ガンダムアストレア

登録日:2012/04/05(木) 22:02:09
更新日:2023/08/31 Thu 14:55:57
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「機動戦士ガンダム00P」、「機動戦士ガンダム00V戦記」、「機動戦士ガンダム00P SPECIAL EDITION」に登場するMS。
名称の由来は「正義」のタロットカードに描かれた「正義の女神」。
ちなみに某王道ではない奴らとは関係ない。


■ガンダムアストレア

型式番号:GNY-001
全高:18.3m
本体重量:57.2t
装甲材質:Eカーボン

武装:
GNビームライフル
GNビームサーベル×2
プロトGNソード
GNシールド
GNランチャー
GNソード(テストバージョン)
プロトGNブレイド×2
プロトGNハイメガランチャー
GNツインブロードブレイド

パイロット:ルイード・レゾナンス



第3世代機であるガンダムエクシアのベース機にあたる。
カラーリングは白を基調としたトリコロール。

第1世代の0ガンダム譲りの高い汎用性を持ち、エクシアのような接近戦に特化した機体にはなっていない。
が、使用されているフレームは人間とほとんど変わらない程の可動範囲を誇り、高い運動性を本機に与えている。このフレームはエクシアにも採用された。
あらゆる武装を使える為対応能力は高い反面、最適化されていないので各武装を完全に使いこなすことは実質不可能な仕様で、器用貧乏でもある。

胸部には動力源のGNドライヴ(太陽炉)を搭載。背中のドライヴカバーはスリースラスター型を採用している。このタイプは太陽炉への負荷が大きく制御しにくいが、代わりに推力が高く、太陽炉を換装しやすいのが売り。
頻繁に換装を要する試験機である第二世代機には必要な機能でもある。

肘と膝のGNコンデンサーには直結式の汎用マウントラッチが併設されており、接続した装備に迅速な粒子供給が行えるよう配慮されている。

また、本機は第二世代機の中ではプルトーネに次いでGN粒子供給コードの外部への露出率が高く、粒子の重量制御を利用したAMBACによる機体の姿勢制御がし易いという特徴もある。
ただし、これはあくまで副次効果に過ぎず、いわば血管に等しい供給コードの露出は重要な改善点であるが、第三世代でも解決するには至らなかった。



武装

  • GNビームライフル
メインウェポン。
0ガンダムのビームガンが基になっていて、銃身にGNコンデンサーを内蔵したことで威力が上がった。
使う際は後端のコネクターを腕に繋ぐ。
コネクターはプロトGNソードとの同時装着用のものも存在する。

  • GNビームサーベル
他の機体と同様の構造の近接戦闘用武装。後腰に2基マウントされている。

  • プロトGNソード
エクシアのGNソードのプロトタイプとなった折り畳み式の実体剣。エクシアの物と違ってビームライフルは無い。
刀身に定着させたGN粒子のおかげで高い切断力を持ち、粒子の干渉効果によって他のビーム兵器等にも対応出来る。
ただし実体剣であるが故に、使いこなすにはパイロットの高い技量と重心移動が十分に出来る柔軟なフレーム機構を持つ最適化された機体が必要。
アストレアとルイードの組み合わせでは使いこなせない。

  • GNシールド
腕に装着する。エクシアのものと比べると先端部が平坦化していて刺突能力が無い。
こちらも表面にGN粒子を定着させて防御力を高めている。
0ガンダムの頃と比べ、GNコンデンサーが小型化して取り回し等も改善された。
後に両サイドの部分を展開できる機構が加えられ、半球状のGNフィールドが張れるようになった。

  • GNランチャー
ガンダムヴァーチェのGNバズーカのベースになった大型ビーム砲。
胸のクラビカルアンテナを外し、そこにコネクターを接続して使う仕様。しかしこのせいで本体の粒子制御能力が低下する上、粒子の無駄遣いも激しい(バックブラストと呼ばれる粒子漏れが起きる。初めてフルパワーで試射した際には、銃身のあちこちから粒子が漏れてしまった)。
これは武装だけの問題ではなく、圧縮粒子がバイザーに飛び散ることでセンサー類にまで悪影響を及ぼす重大な欠陥だった。
後に改良され、最大で4挺まで同時に使えるようになったが、問題の方は完全には解決出来ていない。
ちなみに4挺同時使用(この時、偶然にもクアッドキャノンのようになった)のデータは後のヴァーチェやセラヴィーに反映されている。

  • GNソード(テストバージョン)
エクシアと同じ武器だが、調整不足でまだ制式採用の段階ではないのでこう呼ばれる。

  • プロトGNブレイド
GNブレイドのプロトタイプ。ロングとショートの二種類がある。
この時点で既にGNフィールドを貫通できるが、ヴェーダの求めた性能にはまだ達していない。
この武装はGNソードと異なり独立した柄の部分に機能を集約する必要があったので、最終的に完成と言えるスペックに到達したのは開発開始から15年後の2307年となった。

  • プロトGNハイメガランチャー
GNランチャーを超える威力を持つ武器として開発された大型の粒子ビーム砲。「METAL BUILD」シリーズ発売時に追加された。
折り畳み式の長大なバレルと大型GNシールド(アストレア用とは別物)で構成され、後者にはパワー供給用のGNコンデンサーが内蔵されている。
凄まじい威力を持つ反面、シールド内のGNコンデンサーを用いてもチャージにかなりの時間がかかる上、その当時の技術で扱うにはまだまだ安定性に問題があった。
しかも当時想定されていた敵戦力ではガンダムには対抗できないであろうと考えられた結果、不採用となっている。
その後、得られたデータはアレハンドロ・コーナーガンダムスローネ開発時に改良を加えて使用しており、スローネ3機をドッキングさせることで期待値通りの性能を確保させている。

  • GNツインブロードブレイド
GNブレイドの拡張用装備として設計された双頭剣。
本来はエクシアでの運用を計画していた武装で、アストレアでもプロトタイプの試験が行われていた。
しかしGNブレイド自体の開発が遅延していたため本武装も完成を見ずに計画が放棄されていた。
後にアヴァランチアストレアのオプションとしてシェリリン・ハイドが完成させるが、GNブレイドは用意できなかったため、コアユニットはGNアタッチメントクラブで代用された。



作中の活躍

ガンダムマイスターはルイード。
ランチャーのテストでは同じ第2世代マイスターのシャルが、地上での一戦では874が搭乗。

コロニー「クルンテープ」で新開発した武装のテストを行っていた。その後、他のガンダムやマイスターと共に地球に降下。何度か戦闘テストを行った後、エクシアら第三世代ガンダムの開発がスタート。テスト機としての役目を終える。
そして「プルトーネの悲劇」が起きた。

第3世代機完成後は、サポート組織「フェレシュテ」に引き渡された。この時再び戦闘に投入出来るよう、改修が施された。
またフェレシュテの創設前に行われたテストではエコ・カローレが搭乗している。



派生機


◇ガンダムアストレアTYPE-B

型式番号:GNY-001B

別名「アストレア改」。
テストのため、スリースラスターをコーンスラスターに変更。その結果、コーンスラスターの性能は問題なかったのだが、アストレアの機体バランスが悪くなってしまった。
テストの後、元のスリースラスターに戻された。


◇ガンダムアストレアTYPE-F

型式番号:GNY-001F

フェレシュテでの実戦運用に向けて、アストレアを第三世代機の技術で改良した状態。
カラーリングが赤に変わり、顔にはガンダムであることがバレないように、ユニオンやAEUの機体のそれに似たセンサーマスクを付けている。

主にフォン・スパークが乗り、CBのミッションのサポートを行っている。
後にトランザムも使えるようになった。


◇ガンダムアストレアTYPE-F2

型式番号:GNY-001F2

フェレシュテがエクシアの予備パーツを使ってTYPE-Fをさらに改良。「TYPE-F改」とも呼ばれる。
性能が全般的に上がり、特に粒子制御能力は以前の4割増しになった。
パーツ交換で爆発的に高性能化する典型例にはGN-Xが挙げられるが、1.4倍化というものを具体的に表現すればガンダムエクシアアヘッドの性能差である。
このTYPE-F2は「近接特化してないエクシア」と言って差し支えない性能の向上を果たした。

トランザム中は「GNリフレクション」で周りのGN粒子を制御して敵のビームの軌道をそらせる。…が、タイミングが恐ろしくシビアな上に制御範囲も限られ、大抵無傷では済まないので、ハナヨ曰く「マトモな人間はまず使わない」。

フォンが乗ってヒクサーやイノベイター達と戦った。ちなみにマスクは彼の趣味で外しっぱなし。
その後、彼がフェレシュテを離れるとエコが搭乗。物資の回収や新武装のテストに使われた。
この頃になると太陽炉はないので、粒子貯蔵タンクで動いている。


◇ガンダムアストレアTYPE-Fブラック

型式番号:GNY-001FB

イノベイター(イノベイド)が造ったTYPE-Fのコピー。別名「ブラックアストレア」。
性能は同じだが、色は黒に変えられている。

ヴェーダの位置を突き止めたフォンを迎え撃ったが、搭乗するイノベイドの性能もあってかトランザムで瞬殺される。


◇ガンダムアストレアTYPE-X フィンスターニス

型式番号:GNY-001XB

「Revealed Chronicle」で登場。
ブラックアストレアをイノベイター勢力が量産し、特殊任務用にカスタムした機体。
フィンスターニスはドイツ語で「闇」を意味する。
これ自体が秘匿された存在であるため、頭部には偽装よりも機能強化に主眼を置いた『ロイヤルマスク』を装着する。
基本的な装備は原型機と同一だが、新たにGN-Xと同型のシールド2枚と、ガンダムデュナメスの技術を盗用し開発した「GNシャープシューター」を装備する。

搭乗マイスターについては、リボンズの命令だけを守り、死をも厭わない行動から、特攻兵器であるガガのマイスターとは別に本機専用に造られたイノベイドだと思われる。

◇ガンダムアストレアⅡ

型式番号:GNDY-0000

「Revealed Chronicle」で登場。
ダブルドライヴを持つ次世代機のテスト機。GNドライヴは胸と左肩に装着する。GNドライヴの配置はクアンタ、左肩のマウントアームはダブルオーの物と似ており二機との繋がりを感じさせる造形。
テスト機だけあって様々なオプション装備があるようで、今のところプロトザンユニットが公開されている。

「EPISODE GN ARMS」では粒子タンク+GNアームズで起動テストをしたが起動できず、ただの顔見せで終わっている。
「EPISODE ASTRAEAⅡ」では1期と2期の間に唯一のマイスターであるティエリアをパイロットにして様々なテストを行っていた。

◇フォン専用ガンダムアストレアTYPE-F

型式番号:GNY-001

ブラックアストレアをフォンが回収して修復。色も赤に戻された。
擬似太陽炉で動き、トランザムは使用不可。
CBの施設から持ち出したり地球連邦軍から強奪した武器(ガンダムデュナメスのGNビームピストル、ガンダムキュリオスのGNハンドミサイル、
GN-XⅢアヘッドのNGNバズーカ等)、さらに新武装「GNハンマー」などを多数装備した「重武装タイプ」で戦うことが多い。
パイロットの性質から、粒子攪乱弾で敵を無力化した上で、GNハンマーやミサイル等で蹂躙するといったエグい戦法をよく使う。
実際本機とGN-X等を比べても大して性能に差があるわけではないため、手段を選ばず圧倒する必要がある…という面もあるが。
単機で連邦軍と交戦して全滅させ、イノベイド達との戦いでも終始優勢だった。


◇ガンダム アヴァランチアストレアTYPE-Fダッシュ

型式番号:GNY-001/hs-A01D

アストレアにアヴァランチ・ダッシュユニットを無理やりくっつけた姿。機動力が向上している。
月のとある施設でエンプラス2機と交戦。元々設置されていた施設のトラップを駆使しつつ振り切ることに成功していた。
軌道エレベーター付近でもビサイドと戦い、豆腐メンタルでヘタレた彼を完膚無きまでにフルボッコにしていた。


◇ガンダムアストレアTYPE-F GNHW

型式番号:GNY-001F

西暦2314年頃に運用されていたアストレアFのGNヘビーウェポン仕様。
重武装タイプの装備群に、肩部と腰背部にアーム可動式のGNシールド計4枚を加えた超重装カスタム。
ヴェーダの予備品で連邦軍の研究データを拝借したお陰か、疑似太陽炉ながらトランザムにも対応している。
ELS接近に際し独自のアプローチを行おうとしたフォンが使い、その阻止に出たフェレシュテのガルムガンダムと交戦する。
最終的に機体はELSに侵食され、フォンの新たな企みに利用されようとしている。



ガンプラ

当初、電撃ホビーマガジンの付録(武装無し)としてキット化されたが、後にアストレア、TYPE-F共に1/100とHGで発売された。
いずれも先に発売されたエクシアのリデコキットである。
特に、HGのTYPE-Fのボリュームは凄まじく、TYPE-F、TYPE-F2とのコンパチは当然ながら、これでもかと言うほど武装がてんこ盛り。
キュリオスのGNハンドミサイル、デュナメスのGNビームピストル、果てはGN-XⅢのNGNバズーカまで付属しており、最早ガンダム00武器セットとも言える。(注意していただきたいのが、このキットに付属するGNビームピストルのホルスターをデュナメスに取り付けるには加工が必要になる)
是非とも、手に取ってこの圧倒的ボリュームに触れていただきたい。

後にプレミアムバンダイ限定でRGも発売。
TYPE-FはF2も再現可能で、HGのTYPE-Fに付属する武器を持たせる事が可能。
白アストレアは換装パーツのみの販売で、未組立のRGエクシアを別に用意する必要がある。

2019年には「METAL BUILD」シリーズの一貫として「ガンダムアストレア+プロトGNハイメガランチャー」、プレミアムバンダイ限定で「TYPE-F」が発売され、2020年4月には「ガンダムアストレア用高機動試験装備」が発売。2021年7月末には新たなバリエーションである「TYPE-X フィンスターニス」の予約が開始した。

2021年12月には、プレミアムバンダイ限定で翌2022年4月出荷予定としてMGでTYPE-Fとアヴァランチユニットがそれぞれ発売。
TYPE-FはF2型にも換装できるよう各部換装パーツと、HG同様に多様な武装を新規金型含めて多数所持している。ただし素体がMGガンダムエクシアのためか、GNソードやGNブレイドも付属している。
アヴァランチユニットは過去MGガンダムエクシアのプレバン限定販売品をTYPE-Fのカラーリングに合わせた仕様。本体は付かないのでこれ単体で買ってもあまり意味はない。



ゲーム

『SDガンダム GGENERATION OVERWORLD』にて白アストレアとTYPE-F2が初参戦。
白アストレアは性能はあまり高くないが、特殊格闘のプロトGNソードと貫通ビームのGNランチャーがあるおかげで相手の防御アビリティを気にせず戦える。
TYPE-F2は性能がアップする上にトランザムが追加される。
どちらもGNランチャーはフォンを乗せるかテンションが強気以上、あるいは戦艦へのピンポイントアタックで戦闘アニメが一斉射撃に変化する(ダメージや属性などは変化なし)。
一斉射撃はフォン専用アストレアでしかやった事はないのだが……。

『SDガンダム GGENERATION CROSSRAYS』では白アストレア、TYPE-F、TYPE-F2、ブラックが参戦。
開発面では白アストレアが0ガンダムから開発できる純正太陽炉搭載型MSの出発点。00系ガンダムを作るならほぼ必ず作ることになる。
性能面ではプロトGNソードは物理格闘に変更され、武装効果で対GNフィールドが付加されている。
またトランザムはテンション制限が付けられ、超強気以上でないと使えなくなってしまった。
ちなみに名前つながりか、アストレアと赤・青・金・緑色の機体で設計すると対応した王道ではない奴らが設計できる。








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最終更新:2023年08月31日 14:55
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