ゴジュラス(ゾイド)

登録日:2010/02/13 Sat 08:48:08
更新日:2024/03/24 Sun 21:31:24
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トミー(現:タカラトミー)の展開する商品『ゾイド -ZOIDS-』に登場する機体。


番号
RBOZ-003(旧:ZAC2030年ロールアウト時)
RZ-001(新:ZAC2099仕様機)

所属:ヘリック共和国
分類:恐竜型
全長:26.0m
全高:21.0m
全幅:11.1m
重量:230.0t
最高速度:75km/h

武装(旧)
パノーバー20mm対空ビーム×4
マクサー30mmビーム砲×4
76mm連射砲×4

武装(新)
ハイパーバイトファング
クラッシャークロー×2
70mm2連装ヘビーマシンガン×2
パノーバ20mm地対空ビーム砲×2
マクサー30mm多用途マシンガン×2
TRZ20mmリニアレーザーガン
ARZ20mmビームガン
AMD2連装ビーム砲
(特殊チタニウム装甲)


【開発経緯】

ゼネバス帝国が独立し、デルポイ大陸を二分する戦争となったのち、ヘリック共和国が開発に成功した、恐竜(獣脚類)型巨大ゾイド
それ以前の最大級ゾイドであったビガザウロ、マンモスを大きく上回るパワー・闘争心を誇った。

ベースとなったのは惑星Ziの生態系において頂点に君臨するティラノサウルス型の変種で、中央大陸の神族が神獣として扱うゾイド。
戦争初期からアーリーモデルが存在したものの、当時の惑星Ziの技術力では、ゴジュラス本来のスペックは手に余り、鈍重な機体と扱いにくさから「のろまメカ」と呼ばれ、作業用への転向すら検討されていたという。

ところが宇宙船「グローバリーⅢ世」不時着による技術革新によって、大幅な軽量化と、パワーを支えるに足る手足の開発により、高い運動性と格闘攻撃力を獲得した。
こうした現行仕様のゴジュラスはZAC2030年から配備され、一躍共和国の看板ゾイドとしてその名をとどろかせることになる。


【機体性能】

基本的には、野生体由来のパワーで相手を粉砕するべきゾイド。

巨大で強靭な脚部であらゆる地形を踏破し、立ちふさがる相手を牙で噛み砕き、腕で握りつぶし、脚で踏み抜いた
当時ゼネバス帝国の主力機だったレッドホーンを戦力比にして1:3で圧倒、後に導入されたサーベルタイガーに対しても1:2の優位性を持つ。

ゼネバス帝国もこれの対策にはかなり苦慮しており、「打倒ゴジュラス」を念頭にレッドホーンの改造やアイアンコングの開発を行ったほど。
アイアンコングの遠距離ミサイル攻撃には大きな被害を出してしまったが、やがてゴジュラスもロングレンジバスターキャノンを搭載した「Mk-Ⅱ」へとパワーアップ
無敵でこそなくなったものの、コングを上回る格闘能力は依然健在で、かつコングと同等の火力を備えたゴジュラスは、相変わらず強力なゾイドであり続けた。

しかしその後、デスザウラーに完敗し、性能の限界に達してしまった
それでも共和国ゾイドとしては屈指の大パワーと、猛烈な闘争心、基本ポテンシャルや汎用性の高さは健在であり、
さまざまな改造を施されつつ、最後まで主力ゾイドとして活躍し続けた。


他方で、強さを支える激しい気性は、半端なパイロットでは乗りこなすことができずに持て余してしまう弊害も生んだ。
また、もとの野生体が少なかったため、大量生産が不可能であり、配備数は必然的に限られた。
第一次暗黒大陸戦争においては異様なもろさを見せたりもしている。


惑星Zi大異変(グランドカタストロフ)後は野生体の数がさらに減ってしまい、アイアンコングが800機以上投入されたのに、ゴジュラスは70機を割るほどだった。
それでも戦闘能力は圧倒的で、特にデスザウラー以上のゾイドが絶滅していたため、ゴジュラスも改造を施しつつ一線を張った。
ガイロス帝国の圧倒的な物量に押されてしまい、敗れる描写も多かったが、格闘戦ではオーガノイドシステム搭載機にも引けを取らず、戦いの場がニクス大陸に移っても、第一線で激しい戦いを演じている。
味方兵士からはライガーゼロ共々「最も心強い味方」と言われている。
ダークスパイナーに操られて敵に回り、味方の恐怖を増幅させてしまったが

ゲーム「ZOIDS〜ヘリック共和国VSゼネバス帝国〜」と「ZOIDS2 〜ヘリック共和国VSガイロス帝国〜」では、
上体を水平にして尻尾を振り上げ、巨大な両脚で地を蹴り突進するゴジュラスの姿がポリゴンで描かれた。
このシーンを見る限りはそんなに遅いとも思えない。

また、バトストでは完全二足歩行にした高機動型ゴジュラスが試作されたこともあるが、その最高速度は200km/hに達した。
二足歩行なら結構なスピードを出せるのかもしれない。長距離走には向かないとか、何かしらの制約はあるのかもしれないが。
新シリーズでは、装甲材質の変更によってさらなる機動力アップをしたとの記述もある。


【各種バリエーション】


  • バトロイドタイプ
帝国軍の新型ゾイドアイアンコングの出現により、ゴジュラスの強化の必要に迫られた共和国軍が ①コングの攻撃に耐える ②コングを倒せる攻撃力を持つ このどちらかの能力を持つゴジュラスの試作機を開発し、強化の方向性を模索した。
以下の9タイプはゴジュラスナインバリエーションと呼ばれる。
これは腕を人間のような形に改造して、ロケットランチャーを使用できるようにしたタイプ。
格闘能力が低下した分は、盾や槍を使用することでカバーしている。

  • 格闘戦タイプ
コングより長いリーチを獲得することをコンセプトにした改造機。
腕に巨大な回転のこぎりを装備していて、コングのパンチに対抗する。
しかし、ノーマル機でも格闘戦でならコングに勝てる上に、肝心のミサイル対策が何もされていない完全な失敗作である。

  • 高速移動タイプ
上記の高機動型ゴジュラスがこれ。
最高速度はあのゴジュラスギガを超える200km/hに達する。
コングの攻撃を避けるのが狙い。
しかし、ゴジュラスギガと違い肝心の格闘性能がガタ落ちになったらしく、結局テスト機が製造されただけに終わった。

  • 戦車タイプ
下半身が丸ごと戦車に置き換わった、ガンタンクを思わせる機体。
機動力、攻撃力、防御力の同時アップを狙った。
ただ、この機体を見ればわかるのだが、ゴジュラス最大の武器である爪と牙が非常に使いにくくなっており、これを使うぐらいならどう考えても戦車だけを作った方が早い。

  • 重装甲タイプ
全身をブ厚い装甲で被い、コングのミサイル攻撃に耐える。
だが、せっかく軽量化によってのろまなメカから脱したゴジュラスにこのような改造をしたらどうなるか、推して知るべしであろう。

  • 飛行タイプ
巨大な羽を装備した改造ゴジュラスで、急降下からの踏みつぶし攻撃が得意。

  • ハンドミサイルタイプ
両腕がドリル型のロケットパンチになっており、これを発射してコングの装甲を貫く。
両方とも発射した後はどうするつもりなのだろうか?

  • 長距離ミサイルタイプ
背中にコングのような大型ミサイルを装備したタイプ。
都市攻撃も出来る。

  • 長距離砲タイプ
背中にキャノン砲を装備したタイプ。
ミサイルよりも連射がきき、弾の補充も容易なのが利点。
ゴジュラスの格闘能力を落とすことなく、砲撃力を強化させることに成功した。
このタイプが正式採用され、後述のゴジュラスMk-Ⅱに発展した。

  • ゴジュラスMk-Ⅱ
中央大陸戦争時に活躍した、ゴジュラスの代表的な改造バリエーション。ZAC2037年ロールアウト。
なにより目を引くのが背中の「ロングレンジバスターキャノン」。凄まじい破壊力を誇り、あらゆる敵ゾイドを粉砕する姿は圧巻。
配置個所が背中だったため、ゴジュラス本来の格闘性能を落とさないメリットもあった。
そのほか、シールドを兼ねる四連ショックカノンにミサイルポッド、長期戦用のエネルギータンクを備えて万全の装備をしている。
機体カラーはサンドブラウン。

ウルトラザウルスを巡り、アイアンコングMk-Ⅱと激戦を繰り広げて間一髪勝利した、ロイ・ジー・トーマスの機体が有名。
なお、後述の「Mk-Ⅱ 量産型」の登場により、こちらのモデルはのちに「Mk-Ⅱ 限定型」と区別して呼称されるようになる。

  • ゴジュラスMk-Ⅱ 量産型
Mk-Ⅱの武装を一部オミットし、より多くの配備を可能にした。
それでもロングレンジバスターキャノンの威力は健在。
機体カラーは明るい白色で、目と口が緑色に光る。
白亜のボディと緑の光の組み合わせはかなり美しい……のだが、赤く光る写真が多かったためか、ミスって赤色で復刻されたことがある。
また、見た目の美しさと登場する頻度に反して、バトストでは活躍がかなり悲惨だった。


  • ゴジュラス ガナー
ゴジュラスにロングレンジバスターキャノンと四連ショックカノンを装備した改造機。Mk-Ⅱ量産型の再現である。
旧大戦のMk-Ⅱタイプと違い、元のゴジュラスと同じカラーリングをしている。
バトストでは、西方大陸戦争時点ですべてのゴジュラスがこちらに改装されているとのこと。
アニメでもこれが「ゴジュラス」と呼ばれていた(正確には、四連ショックカノンを搭載していなかったり、限定型装備だったりと差異がある)。

ただでさえ狂暴なゴジュラスが、オーガノイドシステムを搭載して帰って来た。
武装はMk-Ⅱ 限定型の再現だが、システム搭載によるコア出力の向上でパワーとスピードと格闘戦闘力まで急上昇。そのうえ再生能力まで持つ。
まさに史上最強のゴジュラスだが、ただでさえ「気性が荒い」「操縦性が悪い」ところにオーガノイドシステムの悪影響でさらに凶暴化。
すでに人の乗れる代物では無くなり、自動操縦の移動砲台的な使われ方をする。
しかし、あるゾイド乗りと出会い………。
その戦闘能力は、アイアンコングPKを火器を一切使わずに瞬殺してしまうほど。

  • ゴジュラスマリナー
水中戦に対応した青いゴジュラス。もちろん陸戦でも強い。
装備はゴジュラスガナーに準じる。
なお、完全に水戦に対応させた、緑色のワニのようなタイプもある。

  • デストロイドゴジュラス
大統領専用機「ウルトラザウルス」を中核に据えた共和国最大の切り札、「デストロイヤー兵団」に所属するゴジュラス。
ウルトラザウルスの放つ「1200mmウルトラキャノン」の反動を抑える役割を持つ。
左右で別の装備のゴジュラスが支えており、砲のリロードや護衛も担当する。

  • ゴジュラス IS
アニメや一部ゲームで登場。
全体を黒く塗装され、Mk-Ⅱ限定型の武装が施されている。
性能が正規タイプと比べて桁違いに高い。
ちなみにISとは『アーバイン・スペシャル』の略。
ただし原作アニメでは別にアーバイン用に強化されたわけではなく、たまたま黒かったのがハーマンの好意で乗せてもらっただけの機体。

  • フォレスト
機獣新世紀ゾイド-ZOIDS- 邪神復活!~ジェノブレイカー編~』に登場。
ブレードコングと同じく、読者応募によって生まれたオリジナルゾイドである。
全身にあらゆる重火器を装備している上に、命中率が非常に高い。
機体の色は名前のまんま緑である(フォレスト=森)。「ディープ・フォレスト・ゴジュラス」という名前でもある。

  • ゴジュラス GS
ZOIDS SAGAシリーズに登場。
四天王の一人であるゲイル専用機で、機動性と武装を強化した改造機。
全身はMK-Ⅱ 量産型と同じ白色で、両肩にアサルトキャノンを装備しているのが特徴。

  • ホワイドン
地底世界に生息するゴジュラスの改造機。その名の通り色が白く、尻尾が短い特徴を持つ*1


ゴジュラスの直接のバリエーションではないが、
ゴジュラスの名を冠した新規開発のゾイドにキングゴジュラスゴジュラスギガが、
量産型的なゾイドにゴドスアロザウラーゴッドカイザーなどがいる。



【キットバリュー】

キットは完全な二足歩行型だが、実は中心の駆動系は四足ゾイドであるビガザウロをそのまま流用したもの。
マンモスやゴルドスの共通パーツでありながら、巧みなバランスと発想で二足歩行を成し遂げたという素晴らしいキットでもあった。


後期のキットは、背面の電池ボックスにバスターキャノン用のラックが備えられている。


発売当時はかなり人気があり、持っていた人が多かった。

しかしゴジュラスに限らず、当時の小学生には電動系ゾイドは財力的に入手が難しく、持っているだけでクラスのヒーロー扱いだった。



【HMMにおけるゴジュラス】


コトブキヤのプラモデルシリーズ「ハイエンドマスターモデル」でも登場。
2013年12月発売。定価23000円。数量限定生産であり、再版予定は無し。

全高約32センチ、全長約51センチとコトブキヤ史上最大級のサイズを誇る化け物キット。
おかげで「HMMアイアンコングが勝てそうにない」などと言われたりする。アイアンコング自体も20センチほどのの体高と横幅を備えた大型キットなのだからその巨体はうかがえるものだろう。
勿論パーツ総数も1100個、ランナー換算で50枚以上と素敵にイカれたボリューム。
単純なサイズならガンプラにおけるデンドロビウムやネオジオングが上回るが、膨大なパーツ数による密度は比べ物にならない。

カラーリングは旧共和国仕様。
トミー版と比較して胴体が薄くなり、手足が大型化。勿論各部のディティールアップも抜かりない。
電池ボックスだった部分は大型化してブースターになっている。
可動部、色分け、プレイバリュー全てが凄まじく高水準であり、間違いなく価格相応の満足度はある。

その圧倒的ボリュームから「作れば作るほど赤字になる」等とユーザーの間で噂されたほどであり、コトブキヤの馬鹿と冗談が総動員されたキットと言えるだろう。
こんな大判ふるまいは二度とやれないだろうとユーザーの誰もが思っていたが、まさか3年後にさらにパーツ数を山盛りにして帰ってくるとはだれが予想しただろうか?

コトブキヤショップ購入特典は新共和国カラーの外装パーツ一式。



【余談】

シリーズ一貫して強豪の地位にあるが、中途半端な強さやなまじ見栄えがいいためか、やられ役にされることもまた多い。
旧シリーズからそのケがあり、デスザウラーに部隊ごとやられたり、暗黒軍ゾイドに蹂躙されたりと浮き沈みが激しい。Mk-Ⅱ量産型など勝利シーンがないといわれたほど。

アニメシリーズでは初登場時こそすさまじい迫力を誇り、オープニングナレーションでも毎回その威容を見せつけてはいたものの、次からは棒立ちで蹂躙されるようになってしまった。
旧シリーズのファンからは「ゴジュラスといえばゾイドの看板なのに」と少なからず不満の声もあったものの、これはゴジュラスの巨大感を表現すべくアップシーンで相応のテクスチャを用意した結果、
あまりのディテールの細かさに丸一日かけてもレンダリングが半分しか終わらず、スタッフをしてもまともに動かすことが出来なかったため。
おまけにそうして出力された動画は色処理が上手くいっておらず、結果数日かけて出力したのち動画枚数にして400枚分を全て手作業で修正という気が遠くなるような工程を強いられたとか…

ゾイドワイルドシリーズではゴジュラスのオマージュ機であるゼログライジスが登場する。ギガノトサウルス型の大型ゾイドで、ボディの配色や二足歩行のフォルムはまさにゴジュラス系列を彷彿とさせる。
そして真の元ネタはやっぱりこいつである。
しかし劇中においては共和国と帝国共通の敵として立ちはだかる。
ワイルドシリーズ最大のボリュームを誇り、腹部のグライジス・コアから発射される光線は一撃で惑星を粉砕する威力を有する。
さらに各部を良く見ると……。



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最終更新:2024年03月24日 21:31

*1 HMMシリーズではゴジュラス野生体の呼称へと改変されている。