大十字九郎

登録日: 2010/03/09(火) 01:50:18
更新日:2018/05/14 Mon 19:05:00
所要時間:約 6 分で読めます




『デモンベイン』シリーズの主人公。

CV:伊藤健太郎/ヘルシー太郎


デモンベインシリーズの主人公であり、撃墜王、高屋敷家の長男らと並ぶ最強のロリコン候補。
「マスター・オブ・ネクロロリコン」「シャイニングガチペドロリコン」、二つの愛称を持つ。理由は後述。
なお、名前はブライアン・ラムレイ著〈タイタス・クロウ・サーガ〉の主人公タイタス・クロウに由来する(タイ→大、タス→加算記号の+→十字、クロウ→九郎)。

ニトロ作品にしては珍しく序盤はヘタレ、というかダメ人間で、探偵稼業を営んではいるものの、依頼はゼロに等しく絶賛開店休業中。
元々はミスカトニック大学で魔術を学ぶ、将来有望な学生であったのだが、ネクロノミコンを盗むために大学に忍び込んだウィルバー・ウェイトリーと遭遇。
邪神と人の混血児の悍ましい姿を目にしたことで、魔術=邪神の力の恐ろしさ心を折られて退学、以降は何をするわけでも無く、自堕落な生活を送っていた。
電気、ガス、水道は止まり、塩と水だけで何日も凌ぐこともあったり、果てには猫を食ったこともあるらしい。後に覇道財閥から給料が出るようになった時は天国の両親に泣きながら報告していた。

極限まで腹が減ったらライカさんの教会にたかりに行き、ガキ共の玩具にされる始末。

「働けよ(ライカ)」

そんなダメ人間街道まっしぐらな彼にある依頼が舞い込んでくる。


デモンベイン

亡き祖父の遺産、アーカムシティを恐怖の底に陥れる存在【魔術師】に対抗するための切り札。
それを起動させるための魔導書を探していると、依頼主である世界最強の大富豪、覇道財閥総帥覇道瑠璃は語る。

キナ臭さに加え自身もまた一時はミスカトニック大学で魔導の知識に触れ、その危険さと恐ろしさを知っていた彼は依頼を拒否しようとしたが、多額の報酬に目が眩み即刻了承してしまう。

魔導書探索中に立ち寄った不思議な古書店で知り合った女店主、ナイアは予言のように囁く。

「君はいずれ手に入れることになる、最強の魔導書を。神さえも招喚できるようなやつをね」

帰り道、彼の頭上に一人の少女が落下してくる。少女は秘密結社ブラックロッジの追っ手キチガ……ドクター・ウェストに追われており、 間一髪九郎は少女を連れて逃げることに成功。
事情を聞くと、少女は人間ではなく世界最強の魔導書【ネクロノミコン】の精霊アル・アジフだった。主もなく、断片と鬼械神を失った彼女はブラックロッジに追われ、状況を打開するために九郎との契約を迫るが、空気読めないバカが乱入し、発砲。
窮地に陥る二人。

「だぁもう!九郎、大十字九郎だ!正義の味方でも魔術師でもなんでもないぞ!!」
「ならば大十字九郎、妾は汝と契約する!」

眩い光に包まれた九郎はマギウスとなり、ウェストを撃退……したのも束の間、破壊ロボに乗って性懲りもなく現れたウェストの攻撃で覇道財閥の地下施設に落下。
デモンベインを発見し、デモンベインを自分の鬼械神にすると言い張るアルに振り回され勝手に出撃。
見事、ドクターウェストを無に帰した(生きてます)。

ここから、彼と彼女の戦いは幕を開ける。

初めは厄介事を嫌いアルの鍛錬を受けてもロクな術も紡げない有り様だった。
だが、初めてマスターテリオンと対峙した時、その底の知れない魔性に恐怖したが、自分の大切な人達が理不尽な暴力を受け傷つくのを見て激怒。魔術の真理に目覚め一矢報いるが、惨敗。
邪悪な存在や、理不尽な暴力と戦う決意を新たにする。


アルの断片の回収をしながら順調に魔術師としての位階を上げていくが、戦いは苛烈を極めた。

起動させるだけでも常人には忍耐不可能な苦痛を強いる鬼械神、立ちはだかる強大無比な魔術師達。

ピンチに次ぐピンチの連続、楽な戦いなど一つもなく戦い終えたあとは満身創痍。

血反吐を吐き、泥水を啜っても戦い続ける。

たとえ、アルやデモンベインがいなくても。

喩え、何十年も周囲を騙し続ける孤独な人生であろうとも。

仮令、相手が正しく歪んだ宇宙の神そのものだったとしても。

彼は戦い続けた。


何故、彼はこんなにも戦い続けることが出来るのだろうか?
それは彼がほんの少し、他の人間より優しかったから。
ただの本であるアルを人間として接し、信頼し愛してさえしまえる彼だからこそ外道に落ちず、最強の魔術師たりえるのだ。

「後味悪いから」

という簡単な理由でさえ、彼が戦う理由には十分足りてしまうのだ。
それが彼の強さであり、アルが彼を愛する理由なのだろう。


以下、ネタバレ。















ナイアルラトホテップが輝くトラペゾヘドロンに封じられた邪神達の宇宙を解放するための駒、人の正の極限、白き王。それが彼の役割。


彼らの宇宙はナイアルラトホテップの用意したクラインの壷であり、九朗とアルがマスターテリオンに敗北する度にループしていた。

そうして幾千幾万幾億の闘争と幾千幾万幾億の宇宙の骸の果て、遂に今回の宇宙で九郎とアルは輝くトラペゾヘドロンを手にした。

二つの輝くトラペゾヘドロンの激突により邪神達の宇宙は解放され、全ての宇宙は混沌に包まれた……ハズだった。

ナイアルラトホテップに籠絡される寸前、九朗の魂に響くアルの声。

そして……



「悪いねナイアさん、俺どうやら本物のロリコンだったらしくてさ。あいつの体を知っちまったら、てめぇなんざ薄汚くて抱く気にもならねぇんだよ、ババァ!」



巨乳外人眼鏡美女の姿をした神(邪神だけど)とのセクロスを断固拒否、クトゥグア(大口径ハンドガン)を顔面にぶち込むという斬新すぎるチェンジを見せつけ、最強のロリコン候補に名を連ねることになる。
そして、アル、デモンベインと共に二つの輝くトラペゾヘドロンを制御、融合させ黄金に光り輝く剣としてマスターテリオンの魂を解放しナイアルラトホテップを倒した。


以降、九郎の行く末は選択肢やルートによって変化する。

  • アルルート
ハッピーエンドではアルとデモンベインの力でブラックロッジの存在しない世界に帰還し、ミスカトニック大学に保管されていたアルと再会。
二人で人の世で生きていく。

トゥルーエンドではナイアルラトホテップに囚われた他の宇宙を解放するため、九郎は人間を捨て、旧神となりアル、そしてデモンベインと共に永劫に戦い続ける道を歩む。
九朔達の本当の両親はこちら。バッドエンドと捉える向きもあるが、人の世ではいずれ別れがくる二人が永遠の愛を手に入れるルートでもあるためバッドではないだろう。

  • ライカルート
ブラックロッジの存在しない世界に帰還。

  • 瑠璃ルート
マスターテリオンに敗北し、ループの振り出しに戻される。それは大十字九郎の終わりにして、覇道鋼造誕生の瞬間。
覇道鋼造は一つ前のループの大十字九郎だった。墜落に巻き込まれて死んだ本当の覇道鋼造の残した金鉱と未来の知識を駆使してアーカムを廃村から大都市に発展させ、アリゾナに落下したデモンベインを回収し次の舞台を整える……それが覇道鋼造の役割。
あの赤貧探偵が世界一の富豪になるというのはなんとも皮肉である。うだつの上がらない三流探偵の九郎を頼れと瑠璃に伝えた理由も当然、本人だからである。
何十年も周囲と義理の息子の兼定を騙し続けた彼だが、最愛の瑠璃が誕生した瞬間だけは大十字九郎として「ただいま」と告げ祝福している。
ハッピーエンドではアルと瑠璃の力で運命に介入、マスターテリオンを倒しナイアルラトホテップの計画を破綻させ、ブラックロッジの存在しない世界で互いに記憶を消して再会する。

アルルートから派生されるシナリオ。
旧知の仲であるマシュー・デントンに会いにセンターシティを訪ねた所、スクラッグの襲撃に遭って難民になったジョーイ達をアーカムシティに避難させる。
アル&デモンベインとの邂逅を果たした後は、「白き英雄」を駆るジョーイと共にブラックロッジと戦うことになった。
ジョーイに対しては兄貴分な態度で接し、彼からも慕われている。アルを失って自暴自棄になった時には叱咤激励され、それがデモンベインの復活にも繋がった。
ナイアルラトホテップですら出現を予測できなかった『もう一本の魔を断つ剣』―――「白き英雄」ヒーローマンや絆を育んだ仲間達と共に、ナイアルラトホテップを撃破。
最後はマスターテリオンと共闘して世界をリセットしようとするを倒し、「全ての可能性が集う世界」へと帰還。
その後は覇道財閥お抱えの探偵になり、血の怪異事件の調査や西博士の暴走に振り回されるなど忙しくも充実した日々を送ることになる。



余談だが、宴会で披露した女装は完璧で九郎自身目覚めかけた。仲間達もその姿を見て錯乱した。特に執事。


上記の啖呵は「機神咆哮」ではレーティングの問題で変更されており、

「やっぱ最後は『正義』が勝たなきゃ、お客さんは納得しねェと思うぜ? 脚本のリテイクを要求するぜ、ヘボ監督ッ!!」

となっている。こっちも負けじと熱い。


「ダイン・フリークス」における鴉
別作品「ダイン・フリークス」には「鴉(クロウ)」名義で登場。タイトルの冒頭「D.Y.N.」の「D」はデモンベインのD、大十字のDである。(Yはヨグ・ソトースと寄車のY、Nはナイアルラトホテップと鳴神のY)
鴉は架空作品「斬魔大戰デモンベイン」の主人公がクロスオーバーして登場したという裏設定があるが、ダイン・フリークス本編の鴉は「斬魔大戰デモンベイン」で語られているような強力な力は持っていない。

ダイン・フリークス前日譚(作品開始予告チラシ裏面)においてデモンベインは邪神に敗北し、右腕を残し破損している。
鴉はいわばアーカムシティを守れなかった九郎の成れの果てであり、本編では喪失したアル・アジフの断章(魂)を探し求め、独り邪神と戦い続ける魔術師として描かれている。
周囲の犠牲をまったく考慮しない極めて独善的な性格に加え、髪は真っ白になり、人相も変わりサングラスをかけ、もはや心身ともに別人と化した(それでも非戦闘時の普段着は九郎と同じw)。
右腕のみとなったデモンベインを召喚可能な他、アル・アジフの術式を使いこなす。
三神器の一つ「シャイニング・トラペゾヘドロン」を所持、行使することが可能だが、これを展開し本来の能力を引き出すまでの力は持っていない。

※架空作品「斬魔大戰デモンベイン」
この世界では全天昇華呪法ビッグバン・インパクトによって全ての宇宙諸共邪神を消し去ることに成功したが、アザトースの存在によってその事実がキャンセルされたため、並行世界全てを消し去ってでもアザトースを倒すべく戦い続けることを決断。
が、最終的には邪神に人類が敗北し、たった一人の魔術師として憎悪のままに孤独な戦いを続け、最終的に「魔を断つ剣」だったデモンベインを「邪神よりもおぞましい神殺しの破壊神」へと変貌させてしまった。


PROJECT_D2における"黒鳥"(クロウ)"鉤爪"(クロー)
名状し難い化物の姿をした最強の魔導書「アル・アジフ」とともに破滅の刃「デモンベイン」を駆る名も無き大魔術師。
マギウススタイルの黒い姿、あらゆるものを引き裂くその力から"黒鳥"(クロウ)、"鉤爪"(クロー)と呼ばれている。
すべての邪神を討ち滅ぼすことを存在理由とする魔を断つ剣にして破壊神。

コンプティーク増刊号「Nitroplus COMPLETE」に収録された「機神飛翔」の続編企画"風"短編小説「PROJECT_D2」でラスボス候補筆頭として描かれた、別の可能性の大十字九郎である。
「斬魔大戰デモンベイン」のワードはこちらが初出となるが、ダイン・フリークスとは異なり、主人公・大十字九朔が、破壊神となった九郎と激突する物語となることが予告されている。
作中には他にも「D-phone」が登場するなど、ダイン・フリークス、ニトロプラスブラスターズのストーリーはこの短編を下敷きにしたことが示唆されている。
ダイン・フリークス本編で起こったとされる「斬魔大戰」で勝利を収めた隻腕のデモンベイン「渦動破壊神」=こちらのデモンベインと考えて差し支えないだろう。
※なお同ムックにおいて鋼屋ジンは「冗談ですよ?書きませんよ?」とコメントを寄せているため、PROJECT_D2の本格始動はない模様。



追記・修正はダイン・フリークスにニヤリとしてからお願いします。

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