天下五剣

登録日: 2011/12/14(水) 02:02:58
更新日:2023/11/06 Mon 00:33:37
所要時間:約 8 分で読めます




天下五剣とは室町時代に日本を代表すると称えらた五振り、
童子切安綱大典太光世三日月宗近数珠丸恒次鬼丸国綱のことをいう。



鬼丸国綱
オニマルクニツナ
北条時政

北条時政は鎌倉幕府、初代将軍頼朝の義父である。
頼朝死後は二代将軍源頼家の祖父という立場を利用し、有力御家人の比企能員や畠山重忠を謀殺、
自身を疎んじた頼家を強制的に隠居させた上に暗殺するなど権力闘争を行った。
そんな彼には悩みがあり夜な夜な小鬼に睡眠を邪魔されるという悪夢にうなされていた。
ついに心労に倒れた時政だったがある夜、刀の化身を名乗る爺に「おまえが俺を錆散らかしているせいで鞘から出られず助けられない」と愚痴られる。

翌日、太刀を清めて抜き身のままに柱に立て掛け火鉢を引き寄せて夜をまってみると、突然太刀が倒れ引き寄せた火鉢の台についていた鬼の像を切り落とした。
以来悪夢を見なくなった時政は刀を鬼丸と名付け家宝にしたという。

北条氏滅亡の後は流転を繰り返し明治14年、宮内庁へ返還されたこの刀は御剣「名物鬼丸」として皇室を守っている。



数珠丸恒次
ジュズマルツネツグ
日蓮上人

なんと持ち主は坊主だった刀である。
なんとも剣呑な雰囲気だが破邪顕正の剣として佩していたようだ。
そもそもこの刀自体、日蓮上人自身が打たせたのではなく寄進されたものであった。
数珠丸の由来は日蓮が柄に数珠をかけ刀を封じていたのに由来するとされる。




三日月宗近
ミカヅキムネチカ
徳川将軍家

非常に美しい刀である。
徳川将軍家に代々伝えられ、現在は国宝として東京国立博物館に所蔵されている。
刃文の下半分に添って随所に見られる焼刃模様、いわゆる「打のけ」が三日月型となっているのがその名の由来。
作刀者の三条宗近は義経の自刃に使ったとされた今剣、静御前の薙刀を鍛えた事で知られる名工である。

なんとも義経と因縁めいているがこの刀との因縁は…

ま、残念ながらない。




大典太光世
オオテンタミツヨ
前田利家

名物大典太加賀百万石、前田家が代々伝えた宝剣。
太閤秀吉秘蔵の一振りが利家の手に渡ったのはなんと肝試しがきっかけであった。

場所は伏見城…
千畳敷の間の廊下を深夜たった一人で通ろうとするとどこからともなくガシッ!と刀の鞘を掴まれ、
前へいけなくなるという…

という怪談話を聞いた利家は自分が見てくると宣言。
証拠に置いてくるから貸せよと加藤清正から軍扇を借り受けると夜を待った。
話を聞いた秀吉は数十年来の親友の豪胆な振る舞いに感心、じゃあ護身用に差していけよと秘蔵の大典太を贈った。

太閤マジ太っ腹

果たして夜になり一人廊下へといった利家だったが、
なんと背後から刀の鞘を…



なんて事もなく無事に戻ってきた利家に一同は敬服。晴れて名刀を贈られることになったという。

しかし大典太には他にもエピソードがあり元々は家康が秀吉から譲り受けたものだったという。
前田家三代藩主利常が宝剣の霊力で娘の重病を治そうと秀忠より借り受けた。
その後も病状が悪くなる度に借りていたが三度目にして、

秀忠「もうソレあげるよ。娘さん元気になるといいね」

とあげてしまったのだという。
秀忠マジイケメン


そんな宝刀、
なんと切れ味も凄まじかったようで、ある時試し切りが行われた時に、
三つ胴で二体断ち三人目の背骨で止まった程の切れ味であった。
更にこの時骨盤を一刀両断し切っ先が土台15cmまで切り込んだとも言われる。

…一応説明しておくと試し切り喰らってるのは罪人の死体なのであしからず。
それでもまぁなかなかアレだけどねー…




童子切安綱
ドウジキリヤスツナ
源頼光

清和源氏随一の武者と謳われた源頼光の刀。
名前から察しがつく方もいるだろうがこの刀こそあの酒呑童子の首を斬った刀である。
大江山に潜み娘達を拐っていた鬼一族退治の物語は、日本人ならばよく知るおはなしであろう。


しかし、江戸時代に記されていた名刀集においては、
「山賊退治に用いられた」
と説明されている。


所詮はフィクション、物語にすぎない。
鬼なんていないんだ

大体仮にいたとしてまず首を斬れたかどうかも怪しい。


刀で首を斬るという行為はかなり難しい。
失敗して首の骨で止まってしまおうものなら斬られた側がもがきあばれ地獄絵図の完成である。

人間でそれだというのだから鬼ならばもっと難しいに違いない。

所詮は物語のおはなしなのである。







そう思っていた時期が
私にもありました





江戸時代、童子切安綱を所用していた津山藩が試し切りをおこなったところ、


六つ胴斬り裂き
下の土台まで斬り込んだ

という。人間六人の胴体を一発で両断してまだ斬る気まんまん。

もうやだこの刀超コワイ


鬼の首を斬ったというのはもしかしたら真実なのかもしれない…

そもそも源頼光以前にも初代征夷大将軍である坂上田村麻呂が鈴鹿御前と戦った時に使い、
伊勢神宮に奉納したら源頼光がお告げにより受け取った日本の伝説の剣なのだ。

その時の名前は「血吸」であり、切った相手の血を吸い上げたとかなんとか。……妖刀じゃないっすか。

こんな切れ味のためか、この刀は日本東西を代表する両横綱、日本最高の二振りの日本刀
として、大包平と共に君臨している。


追記・修正は6つ胴斬り裂いて土台まで斬り込めたらお願いします

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最終更新:2023年11月06日 00:33