばれた方も「俺かよ!?」「え、僕?」等と困惑する専用ボイスがある。(以下、一例)
      • 丸井「きっちり返すぜ…越前が」
        越前「俺スか?」
      • 丸井「きっちり返すぜ…河村が」
        河村「Why!?俺か?」
      • 丸井「きっちり返すぜ…竜崎が」
        桜乃「えっ、私が!?」
      • 丸井「きっちり返すぜ…橘妹が」
        杏「え?私??」
      • 丸井「きっちり返すぜ…跡部が」
        跡部「なんで俺様が…!」
      • 丸井「きっちり返すぜ…このオッサンが」
        南次郎「あー?俺かい?」


技以外も、バリエーションの多すぎる台詞が試合を盛り上げる。

特にダブルスが顕著で、原作で関わりがあるキャラ同士のペアなら試合前や試合後に専用の会話が発生したりするのは当然として、適当なペアでも試合中にボールをぶつけたときには謝る、怒るなどのやり取りが見られるなど、ボイスが非常に充実している。
対戦モードでは同キャラ同士でペアを組んだり対戦することもできるが、それに対してすら専用台詞が用意されているという徹底ぶり。
ちなみにダブルスで女性キャラにボールをぶつけた場合、パートナーが激昂するので、キャラによっては意外な一面が見られることも。
意図的に再現するのは心苦しいが、興味があれば見てみるのも面白い。

ミニゲーム(というには妙に出来が良い)ボウリングでのボイスも賑やかで楽しい。
相手の投球時、ヤジを飛ばして集中力を妨げることができるのだが、キャラごとに個性的なヤジが飛び交う。
もちろん、原作で仲の良いキャラ同士なら専用のヤジがある。


本作の欠点

キャラゲーにあるまじき完成度を誇る本作だが、欠点がないわけではない。

■全国大会編のキャラが登場しない

本作は関東大会編までのキャラのみの参戦となっているため、比嘉中(沖縄)や四天宝寺中(大阪)、名古屋星徳(愛知)といった全国大会編で登場したキャラクターは一切登場しない。
「ワシの波動球は百八式まであるぞ」で界隈をざわつかせた石田銀など、全国編にも印象的なキャラクターや技は多いため、これらのキャラクターも網羅した完全版を望む声は多い。


■立海大附属中のキャラの再現度が低い

致し方ないことではあるが、本作の開発期間は関東大会の決勝戦(青学vs立海)の最中だったため、立海キャラの技や台詞の再現度がやや低い。

具体的には、
  • ゲーム発売当時、試合描写のなかった幸村精市の技は全てオリジナル
    • さらに、リーダー専用キャラ(詳細は後述)であるため、幸村を育成することはできない
  • 真田弦一郎の技『風林火山』が再現されていない
    • 一応、『風』の高速スイングを思わせる『圓波』、『火』のグラウンドスマッシュさながらに相手のラケットを吹き飛ばす球威を持つ『臥龍』といったオリジナル技が登場する
  • 仁王雅治の独特な口調(「~ぜよ」「~じゃき」「プリッ」等)が反映されていない
    • 地方の方言とも異なる仁王独自の口調であり、これを完全に再現しているゲームとなるとテニプリの乙女ゲームでもそう多くはない
    • 育成パートでの仁王は原作の再現度が低いが、試合中に関して言えば全く再現していないわけではなく、「返してみんしゃい」と言いながら返球する、ダブルス時に相方の台詞に「ピヨッ」と返事するなど、仁王らしい台詞もある
…などがよく指摘される。


■効率を突き詰めると作業ゲーになりがち

育成にしても試合にしても、効率のみを重視すると同じ作業の繰り返しになりがちで飽きがくる。

育成については、ロブ*3練習でテクニックをSSまで上げてからひたすら走り込み*4をするのが鉄板。
試合については、スコアを気にせず『ナックルサーブ』や『ナパーム』で敵の体力を削るのが手っ取り早い。

強すぎる技は使わない、試合はCOM操作に任せる、トレーニングや休日の使い方にルールを設ける等々、プレイヤー側で何らかの縛りを設定すると楽しみやすいだろう。


■3Dモデルの質が少し悪い

PS2の他のゲームと比べて際立って悪いわけではないが、技を放つ際にカメラがキャラに寄るため、気になることもある。
また、キャラモデルが全体的に肩幅が広くガタイがよいため、細身の印象があるキャラだと少し不自然に感じられる。特に女性キャラで顕著。

一方で、会話時の立ち絵や試合中に技やスマッシュを決めた際に挿入される一枚絵などの2Dグラフィックは、原作の絵柄を忠実に再現しており出来が良い。
何気にキャラクターデザインが原作準拠*5なのも原作ファンには嬉しい仕様だろう。


参戦キャラクター


隠しキャラも含むため、一応ネタバレ注意。
各パラメータの意味については後述。

+ 青春学園

青春学園

名前 学年 利き腕 パラメータ 備考
FTW POW STA MTL TEC
越前リョーマ 1年 A E C B S COM操作時は上級AI
手塚国光 3年 A A A A A アビリティ『古傷』持ち
克服のため長期離脱イベント有り
COM操作時は上級AI
大石秀一郎 3年 B C C C C
不二周助 3年 D E D B S COM操作時は上級AI
菊丸英二 3年 A D D C D
乾貞治 3年 C B B B C
河村隆 3年 F S A D E
海堂薫 2年 E C S A D スカウトしやすい
桃城武 2年 C A B A E
竜崎桜乃 1年 H H H F H 隠しキャラ
女子選手
スカウトしやすい

+ 不動峰中学校

不動峰中学校

名前 学年 利き腕 パラメータ 備考
FTW POW STA MTL TEC
橘桔平 3年 D A D A A 金髪ver有り
技はゲームオリジナル
COM操作時は上級AI
伊武深司 2年 C E C C A
神尾アキラ 2年 A E C C C
石田鉄 2年 E A C D E
橘杏 2年 D E F B D 隠しキャラ
女子選手
スカウトしやすい

+ 聖ルドルフ学院

聖ルドルフ学院

名前 学年 利き腕 パラメータ 備考
FTW POW STA MTL TEC
赤澤吉朗 3年 D B A B E スカウトしやすい
観月はじめ 3年 C C D A B スカウトしやすい
木更津淳 3年 D E D B C
柳沢慎也 3年 C E C C D
金田一郎 2年 D D D C D
不二裕太 2年 C C C C C アビリティ『対左』持ち
左利き相手に強い
スカウトしやすい

+ 山吹中学校

山吹中学校

名前 学年 利き腕 パラメータ 備考
FTW POW STA MTL TEC
南健太郎 3年 D D C D C
東方雅美 3年 E B E E E
千石清純 3年 A A B B B アビリティ『ラッキー』持ち
必ずサーブ権を取れる
亜久津仁 3年 S C A C D ほぼ全キャラと仲が悪い
リーダー時、スカウトの成功率が劣悪
室町十次 2年 D E D C C スカウトしやすい
壇太一 1年 D E E D F

+ 氷帝学園

氷帝学園

名前 学年 利き腕 パラメータ 備考
FTW POW STA MTL TEC
跡部景吾 3年 B A B A A スカウトしやすい
COM操作時は上級AI
芥川慈郎 3年 C B D E B
忍足侑士 3年 B D C C A 技はゲームオリジナル
不二の技の性能違いが多い
向日岳人 3年 A E E D B
宍戸亮 3年 A D E A E 長髪ver有り
鳳長太郎 2年 B A C E E
樺地崇弘 2年 D S D C C
日吉若 2年 C C C A C 技はゲームオリジナル
アビリティ『下克上』持ち
上級生相手に強い
スカウトしやすい
滝萩之介 3年 D E C B B 隠しキャラ
スカウトしやすい
榊太郎 教師 E C F E C 隠しキャラ
リーダー専用

+ 六角中学校

六角中学校

名前 学年 利き腕 パラメータ 備考
FTW POW STA MTL TEC
葵剣太郎 1年 C C D B D アビリティ『ピンチ』持ち
劣勢に強い
スカウトしやすい
佐伯虎次郎 3年 A D E D D
樹希彦 3年 E A C C B
黒羽春風 3年 B B D C B
天根ヒカル 2年 B A D D D アビリティ『駄洒落』持ち
相手の気力を下げやすい
木更津亮 3年 A F C A C 隠しキャラ

+ 立海大附属中学校

立海大附属中学校

名前 学年 利き腕 パラメータ 備考
FTW POW STA MTL TEC
真田弦一郎 3年 A A B B A 技はゲームオリジナル
COM操作時は上級AI
柳蓮二 3年 B C C B A COM操作時は上級AI
仁王雅治 3年 A B C A C リーダー技の性能が凶悪
スカウトしやすい
柳生比呂士 3年 B C C B A
丸井ブン太 3年 A C B D B
ジャッカル桑原 3年 B C A C C
切原赤也 2年 B B D A C COM操作時は上級AI
スカウトしやすい
幸村精市 3年 B S D B A 隠しキャラ
リーダー専用
技はゲームオリジナル
COM操作時は上級AI

+ その他

その他

名前 学年 利き腕 パラメータ 備考
FTW POW STA MTL TEC
福士ミチル 3年 E E D D E 隠しキャラ
スカウトしやすい
銀華中学校
越前南次郎 - A SS S S SS 隠しキャラ
リーダー専用
COM操作時は上級AI
青春学園OB


ゲームシステム


本作は、PS2で発売されていたテニプリのゲーム「スマッシュヒット」シリーズをベースに、同作の育成要素を強化したゲームとなっている。


育成パート

ゲーム開始時、プレーヤーはリーダーとなるキャラクターを一人選ぶ。(登場する全キャラクターの中から自由に選択可能)
以降、育成パートではリーダーキャラがプレイヤーの分身となって話を進めていく。
20週が経過すると大会が始まるので、それまでに他の選手をスカウトしたり、練習でステータスを強化したり、遊びに出掛けて友情度を上げていく必要がある。

基本的に平日はステータス強化や技習得に使う練習日であるため、スカウトや遊びに出掛けるなどの特殊コマンドは休日に実行する。


■チームメンバーの確保

試合はダブルス1戦・シングルス2戦の3本勝負となるため、大会に出場するための最低条件としてチームメンバーを(リーダー含め)4名以上にする必要がある。

ただし、一部のキャラクターは選手指導・チーム運営の役割のみを与えられたリーダー専用キャラ*6となっており、この場合は少々事情が異なる。
リーダー専用のキャラをスカウトしてメンバーに加えることはできない他、これらのキャラが自ら試合に出場することもできない。
したがってリーダー専用キャラをリーダーに選んだ場合は、4名スカウトしてリーダー含む5人チームにする必要がある。

20週目終了時点でチーム人数が足りない場合は、大会に参加できずゲームオーバー。
ただし、最終週に人数が足りないと、見るに見かねてチームメンバーと仲の良いキャラがチーム外から駆けつけて加入してくれる場合もある(ただし、技などステータスは初期状態)。

スカウトでは誰でも入ってくれる訳ではなく、リーダーと相性が悪かったり特定のステータスが低すぎると断られることもある。
ステータスの低いキャラをリーダーにするとスカウトに苦労するが、救済策として無条件で加入してくれるキャラも一応いる(例:葵剣太郎)。
さらに、特定のキャラをチームメンバーに加えると、そのキャラと仲の良いキャラが「自分もチームに入れてくれ」と売り込みに来ることもある。
プレイヤーの間では、この“キャラの売り込み”要素を「釣れた」などと表現する。(例:手塚で跡部を釣る)


■ステータスとアビリティ

各キャラは5つのステータス項目を持っている。
項目 説明
フットワーク
(FTW)
移動速度に影響
パワー
(POW)
打球の速度と球威に影響
パワー系の一部の技を返球するのに一定の値が必要
スタミナ
(STA)
体力ゲージの長さに影響
メンタル
(MTL)
気力ゲージの溜まりやすさに影響
気力が溜まれば技が使用できる
テクニック
(TEC)
テクニカルショットの性能に影響
テクニック系の一部の技を返球するのに一定の値が必要

ステータスの高さはSSSABCとランクで表現される。
最低ランクはH*7で、SSから数えて計10段階。
初期ステータスでB程度あればその項目は十分高いと言えるが、DやEといった低めのステータスでも育成によってBやA程度まで引き上げるのはさほど難しくない。
これは、練習では高いステータスほど伸びにくく、低いステータスほど伸ばしやすいため。
各選手の得意分野をさらに伸ばすか、弱点を補強するかは、リーダーの腕の見せ所となる。

育成パートの平日はリーダーの命令で各キャラ個別の練習メニューを組むことができ、これによってステータスを強化していく。
メンバーは指示された練習メニューを1週間継続し、月曜日になると改めてリーダーがメニューを組み直す、というルーチンを繰り返して育成パートは進行する。

練習メニューによって、どのステータスがどのくらい上がるのかが決まっている。
また、練習メニューの中には特定のステータスが下がるものもある。
同じメニューばかりを繰り返していると不満を言うメンバーもいるので、ステータスを確認しつつ適度に新しいメニューに刷新していくと良いだろう。

さらに、各キャラクターにはアビリティという特殊能力が備わっている。
例えば越前リョーマは「技センス」「動体視力」「ネットダッシュ」「ダイビング」「本気」「覚醒」などの多数のアビリティを初期状態で習得している。
アビリティには育成や試合で有利な効果を生むものもあれば、完全なデメリット効果しかないマイナスアビリティも存在しており、ステータスの強弱以外の“キャラの個性・性能差”を演出している。
育成の過程で新たなアビリティを習得したり、マイナスアビリティを克服したりすることもある。
初期ステータスが微妙でもアビリティが優秀だったり、その逆もあったりするので、ステータスだけを見てキャラの強さを語ることはできない。


■技の習得

平日での練習時、ステータスを伸ばす練習メニューではなく技の習得をメンバーに指示することができる。
ごく一部の特定キャラ専用技を除いて、ほぼ全ての技を全員が習得可能であるため、どのキャラに何を覚えさせるのか?は本作の育成における楽しみのひとつといえる。

技ごとに習得に必要な要求ステータスの設定が存在する。
ステータスが足りなくても覚えることは可能だが、習得までにかかる時間が伸びてしまう。(要求ステータスを満たしていれば1週間で習得可能)
基本的には、普段の練習はステータス強化に費やし、大会が迫ったら必要な技を習得していく、という形で進めると効率が良い。

覚えた技をキャラにセットすることで試合でも使えるようになるが、既存の技を外さないと覚えた技がセットできない場合もある。

たとえばサーブ技をたくさん覚えても、試合中にサーブ技をいろいろ打ち分けることはできない。
これは、技ごとに発動条件*8が設定されており、それが被っている場合はどちらか一方の技しかセットできないため。
あれこれと多くの技を覚えたところで、他の技との兼ね合いもあり技がセットできない、ということも珍しくないので、初期習得している技も考慮しつつ、何を覚えるべきかをよく考えた方が良いだろう。


■友情度の重要性

このゲームでは、チームメンバーの個人間の仲の良さを示す『信頼度』と、それらを総合してチームの仲の良さを示す『友情度』なる要素が存在する。
信頼度や友情度の高さは育成パートでのイベントや試合展開に影響してくる。

たとえば、リーダーとの信頼度が低かったりチーム全体の友情度が低いと、チーム員がいきなりチームから去ってしまうことがある。
最悪の場合、チーム内で仲の良いキャラを巻き込んで脱退する場合もある。またチームから脱退した人数が一定以上いると、それらが徒党を組んで大会に出場してくる事もある。
同じ学校に所属しているキャラは初期状態でだいたい仲が良いため*9、そういったキャラを中心に組めば脱退はそうそう起きないが、他校も含めて好きなキャラだけで大会に出ようと思うのならば、友情度の管理もちゃんとしなくてはならない。

友情度が高いと脱退などのマイナスイベントを防止できる他、試合中にチーム全員の想いを込めて技性能を一時的に強化する『一丸の想い』が成功しやすくなるなどのメリットがある。
『一丸の想い』発動時に恐ろしく返球が難しくなる技も多いので、友情度は高いに越したことはない。

休日ではチーム員全員で遊びに出掛けることができるので、チームメンバーが揃ったタイミングで友情度が低い間は、できるだけ遊びに出掛けておきたい。
また、平日の練習中にもランダムでイベントが発生し、その内容やプレイヤーの選択次第で信頼度・友情度は上下する。
(例:リーダーが「ボールが足りない」と呟くイベントが発生 → 特定のメンバー2人に買い出しを依頼する → 買い出しに出掛けた2人の間でお互いの信頼度が上昇する)


■そして大会へ

最終週にメンバーが揃っていれば大会に参加できる。
トーナメント形式で、優勝すればエンディングへ。

出場する相手チームのメンバー構成は、公募で採用されたものを含めかなりのパターンがあり、それぞれ固有のチーム名も持っている。
『完全ランダム』もあるが、大抵の場合、何らかの共通点を持ったメンバーが集まっていることが多い。
例えば、『好物が一致している』『帽子等を被ってる』『苦労人』『身長が一致』『それまでの原作時点で笑った描写がない』『丸刈り』『食いしん坊』『原作で越前に負けた』『色黒』『一歩間違えれば即時解散の超不仲チーム』等々。
ちなみに即時解散のチーム名は「今すぐ解散したい」、友情度0%で全員「負けず嫌い」持ちという突っ込みどころしか無いもの。*10

相手のステータスや習得技などにもチームごとの個性が見られる。
リーダーの代表的な技をメンバー全員が習得していることも。

対戦画面で並んだ相手チームのメンバーを見て、共通点を考えながらチーム名を確認すると「なるほど…」と妙に納得させられること請け合い。
原作に詳しいほど楽しめるので、興味があれば調べてみると良いだろう。


試合パート

試合はマリオテニスのような一般的なテニスゲームと同じく、見下ろし視点で行われる。
普通にラリーを続けている分にはただのテニスゲームなのだが、様々な技が飛び交うようになると一気にテニヌと化す。


■気力と技

試合ではスコアをとることもさることながら、気力の管理が重要となる。
試合ではキャラの『気力レベル』が高いほど『気力ゲージ』が溜まりやすくなり、ゲージを消費して強力な技を放つことができるのだ。
技によっては、一定の気力レベルに達していないとそもそも発動できないものもある。

よって、いかに自分の気力レベルを高く保つか?そして相手の気力を抑えるか?はかなり重要な駆け引きとなる。
気力レベルが低くても使える技を覚えていると、序盤から技を放つことができバシバシ得点を決められるので、気力レベルも上がりやすく試合のペースをつかみやすい。
また、ダブルスではペア間の友情度が高いと、最初から気力レベルが高い状態で試合に臨むことができる。

ちなみに操作を全てCOMに任せたりすることもできる*11ので、ゲームが苦手な人にもそれなりに優しい作りとなっている。


■リーダー専用の技

リーダーは『リーダー技』『一丸の想い』という固有技を試合中に使える。

『リーダー技』は各キャラに設定された完全固有の専用技で、そのキャラの個性を生かしたバラエティ豊かな効果を持つ。
選手にアドバイスして能力を上げるものや、体力を回復するもの、ゲームのスコアを入れ替える反則技など効果は様々。本作の仁王がチートたる所以。

え? 審判仕事しろ?
残念、このゲームには審判はいません*12

リーダー技は(効果の強弱はさておき)演出はどれも非常に面白いので、試合を盛り上げる要素として原作ファンなら楽しめるだろう。

一方、『一丸の想い』は、試合中に仲間が技を発動した際にチームの友情度に比例した強化を与える…という汎用性の高い特殊行動。
これにより、一見して残念な技が鬼性能に化けることも。
例えば、赤澤吉朗(聖ルドルフ)の技『ブレ球』は、通常は「返球した相手の体力を多少削る」という程度の、小さく分身する球でしかないが、『一丸の想い』使用時のブレ球は、打球が相手のコート全面に分裂するド派手なテニヌ技へと変貌する。


■格闘技としてのテニヌ

試合は基本的に、テニスのルールに従って進行していく。
が、このゲームの原作はテニスとは名ばかりで、実際はテニヌという格闘技をしていることで知られる。

したがって、K.O.勝ちをすることができる。


K.O.勝ちをすることができる。




大事なことなので二回言いました。

なんと相手の体力を全部削った後にボールをぶつければ、相手が倒れて試合続行不可能となり試合終了、その場で勝利が確定するのだ。
ダブルスならば二人の内どちらか片方の選手をK.O.すれば勝ちである。
ダブルスでK.O.勝ちした際、倒れた選手が担架で運ばれていくシーンは中々シュール。

相手にボールをぶつける技も豊富なので、試合をするのが面倒だと思ったらナックルサーブやナパームなんかを覚えさせて相手にボールをぶつけていけば大体勝てる。
ただしレベルの高い相手だと強引に返球してくることもある。

ダブルス対戦時に女性キャラにボールをぶつけると、女性キャラのパートナーに怒られたりする。
また女子にぶつけた際に謝らないと顰蹙が飛んでくる。



余談


  • 育成パートを終えて大会を勝ち抜くと、メニュー画面のボーナスに『エキシビションマッチ』が登場し、大会を勝ち抜いたチーム同士で対戦させることができる。
    • COM操作に任せ、自作したチームの中で本当に強いのはどのチームかを確かめるのも面白い。
    • 友達とメモリーカードを持ち寄って対戦することも可能。
      思いっきりボールをぶつけあおう!

  • 条件を満たすと、妙に完成度の高いボウリングのミニゲームも登場する。
    • 育成パートで遊びに出掛けるとしばしば発生。
    • 青学の大石秀一郎などは、原作設定を反映し、ボウリングが有利になるアビリティを所持している。
    • こちらはPS2にマルチタップを装着すれば、最大4人まで対戦が可能。

  • 育成パート中にいくつかのイベントをこなせば、誰でも無我の境地に至ることができる。
    • それには今作最強レベルのNPCとタイマンしなければいけないが…



追記・修正は金髪の橘を登場させてからお願いします。

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最終更新:2024年03月15日 23:35

*1 作中で髪型が複数パターンあるキャラクターなどが該当。

*2 柳の異名“達人(マスター)”にかけた駄洒落

*3 メンタル、テクニックがUPするトレーニング。テクニックの上昇量が全トレーニング中で最も多い。

*4 テクニックがDOWN、他が全てUPするトレーニング。ステータスがカンスト(SS)した場合はDOWNが発生しないため、テクニックSSのキャラが走り込みをすれば全ステータスUPの高効率トレーニングとなる。

*5 たとえば跡部の髪の色はアニメでは紺、原作では金だが、本作は金髪となっている。

*6 何らかの理由で試合に出場できない、ごく一部のキャラクターのこと。幸村精市、榊太郎、越前南次郎が該当。リーダー専用キャラは育成モードにてリーダーに任命することは可能だが、練習や試合には参加しないため、ステータスを伸ばしたり、試合で活躍させることができない(フリー対戦モードでは試合も可能で、専用技もちゃんとある)。代わりに、一般キャラがリーダーを務めている場合と比べて、育成時に他のキャラのステータスが伸びやすくなる恩恵がある。

*7 初期状態でHのステータスを持つのは中1女子かつテニス初心者の竜崎桜乃のみで、普通の選手は初期状態でも概ねA~E程度のステータスを持っており、F以下は稀。

*8 相手の球種や自分の現在位置など。

*9 ほぼ全キャラと仲が悪い亜久津仁などの例外もいる。

*10 ちなみにメンバーは観月はじめ・橘杏・跡部景吾・不二周助。

*11 育成パートでの、ごく一部の試合を除く。

*12 コートには審判席はあるが、そこには誰もいない。なお観客のCGはちゃんと作っているあたり、恐らくはわざと審判を省いている。