概念戦争(終わりのクロニクル)

登録日:2012/01/26(木) 22:12:34
更新日:2021/01/06 Wed 22:41:09
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川上稔著〈AHEADシリーズ〉『終わりのクロニクル』にて本編開始前に起きた、文字通り“世界の命運”を懸けた戦争。


○“概念”って?

もし異世界があったとしたら、それを“異”とする基準は何だろうな?
地形?大気?生物?
それとも文明だろうか?
by世界の恥部:大城・一夫


  • 光は発せられると広がり飛んでいく
  • 時は常に一定で流れ、不可逆である

このように様々な物理法則があるが、“概念”とはそういった『そういうものだから、どうしようもない』という力。
物理法則すらも支配する、全ての理由の究極。
個性を形作るプラス概念と、それを抑制・崩壊させるマイナス概念が存在し、十の異世界…歯車に例えて“G(ギア)”と呼ばれる…は全てこの“概念”が異なるため、Low-Gでは再現不能な、様々な特徴と技術を持つ。
概念はゼロからの創造は出来ず、劇中で使用される概念は全て抽出するか劣化複製したもの。



○崩壊時刻1999年
この物理法則の大きく異なる十の異世界とLow-Gは横並びに存在していたのではなく、世界は一定周期を持って交差し、お互いに影響を与えていた。
しかしある時、全ての世界が同時に重なり、Low-G時間1999年の段階で最も力ある世界以外は衝突の瞬間に砕かれることが判明。

その危機に対して各々の世界の住人は、他の世界から『世界そのもの』とも言える“概念核”を奪い持ち帰ることで自身の世界の力を高めようと争うことになる。

これが“概念戦争”である。



以下ネタバレ注意(一部真相をボカしてはあるが深刻)



○各Gの概念戦争

概念核:
聖剣グラム
機竜ファブニール

他世界の技術を参考に軍備増強を図ったものの、文明としても概念的にも弱かったため『崩壊時間の後に勝利したGに亡命』するという生き残り策を講じる。
しかし王は本来の計画をねじ曲げ、“門”を閉じて本格的にヒッキー決め込もうとしたところ、概念核が異常を示し世界崩壊の引き金に。
それを抑えようと機竜ファブニールと同化した老家臣レギン翁も、概念核の力に呑み込まれ暴走。
1st-Gに滞在していた独逸の魔法使いジークフリート・ゾーンブルクが聖剣グラムを用い、ファブニールを撃破。
しかしこの過程で1st-Gの王族グートルーネ姫が致命傷を負い、その状態で住人をLow-Gに脱出させるための先導役を果たした後、死亡。

ジークフリートは『1st-Gを滅ぼした“悪役”』を自らに任じ、Low-Gへ帰還した。


概念核
炎竜:八叉→神剣:十拳

戦争に向けて準備をしてはいたが、その前に世界の管理を押し付けられていた概念核がオーバーフローを起こし、炎竜と化して暴走。
「(お前らのせいで忘れてしまった)俺の名を言ってみろ」と暴れまわる。
2nd-G住人はLow-Gに助けを求めるも、時既に遅く2nd-Gは焼き尽くされ崩壊。
自らの“名”を失い怒り狂う八叉は2nd-G住人を追い、Low-Gに出現。大城・宏昌が2nd-Gと共同で作り上げた人型巨大兵器:荒王と十拳により封印された。
なお、大城・宏昌は十拳に八叉を封印する過程で死亡。


  • 3rd-G
概念核
武神テュポーン
神砕雷

世界を思うがままに改造し栄華を誇っていたが、いきなり喧嘩を売られる形で概念戦争に参戦。
当初はその技術力から他Gを甘く見ていたが、出生率の極端な低下に加え9th-Gの特攻兵器により決定的な被害を受けて余裕を失う。

文明を存続するため、後に“穢れ”として他G全てに疎まれる行為
(近親相姦、クローン技術、ついには他Gの住人を改造して兵器や子孫生産のための研究材料にするという『人を人と思わぬ“虐殺”の禁忌』に触れる。)
に手を出す。

3rd-Gの王ゼウスはLow-Gに亡命したレアの子をクローン母体の素体としようとLow-Gを襲撃。
レアは死亡するも赤子誘拐には成功。しかし赤子の奪還と敗戦のリベンジを仕掛けてきた飛場・竜徹によりゼウスとその息子アポルオンは死亡し、概念核の半分を失い崩壊した。


概念核
ムキチ

優れた治癒力と再生力を持つも戦闘力は全くなく、概念核である“ムキチ”も行方知れずだったため他Gからは後回しにされたG。
唯一ムキチの正体を見破った佐山・薫と“やくそく”を交わし、住人はLow-Gに移住。
4th-Gは滅んだ。


  • 5th-G
概念核
機竜“黒陽”
機竜“白創”→ヴェスパーカノン

資源惑星を防衛基地に、居住惑星を生産基地に改造し、二匹の機竜を旗機として万全の体制で概念戦争に備えていた。
しかしある時、“黒陽”が『護る』という命令を曲解し、“人々を武装させ死地に送り込む惑星”を破壊。人類を死滅させた後に暴走し、他の生き残りの機竜と交戦。
幾度かの決戦を経て、機竜“白創”はLow-Gに逃げ込んだ“黒陽”の追撃を決定。この時点で5th-Gは崩壊。
彼らの“主”となったリチャード・サンダーソンに従い、北海道沖にて最終決戦を開始。

“黒陽”は撃墜。生き残りと“白創”はショートル3の武装“宵星砲”と合一した。


  • 6th-G
概念核
ヴァジュラ
ヴリトラ
(後にV-swとして統一)

戦渦により“破壊”を司る空間が広がったため、概念核により安定を計る。
しかしそれにより『死と再生』を管理できるようになった政治家たちと民衆の間で内乱が勃発。
やがて内乱を不毛と感じた民衆は概念核を『災いの象徴』として、調査にきていた出雲・全に押し付け、6th-Gは滅びた。


概念核
四竜兄弟

人類の行き着く“最高潮”まで到達したため、概念戦争には一切興味を持たずにヒッキー。
しかしある時気まぐれかなにかか、日本UCATを壊滅させかけた。だが趙・晴に共感して侵攻を中止し、彼女に7th-Gの全てを継承させた上で、Low-Gが“飽きなくて済む世界か”を見定め、移住。7th-Gは滅びた。


  • 8th-G
概念核
ワムナビ

どのGでも自分たちは重宝されると理解していた彼らは、勝利したGに移住することで概念戦争を乗り切ろうとしていた。
そこで新庄・要に出会い、約束と『なぞなぞ』を与えられて住人たちはLow-Gに亡命。
8th-Gは滅んだ。


  • 9th-G
概念核
大機竜ザッハーク
聖槍ビルマーヤ
(後にビルマーヤ側に統一。B-spへ改修)

概念戦争中随一の戦闘力を持ち、人格的であった王サルバは他Gの生き残りを迎え入れる計画を推進。
しかし和平を嫌った家臣の奸計によりサルバは死亡。サルバの婚約者であり大将軍ハジの妹サハルナズは10th-Gの概念核で戦闘用として起動したザッハークに合一させられる。

しかしアブラム・メサムによりビルマーヤを奪われ、交戦したハジは重傷を負い、合一したサハルナズごとザッハークは破壊される。
その後、ビルマーヤに統一された概念核はLow-Gに持ち去られ、9th-Gは崩壊した。


  • 10th-G
概念核
トールハンマー

滅亡の予言に対し神々は概念核を持って治世を保とうとしたが、力足らず内乱勃発。
鎮圧用にトールハンマーが作られ、しかし地下組織の手引きで9th-Gに奪われる。
そこで神々は調査にきていた出雲・全に奪還を依頼。
トールハンマーはG-spに改造され、概念核は安定……する筈が9th-Gのザッハークの遺伝子により暴走。
神焉竜と化した概念核は10th-Gを滅ぼし、Low-Gに侵攻。

Low-Gは衣笠・天恭を人柱にした封印式にて神焉竜を鎮め、G-spに封印した。

なお、一部のGの滅びにはここで述べられてない謎や秘密があり、それが戦闘理由や、概念解放が不可能な理由となっている。



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最終更新:2021年01月06日 22:41