卵(たまご)

登録日:2009/05/26(火) 19:27:00
更新日:2024/01/22 Mon 11:29:05
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卵(たまご)




漢字としては「らん」とも読むが、多くは生物学的な意味を指すので、本項では食品としての「たまご」を記述する。
たまごの美味を強調する文章が多分に含まれる為、たまごが食べられない方に不快感を与えてしまう恐れがあることを、初めに断っておく。

概要

日常生活の上で「たまご」と言った場合、基本的には鶏卵、つまりニワトリの卵を指す。
お母さんに「たまご買ってきて」と言われたら、間違ってもウズラや烏骨鶏、ましてサケやトビウオやチョウザメの卵等買ってきてはいけないのである。


たまごはしばしば「玉子」と表記されるが、単に未加工は卵、料理したら玉子という。
当たり前だが大昔から食べられており、特に山間部等魚を手に入れるのが困難な地域の人々にとっては大切なタンパク源だった。

昔の仏教などが忌避感情を与えていたこともあるが、もっと昔から食べられていた模様。
語源についても球形の見たまま『玉』『子』を当てはめたと考える方が素直だろう*1

料理として

さて、現代においてもたまごが重要な食材であることは変わらない。
カステイラ等の洋菓子の類は言うにや及ばず、料理では和洋中エスニック問わず、具材としても繋ぎとしても大活躍。
煮てよし、焼いてよし、生でよし、茹でてよし、とどんな調理法で調理してもよっぽどメシマズでもない限りはそれなりに美味しく食べられ、基本どんな食材にも合う万能の食材といっても過言ではない扱いやすさがある。



……が、ここで忘れてはならないのは、単なる具でも繋ぎでもない「たまご」そのものの味である。
たまごを主体とした料理には、
等非常に身近なものがあるが、筆者はここで「生たまご」を強く推したい。

そのまま飲むこともできるが、最高に美味いのはやはり「卵かけご飯」(TKG)であろう。

……想像してもらいたい。
朝飯どき、白銀の艶を放つふっくらとした炊きたてのご飯を。
茶碗からふわり立つ湯気を鼻で吸い込めば、あの懐かしい香りが胸を満たし、心まで優しく包んでゆく。

少し堅い殻に亀裂を入れ、指で押し割ったすき間からこぼれ出るたまごを。
張りのある薄皮に支えられて楕円の球体を保つ黄身は橙。その色を映し周りに広がる白身は透明。
ともに、箸で掴んでもなかなか切れない弾力性。


……そんなご飯とたまごとを合わせる光景。
プツリと音を立てて黄身を割る手応えをっ。
軽く白身と混ぜ、ご飯に絡ませる様をッ。
そして、たまごを纏った黄金の粒を口に運ぶ瞬間をッ!
口中に広がる濃厚な味わいをッッ!!





……いかがだっただろうか。

みなも、朝食にはたまごかけご飯を。
ついでに味噌汁と大根や胡瓜やかぶのぬか漬けがあれば、もはや完全無欠だ。



食品として

実は卵は完全栄養食品として扱われるほど豊富な栄養素を含んでいる*2がコレステロールも異常に高い。
しかしコレステロールを下げる物質も入っている為、2個ぐらいまでならほぼ±0だとか。

卵には有精卵(受精した卵)と無精卵があるのでそこはお好みでいただくといいだろう。
ただし有精卵は偶に黄身から成長した生き物になりかけの「中身」が入っているケースがあり、卵自体を食べられなくなるトラウマにもなり得るリスクに要注意。

更に最近はビタミンを強化したりするなどただでさえ栄養価が高い卵の栄養をより調整しているものもある。


さて、ここまで生卵をはじめとしたたまごの魅力を語ってみたが、これらはすべて日本国内限定の話である。
日本国内では危険は少ないものの、海外の卵はサルモネラ菌の宿主である危険性が非常に高く、生食を前提とした処理・流通・販売はなされていない。
ちなみに日本のものでも全農が安心と太鼓判を押しているわけではなかったりする。

サルモネラ菌は65℃以上の温度で死ぬので、じっくり加熱するなりして火を通しきれば無害になる。
半生についても安全とは言い難いので避けよう。
サルモネラ菌は毒素自体はそこまで強くなく死に至ることはあまりないが(もちろん人や体調による)、感染力は非常に強いので注意すること。

日本のものは鶏に抗生物質などを投与し、更に一般流通している卵は基本的に殻を消毒しているので、生食どころか少々殻を食べてしまっても大体大丈夫。
海外のものは殻のサルモネラ菌が中身や他の食材や食器などに付着して食当たりするのが基本だが、割る前から中身にもサルモネラ菌が入っている場合もある。
最初から卵黄に寄生している場合もあるため、殻をすぐに洗浄するだけでは対策は不十分である。

ちなみに洗浄消毒しない方が鮮度が保たれやすいと言われてはいるが*3、殻そのものが清潔かどうかとは別の話なので、消毒していない卵は別の食品に触れさせたり、卵ポケットにうかつに置いたりしないよう、扱いには注意すること。
生産者から直接貰ったりする場合は消毒していないことも多い。
鶏が健康体ならば、消毒していない生卵を食してもサルモネラ菌で食当たりすることは少ないので気を遣い過ぎという意見も多いのだが、確実ではない。
特に夏場だと玉子そのものの劣化が早くなり、サルモネラ菌についても時間経過に伴って内部に入りやすくなる(らしい)のでこちらも注意。
とは言え、洗浄していない玉子も基本的に問題の無い立派な食材なので、敬遠はしないようにしたい。



映画『ロッキー』で生卵をジョッキ一杯飲みほしてたじゃないか!という人もいるが、あれは日本と海外では意味合いが大きく異なるシーンでもある。
  • 日本の場合「気持ち悪いがスタミナ付きそうだな」
  • 海外の場合「うわっ!ゲテモノ食ってんじゃねぇ!」「死ぬ気か!? いや違う、死ぬ気なんだ! 死ぬ気で鍛えるつもりなんだ!!」
これくらい違うのである(事実、あのシーンを演じることになったシルベスタ・スタローンは通常のギャラとは別に手当的なギャラを要求しているほど)。
流石に日本でも生卵をそのまま飲み込むのは気持ち悪いと感じる人ばかりだとは思うが。

美女と野獣』でも、本作のヴィランであるガストンはミュージカルパートで生卵を毎日5ダース食べた結果がこの筋肉だぜ!と豪語し、実際生卵をお手玉して丸呑みしているが、
これもまた「まぁ卵栄養あるしな」ではなく、「なんてイカレてるんだ! そりゃある意味豪傑だけど……」という反応が期待されているという。
尤も、毎日卵60個は日本基準でもクソ度胸どころか流石に適量を大幅に超えてプリン体過多である。過ぎたるは猶及ばざるが如しという言葉の通り、ここまで来ると痛風になりかねない。

補足しておくとこの丸飲み行為はかえってタンパク質の吸収率が悪くなるらしく、有効ではないとのこと。
むしろ沢山の量を飲んだり、習慣として続けると、生卵白の多量摂取による健康悪化にも繋がりかねない。
これはビオチン欠乏症という症状で、各種健康悪化の他に、白髪や脱毛の増加や皮膚炎などにも繋がるとのこと。
胎児への影響も大きいので妊娠中は特に注意が必要である。
生飲みについてはやる人は少ないと思われるが、卵かけご飯でも同じことが言える。
ただしこれ、1日10食し続けた場合の話とされているのでこれで障害を負うことはほぼないと思われる。が、いずれにせよ生食のし過ぎには注意が必要だろう。



あと、世の中には色んな卵があるという。

かけはかけでも孵りかけとかな。
それに再生の卵とかな。





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最終更新:2024年01月22日 11:29

*1 更にさかのぼると『殻の子』で「かひご」と呼ばれたりもしている

*2 具体的には「ビタミンC」と「食物繊維」以外の栄養成分が全て入っている。無論卵白と黄身を合わせてなので片方だけ摂取しても完全栄養食品とは言えない。

*3 洗うと呼吸する為の穴が大きくなったり防護膜が取れたりして悪くなりやすいとのこと