デモンベイン

登録日:2009/05/26(火) 21:29:32
更新日:2023/09/15 Fri 20:37:15
所要時間:約 6 分で読めます





憎悪の空より来たりて
正しき怒りを胸に
我らは魔を断つ剣を執る
汝、無垢なる刃 デモンベイン


斬魔大聖デモンベイン、以下デモンベインシリーズに登場する巨大ロボットで、シリーズの主役機。

メインパイロット:大十字九郎
サブパイロット:アル・アジフ
状況によっては覇道瑠璃、エルザ、覇道鋼造、エドガーなどが搭乗する場合も。

覇道財閥が対ブラックロッジ用に開発した50メートル級の巨大人型兵器。魔を断つ剣にして人類の切り札である。
全高は55.5m(29.0598cubit)、重量は4,254t(850.8mct)。

本機は便宜上鬼械神(デウス・マキナ)に分類される。
ただし、魔導書による召喚ではなく魔導理論と科学によって人の手で建造された異端中の異端であるため「魔術と科学の混血児」と呼ばれ、時に蔑まれることも。

普段は覇道家の整備格納庫に鎮座しており、召喚の際には『虚数展開カタパルト』という転送装置が用いられる。
動力源には『銀鍵守護神機関』及び『獅子の心臓(コル・レオニス)』と呼ばれる魔導機関が使われている。あと気合と勇気と根性。
これによって術者の魔力を糧に並行宇宙より無限のエネルギーを汲み上げることが可能。
エネルギーと情報伝達の為に、全身を水銀の血が巡っている。

メインパイロットが操縦を、サブパイロットが各機器の管制を担当する。
なお、デモンベインの操縦には術者の脳に直接大量の情報が流れ込むため、強い精神力の持ち主でなければ扱えないらしい。

「機神胎動」において、未完成なデモンベインに乗った覇道鋼造は鼻血を出しながらなんとか操れた程度だった。

装甲には『ヒヒイロカネ』という特殊合金が使用され、さらにその上から魔術防御壁が何重にも施されており、通常の兵器では傷一つ付かないとか言いながら毎回ボコボコになっているのは敵が強すぎるからなので許してあげて
また、完成後もドクター・ウェストの手により細々と改造されている。

ちなみに、機体名「デモンベイン」は自称である。
初起動時、「彼」はアクセスしたアルにこう名乗った。

I'm innocent hatred.

I'm innocent rage.

I'm innocent sword.

I'm DEMONBANE.


【特性】

鬼械神とは本来、力ある魔導書と魔術師による「機神召喚」の魔術によって、莫大な魔力と術者の正気を贄に組み上げられる「ロボットの姿をした魔術」そのものである。

ゆえに、発揮される力は莫大ながら、乗り続ければ術者は加速度的に心身ともに消耗し、最悪の場合死亡することになる。
ブラックロッジの魔術師たちもこれは同じであり、大抵は人外の領域に足を踏み入れる、どころか完全に向こう側に行ってしまっている(元々が魔人のマスターテリオンやネロは数少ない例外)。

しかし、デモンベインにはこれら術者へのデメリットが一切存在しない。強い精神力と素養を持った魔術師でなければ動かせない、稼動には力ある魔導書が必要という制限こそあるが、それだけである。

これは、デモンベインはあくまでも「鬼械神を真似て誰かが造り上げた機械兵器」だからである。

鬼械神は召喚のみならず、ありとあらゆる全ての行動および組成の維持に術者の魔力を食い続ける。前述の通りこれは術者にとっては、特に人間にとっては重過ぎる負担であり、通常ならば戦闘することも出来ない。
あくまでブラックロッジの連中が色々とおかしいだけである。

しかし、デモンベインは機械で出来たマシンであるため、組成維持のための魔力が不要となっている。これだけでも術者にとっては非常に大きなメリットとなる。
さらに、動くためのエネルギーは並行世界から汲み上げているため、動くためにも魔力がいらない。
必要になるのは機神召喚で呼び出す時(それにしたところで、一からデモンベインを組み上げるのではなくカタパルトで待機してるデモンベインを呼び寄せるのみ)と魔導書由来の魔術兵装使用時くらいで、内蔵兵器には全く以って不要である。

よって、術者はデモンベインで戦闘を行うためにかかる負担が非常に軽く、魔術師としての腕が上がればそれも無視出来る範囲になる。

さらに、魔導書を不測の事態で失った場合でも、代用回路が用意できれば魔術兵装が使えなくなるが稼動は出来る。
もっとも、力ある魔導書の代わりなどそう簡単に手に入るものではなく、本編の場合正真正銘の天才であるドクター・ウェストがいたおかげで何とかなった。

また、機械なので戦いが終わればメンテナンスや各種調整を人力で行うことが出来るため、鬼械神の欠点である戦闘時間の問題を完璧にクリアしている。

このように、スペックそのものは鬼械神には及ばないものの、劣化コピーであるがゆえの長所が多く、それゆえに「最弱にして無敵」とも評される。

何よりも、鬼械神はそれ自体が「神を模倣した人形」であるため本物の神には抗えないが、「神を模倣した人形を模倣した機械」であるデモンベインはどこまでも「人間」の側にあるため、神を倒す可能性を持っているのが最大の特徴である。


【武装】

デモンベインの使用する武装は機体に内蔵されているものと、アルの断片から成る魔導兵装に分けられる。

《デモンベイン内蔵武装》

  • バルカン砲
こめかみに2門装備されている。
破壊ロボ相手になら充分すぎる程の威力があるが、鬼械神相手にはぶっちゃけ牽制くらいにしか使われない。
スパロボではこれで敵のミサイルからELSまで片っ端から撃ち落とす。

  • 断鎖術式壱號ティマイオス/弐號クリティアス
脚部に装備された重力制御式大型空間歪曲シールド。
「アトランティス・ストライク」は、歪曲された空間の復元力を利用し放たれる強力な蹴り技
他にも空中ジャンプ等が可能で、鈍重なデモンベインの機動力の要。

  • レムリア・インパクト
右掌に封印を施された第一近接昇華呪法。
無限熱量で相手を昇華するデモンベインの代名詞ともいえる技で、リベル・レギスの「ハイパーボリア・ゼロドライブ」と対をなす。
小さな島一つが跡形もなく消滅するほどの威力のため、封印解除の際には瑠璃に「ナアカルコード」を送ってもらう必要がある。
「レムリア・ディレイ・インパクト」などのバリエーションも。
ちなみに「ビッグバン・インパクト」というバリエーションもあるが、これを放った世界では……。


《アル・アジフの魔導武装》

  • アトラック=ナチャ
アルの断片のひとつ。世界的に有名なクモ女(アニメ版では尺の都合で未登場)。エロい。別名「アトラク=ナクア」。
髪の毛を伸ばし、クモの巣のように張り巡らすことができる。
相手を捕縛する時にどうぞ。

  • ニトクリスの鏡
アルの断片のひとつ。ママかと思ったらそうでもなかったぜ。ウサギさんとか恐竜さんとか出す。PC版だと下乳がエロい。
分身や幻惑によって敵を撹乱する他、光学兵器の偏向、反射も可能という器用な代物。
UX』では孔明リ・ガズィの策「魔導遁甲・空城の陣」で使用し、おかげで『リーンの翼』のトラウマイベントは回避された。

  • バルザイの偃月刀
断片のひとつ。街中で大暴れして建物をいっぱい切った。
弱点は白刃取り(ちなみにこのシーンは破壊魔定光のオマージュ
分厚い刀身をもつ湾曲刀で、投擲武器としても使える。
ネクロノミコンによれば、本来はいわゆる「魔法の杖」の役目を果たす存在らしい。

  • クトゥグア & イタクァ
どちらも断片のひとつ。褐色の美女とメガネのクールビューティー。エロい。
九郎に(性的な意味で)手懐けられる。
当初はデモンベインが耐えられないほどのパワーで暴れまわっていたが、暴君より得た炎の力を宿すゴツいオートマチック銃と風の力を宿すリボルバーによって扱えるようになった。
また「神獣弾」という特殊な弾丸を使用することによって二体の本来の力を発揮することも可能。
数に限りがある代わりに威力は凄まじく、あのマスターテリオンを感嘆させるほど。
アニメ版では尺の都合で神獣弾は登場しないが、『UX』ではシナリオデモで「1発きりの特別製」として発動、邪神クトゥルー内部への突入に貢献した。

  • ロイガー & ツァール
2人でひとつの断片。ロリ双子。目つきが悪い
「く」の字型をした
2つ合わせてブーメランにするあたり某勇者ロボを彷彿とさせる。

  • シャンタク
作中では「魔術師の外套」と表現される独特の形状をした飛行ユニット。
マジンガーでいうところのスクランダーにあたる。
これの入手により、デモンベインは物理法則をぶっちぎりで無視した飛行が可能になった。
元は鳥さん。

  • ド・マリニーの時計
外伝小説『ド・マリニーの時計』で登場。時間を操る程度の能力。インチキ。
不思議の国のアリスにウサミミの女の子。
時間停止なんて朝飯前、時を戻して傷を回復なんてことも。
DIO様、ボスプッチも涙目である。


最終必滅兵器

  • 輝く(シャイニング)トラペゾヘドロン
デモンベインの使いうる最凶最悪の呪法兵葬である、第零封神昇華呪法。
作中では「巨大な神柱」と表現される、デモンベインの身長以上もある剣。
その正体は邪神たちの封印された暗黒宇宙である。
なお、これのみ内蔵武器でもアルの断片でもなく、術者の九郎自身に依存する武器である。



実はデモンベインは前のループで敗北し、飛ばされた先のアリゾナの砂漠で朽ち果てていたのを覇道鋼造が改修した物だった。
そのため最初のデモンベインはいつ・どこで・誰が作ったのかは一切不明であり、ファンの間で議論されている。
しかもド・マリニーの時計による時間操作、「自分より前から存在している可能性がある」というアルの証言などから、ますますよく分からないことになっている。


類似品にドクター・ウェスト製作の破壊ロボバリエーションの一つ、「デモンペイン」が存在する。
しかし、類似品とは言え、デモンベインの内蔵武装は全て使う事が出来るという、中々に侮れないパチもん
本来デモンベインは魔術師と“ネクロノミコン”クラスの超強力な魔導書が三位一体となって初めて稼働する兵器である。

ただ、デモンペインは魔導書アル・アジフの変わりに人造生命体エルザで、魔術師大十字九郎の代わりにキチ〇イドクター・ウエストにて稼働する天才兵器にして変態兵器である。
エンジン無しで走る車みたいなもの、と言えば、その変態っぷりが分かりやすいだろうか。

アルルートではこの技術をデモンベインに流用、アル・アジフの不在を補った。
もちろん使えるのは内蔵武装のみ。



【スーパーロボット大戦でのデモンベイン】

2013年発売のニンテンドー3DS用ソフト、スーパーロボット大戦UXにて遂に参戦。
味方側ではS、Mサイズの機体が多い中、数少ないLサイズユニット。

序盤では原作どおり「バルカン砲」と「格闘」のみだが、回を進めるごとに武装が増えていく。
最終的には近距離から遠距離まで、オールレンジに対応できるようになる。バルザイの偃月刀のレンジを見て本来の用途を思い出したユーザー多数
相手を止める「アトラック・ナチャ」や攻撃を分身で受ける「ニトクリスの鏡」、2段階目の機体ボーナスから現れるエルダーサインもといバリアなど、攻撃以外の武装も充実。
強化されたデモンベインは間違いなく本作最強機体候補と言える。

ENの代わりにMPのシステムを採用しており、改造もEセーブの取得も出来ないが、アルの専用スキルのレベルに応じて最大MPとMP回復率が上昇する。
これにより必殺技の燃費の悪さやバリアによるMP消費をカバー。最悪攻撃に関しては九郎の精神コマンド「正義」(1ターン武器の消費なし)で無双も可能。
さらにMPなので、EN吸収攻撃の対象にはならない。簡単に言うと、ELSはどうやってもデモンべインを融合する事が出来ない*1
と、「ENとは別物」として扱われるMPだが、何故か補給コマンドで補給できたりする。どうやって補給しているのだろうか。

UXのシナリオの核の一つにデモンベインが据えられているため、演出面ではかなり優遇されている。

初召喚時はちびアルこそ見られなかったが、DVE(オンボイス)で召喚セリフが流れる。
九郎、アル共にシナリオの進行具合によって顔グラが変化するだけでなく、一時期同乗したエルザのカットインも完備。
戦闘アニメーションも細かく、レムリア・インパクトではナアカルコード送信時の姫さんまで映る。何故かパンモロで。 PC版でも送信シーンにはパンツのパの字もないのにどうしてこうなった。
また、ファイナル・シャイニング・トラペゾヘドロンの演出は、九郎とアルが親密そうなやり取りと共に二人でかの剣を執ることから「結婚式」と揶揄されることも。

ちなみにマスターテリオンとの決戦である51話にて、シャイニング・トラペゾヘドロンでリベル・レギスを攻撃、その時の戦闘でシャイニング・トラペゾヘドロンで反撃されるとゲームがフリーズするというある意味奇跡的なバグが存在する。

なお、UX参戦に伴って、鋼屋ジン氏は『第4次スーパーロボット大戦』をプレイしていた頃のエピソードを語る。
鋼屋氏がスーパー系主人公機に対して、本来の名とは別に与えた名前こそ、後の……




なお、「デモンベイン」とはこの機体の固有名ではない。この名前は「魔を断つ剣」という定義に与えられる称号のようなもので、九郎の乗る鬼械神もどきは無数の「それら」の一つに過ぎない。
名もなき鬼械神の紛い物が、「魔を断つ剣」の一振りとなったためにこの名前で呼ばれるようになっただけの話である。



◆バリエーション・関連機体

  • デモンペイン
ウェストが造り上げたニセモノだが、純粋スペックは同レベルの怪物。小説版では尺の都合で登場していない。

  • 三面六臂のデモンベイン(軍神デモンベイン)
火星の地表を丸ごと使って描かれた召喚魔法陣から出現したデモンベイン。失われた片肺を補うようにアイオーン・エンジン形態と合体し、さらに三対の腕とケンタウロスのような人馬形態を持つ。
が、シャイニング・トラペゾヘドロンが使えなかったため、ナイアによる歴史の巻き戻しを喰らって消滅してしまった。

  • デモンベイン・トゥーソード
「機神飛翔」に登場した九朔の鬼械神。魔導書であるアナザーブラッドがいないため戦闘力はオリジナルに及ばず、リベル・レギスに一蹴されている。
アニメ版デモンベインの脚部シールドのギミックはこいつが元ネタ。

  • デモンベイン・ブラッド
アナザーブラッドが駆る紛い物のデモンベイン。全身が赤い。

  • デモンベイン・クロックワーク・ブラッド
ブラッドがナイアの「貌」の一つである鬼械神「クロックワーク・ファントム」を取り込み融合した形態。

  • 『D』
ダイン・フリークスに登場した魔術師“鴉”が召喚する鬼械神。濁りきった憎悪と歪みに歪んだ怒りの果て、破壊神へと堕ちたデモンベインの成れの果てである。




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最終更新:2023年09月15日 20:37

*1 ただし、攻撃を受け止める戦い方の都合上、ELSと同じく融合による撃墜があるフェストゥムとは相性が悪い。