アストラ

登録日:2010/03/12 Fri 22:50:38
更新日:2024/03/23 Sat 00:32:09
所要時間:約 4 分で読めます





\レオ兄さーん!/




円谷プロの特撮作品『ウルトラマンレオ』をはじめとしたウルトラシリーズに登場するウルトラマン。


【概要】

身長:50メートル
体重:4万9千トン
出身:獅子座L77星
CV:丸山純二(ウルトラマンレオ)、逢坂力(ウルトラファイトビクトリー) 、水島大宙(『運命の衝突』)

ウルトラマンレオである。
またレオとは双子であり、レオと同じくL77星の王子である(レオ映像作品では弟である事だけが語られているが、双子と明言される作品もある)。
現在は宇宙警備隊に所属し、ウルトラ兄弟の八男に位置しており、レオと共にウルトラ兄弟では唯一の実兄弟である。
ゾフィー同様に地球防衛の任務を受けていないが、宇宙では平和を守るべく活躍している。
キングに助けられた為か、後年の描写等ではレオ共々キングの側近のような扱いが見られる。

ちなみに『アストラ』とはラテン語に『星』サンスクリット語に『矢』等の意味がある。

嘗て獅子座L77星がマグマ星人に滅ぼされた際、死亡したと思われていたが家族と生き別れとなりマグマ星人の捕虜となっていた。

その後ウルトラマンキングによって救出されるも、捕虜にされた際に左足の腿に着けられた鎖付の足枷「マグマチックチェーン」はキングの超能力を以ってしても外す事が出来なかった。*1
この鎖はマグマ星人が持つ鍵でなければ取り外せないとされるが、現在では戦いの勲章・自身の一部として寧ろ誇りを持って受け入れている。
そしてチェーンを見る度にマグマ星人との戦いを思い出して闘志を燃やすのだという。

ウルトラマンゼロが活躍する時代は、メビウスが地球防衛の任務に就いていた時代から遥か未来*2の時代の為、
レオが地球防衛の任務を任された時代(1974年)から数えても相当の期間この状態のままとなっており、たとえ外せるようになったとしても外す気もないと思われる。

新ウルトラマン列伝』第14話「燃えろレオ!輝く獅子の瞳!!」でのウルトラマンゼロもアストラについて、「左足のチェーンはマグマ星人に捕まっていた際の名残なんだぜ」と解説している。


元々はレオと瓜二つで前述の事件で負傷しキングにより整形し現在の顔になったという雑誌設定が存在するが、
第22話のゲンの回想シーンにおいては生き別れた時から既に現在の姿だった。
50周年記念の『思わず「シェアッ!」したくなるウルトラ豆知識50』でも双子である事と、手術して顔が変わったという設定に言及している為、円谷プロはこの設定を覚えている模様。そして「運命の衝突」では同門のレグロスと再会した際、レグロスがアストラにすぐに気づかなかったという形でこの設定が取り入れられている。


ガロンとリットル戦にて初登場し、以降はレオのピンチに度々駆け付けている。
後にババルウ星人の策略をレオと阻止し、ウルトラ兄弟の一員として認められた。
単独で怪獣を倒した事もあり、戦闘能力はセブン修行を受けたレオと同等程度だろう。

因みに人間態がない為、普段何処で何をやっているのか、兄であるレオも把握していないらしい……。
レオと双子である所を見ると、仮に人間態になった場合、おゝとりゲンと同じ姿であるのかも知れない。その場合はゲン役の真夏竜が一人二役で演じる事になる。
第33話のナレーションでは「どこから来たのか、そしてまたどこへ行くのか、それは誰も知らない大宇宙の謎である」とまで言われている。

以降の作品ではキングとレオが絡んでいる場合に出てくる為、
ウルトラサイン等で連絡は取れる、もしくはキングが呼び寄せている等の理由が考えられるが連絡手段及び未だに何処をうろついているのか不明である。
一応ゲーム作品などでは「他のL77星人の生き残りが居ないか大宇宙をレオと共に日々捜索している」という事になっている。

無口なのかあまり喋らない傾向があり、ウルトラビアにて映像中では「レオ兄さん!」、「兄さん、僕はもう駄目だ!」しか喋った事が無い……という豆知識が存在したが、後述の『ウルトラファイトビクトリー』にて割と台詞が増えた。
また実際には『ウルトラ銀河伝説』にて「大丈夫か?メビウス!」という台詞もあり、カウント出来るかは微妙だが、にせアストラも喋っていたりする。


【能力】

・アストラキック
レオのレオキックと同じ蹴り技
ゲーム「ウルトラマン Fighting Evolution 3」で使用する技。
後に「ウルトラファイトビクトリー」で映像作品に逆輸入された。二人のダブルキックは曰く「ダブルレオキック」との事。

・ハンドスライサー
レオと同様の技。
大怪獣バトルRRで使用出来るのが発覚した。

・ウルトラダブルフラッシャー
レオと共に繰り出す兄弟合体光線。
平成に入って使用頻度が増えた。
但しメビウス劇場版ではガッツ星人とナックル星人がこれをパクる様な形で使用し、ゼロのOVではレオの相方ポジションをゼロに取られた。

・ウルトラリダクション
兄貴と違って自由に縮小化できる為、これを利用して敵の体内に潜り込み、巨大化して内部から破壊するサド技。

・シューティングビーム(らしき光線)
レオと同様の技。正式名称不明。
ダークロプス軍団との戦いで使用。

・アストラパンチ
ウルトラカプセルの必殺技音声として登場。
アストラアイアンパンチとの違いは不明。

・残留思念感知能力(仮)
宇宙拳法で研ぎ澄まされた感覚で、土地に遺された残留思念を読み取る。


【シリーズでの活躍】

ウルトラマンメビウス

最終話にて、他のウルトラ兄弟と共にエンペラ星人の力で黒点に覆われた太陽を元に戻した。


大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

レオによる、ウルトラマンゼロを鍛える修行に協力。
岩の上からキングと共に二人の戦いを見守っていた。
怪獣墓場での最終決戦にも駆け付け、ベリュドラと戦った。


ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国

今作ではほぼモブトラマン。
光の国にダークロプス軍団が襲撃した際、初めて単独の光線技を披露した。


●ウルトラファイトビクトリー

劇場版では一瞬のカメオ出演だったが、今作では兄のレオと共に(監督補正も受けて)大活躍。
ウルトラマンキングの命を受けてレオと共に惑星グアで超獣軍団と戦った。

今作ではゲームオリジナルだったアストラキックを特撮映像作品で初使用したり、
最近、兄の弟子にポジションを奪われていたウルトラダブルフラッシャーを使用し、
エースのメタリウム光線とギンガのギンガクロスシュートとの同時発射でスーパーグランドキング・スペクターを倒した。

因みに今作では、逢坂力が声を担当。
従来の作品では鳴き声が「レオ兄さん」と揶揄される程、アストラはあまり(他の言葉を)喋っていなかったが、
今作ではレオ兄さん以外の言葉も結構喋ってくれる(勿論「はい!レオ兄さん!」のいつもの台詞も物凄く力強く言ってくれる)。


ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突

残留思念を読み取る力を持つことが判明。
ユリアン救出部隊として参加、ザ・キングダムの在り処を突き止めるため惑星エビルでアブソリュートタルタロスの思念を探る。
アブソリューティアンの本拠地であるザ・キングダムにて、旧知の仲であるウルトラマンレグロスと再会。
惑星ブリザードでの決戦では、レグロスの因縁の相手にしてD60を滅ぼしたアブソリュートディアボロと相まみえる。
最終的にレグロスから手渡された幻獣闘士の力が宿ったオーブを手に、レオ&レグロスと共に必殺の幻獣覇王拳を発動。ディアボロを打ち倒した。

水島大宙が新たに声を担当し、ファイトビクトリーですらあまり喋っていないと言わしめるほど映像作品でぶっちぎりでアストラがよく喋る。


ウルトラマンSTORY 0

最初は人間態として登場。兄に比べ幼くやや臆病な性格。
マグマ星人に人質にされ救出されるも父・アルス王が死亡。
逆ギレで仲間のウルトラマンかつ師匠であるドリューを刃物で刺したり獅子の瞳を滝に投げ捨てるなどヘタレにヘタレるが、
兄の戦いと父の声を聞き変身。相打ち覚悟でマグマ星人の腕を切り落とすが星の崩壊に巻き込まれ行方不明になる。
その後文庫版の描き下ろしでレオ同様宇宙を放浪しており、ある惑星で円盤生物ノーバと戦う姿が描かれた。
今作の設定では、左足のマグマチックチェーンは現在では外せるものの、自分自身の戒めの為敢えて外さないでいるとの事。


【余談】

頭部等のデザインの意図についてデザイナーの鈴木は、
後年のDVDでのインタビューで「レオと似ている感じでも、レオに対し、やや未成熟さを表現したデザインにした」と述べている。*3

ウルトラ兄弟の一員でありながら、主役番組もスピンオフ作品も存在しない。
更には登場した作品においても出番が極端に少なく(短編作品であるファイトビクトリーで出番が多いと言われるレベル)、
彼がウルトラ兄弟である事自体がイマイチ認知されていない可能性がある。

レオファンである坂本浩一監督はアストラも大好きである為、出せるチャンスがあれば基本的に出しているのだが、
坂本監督でも「アストラを出すシチュエーションはなかなか難しい」と語っている(『ファイトビクトリー』でやっとレオ兄弟の共闘を描けたとの事)。
レオ兄弟以来の兄弟ウルトラマンである『ウルトラマンR/B』に参加していたのなら、レオとアストラを出して活躍させていたらしい。


1980年の『ウルトラマン80』の初期脚本で北条明にウルトラの力を授けるウルトラ兄弟とされていたのは、
ゾフィー~レオまででアストラは含まれていなかったが、漫画『こち亀』第50巻10の巻のクイズマニアの家で「ウルトラ兄弟の名を全部いいなさい!」と問題を出された両津勘吉が、
「ゾフィー ウルトラマン セブン ジャック(新マン) エース タロウ レオ アストラの8人!」と答えたことから1986年には兄弟に含まれていた事になる。

近年のウルトラシリーズにおいて「格闘家ウルトラマン」「ウルトラセブンの弟子」という個性を持つレオの待遇が向上しており、
それに伴ってアストラが見直される時が来る……かもしれない。

因みにアストラという名前は、当時の児童誌の公募によって決定したもの。
また、「ウルトラマンアストラ」と呼ばれた事が殆ど無い。

知名度は低いが『ウルトラマンネクサス』で千樹憐を演じた内山眞人や、
獣電戦隊キョウリュウジャー』でキョウリュウゴールド/空蝉丸役を演じた丸山敦史はウルトラ戦士の中ではアストラが一番好きだとインタビューで語っており、
いずれこの二人がアストラの人間体として出演してくれるかもしれない。

特に後者は萩原佐代子(ユリアン/星涼子、ダイナピンク/立花レイ)、ケイン・コスギ(ウルトラマンパワード/ケンイチ・カイ、ニンジャブラック/ジライヤ)の様に
戦隊ヒーローとウルトラマンを演じるのも無理ではない。




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最終更新:2024年03月23日 00:32

*1 当時の学習雑誌で語られたところでは、外すには外科的手法が必要だったが、当時の傷ついていたアストラではそれに耐えられず、また超能力を失う危険があったことから一時保留とされていた…という経緯があるらしい。

*2 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』におけるヒビノ ミライの解説からして恐らく数千年から一万年後。

*3 ……と長らくされていたが後に語られた関係者の話によると実際には児童誌の企画の応募作品が元になっていたとの事。これはアストラだけに限らず後半に出てくる怪獣の殆どは、製作費削減の為に児童誌の企画に応募されてきたものを元にしていたらしい。