地底冥府インフェルシア

登録日:2011/12/28 Wed 19:29:12
更新日:2024/04/16 Tue 15:17:13
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地底冥府インフェルシアとは、スーパー戦隊シリーズ第29作「魔法戦隊マジレンジャー」に登場する悪の組織である。


【概要】

冥獣帝ン・マが統治する、地底深くに存在する冥獣と冥獣人の帝国。 マジマザー/小津深雪曰く「簡単に言えば地獄の化け物連中」。
地底深くにある隠された世界に暮らし、地上支配を目論み侵攻しようとしたが、天空聖者ブレイジェルらによって阻止され、地上へ続く冥府門の扉もろとも封印された。
だが封印から15年の月日が流れ封印が弱まったことによって再び侵攻を開始。ン・マの復活と地上支配のために地上侵攻を再開、冥獣や冥獣人を送り込む。

弱肉強食の徹底的な完全実力主義社会が敷かれているのが最大の特徴で、
強大な力を持つ者や、戦いで武功を挙げれば、例え戦闘員の出であろうと魔法界出身の者であろうと問題なく指揮官に成り上がることも可能。
当然弱者には厳しく、「死」か「奴隷になるか」の2択を強いられる。
インフェルシアの領域では幾重の層に分かれており、いる階層が下であればあるほど地位が高い逆ピラミッド型。最深部に座しているのはもちろん絶対神ン・マ。
(宗教における「地獄」のイメージにのっとったものだろうか。)

西洋の魔物らしいダークで陰鬱な雰囲気とファンタジーな色合いが非常に強く、出てくる怪人もRPGをやっていれば日本人でも一度は聞いた事があるようなキャラばかりである。
そんなわけで一部は『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のバンドーラ一味と題材がかぶっている者もいる。
前作『特捜戦隊デカレンジャー』の敵であるアリエナイザーが宇宙から来た個別の凶悪犯罪者であった反動か、悪の組織の原点に戻り地底に潜む魔族の集団と位置付けられた。
封印されていた期間が15年とこの手のキャラクターにしては浅いが、それでも種族自体が遥か昔から存在していたことは確か。


【主な人物】

◆統治者

  • 冥獣帝ン・マ
(CV:塩野勝美)
自分の目や牙、爪を部下に武器として与える、中々献身的なボス。
部下と話す時はジャビウス一世みたいに水面に目だけ出して話す。
レジェンドマジレンジャーのレジェンドパワーを得て復活するものの、呪縛転生が解けて記憶を取り戻したウルザードによって魂を封印され、復活を阻まれる。
しかし…


  • 絶対神ン・マ
(CV:浪川大輔)
冥府神ティターンの肉体を寄り代として復活した、ン・マの真の姿。
タコのような顔や触手を持つが圧倒的な力を持ち、マジトピアを壊滅させ、ウルザードファイヤーとマジシャインまで殺害した。
(ただし、二人は後にバンキュリアが不死の力を分け与えて復活させた)
魔法力を吸収する力を持つが、小津家八人の魔法力を吸収しきれず、爆散した。のちに炎神へ転生したらしい。
ラスボスなのにロボ抜きで倒された、珍しい存在。

モチーフはクトゥルフ……と思われがちだが、元々はインフェルシア共通の「髑髏」と、闇の中で蠢いているというイメージで「タコ」を組み合わせてデザインしたもので、クトゥルフらしくなったのは偶然らしい。


冥府神

インフェルシアの伝説でのみ語られる、絶対神ン・マを崇拝し、地底冥府を管理する10柱の神々。
当初は封印されていたが、メーミィの死後に現れた予言の書をバンキュリアが偶然見つけたことで復活した。
モチーフはトードを除き、それぞれギリシャ神話や北欧神話に登場する神々や神話の怪物を基にしている。
プロデューサー曰く「コンセプトは平成のデルザー軍団
詳細は当該項目にて。


◆幹部

  • 凱力大将ブランケン
(CV:江川央生)
強大な力を持ったインフェルシア屈指の武人。
モチーフはフランケンシュタインの怪物。
元々は上級戦闘員ハイゾビルの一人だったが、肉体の多くを機械化してまで戦いを重ねハイゾビル3000人分の力を手にしたことでその実力を認められ、
大将の地位とン・マの牙から造られた「底皇剣ヘルファング」を賜った歴戦の猛者。
非常に短気かつ荒々しい性格で、怒りが頂点に達すると全身から蒸気を噴出しながら激昂する。
弱者や失敗した者に対しては容赦のない制裁を下すが、根っからの叩き上げの将軍であることや持前の豪胆な気質、
そして「力こそ全て」が基本理念のインフェルシアでは、バンキュリアも含めて配下からは慕われており、高い人望を得ている。
加えて、冥獣グールの強化特訓に付き合う等、見込みのある者には面倒見が良い。
得意技は「ヘルファング地獄斬り」「ドラゴンネックロック地獄投げ」

一度ウルザードの魔力によって地上に出るも、マジフェニックスに隙をつかれてインフェルシアへと送り返される。
それからはマジレンジャーを「魔法使いのガキ共」と言って憎んでいた。
インフェルシアと人間界を繋ぐ冥府門が再度地上に現れた際には、その扉を強引にこじ開けて顕現し、冥獣ガーゴイルと共にマジレンジャーを苦しめるが、
最後にはマジキングのキングカリバー魔法家族斬りに敗れ、戦死する。
ちなみに、巨大戦で必殺剣を放った初めての怪人だったりする。

(CV:高戸靖広)
ブランケンの死後にインフェルシアの指導者となった神官。
モチーフはミイラ
ン・マの爪から造られた扇子を持ち、オネエ言葉で話すが、魔法力はマジレンジャーやブランケンを遥かに上回る。
前線には出ない策士タイプだが、作戦が失敗した時は「不愉快!」と言ってヒスを起こす。
その正体は裏切り者の天空聖者ライジェル。名前の通り、先代の雷の守護者である。
サンジェル(マジシャイン)にカエルになる呪いをかけるものの、自身はその反動でミイラ化してしまった。
ミイラ化しているため魔力の枯渇が早いが、ライジェルの姿に戻る事は可能。
サンジェルとのデュエルボンドによる一騎打ちの末に敗れ、ン・マの復活を予言して死亡する。
が、後のVシネマ「轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊」で、何故か巫女(原文ママ)として復活。
フラビージョやツエツエと共に、クロノス復活のため暗躍した。
詳しくは個別項目参照。

◆幹部補佐

  • 妖幻密使バンキュリア
(CV:渡辺美佐)
インフェルシアの女幹部である、数千年の時を生きるクイーンバンパイア。
モチーフはバンパイアとドラキュラ。
褐色の肌に露出の多いセクシーなボンテージ風ファッション、恥ずかし気もなく晒した横乳と下乳という放送コード的にヤバそうな非常にセクシーなビジュアルを持つ。
自信家然とした態度を取り見かけに違わず高飛車な言動の悪女だが、感性自体は割と常識人寄りだったりと血の気が多い奴らが多いインフェルシアの中では思慮深い性格。
また言動とは裏腹に割とナイーブな気質だったのが、ナイとメアを生み出した動機になっている。

地上に張られた結界を自由にすり抜けられるため、何度も地上に現れ、マジレンジャーと対峙する。
吸血鬼らしく血を吸った者を支配したり、吸血鬼の癖に朝日を克服したりしてる。
唯一の弱点の「暁の結晶」を受けて消滅しても夜になれば普通に復活するかなりチートじみたスペックを誇る。
しかし、便利な移動能力に加えてなまじ不死身なせいか中盤以降はメーミィや冥府神から散々な扱いを受ける中間管理職のギャグキャラに成り下がった。
ちなみ不死の生命力を利用すれば、死者を生者として蘇生させることも可能である。

最終的に冥府神復活後は完全なパシリ扱いであったが冥府神スフィンクスの考えに賛同し、地上を残すためにン・マに反旗を翻した。
ちなみにスーツアクターさんは男だ畜生!


  • ナイとメア
(演:ホラン千秋(ナイ)、北神朋美(メア))
バンキュリアが二人に分身したゴス少女達。
バンキュリア一人の時に比べるとパワーも知能も半分になる、正直言ってメリットなどない形態なのだが、不死者ゆえの寂しさと退屈を紛らすためにデメリットを承知で分裂している。
二人になって何をしていたのかは……。
ナイが普通に喋り、メアが語尾の辺りを復唱する喋り方をするの。するのー。しかし、明らかにメアの負担が軽すぎるせいか途中から二人とも普通に喋るようになったわ。なったわー。
フィギュアになったりジャスミンウメコが衣装交換されたり、やっぱり大きなお友達からの需要が大きかったらしい。
ちなみにナイを演じたのは芸能活動を始めた初期のホラン千秋氏。今や「Nスタ」(TBSテレビ)でキャスターを務めるなど、インテリキャラのイメージが強い氏だがそのビジュアルもあってかなりのギャップを感じることは間違いなし。


(CV:磯部勉)
インフェルシアに荷担する魔導士(悪の魔法使い)。
本作の巨大化担当。
詳細は当該項目にて。






【怪人・戦闘員】

◆冥獣

インフェルシアに生息する魔獣。
知性はなく、本能によって活動する。
殺人描写を極力避けていた近年の戦隊には珍しく、一般人を殺害するケースが非常に多く、賛否両論
最初から巨大な個体もいるが、多くはウルザードやメーミィの力で巨大化する。
また、蠱毒房という牢獄で冥獣同士が戦い、生き残った三体の冥獣は「蠱毒房三冥獣」として格が上がり、自力で地上に上がったり巨大化する事が可能になる。

◆冥獣人

高い知性を持ち、言葉を話す。
でもインフェルシアでの地位は冥獣と大差ない。
冥獣には種族名しか無いのに対して、冥獣人は個別の名前を持っているのも特徴。
元々サンジェルにより封印されていたので、インフェルシアに組みしたメーミィの力により解放された。
彼らの登場から微妙に作風が変わったため、主な行動は一般人の洗脳や街の破壊で、冥獣のように殺戮を行うことは少ない。
中には指折りの実力を誇る冥獣人四底王なる集団も存在する。

◆冥府兵ゾビル、冥府伍長ハイゾビル

インフェルシアの戦闘員
モチーフはゾンビデビルから。
ブランケンも元々はこのハイゾビルであり、実力さえあればいくらでも昇格できる。
なお、頭部はメカクローンよろしく真っ二つに割れ、そこから中身が丸見えとなる。コワイ!
第22話ではメーミィの悪ふざけなのか、迷彩柄の忍び装束を纏い刀を武器に戦った。


【その他】

◆冥獣人バーサーカーのグルーム・ド・ブライドン

(CV:檜山修之)
映画『インフェルシアの花嫁』に登場。
モチーフは言わずと知れた北欧の狂戦士バーサーカー。
死してもなお戦いを求める凶悪なバーサーカー一族の王で、怒りが高ぶると全身を先鋭化させて戦闘力を高める。
常に仮面で顔を覆っているが、その下は傷だらけで花嫁に選んだ山崎さんも恐怖でおびえるほどだった。
詳細は該当項目を参照されたし。

◆冥獣人デーモンのアボロス

(CV:竹本英史)
Vシネマ『魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー』に登場。
モチーフ・名前は悪魔のイタリア語であるディアボロから。
既にインフェルシアを飛び出しており、エージェント・アブレラに弟子入りしてアリエナイザーとなり、
アブレラの死後は『エージェントX』を名乗り死の商人となる。
「私に抜かりはありません」と事あるごとに言う慇懃無礼な口調が目立つが、頭脳・開発力に比べて戦闘力が低かったアブレラに対し、アボロスは頭だけでなく戦闘力にもキレがあり、悪魔の羽を模した釵を振るう。
デカレンジャーのジャスミンとマジレンジャーのを人質にマジトピアの秘宝たる『天空の花』を入手し、
これに秘められた力を利用して全地球から愛を消し去ろうと目論んだが、マジレンジャーとデカレンジャーの2大戦隊の活躍により阻まれた。
なお、冥獣人とはいえ劇中で確認されている中では唯一の地球出身のアリエナイザーである。

◆時の魔神クロノス

(CV:緒方文興)
Vシネマ『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』に登場。
時間と空間を操る能力を持つ魔神で、世界征服を企む。
少なくとも、
  • (ゴードムエンジンでマジ本編の数十倍パワーアップした)メーミィと同格かそれ以上の魔法力
  • ハリケンブルーを軽くいなす格闘技術
  • アバレブラックを圧倒するパワー
  • マルデヨーナ空間と似た異空間の展開能力
を持つ。
そのビジュアルや能力面など冥獣人との共通点が多いが、これは当初『ボウケンジャーVSマジレンジャー』として企画が進んでいたため冥獣人としてデザインされていたことによる。



追記・修正は蠱毒房で生き延びてからお願いします。

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