ブラックゲッター

登録日:2011/10/24(月) 15:05:59
更新日:2023/10/15 Sun 09:43:44
所要時間:約 5 分で読めます




ブラックゲッターとはOVA『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』に登場するロボット。
本作に登場するオリジナルゲッターロボの一体である。



■概要

見た目はゲッター1をベースとしているが、全身の装甲が赤色ではなく名の通り黒色をメインとしているのが特徴。
頭部はコックピットである口部分を覆い隠す複数の装甲が連なったフェイスガード、そして真ゲッターロボとも異なる赤い縁取りに血走った瞳の眼を持つ。
首回りには黒いボロ布のようなマフラーが巻かれており、全体的に荒々しく威圧的な風貌になっている。

物語上では実質的に流竜馬専用機
本編3話で起こった重陽子ミサイル爆発の余波とゲッター線の影響で時空を彷徨った竜馬は、13年後の月面、そこに放棄されていたゲッターロボのコックピットに飛ばされ目覚めた。
そして、この中破していたゲッターロボをベースに月面に放棄されていた資材・設備を用いて竜馬が独自に改修を施すことで完成したのがこの漆黒のゲッターロボ、ブラックゲッターである。

なお元はゲッター1と同じく赤色であったが、「大気圏突入時の摩擦熱で表面塗装が炭化し、今の色になった」とも解説される。
しかし、腹周りには黄色い塗装が帯のように残っているため、この辺の詳細は不明。
身長38mとゲッター1と変わらないが、重量は25t増えた225t。
ゲッターは変形したら重さが変わる?残念ながら平成以降のゲッターにそんな設定はなくてな…



■機体性能

上記の通りゲッター1をベースにしているが改造は操縦系などにも及んでおり、一人乗り仕様になっている。
更にゲッターロボ最大の特徴ともいえる分離・合体機構をも取り除いており、形態はゲッター1ベースで固定され、オープンゲットも出来ない。
悪いな隼人、弁慶、このゲッター1人用なんだ。

まあ、改造の際竜馬は月で一人きり、しかも仲間たちが生きているかなど全く分からなかっただろうから一人乗りに改造したのも致し方無いだろう。
「『三つの心が一つになれば、一つの正義は百万パワー』のゲッターロボとしてはどうなんだ?」と思うかもしれないが……

一方、複雑な分離・合体機構を排除しシンプルな戦闘ロボットへと変化したことで、基本性能全般がゲッター1に比べ大きく上昇。武装類が追加され手数も増えている。
特に格闘戦に重きが置かれているのは……竜馬の趣味だろう。
ここまでカスタマイズ出来るチェンゲ竜馬のインテリっぷりには頭が下がる。

見るべき所は多いが、一番に考慮すべきはこの機体の操縦者が流竜馬だという事だろう。
ある意味これがブラックゲッター最大の強みと言える。

ちなみにスパロボではコックピット自体は残っているのか三人乗りとなる事が多い。



■劇中の活躍

初登場は第8話。
非常に印象的であり、その活躍をもって「優しい兵隊ではインベーダーを殺れない」事を実証した。
具体的に言うと、ゴウ率いる三代目ゲッターチームがデビルマンジンメンよろしく人間を取り込んだインベーダーとの戦いで、
取り込まれた人々の存在に攻勢に出られず苦戦している中、颯爽と登場。
その凶悪なスパイクとレザーで中の人間ごとインベーダーをぶっ潰し、ビームで焼き尽くしてこれを殲滅した。*1
この場面はスーパーロボット大戦Dでもしっかりと再現しており、殺された人々の思念をニュータイプが感じ取り、苦しむ等のクロスオーバーを行っている。*2

その後、ニューヨークでインベーダーに苦戦するゲッターチームの前に再度登場し、ようやく竜馬も姿を見せた。
そして神隼人率いるスーパーロボット軍団と共に真ドラゴン並びにインベーダーと戦う。
しかしながら、活躍はともかく扱いは割とぞんざいであり、終盤真ドラゴンにゲッター線を吸い取られ海に墜落。
竜馬は脱出し、ブラックゲッターも回収されたが、以後竜馬は真ゲッターに乗り換えたため、最終決戦時は地球に置き去りにされた。

やや悲しい最後であった物の、視聴者からの評判は上々であり、劇中の残虐ファイト、男心をくすぐるその色、デザインによって高い人気を持つ。
漆黒のダークヒーローは古来より男の大好物でもあるしね。



■武装

  • ゲッターレザー
左腕の側面に装備された三枚のブレード。
ゲッター1の物に比べると刃渡りが伸び真ゲッター1並の長さになっているが、代わりに右腕側の物はオミットされている。

スパロボではαシリーズでは「ゲッターレザー」扱いだったが、他の参戦作品では「ゲッタースパイクブレード」と名を変え登場。
Dでは攻撃力はゲッタービームに匹敵し、更に燃費のよさから主力武装。当時の戦闘アニメとしてはかなりよく動く。
第2次Zではなんと必殺技に昇格。あの残虐攻撃を再現する
第3次Zでも続投したがあまりにスパイクブレードの出番が少ない戦闘アニメだったせいか、天獄篇で「ブラックゲッターストライク」に名称変更されてしまった。

  • スパイク
両手に装備されている4本のトゲ型スパイク。
普段は先端部だけが出ているが、攻撃時には伸びて破壊力を高める。

  • ゲッタートマホーク
通常のゲッター1と同じ肩に収納されているトマホーク
デザインや機能もゲッター1の物と変わらず、通常の攻撃以外にも「トマホークブーメラン」として投擲可能。
作中ではよく機体の登場に先立って投擲され、敵の行動を妨害・牽制している。
但し、スパロボの場合、黒紫色の液体が噴き出るエフェクトがあり、中々にグロい。

  • ゲッタービーム
通常のゲッター1と同じく腹部に内蔵されたゲッター線によるビーム兵器。
初登場時にはバラバラにしたメタルビーストの残骸を焼却処分するのに使われた。
ゲッターウィングを全身に纏い、ウィングとボディでビームを乱反射させ、様々な方向からレーザーを照射する「スパイラルゲッタービーム」という技もあり、こちらも初登場時に戦闘へ乱入する際空中から地上に向けて使用された。
ちなみにスパイラルのほうは第1話でゲッター1も使用しているが、スパロボでは参戦機会の多いブラックゲッターが使うことが多い。

  • ゲッターウィング
飛行用の翼。本作のゲッター1同様ボロ布マント状で、マフラーと一体になったように描かれることが多い。
表面が黒いが裏地は元と同じく赤い。

  • ゲッターマシンガン
本編未使用。
第1話でゲッター1がぶっ放していたが、意外や意外ブラックゲッターになってからは使用していない。
まあ、目詰まりか弾切れでも起こしたのだろう。
第3次Zでは必殺演出で撃てるが片手1丁だけになっている。



スーパーロボット大戦シリーズでの活躍

初登場は『第2次スーパーロボット大戦α』。ただし本作には『世界最後の日』は参戦しておらず、ゲスト扱いである。
こちらではαからα外伝までムサシの乗っていた旧ゲッターをハヤトの実家、神重工業で改造した設定。
第2次αでは基本的にパイロットはムサシだが、ルートによってはリョウの1人乗りも見れる。*3
ムサシが乗っているため、第24話イベントで無敵戦艦ダイを人質から引き離すために 大雪山おろし も使用する(上記の武装紹介に大雪山おろしがないのは、このイベント以外では使えないため)。
中盤でムサシの戦死と共に失われてしまうが、主人公にクスハかゼンガーを選んで条件を満たせばムサシは重傷ながらも生還。
ブラックゲッターにリョウ達3人を乗せることが出来るようになる。*4

……ちなみにムサシ戦死ルートでは原作漫画やOVAネオゲッターの1話冒頭と同様にブラックゲッターの胴体からゲッター炉心を引きずり出して自爆するのだが、
この際、顔グラフィックも高濃度のゲッター線に当てられた為なのか、東映アニメ版のやや柔和な顔つきからOVAネオゲッターに近い「濃い」絵面へと突如変化する。

つまり東映版ムサシチェンゲ版のブラックゲッターに乗って原作漫画版東映版をミックスした台詞を叫びながらネオゲッター版の顔グラになって自爆するという
ごちゃ混ぜ上等のカオスイベントだったりする。

第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河へ~』ではミチルの撃墜数によって入手可能。

スパロボに初めてチェンゲ出展のゲッターが参戦した『スーパーロボット大戦D』でようやくチェンゲからの参戦となる。
中盤に一度中立NPCで登場し、その次のステージとなる早乙女博士との決戦から正式参戦。
参戦時は竜馬の一人乗りだがすぐに三人乗り仕様に改修されるため竜馬が一人で乗る期間は非常に短い。
基礎性能は高めで武器の威力、燃費もいい優良ユニットだが他のゲッターにあるオープンゲットがないため回避面に不安がある。
ゲッター1との合体攻撃があるため一緒に運用したくなるがそれをすると高い性能を持つ真ゲッターを諦めなければいけなくのが痛いところ。
真ドラゴンの参戦が遅いのでそれまで竜馬たちをこちらに乗せるかゲッター1に乗せるかは好みの範疇。
真ドラゴン参戦後も使おうと思うなら愛が必要になる。

第2次スーパーロボット大戦Z再世篇』でも登場。こちらはチェンゲ版のため、シナリオ中盤に原作通りの流れで乗ってくる。
真ゲッターロボには號たちが乗っているのでしばらく竜馬はこれに乗るが、號たちが真ドラゴンに乗り換えると隼人、弁慶と共に竜馬が真ゲッターに乗り換える。
CBが「全武器の地形適応が全てSになる」とかなり優秀で、燃費も真ゲッターより良い。
ちゃんと隼人と弁慶も乗ってくれる(変形はしない)ので、どちらを使うかはお好みで。
しかし真ゲッターが先にいるので改造度の引き継ぎもなく、離脱するわけでもないので改造資金も返還されないため、資金に余裕がない時には改造しない方が無難である。
続編である『第3次Z』では真ゲッターよりも先の参戦のため、改造度の引き継ぎがあるので安心して改造できる。CBや武器は第2次と同じ。
ただ、真ゲッターに火力面では水をあけられており、燃費も「DECチャージャー」などでフォローできるため、使い続けるには愛が必要(もちろん弱いわけではないが)。

スーパーロボット大戦V』においては、遂にいきなり乗った状態で参戦している。
ところが出撃したシナリオで重陽子ミサイルの爆発に巻き込まれ、並行世界「新西暦世界」にワープ。(しかもこの事は竜馬の口から語られるのみ)
土星の衛星エンケラドゥスに漂着した所を宇宙戦艦ヤマトに拾われ、そこでブラックゲッターを修理し自軍に加わる。

スマホアプリ『スーパーロボット大戦DD』においては冒頭で竜馬と共にタイムスリップしてきたゲッター1を地球連邦軍が修理したという設定。
號が全く出てこないうちに竜馬たちが並行世界にワープしているため、真ゲッターが出てくるまでは唯一のゲッター系ユニットだった。
なお、ストライクガンダムフリーダムガンダムと同様、改造度を共有しているので育成しやすい。



ゲッターロボ大決戦!では

同名の黒いゲッターロボが登場はするものの、『世界最後の日』と設定やデザインは異なる。
他ロボットが出撃できない状況で予備パーツから急遽組み上げられた機体であり、各部がそれぞれ別のゲッターのものとなっている。
その為か、3人乗りではあるもののゲットマシンへの分離や別形態への変形は不可能。
各部のパーツはそれぞれ

頭…ゲッター1(真ゲッター1?)
胴体…ゲッタードラゴン
下半身…ゲッター號
右腕…ゲッタードリル+ゲッターアーム
左腕…ゲッター號のアームガン

となっている。黒目やマフラーも無い。
必殺技は「暗黒乱舞」。
余談であるが、始めはこのデザインが本編で使われる予定であったが、最終的には皆が知ってるあのデザインになった。
ちなみにゲッタービームは頭部から出る。



■立体化

VHS発売当時にアオシマから1/250スケールの簡易インジェクションキットが発売しているが、
簡易インジェクションという性質上表面処理はガレージキット並に大変なうえ、頭部が真ゲッター並に小さい。
また、ポリキャップによる可動箇所は多少あるものの、デザイン上関節は目立たない様に作られているため、贔屓目に見てもよく動くとは言い難い。

本機は、リボルテックシリーズの初期に製品化されている。
付属品はトマホークの他に拳銃とマシンガン。付け加えてマシンガン用のマガジンも装備している
腕のゲッターレザーがいやに鋭利なので、怪我をしないように注意しよう。



■その他

ロボットガールズZオンライン』に登場するゲッドラさん(14年後のゲッちゃん)はブラックゲッターと『世界最後の日』の竜馬がモデルである。
技なんかもうそっくりそのまんま、チェンゲ版のゲッター1とブラックゲッターを模している。
ただし、『世界最後の日』は東映が版権を有しておらず、ゲッドラさんの出典に関しては公式が明記していない。




追記、修正は人間もろともインベーダーを殺してからお願いします

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最終更新:2023年10月15日 09:43

*1 ジンメンとの違いはケイと知り合った少女レアンヌまでもが取り込まれなかったことであろう。デビルマンのジンメン編の場合だと不動明と知り合った少女サッちゃんまでも取り込まれて苦悩の末殺さざるを得ない悲劇的な結末となっている

*2 フォローしておくとインベーダーに取り込まれた人間を救いだすことは不可能であり、インベーダーごと葬る事が取り込まれた人々にとって唯一の救いであった

*3 なおこの際はゲッターGにベンケイ、ハヤト、ムサシで搭乗しているが残念ながらゲッターライガー固定

*4 ムサシは怪我の為、ミチルと共にコマンドマシンで支援に回る