日向ネジ(NARUTO)

登録日: 2011/09/30(金) 06:32:41
更新日:2024/02/11 Sun 07:31:56
所要時間:約 8 分で読めます




「ただ一つ 誰もが等しく持っている運命とは…死だけだ…」

日向(ひゅうが)ネジとは漫画『NARUTO‐ナルト‐』の登場人物。


◆もくじ

◆プロフィール

所属:木ノ葉隠れ
役職:下忍→上忍
忍者登録番号:012587
誕生日:7月3日
血液型:O型
年齢:13歳→17歳(享年)
身長:159.2→172.1
体重:45.8→54.2
好きなもの:にしんそば
嫌いなもの:かぼちゃ
性格:クール・現実主義
趣味:瞑想
好きな言葉:飛躍
戦ってみたい相手:うずまきナルト・日向ヒアシ
CV.遠近孝一/根本圭子(幼少期)


◆概要

木ノ葉隠れの里に所属する忍者
マイト・ガイが担当する第三班の班員で、チームメイトはロック・リーテンテン

木ノ葉の里の名門、日向一族の分家の人間で、父親同士が双子の兄弟のため、宗家の日向ヒナタとその妹の日向ハナビとは従兄妹の関係。
伯父と甥だけあって一族の長である日向ヒアシと顔立ちが非常によく似ており、額には一族の掟で分家の呪印<<卍>>が刻まれている*1
この呪印は宗家が分家を支配するためのもので、『籠の中の鳥』を意味し、印を結べば脳神経を破壊し、殺すことすらできるため、分家の者はその絶対的恐怖から宗家に逆らうことができなくなる。

担当上忍のガイの意向で、経験を積ませるため中忍試験の受験をあえて一期遅らせたため、ナルトよりも一つ年上。
第二部では木ノ葉隠れの下忍の中で唯一上忍に昇進している。

余談ではあるが彼の第二部の身長はサイと同じである。
そしてさらに言うならば者の書ではナルトと賢さがあまり変わらなかった。

◆人物

「天才」と呼ばれるほどの才覚を持つが、「人生は変えようのない運命に支配されている」という諦観的な人生観を持ち、
自分よりも実力が劣る者を「落ちこぼれ」として見下す、鬱屈した性格をしている。

ネジがこのような人生観を持つようになったのは、日向の分家に生まれてしまったことと、父ヒザシが日向宗家の意向で命を奪われたことが原因である。

彼が4歳の頃、日向宗家の嫡子でネジの従妹にあたる日向ヒナタが誘拐されかける事件が発生。
日向宗家当主であり、ネジにとっては叔父となるヒアシが下手人を殺して娘を救うが、その下手人は雲隠れの里の忍頭であり、
雲隠れの里は当時締結したばかりの平和条約を盾にヒアシの死体を要求し、里同士の戦争を回避したい上層部はその要求を受諾。
しかし『白眼』の秘密を探られたくない日向宗家は、ヒアシとそっくりなヒザシを身代わりとして殺害し、その遺体を「ヒアシの死体」として引き渡したのである。

元々天才的な才覚を持つ自分を父が「宗家に生んでやりたかった」と評していたことや、その父とヒアシは双子であり、僅かな時間の差で自分たちが分家となったことから、
「日向分家」である自身の出自と、「分家だから」という理由で父をヒアシの身代わりとした冷徹な宗家の人間をネジは激しく憎悪すると共に、
ネジ自身にはどうしようも出来ない、「分家に生まれた」というだけでその後の人生が決まってしまった理不尽な経験から「人は運命には逆らえない」という悲観的な人生観を持つに至った。

そのため、中忍選抜試験で憎むべき「日向宗家」の日向ヒナタと同門対決することになった時には、口では「棄権しろ」と言いつつ、
諦めようとしないヒナタを散々に甚振り、彼女を死亡寸前まで追い詰めて見かねた上忍たちに制止されたり、
「落ちこぼれ」と見なしているナルトとの対戦では、実力の差を見せつけながら「落ちこぼれ」と罵倒するなど、
基本的にはクールなのだが、憎悪や軽蔑の対象と対峙すると冷酷なほどの攻撃性を見せる。

ただ、中忍試験でリーが音忍に倒されたときは「好き勝手にやってくれたな」と怒りを露にし、彼が我愛羅に敗れた際も彼を見下すようなことはせず寧ろ哀れんでいるなど*2、ガイ班への仲間意識はちゃんとある。


しかし、中忍試験でナルトに敗北した経験と、その後に自分に会いに来たヒアシとの語らいがネジを変えた。

ヒアシは自分の弟であり、ネジの父であるヒザシの死の真相について、日向宗家や里の上層部がその死を決定したのは確かであるが、
ヒザシは必死で自分を死なせまいとするヒアシを不意打ちで黙らせると、「宗家当主」ではなく「自分の兄」の身代わりとなって死ぬ覚悟を決めたこと、
そしてそれを「自らの自由な意思で決めた」ことこそがヒザシなりの「日向(分家)の運命への反逆」だと『兄』に伝え、納得した上で死に赴いたという顛末を語り、
さらには「信じられない」と反発するネジに対し、未だに弟を死なせた後悔を持ち続けているヒアシは頭を下げて真摯に謝罪したのだ。

この謝罪を受けたネジは宗家に対する蟠りを無くし、「運命は誰かの手で決められるものではない」という悟りを得た。
そして、日向宗家であるヒナタ、ヒアシと蟠りなく話し、ヒナタには時に稽古を付けるほどに関係が改善されると共に、
クールな言動こそ変わらないが、後のサスケ奪還作戦ではシカマルの要請を受けて彼の指揮下に入り、仲間と協力するなど、性格が軟化していき、穏健な性格の好青年になった。

◆能力

戦闘では日向一族の血継限界である白眼と柔拳を用いて戦う。
周囲からは「日向始まって以来の天才」「木ノ葉の下忍(当時)で最強の男」と称され、父親のヒザシから「お前を宗家の子として生まれさせてやりたかった」と嘆かれるほどの『天才』。
その才能はヒアシが『日向の天凛は分家の者に宿るか…』と驚くほどで、分家でありながら、宗家だけが使えるはずの八卦六十四掌や回天を独力で習得している。
また、彼の白眼はチャクラが流れる経絡系だけでなく、チャクラを体外に放出する穴「点穴」をも見切り*3、そこを柔拳で的確に突くことで相手のチャクラの流れを絶つ事も可能。
これを活かし、鬼童丸との戦いでは相手の口から放たれるチャクラの糸に自分のチャクラを逆流させ、内臓を破壊している。

使用術


  • 柔拳法(じゅうけんほう)八卦六十四掌(はっけろくじゅうよんしょう)
ネジやヒナタの代名詞とも言える拳法。
全身の点穴にチャクラを流し込むことで相手の体を内部から破壊し、戦闘不能にする。

  • 絶招・八門崩撃
8個の点穴を突いてチャクラを練れなくする。原作では一撃で仕留める技だが、アニメでは連続で柔拳を叩き込む技に変更された。改悪という声多数

  • 八卦空掌(はっけくうしょう)
掌からチャクラを放出し敵を射抜く。複数名で同時に行うと「八卦空壁掌」となる。

  • 八卦掌回天(はっけしょうかいてん)
敵の攻撃を全身の点穴から放出されるチャクラで防ぎ、弾き飛ばす体術。
本来は日向宗家の嫡子にのみ伝えられる体術であり、分家のネジは天賦の才と実力により独学で習得している。
テンテンからは「我愛羅の砂に並ぶ第二の絶対防御」と称された。
しかし、回転そのものを止められると機能しなくなるという欠点があり、鬼童丸との戦いでは蜘蛛の放つ糸によって封じられてしまった。

◆劇中の活躍

第一部

中忍選抜試験編でチームメイトのロック・リーとテンテンと共に登場。
第一の試験は白眼を利用したカンニングで突破。
第二の試験も、途中リーが音の下忍三人組と交戦し負傷させられるなど若干のトラブルがあったものの、試験自体は難なく通過。
予選では、従妹の日向ヒナタと対戦。
圧倒的な実力差で勝利しヒナタに重傷を負わせた。

中忍試験本戦の一回戦でナルトと対戦。

日向の血継限界『白眼』と、もうひとつの絶対防御と称される『八卦掌回天』を始めとする柔拳法でナルトを翻弄。
さらに、本来宗家のみに口伝されるはずの全身64か所の点穴を突くことで相手のチャクラ放出を封じる奥義『柔拳法・八卦六十四掌』を、
ナルトに叩き込んでチャクラを使用不能にし、勝利一歩手前まで迫る。

しかし、ヒナタとの約束と、『落ちこぼれ』と言われたことに対する悔しさからナルトが九尾のチャクラを引き出し、形勢逆転。

引き出せないはずのチャクラを引き出したことと、そのチャクラのまがまがしさに恐怖したネジは冷静さを欠き、ナルトの影分身を用いた奇襲でノックダウン。
まさかの一回戦負けを喫した。

その直後、上述のようにヒアシから、実はヒザシが里や兄や息子のために自ら死を選んでいたことを告げられ、
その事実と、ヒザシを犠牲にしてしまったことをヒアシが悔いていることを知り、宗家に対する負の感情を払拭した。

この出来事で『闇』から救われたネジは、才能や運命にこだわることをやめ、後のサスケ奪還任務では、

運命なんて誰かが決めるもんじゃない

という台詞を言うまでになっている。

籠の中の鳥は、ようやく籠の外の空に目を向けたのだった。


なお、ナルトとの対戦後は宗家と和解したようで、ヒアシに稽古を付けてもらっている描写が第一部最終話で確認できる。
ヒナタとも、もう精神的しこりはないようである。

サスケ奪還任務では奪還メンバーに選ばれ、大蛇丸の親衛隊である音の四人衆の一人・鬼童丸の足止めを買って出る。
一進一退の攻防を繰り広げたが、自身が不得手とする遠距離戦に出られてしまい、防戦一方になる。更に白眼の死角までも見抜かれた挙句、胸部に大穴を空けられてしまい絶体絶命のピンチを迎える。しかし、避けられないならあえて食らってカウンターを叩き込むという捨て身の技で、腹部に大穴を空けられながらも特攻し、絶招・八門崩撃を叩き込んで勝利した。
木ノ葉へ帰還後、シズネ達のおかげで一命を取り留めた*4

第二部

第二部開始時点では他のメンバーに先んじて上忍に昇格しており、ガイ班の一員として風影奪還任務に参加、カカシ班の応援に駆けつける。
鬼鮫の水牢の術を打ち破るなどの活躍を見せた。

ペイン侵攻時では任務で里の外に出ていたが、里の異変を察知して班全員で急遽木ノ葉に帰還し、ペインとの戦いで重傷を負ったヒナタを発見する。  
第四次忍界大戦ではヒナタ達第八班と共に第2部隊に配属され、10万体のゼツと交戦するが、戦闘と見張りで初日の晩にダウンしてしまい、仲間の見分けもつかなくなる。
その後、ナルトの加勢によって全部隊がゼツの変化戦術を攻略した後にトビと戦うナルトの元へと応援に向かうが...






ナルト・・・ヒナタ様はお前の為なら死ぬ・・・だからお前の命は一つじゃない・・






忍界大戦でナルト達と応戦中、十尾の攻撃からナルトとヒナタを庇い、まさかの死亡という最期を遂げた。


◆おもな人間関係

第三班の担当上忍。
結成当初は考え方の違いもあって班の中でネジだけ浮き気味だったが、中忍試験でナルトに敗れ吹っ切れてからはすっかり馴染んでいる。
なんだかんだ言って上司としても師匠としても信頼しており、アニオリではそれなりに絡みが多い。
もっとも、班に馴染んだ後もガイとリーの熱血コントには若干引き気味。
班で動いている時は解説役に回っていることが多い。

第三班のチームメイト。
リーからはライバル視されている。
初顔合わせの際に「たとえ忍術や幻術は使えなくても立派な忍者になれることを証明したいです!」と語ったリーに「忍術も幻術も使えない時点で忍者じゃないだろ」ともっともなツッコミを入れている。
しかし、少なくとも作中ではネジも体術しか使っていない。

第三班のチームメイト。
よくネジの修行相手をしており、登場したあたりでは何となくネジに気があるのか?という雰囲気が見られたが、
気付けばリーを気にかけているような描写が増えていった。ついでに第四次忍界大戦でネジが死んだときも他の班同様あまり気にしていなかった。ていうかナルト、ヒナタ、リー以外ロクにリアクションがなかったのが…

  • 日向ヒザシ
父親。
作中では既に故人。
宗家の当主である兄ヒアシの身代わりとしてこの世を去った。
この一件により、ネジは宗家の人間を激しく憎むようになってしまう。

  • 日向ヒアシ
伯父。
雲隠れとの戦争回避のために犠牲になるはずだったが、双子の弟のヒザシが身代わりになったことで死を免れる。
だが、そのせいで長年ネジに恨まれていた。
しかし、中忍試験本選でナルトとネジが戦ったことがきっかけとなり和解。
その後は本家の屋敷で彼の娘である従妹のヒナタやハナビと共に修行を行うなど関係も改善された。

従妹。
幼いころ、ヒナタが誘拐されてしまったことで父ヒザシが宗家であるヒアシを守るため身代わりとして殺された事と、
宗家に生を受けながらも実力は自分よりもはるかに劣ることから、ヒナタに対しては見下すと同時に特に強い憎しみを抱いていた。
だが、ナルトに敗北した後、ヒアシからヒザシの死の真相を聞かされた事で蟠りは解消され、その後は度々ヒナタの修行を付き合うなど関係も改善されている。
ちなみに意図したものかは不明だが、ナルトとヒナタの息子(つまり彼の大甥)の名前になっている「ボルト」は「ネジ」の一種である。

  • 日向ハナビ
従妹。
作中ではハナビの出番自体少ないため、ヒナタと違ってお互いにどう思っているかは不明。
ただ、本家の屋敷で共にヒアシの指導を受けていたことから、中忍試験後は良好な関係だったと思われる。

かつて日向一族の白眼を奪おうとして雲隠れの上忍が命を落とした際に条約を盾にした理不尽な取引で白眼を手に入れようとした。
この一件でヒザシが命を落とした事から、ネジにとってエーこそが真の仇と言える。

◆その他登場作品

『劇場版ROAD TO NINJA』

限定月読によって作られた世界では白眼の透視能力を悪用しては覗きをするドスケベ野郎となっている。
彼の痴態に対してはワイルドで毒舌になったヒナタがキレて制裁をするのが日常茶飯事。
テレビアニメにてこちらの世界に限定月読の世界のサクラが来た際に、本物のネジがリー共々木の柱に縛り付けられている上に目隠しをさせられているという被害をこうむっている。


ロック・リーの青春フルパワー忍伝

基本的にはテンテンに次ぐツッコミ要員なのだが、よく真面目さが空回りして「天然ボケキャラ」を露呈することがある。
白眼も常人離れした超視力に留まらず、食べ物の素材を分析したりQRコードを読み込んだりと、もはや肉眼なのかすら怪しいほど多機能になっている。

また、リーの幻術という名の寸劇に付き合わされてしょっちゅう女装をしており、それがやたらとかわいい。


他にもオッサンや子供、動物の役をやらされ「なんで俺がこんな役を…」と苦言を漏らしつつもえらく力の入った演技を見せている。

なお、過去の一件の反動からヒナタには必要以上の愛情を注いでおり、ヒナタを気遣うあまり親ばかならぬ「いとこ馬鹿」となり、度々キャラが崩壊する。
ナルトとは三角関係っぽい立ち位置を見せることもあった。
一方、彼がナルトとヒナタが交際・結婚する妄想は実現しており、アニメ版40話Bパートでは「速い、と言ってもウザイン・ボルトではあるまいし…」というネジのセリフから、何気なく彼の口から自分の従甥の名前を登場前に言っている事から、今では「ネジはNARUTO本編の予言者」として讃えられているとか。

また原作では実現することが叶わなかった雷影との和解も描かれている。


BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS

アニメ版にて描かれた「タイムスリップ編」にて、生前の下忍時代の姿で久々に登場。
不可能だと思われていた従甥・うずまきボルトとの対面を果たす。
ただし、サスケが過去を去る前に瞳術で記憶を封印したため、その後の事象には影響を及ぼさなかった。

◆余談

2014年12月13日にCSフジテレビONE放送のケンドーコバヤシ司会「漫道コバヤシ」にて、途中から人気のあったヒナタをヒロインにしようと思ったのだが、今までその手の絡みがあまりなかったため、ヒナタをヒロインにするためにはナルトとヒナタがもっと近づく要素が必要となったことで、彼を犠牲することになったことが明かされた。


父上…私の目的はただ一つ…
もっと強くなりたい
誰にも負けないくらい…今はそう思います…

「…父上…今日は鳥がよく飛んでいます。
とても気持ち良さそうに…」



ネジ「追記法・修正六十四掌!!」

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最終更新:2024年02月11日 07:31

*1 海外ではハーケンクロイツを彷彿とさせないよう、X字に変更されている

*2 彼が我愛羅に手足を潰されたときは驚いている

*3 天才忍者であるカカシの写輪眼でも見切れない

*4 髪の毛を媒介にして穴を塞ぐという治療法で、少なくとも3時間以上治療にあたっていた