ブラックサレナ

登録日:2009/06/08(月) 18:04:36
更新日:2022/10/24 Mon 12:02:43
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復讐の黒き鎧





建造 ネルガル重工
生産形態 試験機
全高 8m
搭乗者 テンカワ・アキト(天河明人)

全高約6mのアキト用エステバリスに全身への追加装甲と高機動ブースターを装着し全高8mの機体へと改装した機体。
名前の由来は黒百合(花言葉は「呪い」「復讐」「」)。
恐らくは最愛のユリカへの想いと、北辰らへの復讐のダブルミーニングであろう。


‐機体説明‐

単独での秘密工作オペレーションを目的としているため各種追加装備を含めた戦闘能力は従来のエステバリスとは一線を画している。

一目どころか全体を見ても、エステバリスとは識別不能になるような重装甲を装備し、脚部自体を巨大なスラスターユニットに変更。
両肩の展開式スラスターバインダーを始め、肩部や腰部などに各部姿勢用制御ノズルを多数配置して既存の機動兵器とは比にならないアクロバティックな運動性と高推力を確保した。

ネルガルはA級ジャンパーを必要とせず、エステバリス単体でのボソンジャンプの使用できる機体を造るため、フレームを構成する一次装甲自体を巨大な蓄電池にし、既存のエステバリスの質量とバランスを変更することなく、大容量のエネルギー使用を実現した。

ブラックサレナの本体であるアキト用エステバリスカスタムの源流は、量産型エステバリスカスタムの前型に改修を加えて実験機とした機体。

つまり、蜥蜴戦争時のアキト専用エステバリスを改良した機体である。

S(ストライカー)型とA(アーマード)型さらにA型を改修・改良したAⅡ型があり、劇中に登場するのがAⅡ型となっている。


‐設計思想‐

経緯は不明であるがネルガルの警備部に救出されたテンカワ・アキトに渡されている。

アキトの目的は 潜伏した草壁一派(後に火星の後継者と名乗る武装集団)に拉致されたユリカの救出であった。

かくしてクリムゾングループの施設やヒサゴプランの各拠点で夜天光と六連との戦闘を繰り広げているアキトのエステバリスが目撃されることになる。

しかし、如何に改良したエステバリスとて所詮旧式機。当時の新鋭兵機である夜天光と六連には敵うはずもなかった。
それでもなおアキトが生還出来たのは彼がA級ジャンパーであったからに他ならない。

夜天光たちとの交戦によって度々大きなダメージを被り、修復と同時に大規模な改造を重ねる毎に、次第にエステバリスとは大きく掛け離れた機動兵器ブラックサレナへと変貌を遂げる事となる。

ブラックサレナの改造方針は、夜天光たちが常に複数機で行動していることから、1対7での戦闘を想定し、装甲を全身に増加することにより耐弾性の向上に主眼を置いている。
装甲増加による機動性の低下を補うため、各部スラスターを追加し、重力波放射器と組み合わせることによって基本スペックを遥かに超える運動性を得た。
大幅に推力が増した結果 各部にかなりの負荷がかかることから、増加した装甲には機体剛性を高める役割も付加されていく。
そのため、数回に渡る改造の過程で、装甲の増加形状も機体の四肢を拘束する形状に変更が成されていった。
そうした改良を続けた結果、劇中のブラックサレナの形となる。
如何にして北辰を倒すかのみを突き止めた本機は、復讐鬼と化してしまった主たるアキト同様に姿を変えていったとも言える。

本機に高機動ユニットを装備することにより、戦術としてのボソンジャンプが可能になる。
ただし機体の変遷にもあるように緊急時にはフレームがCCに似た素材で出来ていることを利用してのボソンジャンプは可能ではあるが、
フレームそのものへの影響が懸念されるためか、基本的には高機動ユニット装備時にしかボソンジャンプをしていない。


‐武装バリエーション‐

  • 重武装タイプ(S型)
ミサイルポッドとビームキャノンを装備した高機動タイプで最も火力のあるタイプ。
ヒサゴプランの重要拠点タカマガの襲撃時に目撃され、駐留艦隊旗艦に奇襲をかけ、瞬時に指揮系統を分断、その隙に各施設を破壊している。
ただし北辰衆には機動力不足を突かれ、敗北した。

  • モールタイプ高機動ユニット
戦艦やコロニーの内部へボソンジャンプし、機首先端の削岩ドリルとレーザー掘削機で内部から破壊する。鬼と戦う一寸法師のようだ。
ホスセリ・ウワツツの両ステーションの中枢ブロック近くを警備中の双胴戦艦の格納庫内にボソンアウトし、戦艦を内部から破壊。
そのまま中枢ブロックまで突き進んだため、両ステーションは中破に止まっている。

  • 高機動ユニット
この劇中で登場したタイプには武装がなくハンドカノンを使用できないため、敵中央突破の場合のみに使用。
シラヒメではステルンクーゲルにディストーションアタック(ディストーションフィールドを展開した状態による体当たり)を披露。
アマテラスではブラックサレナを追撃してくる「ライオンズシックル」の量産型エステバリスに対して、アキトは高機動ユニットのブースターパーツをパージしてぶつけるという荒技を見せた。

ちなみにこのユニットには機密保持のための爆弾が仕掛けられているため、量産型エステバリスに直撃した時に爆発している。


‐劇中での活躍‐

冒頭、本機がターミナルコロニー『シラヒメ』を襲撃する。
守備隊に配備されたステルンクーゲルをディストーションアタックの一撃にて突破、コロニー内への突入に成功する。
シラヒメ爆発直後、単機でボソンジャンプにより宙域を離脱する姿が『アマリリス』に目撃された事から、幽霊ロボットとして話題となる。

  • 『アマテラス』
ホシノ・ルリ艦長率いるナデシコBが査察の為停泊中のターミナルコロニー、アマテラスを本機が襲撃。
高機動ユニットにより弾幕をかいくぐり敵中を侵攻、母艦『ユーチャリス』を陽動に使う巧みな戦術により守備隊を突破する事に成功する。
執拗に追撃してくるライオンズシックル隊の量産型エステバリスに対しては前述の、パージした高機動ユニットをぶつける奇策にて対抗。
13番ゲートよりコロニー内部に侵入、最深部にて遺跡と最愛の人ユリカを発見し、そのまま北辰衆と戦闘になるも、逃走を許してしまう………

なお、このシーンまでブラックサレナの腕──すなわちエステバリスの腕は薄暗い紫のような色合いとなっているが、爆風でピンク色が見えたり、背中の重力波アンテナはピンクのままだったりする。

  • 『火星極冠遺跡』
ナデシコCの活躍により火星の後継者は無力化される。
混乱の最中敗走する北辰の眼前に、ユーチャリス艦上に機体を曝した状態でボソンアウトし即戦闘へと突入する。
1対7かつ相手の方が新型、加えて技量差もあるという不利な状況下でありながら、六連には一切目もくれず北辰の駆る夜天光へと襲いかかる。
満身創痍で戦闘を続け、ナデシコC所属のエステバリス隊の援護により遂に夜天光との一騎打ちとなる。
ハンドカノンをしまったブラックサレナを見て、北辰は「抜き撃ち」と笑う。
向かい合った状態からの急加速。先に夜天光の腕部がブラックサレナの胸部を抉り、勝利を確信した北辰だったが、肉迫した状態での避けられないディストーションアタックによりコクピットごと押し潰され敗北を悟る。

「見事、だ……」

復讐の旅路に決着をつけ、傷つき役目を終えた黒き鎧(呪いと復讐)を除装し天を仰ぐエステバリス(悲しい思い出)のカメラアイからは、オイルが涙のように流れ落ちていた。
まるでアキトの涙のように。



-スパロボでは-

能力は高いが、アキトがユリカ奪還のために独断専行し、なかなか味方にならない事が多い。
勝手に出てきて撃墜しまくってえられる経験値を根こそぎ分捕っていき、仲間になるころにはラスボス寸前、ということもざらで、飛影と並ぶ経験値泥棒呼ばわりされることもしばしば。

初登場作品。すぐに仲間になるが、直後にナデシコ大爆発、クルー全員死亡という惨劇が発生し、過去に飛ばされる。
以降は技術の前倒しにより、TV版のアキトがブラックサレナを動かすことができる。今のところこんな事が出来るのは本作のみ。
ちなみにブラックサレナの部分は追加装甲扱いらしく、撃墜されると普通のエステバリスになる。オーバーボディじゃないんだから。

とんでもなく火力が高い。どのくらい高いかというと、並み居るスーパー系やGガン勢よりも高いほど。
しかし仲間になるのも51話目と非常に遅い。

相変わらず参戦が遅いうえに、MXでやりすぎたせいかそこまで強力なユニットではない。
MXでは使えなかった合体攻撃もあるが、そのためにはエステバリスにパージする必要がある(なおWでは劇場版でもガイがぴんぴんしており、Wゲキガンフレアが使える)。

第11話と比較的早い段階で登場、20話で加入する。素の機動力が作中屈指で高い。

アキトが原作以上の崖っぷち状態に置かれている都合上第4話で一時加入し、第8話で一旦離脱するが第15話で正式加入と最速参戦を果たす。ただ、諸事情によりナデシコとは別行動をとることが多い。

当初は敵キャラとして登場。次のステージで味方となり、以降もナデシコのキャラが登場しない(本作においてガンダムWとナデシコは異世界扱い)。
移動速度は本作の味方ユニットの中で最も高いが、MXでやりすぎたせいか火力が低い。



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最終更新:2022年10月24日 12:02