ヘイゼル・ミリルドルフ

登録日:2011/09/20(火) 18:52:57
更新日:2023/08/02 Wed 12:46:19
所要時間:約 7 分で読めます





川上稔のライトノベル、都市シリーズ。その中でも、最長編となる機甲都市伯林の主人公。

ヘイゼル先生として生徒ヒオと共に、電撃文庫MAGAZINの特別企画、『境界線上のホライゾン課外授業』に出ていたため、都市シリーズは読んだ事無くとも、彼女は知っている、という人もいるかもしれない。
また川上氏の25周年記念イラストでは他の主役コンビと共に都市シリーズ代表としてダウゲ・ベルガーと共に新規イラストが描かれている。


□特徴

金髪の少女。
人間のオスカー・ミリルドルフと、猫人のダイアナ・ミリルドルフの間に生まれた猫人の異族。その特徴として、両の目が、茶色の猫目であったが、本編開始直前に右目を失明し、右目は青の義眼となっている。

また、猫人の異族の特性として獣詞変があげられる。これは猫人に限らず、人型の異族の殆どに当てはまることであるが、ぶっちゃけた話が変身である。猫人なら猫に狼人なら狼といった具合に、人から獣の形態に変化することができるのだ。
しかし、ヘイゼルのような猫人はこの獣詞変を完全に制御することが出来ず、驚いたり、危機的状況に陥ると、勝手に猫へと変身してしまう。
ちなみに、当然と言えば当然であるが、猫に変身した際、都合よく服も同サイズに変化することはないため、人→猫→人の変化を辿った場合、人に戻る時、確実に全裸になる。
そのためかは知らないがシリーズ前半において、なんらかの理由で獣詞変が解ける→それが偶然ベルガーの前で、ベルガーに裸を見られるのコンボは最早テンプレートと化していた。
また、このヘイゼル(年齢ということもあるが)貧乳である。
そのため、上記のテンプレコンボが決まった後、ベルガーがヘイゼルに対し「ガキには興味が無いから安心しろ」的な事を言うのもまたテンプレートと化していた。


□人物
精神的に未熟な部分もあるが、基本的に正義感が強く、良くも悪くもまっすぐな人柄。ベルマルク・フィーアはその人柄を、(異族でなければ)正しく騎師の心を持った娘、と評した。
その人柄からか、異族判定(注釈:この時代の独逸は純血主義を徹底しており、人間以外の亜人を捕らえ、言詞板と呼ばれる燃料へと精燃するようにしていた)の際、友人に乱暴を働こうとした独逸兵から友人を庇っている。
前述の失明及び義眼化はこのため。
また、ベルガーに会ってからは、その性質故よくベルガーにからかわれ、見事に弄られキャラとしての地位を確立した。

上記の様に好感の持てる人柄ではあるが、やはり川上主人公の宿命か、よく迷う。
闘う事、逃げない事、救世者であることや他にも色々な事に迷い悩む。………まぁ話自体がヘイゼルが答えを見つけるための物語であるため、それを取ったら物語としての意味が無くなってしまうが。
ですの口調で基本的は丁寧語。
ただし生まれも育ちも独逸であるため英語は苦手。
ベルガーの呼び方も独逸語ではベルガーさんだが、英語だとダウゲだったりベルガーになったり。


□各巻の活躍

  • 機甲都市伯林 パンツァーポリス1937

不幸少女ヘイゼルは物語しょっぱなから不幸全開。
猫人なせいで国に捕まるわ、失明するわ、埋め込まれた義眼は「救世者」とかいう変態技術の塊だわ、逃げ出してもG機関とかいう世界の技術力の30年は先を行く機関に狙われるわ。
ようやく逃げ出して頼った先は「逃がし屋」ベルガー。
しかしそこでも、裸を見られ、爆発に巻き込まれ、壁にぶつかる(比喩ではなく)始末。
ついに義腕のオッサン(G機関所属)に連れ去られたと思ったら、今度は無人航空戦艦「疾風」に連れ去られる。
使命(救世者を守る事)と本能(宇宙に行く事)の間に揺れ動く航空戦艦に、
「私を月に連れてって(はーと)」(意訳)
なんて言われたり。
最終的にはドッグバーガーに助けられ、何とか迎えにきた父(母と逃亡に成功していた)と共に米国S.Fへと逃げる事になる。


  • 機甲都市伯林 パンツァーポリス1939
長かった髪をばっさり切って、いろいろ思う所があり伯林に帰還したヘイゼルは早速G機関に見つかってしまう。あわやまたもや誘拐かと思ってたらG機関、いきなりひざまずいて
「私たちの主になってよ!!」
とか熱烈ラヴコール。
ベルガーが再び逃がしてくれるものの、今度は寝床に裸でベルガーといる所を反独隊のコレールに目撃される。
そのコレールの伝式四十七符とかいう占いで「破滅の転輪」とか物騒な運命を予言されたり。
取り敢えずベルガーのピンチを「救世者」で救ったり、ガルト級戦艦の一部の破壊を手伝ったりと何かと活躍しない事も無いが、最終的にはベルガーに
「俺とお前は違う」
とか一方的に三行半を突き付けられたりやっぱり不幸なヘイゼルさんだった。
あ、あと風水五行も習ってるみたいですよ?

ちなみにこの巻で(恐らく)処女である事が判明した。


以下三巻以降のネタバレ


□特徴(後半)
巨乳化する

これにより、ベルガーの守備範囲に当てはまるようになり、ベルガーとのラヴにも進展が見られるようになる。
また、二巻には切っていた髪を三巻では再び伸ばして登場する。
「救世者」の影響から、遺伝詞の流れを読む事が出来るようになり、それを気に遺伝詞を破壊する「五行師」と遺伝詞を治療する「風水師」のどちらかにジョブチェンジすることが可能となり、ようやく闘う力を手に入れる。
最終的には風水師となるが、この選択が後々物語に大きな影響を与える。


□人物(後半)
多くの戦場と出会いを越え、逃げない事、闘う事の答えを得たヘイゼルは人として、そしてまた救世者としても大きく成長する。
今までベルガーに弄られるだけだったのが、ベルガーを手玉に取り
「君が猫だということを忘れていた」
とまで言わせる様になる。


□後の展開
救世者とは、一千年前の独逸に降り立ち、民族をまとめ独逸の基礎を作った人物。
その正体はヘイゼル自身。
G機関長、レーヴェンツァーン・ネイロルは第二次世界大戦で独逸が敗北すること、それにより連合軍が独逸を爆撃するが、「トリスタン」と呼ばれる地脈加圧炉の作り出す天蓋(バリア)が存在するたし、爆撃が出来ないため、それを壊そうと、世界中の不安遺伝詞をトリスタンへと逆流させる事を連合軍が行う事を知っていた。
だが、それを行われるとトリスタンが暴走し、独逸含めた東欧諸国は二度と復興することすら出来ない。
それを止めるための計画として、レーヴェンツァーンの命を代償にトリスタンの不安遺伝詞を抽出、ヘイゼルが「救世者」と「五行」を使い不安遺伝詞を破壊することで危機を乗り切る。が、それを行うと、一千年分の時虚遺伝詞も破壊されるため、ヘイゼルと共にトリスタンの周囲にいた人物は一千年分のタイムスリップをしてしまう。
それによりタイムスリップしたヘイゼル=救世者で、世界はこの繰り返しを何度も行っていた。
しかし今回のループではヘイゼルが「五行」ではなく「風水」を選んでしまったため、不安遺伝詞を破壊することが出来ない。
ヘイゼルは不安遺伝詞の逆流を防ぐため、トリスタンを内部から破壊することで天蓋を消そうとし、それは成功する。が……

(注:ここから先は各人の思惑が絡んだり、考察の余地があるため、事実のみを羅列する)

G機関副長のハイリガー・カールスルーエは自身の能力を使用し、トリスタンと合一することでトリスタンを再起動。
不安定な起動から起きた遺伝詞乱散を起こしたトリスタンは一千年分の時虚遺伝詞を内包した大黒竜へと変化する。
大黒竜は遺伝詞乱散が進めば時虚遺伝詞と共に爆発し再びループになるし、倒しても時虚遺伝詞の破壊でループに陥るどうしようもないものであったが、ヘイゼルは風水により大黒竜を治療することで、自身だけが一千年前にループし、救世者となる。
なおこれまでのループではそれ以前に「独逸遺伝詞」なるものを注射され独逸に縛り付けられていた(後にヘイゼルにも投与)ベルガーも共に時間移動していたのだが、
この時間軸では直前にベルガーと「遺伝詞交換(セッション)」を行ったヘイゼルが、こっそりベルガー内の「独逸遺伝詞」を全て引き受けた事で、ベルガーのみ時間を跳ぶ因果が消失。
彼女と彼は「約束」を交わし、彼が見守る中時の旅へと旅立つ事となった。
救世者としての役目を終えたヘイゼルは一千年の眠りにつき、そして一千年後……。


追記、修正頼みます。




ちなみにシリーズ中、読者の意見で最も多かったのは
「へーぜるをはやくおとなにしてください」
だったそうな。

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最終更新:2023年08月02日 12:46