ニドクイン

登録日:2010/02/04(木) 00:10:59
更新日:2023/08/11 Fri 12:56:14
所要時間:約 8 分で読めます




ニドクインとはポケットモンスターシリーズに初代から登場するポケモンである。


●目次


●データ

全国図鑑No.31
分類:ドリルポケモン
英語名:Nidoqueen
身長:1.3m
体重:60.0kg
タマゴグループ:タマゴ未発見(ニドラン♀は怪獣/陸上)
性別比率:♂0♀100(ニドラン自体は♂50♀50)
タイプ:どく/じめん

特性:どくのトゲ(接触技で攻撃してきた相手を3割の確率でどく状態にする)
  /とうそうしん(相手の性別が自分と同じ場合は技の威力が1.25倍、異なる場合は0.75倍になる。性別不明は変わらない)
隠れ特性:ちからずく(技の追加効果が発動しない代わりにその技の威力が1.3倍)

HP:90
攻撃:82→92(XY以降)
防御:87
特攻:75
特防:75→85(金銀以降)
素早さ:76
合計:505

努力値:HP+3


●ニドリーナ

全国図鑑No.30
分類:どくばりポケモン
英語名:Nidorina
身長:0.8m
体重:20.0kg
タイプ:どく

隠れ特性:はりきり

●ニドラン♀

全国図鑑No.29
分類:どくばりポケモン
英語名:Nidoran♀
身長:0.4m
体重:7.0kg
タイプ:どく


●概要


ニドキングと対をなす女王。
ニドラン♀がレベル16でニドリーナに進化
ニドリーナに「つきのいし」を使うとニドクインに進化する。

名前の由来は『針』を意味する“needle”と『女王』の“queen”の組み合わせ。
なんとなく寸詰まりな印象だが、当時のポケモンは名前が五文字までしか使えなかったので仕方ない。
第六世代以降に登場していたらちゃんと「ニドクイーン」になっていたであろう。

夫が紫色なのに対し、この奥方は青がベース。
性別は♀しか存在しない。
固くて針のある鱗が体を覆っており、これで子どもたちを守ったり、突進して相手を弾き飛ばすことも可能。
子どもを守るときに強さを発揮するらしい。
また貫禄のあるボディから多彩な技を繰り出す。

ニドラン♀は♂と比べて角の育ちは遅いが、毒の威力は強烈でかすっただけでも致命的。
怒らせると角の先から毒を出す。
また、初期に出版された書籍『ポケットモンスター図鑑』では「一年に二個、卵を産む」という旨の記述があり、これが名前の由来になっていると考えられる。

ニドリーナは性格は温厚であまり戦おうとしないが、噛みつきや引っ掻く攻撃など肉弾戦を好む面もある。
口から出す超音波は相手を惑わすほどの力がある…が、タマゴ技でしか覚えない。

夫と同じく多彩な技を持つ器用なポケモン。ある意味、大和撫子のよう。
ポケモンの世界で初めて「♀である」と明言されたポケモン。よく見るとおっぱいがあるため、昔はそっち系のネタで引っ張りだこだった。
性別が明言されていなかった当時は、ガルーラやラッキーはまだ「♂の個体もいるかもしれない」という可能性を排除しきれていなかったのである。
カンガルーなんて現実だと普通にオスいるもんね。

初代のポケモン図鑑では体重が6.0㎏と誤植されていた。
色違いのニドクインは煤けた緑色。これだけなら特に問題はないのだが、ニドラン一族の色違いは「性別が逆の個体の色になる(ニドラン♂族ならニドラン♀族の青色、ニドラン♀やニドリーナならニドラン♂族の紫)」となっている。
なぜかニドクインだけこの法則に従わない緑色なので、この辺はよく憶測を呼んでいる。
タマゴの仕様といい後述のアニメの一件といい、なにかにつけて設定ミスなのか仕様なのかよく分からないものが多いという妙に難儀なポケモンである。
他にも細かい仕様や疑問点は調べるほどに出てくる。ニドラン♂やニドラン♀もニックネームをつけた時だけ性別が表示されるようにする特殊な処理が必要になるなど、
ニドラン♀一族にはプログラムをかじった人なら地味に面倒がる仕様も多い。大人になるって悲しいことなの……。



●ゲームでのニドクイン


進化前のニドラン♀は3番道路、ニドリーナはサファリゾーンで出会える。
緑・LGは出やすいが、赤・FRではなかなか出ないため、途中で♂やニドリーノを欲しがっているトレーナーから交換して手に入れるという手もある。

トレーナーではロケット団のボスであり、トキワシティジムリーダーサカキがニドキングと共に使用。
シルフカンパニー戦とHGSSのセレビィイベントでは切り札を務める。


ちなみに、ニドクイン及びニドリーナは卵を生むことが出来ない
前述の『ポケットモンスター図鑑』では「ニドリーナに進化すると卵を産まなくなる」と解説されており、それを反映していると思われる。
ニドラン♀でしか不可能なので注意しよう。大体のプレイヤーが失敗する。
頑張っても…頑張っても無理なんです……


育て屋に預ける場合、ニドラン♂♀の組み合わせでなければ(つまりニドリーノやニドキングでは子作りが捗らなかった)同種族と見なされず、タマゴの見つかりやすさに補正が掛からない。
また、ニドラン♀を預けた場合のタマゴの性別比率は♂50%♀50%となるという地味にめんどくさい仕様で、ニドランは♂♀で種族値の段階から大きく変わってしまうので孵化作業の手間が単純計算で2倍になる。
そして第4世代以降は特性の二択まであると至れり尽くせりである。もう少し手心というか……。

その気になれば早めに進化できることとわざマシン対応率の高さから旅パでも活躍できるが、種族値が攻撃寄りのニドキングの方がより使いやすい。


●対戦でのニドクイン


対であるニドキングとはタイプのみならず合計種族値 (505) も同じ。
彼と比べると火力と素早さで劣る反面、耐久面に優れる。
6つのタイプに耐性を持つため、そいつらを起点に出していきたい。

が、ニドキングの項目にもあるように、かくとうタイプは「じしん」「れいとうパンチ」を所持しているかもしれないので油断は禁物。
電気もめざ氷を持っていることもあるので注意。

じしん」&「れいとうパンチ」を覚えられない(覚えていない)ポケモン…ヘラクロスキノガッサハッサム等にはほぼ安全に出していける。
特に、メインウェポンが「メガホーン」「インファイト」が多いヘラクロスは、
ニドクイン自身も「つばめがえし」を覚えるためグライオンには及ばぬものの安定して出すことが可能。

基本的にニドキングが覚える「メガホーン」「つのドリル」等を覚えない点に注意。
一応、「つのドリル」は初代のわざマシンなので第二世代以前で捕まえた個体なら覚えさせることはできるが、当然ながらレートでは使えない。

普通のアタッカー型ならニドキングの方が強力なため、あちらが使えない技か耐久力の高さを活かすことになる。
夫が覚えない技として屈強なアタッカーを封じる「あまえる」、エスパーゴースト対策の「ふいうち」「かみくだく」等がある。
耐久調整次第ではガブリアスの「じしん」を耐えた上で「れいとうビーム」で返り討ちにするなど、ニドキングより活躍することも。

「どくのトゲ」のせいでヘラクロスの「こんじょう」が発動した場合は、「みがわり」「まもる」で回避しよう。

メインウェポンはニドキングと同じ。

じしん」「だいちのちから」「どくづき」「ヘドロばくだん
を補助技以外に覚えさせるか…

ヘラクロス封じに「つばめがえし

はがね、むし対策に「かえんほうしゃ」「だいもんじ

ステロ、どくびし撒きに徹する昆布型

耐性を生かして物理アタッカーへ「カウンター」撃ち

メロメロ」「あまえる」でアタッカー潰し

等の役割を持てる。
耐久が高いおかげで夫よりは安定して反撃やサポートに移れるが、逆に決定力を若干欠くというかなり通好みなポケモン。
この耐久に助けられることもあれば火力不足で泣くこともあるため、バランスとしては結構良質。
論者からは夫は低耐久ゆえ論外扱いだがこちらは一定の評価を受けている。
ちからずく+いのちのたま*1というアイデンティティや技範囲、火力と耐久の絶妙なバランスなどが決め手なのである。
ガブリアスやスターミーを呼びやすいのでステロ・どくびし撒きを諦め、サブウェポンでコイツらを狩るのも手。

特殊技構成の場合、ハピナスで止まる。
なので役割破壊として「ばかぢから」があるとかなり楽。
火力不足を鑑みて「いかりのまえば」を持たせるのも悪くない。
もともと火力には期待出来ないのであえてハピの相手を諦めるのあり。

ハピナスやピクシーガルーラなど♀しか居ない種族や♀比率の高い種族とかち合った時を見越して、あえて特性を「とうそうしん」にするのも手。
その場合はケンタロスやブイズのように♂が多い種族を相手に本領が発揮できなくなる上、一般戦においては5割の確率で強くなったり弱くなったりと安定しなくなるので微妙に使いづらい。

じめんタイプなので、ハピナスの「でんじは」撒きも怖く無いのでアドバンテージを取れるだろう。
クロバットゲンガーと違い浮いてないので「どくびし」も解除できる。
不一致「じしん」やエスパー技は意外と耐えるので、潰しに掛かった奴らに逆襲してやろう。

物理受け型の場合、回復技は「ねむる」しか無いので、持ち物には役割遂行に「カゴのみ」、または「くろいヘドロ」が便利。

ポケモンジャパンチャンピオンシップス2018では優勝者の手持ちに採用。
器用だが微妙な本体性能をダブルバトル故の「てだすけ」「こごえるかぜ」で最大限に補い、トップメタにタイプ一致技で弱点を突きサブウェポンで他もフォローし、*2
更にキングにはない耐久でランドロスクラスのじしんも耐えられるなど、持ち味を存分に発揮しほとんど4タテに近い活躍を見せ耳目を集めた*3

第4世代には「とうそうしんは物理攻撃にしか影響しない」というデマ(勘違い)が対戦wikiを中心に流布しており、色々と問題になった。
ただ当時よく見かけたポケモンであるゴウカザルカイリキーは♂の方が多いため、「とうそうしん」を選ぶことは結局あまり現実的とはされなかった。


●ポケモンカードでのニドクイン

基本的に超タイプで「ニドキングとセットで運用すると強くなる」というテキストを持っている。たまに闘タイプになる。悪タイプのニドラン族は今のところ存在しない。昔は草タイプだった。
「2進化ポケモンをセットで運用しなければならない」という性質上非常に重いとされ、実績は残していない。ポケモンカードGBでニドランデッキを組んだ人ならよく理解できるだろう。
公式サイトでニドクインを検索すると、テキストでニドクインを参照しているニドキングも一緒にヒットして微妙に使いづらい。


●アニメでのニドクイン


夫と同じくシゲルの手持ちで登場。
サトシのケンタロスを「はかいこうせん」で倒したが、カビゴンの予想外の動きに翻弄され、「れいとうパンチ」をくらって倒れた。

映画『ミュウツーの逆襲』ではウミオの手持ちで登場。コピーニドクインと取っ組み合いをしていた。

上記映画の続編にあたるTVスペシャル『ポケットモンスター ミュウツー!我ハココニ在リ』ではコピーニドクインが登場し、母親になった姿を見せた。
共に登場したコピーサイホーンの子供はそのままサイホーンなのだが、コピーニドクインの子供がニドラン♀ではなく小さなニドクインになっているためその筋のマニアの間ではツッコミどころとして有名。
現在でもたまに話題になる。
しかし上述の通りニドクインは本来タマゴを作れないため、コピーポケモンの生態が本来のポケモンとは異なることを示しているのではないかと語られることもある非常に奇妙なシーンである。
どこまでが仕様でどこからがミスなのかが本当に分からないポケモンである。
(ちなみにコミカライズ版では子供がニドラン♀に修正されている)


●マンガでのニドクイン


ポケットモンスターSPECIAL第1章に登場。
サファリパークにて、2体のニドキングの花嫁争いを見守っていた。

「私のために争うのは止めて!」

とヒロインの様だったが、空気を読めないレッドにゲットされた。
憐れ…

他には、サカキ所持のニドクインがレッド諸共ピカを殺そうと「どくばり」を放とうとした……が、
レッドの奇策により、ピカチュウの「10まんボルト」で返り討ちに遭う。
電気無効?主人公補正です。

一応、第5章にてブルー手持ちのニドちゃん(ニドリーナ)が進化してニドクインになっている。
が、カメックスを支えるのと第6章の乱戦くらいしか出番がなかった。




ニドキング「…俺たちに子供が出来ず、タイプ上苦労をかけてしまったな…。済まない……」
ニドクイン「いえいえ、私は貴方と居られただけで幸せでしたから、謝らないで下さいな」


追記・修正は貫禄のあるボディからお願いします。
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最終更新:2023年08月11日 12:56

*1 ちからずく持ちが追加効果のある技を使った際、追加効果とともにいのちのたまの反動ダメージもキャンセルされるため、1.3×1.3=1.69倍のダメージをノーリスクで出せる。

*2 実際、相手のパーティのすべての弱点を突けるようになっていた。一方でシングルバトルだと火力が少し足りなかったのを補えなかったとも。

*3 ダブルバトルはシングルバトルに比べてプレイ人口が少なく、当時は上級者と一般人で対戦理論が異なることが多く、このような華々しい話がいくつも残っている。一番有名なのはおそらく2007年の「レベル1ドーブル」だろう。