赤/Red(MtG)

登録日:2012/07/21 Sat 23:06:41
更新日:2024/01/30 Tue 03:08:01
所要時間:約 6 分で読めます




マジック:ザ・ギャザリングの項目へようこそ!

突然だが、感情のままに生きている人って、憧れたりしないかい?──

何にも捕らわれず、誰にも従わず、好き勝手やっているのに、何故かみんなに愛される。




もし思ったままのことができれば、それはとっても楽しいだろう。
確かに、現実はそうは行かないかもしれない。

だが、ヤツらはいつもそうやって生きている。



──マジック:ザ・ギャザリングの、赤の項目へようこそ。





赤のイメージ

MtGのデザイナー達は、カラーパイという理念の下に、
「色が設定上持つイメージと、その色がゲーム内で持つ機能との合致」
を鉄則としてカードをデザインしている。

マンガやアニメに例えれば、
「キャラ設定と、そのキャラの作品内での行動との合致」と言える。
かなり重要なポイントだということが分かってもらえるだろうか。


現在、MtGのデザイナー達は赤の性格をこう定義している。


「感情のままに生きろ。思ったことは今すぐにやれ。邪魔なヤツがいる? 焼き払え。邪魔なモノがある? 叩き潰せ」


面白いから。 彼にはそれ以外の理由は要らない。


とんでもない快楽主義者。もしいたなら黒並みに迷惑だろうし、表面上は赤も黒も同じに見える…。
が、そこには決定的な違いがある。

黒は、自分さえ好きにやれれば、他人がどうなろうがいいと思っている。
だが赤は、生きとし生きるもの全てが「自由」であることを望む。
赤は、秩序や規則を「破壊したくて破壊」する。
たとえ自分に利益がなくても、目障りな枷は破壊する。

また、赤は黒と違って孤独じゃない。
赤の言う感情には、愛や友情が含まれている。……つまり、恋人や家族や友達を、大切にするのだ。
感情がそうさせるなら、赤は仲間を守るために命を賭ける。
黒は絶対、そんなことはしない。



赤の性格からゲーム内での機能を設定すると、以下のようになる。

1.「衝動を、激情をパワーに」
赤は、一瞬の感情を抑える必要なんてないと思っている。
熱気バサラ「俺の歌を聴けぇ!」

2.「迅速に、一直線に、後先考えずにやる」
思い立ったらすぐ動け。考えるだけ時間の無駄だ。相手より先に勝てばいいんだろ?
ストレイト「速さが足りない!!」

3.「物理的な解答を求める」
もし壁にぶち当たったら?
圧倒的な火力で、それを爆破すればいい。
バルバトス「今死ね! すぐ死ね! 骨まで砕けろぉ!」

4.「混沌と自由の中で派手にやろうぜ」
そして赤が求めるものは、混沌で自由な、ルールが一切無い世界。
ダンテ「刺激があるから人生は楽しい」



さて、この辺で性格的に赤のイメージが強いヤツらを挙げてみよう。

熱く燃える炎の漢。……説明いる?

凄まじく派手好きな戦国武将、誰が呼んだか「独眼竜」。

説明不要。自分が万能でないのを自覚してるからこそ、仲間の存在や信念を大事にし理想に進む自由も愛する。同時に人を抑圧したり不幸にするしがらみや権力を嫌う。それらを破壊するためならどんな強敵にも立ち向かう。
強敵に対して黒(卑怯という言葉が通用しない弱肉強食の海)や青(戦局を打破する知略・相手を見極める選眼・船長としての大局的視野)もあるが基本は赤一色。

飽くなき自由への渇望、頭より先に体が動く直情さ、そこから来る電撃的な行動力、敵対者に対する容赦のなさ、仲間に対する情の深さなど、まさに赤という概念を体現したかのような駆逐系主人公。

たとえ相手が神であろうと斧とビームと闘争心で真っ向撃滅する
赤い戦鬼を駆る漢。生身でも規格外の暴れっぷり。
波風立つのは大歓迎、破天荒だが仲間との絆もまた熱(篤)い。ドワォ!!

探偵に属するため青でもいいが、彼には特筆点がある。
何よりも人の感情を重視すること。犯罪の虚しさ・不毛さや復讐を生む悪意への怒り、そして「罪を憎んで人を憎まず」を徹底している。また逆説的に言うと、推理の際犯人の感情をへし折る手段を得意とする。(一応言うと自首を勧めるための手段)
普段は万年赤点でそしてスケベ。行く先々の女性についつい目が行ってしまう。そこもあるがままに行く赤らしい。
「人間は幸せに生きる権利があるんじゃないのか……?」

純粋な腕力のみで地上最強を体現し、他の何よりも闘争を欲するその生き様はど真ん中の赤。

ある日突然砕かれた日常・仲間・愛する人。そして砕いたかつての親友。片腕と片目を失っても、ガッツはあの日への怒りを武器に闘う。自身の五体が砕かれる直前まで。ちなみに《Berserk/狂暴化》というカードは緑だが、似たようなものが赤にも存在する。

一見冷静沈着に見えて、その内には激情を秘めた人。
戦場を彗星の如き速さで駆け抜け敵を落とし、恋人ララァの死、ハマーンの傀儡となったミネバ、弟分カミーユの精神崩壊といった年端も行かぬ子供達が戦争の犠牲者とならざるを得ない時代に誰よりも心を痛め、また憤り、搾取され続けるスペースノイド達の自由、そして永遠の宿敵アムロとの個人的決着の為に地球連邦相手に最後の大乱を引き起こした。
ザビ家の謀殺やダカール演説、ネオ・ジオン総帥としての諸々に若干青や黒も入ってるだろうか。

赤の機能

以上の性格付けから、赤にはゲーム上で以下のような機能が与えられた。
()内は、その機能に対応する性格の番号。

  • マグマたぎる山からマナを引き出す(1)
  • 瞬間的なマナ加速(1,2)
  • 攻撃特化=パワー偏重タフネス軽視、ブロック不可や攻撃強制のデメリット(2)
  • 後先を考えない、カードを捨ててからのドロー(2)
  • デッキトップの追放による一時的な手札増強(=衝動的ドロー)(2,4)
  • 速攻、先制攻撃、二段攻撃(2)
  • 一時的なコントロール奪取(2)
  • 炎、電撃、地震、音波、爆発などによる物理的攻撃魔法=火力(3)
  • 全体大ダメージ、大量破壊(3,4)
  • 土地、アーティファクト破壊(3)
  • オモチャ(=アーティファクト)作成(3,4)
  • 実体の無いエンチャントは破壊できない(3)
  • 対象を変更するなど戦場を大混乱させる(4)
  • コイントスなどのランダム性(4)

代表的なデッキ

こうした攻撃的な火力や速攻持ちクリーチャー、そして空を支配するドラゴンを利用した以下のようなデッキが存在する。
  • 高速アグロ
火力偏重の「バーン」、クリーチャーを火力でサポートする「スライ」、ゴブリン統一の部族デッキ「ゴブリン」、一時的マナ加速から強力な妨害カードやクリーチャー(特にドラゴン)を出してから殴る「ドラゴン・ストンピィ」など。

  • 中、低速コントロール
土地を破壊しまくる「ポンザ」、親和をメタった「ビッグレッド」、アーティファクトを多用する「赤茶単」、戦場に大変動をもたらす「ターボジョークル」「ワープワールド」など。

  • コンボ
ドラゴンの群れを呼んで瞬殺する「ドラゴンストーム」を始めとしたストーム系デッキ。
また、無限マナを出すコンボデッキに、X火力(火の玉など)を使うためだけに赤がタッチされることも。

赤は非常にアグレッシブな色で、特に「バーン」と「スライ」が顕著であり、こういったデッキ同士の対戦は視覚的にも感覚的にも大変盛り上がる。
お互いライフが1~3点といった時には火力か速攻クリーチャーを引けば勝ちという、ライブラリートップが物を言うギャンブル戦になる。
こういったランダム性も赤の魅力の一つ。
衝動により動く色のためか、防御や長期戦に向いたカードが少なく、速攻型のデッキでは、序盤の猛攻を相手に凌ぎきられると、ジリ貧になりかなりマズい展開が待っている。
その分、凄まじい速さを誇るのだが。

なお、攻撃特化の色であるため、小型から大型まで除去耐性持ちのクリーチャーがほとんどいない。
そのため、コストの重い大型には速攻やETB(旧:CIP)能力などが求められる。
近年では除去耐性持ちのクリーチャーが増えてきたが、その耐性というのが対象に取ったらお前のライフを焼き払うぞなど、非常に攻撃特化の赤らしい形となっている。

また実体の無いエンチャント(呪い)は破壊できない。黒と違って手札破壊も無理。
「エンチャントは諦めろ」は赤使いの格言。


他の色との関係

  • は、「 自分たちの秩序 」を乱す赤を敵視する。
赤は、「 自分なりの秩序 」に素直じゃない白を反吐が出る程に嫌う。
もしもこの2つの色が共に戦うなら、体制の「」を掲げることになる。ボロス、スケベ
MtGでの相性はというと白のタフで能力に富んだクリーチャーを赤の速攻と火力で助けられ、一時的追放や全体火力、全体破壊などでコントロールに切る事も可能、と対抗色にもかかわらず良好。
おかげで最近でも下環境で《贖いし者、フェザー》を軸とした「ボロス・フェザー」などが環境の一角を成している。

  • は、思考を軽んじる赤を嫌う。
赤は、引きこもって考えてばかりで感情の無い青は、もうどうしようもないと思っている。
しかしながら、新しいものを見出し知識を集約したいという「 好奇 」は共通するものである。イゼット
ゲーム中では赤の攻撃力と速攻に青の飛行や瞬速、豊富なドローが噛み合うため、気付くとなんだかんだトップメタに食らいついている。
こと下環境では「イゼット・デルバー」などパワフルなデッキが飛び出すことも。

  • は、自分に素直な赤を評価する。
赤は、黒の破壊的で自由奔放なところを好む。
ただ、計略を練るとか言って考えこんだりするのはちょっと残念。ラクドス、コラガン

  • は、感情豊かで行動力のある赤に親近感を持つ。
赤は、緑が本能に従い野生に生きているところを褒め称える。
自然のルールとかいうものを厳守しすぎている気はするが。グルール、ステロイド、アタルカ
MtGでは緑のP/Tが共に高く戦闘的なクリーチャーと恒久的マナ加速、赤の速攻持ちで時に飛行を備えるクリーチャーや火力の相性が良いため、時折トップメタの足元(≒Tier2)くらいにいたりする。


代表的なカード

赤を代表する火力であり、火力そのものの記念すべき第1号。これ無しに赤や火力は語れない。

  • 火の玉
Xマナを支払い、X点のダメージを対象に与える、所謂「X火力」の草分け。

赤の象徴的クリーチャーであるドラゴンの、その最古参。通称「シヴドラ」。「シヴやま」ではなく「シヴさん」。
赤の顔として現在も時々再録されており、おかげで全バージョン・バリエーションのコイツのコンプリートを目指すファンまで存在している。

赤の特徴的クリーチャーであるゴブリンの一。ネタとしてなら優秀。

赤を代表する「歩く」火力の筆頭格。

  • 歪んだ世界
すべての場札を山札の中からランダムに交換する。
混沌を巻き起こすネタ・ロマンカードかと思いきや、専用のガチデッキが組まれたりもした。

土地、アーティファクト、クリーチャーを一掃する豪快なぶっぱ呪文。しかも打ち消されない。
エンチャントは破壊できない辺りはなんとも赤らしい。

仕切り直しや!

なあ……、殴り合おうや……。
恐らく(絵面が)混沌系カードに分類されると思われる。

  • 僧院の速槍
火力とクリーチャーでダメージを叩きつけるスライの化身。1マナ1/2速攻果敢。
1ターン目から殴ってくるし、2ターン目以降は3/4そこらが複数並んで火力呪文や強化呪文と合わせて攻めてくる。

赤を代表するプレインズウォーカーティボルト? 知らない人……だったのももはや過去の話。


赤は、目先の目標を決めたら、真っ直ぐ突っ走る。
だが、ただ走るだけではなく楽しみながら突っ走る。
なぜなら、目先の目標も大事だが、楽しいことがあるかどうかはさらに重要なことだからだ。



アニヲタ (R)
クリーチャー ― 人間・アニヲタ
アニヲタは、毎ターン可能なら追記・修正する。
1/1

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • MtG
  • MtGカラー
  • マジック
  • 火力
  • 電撃
  • 大地
  • 衝動
  • 混沌
  • 無秩序
  • 憤怒
  • 勇気
  • 情熱
  • 熱血
  • 速攻
  • ゴブリン
  • ドラゴン
  • フリーダム
  • カオス
  • 切札勝舞
  • 殴り倒す→ ビートダウン
  • ビートダウン
  • スライ
  • バーン
  • ウィニー
  • ステロイド
  • 速攻の赤
  • Magic: the Gathering

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月30日 03:08