単眼の火葬兵

登録日:2011/07/22(金) 19:51:02
更新日:2024/03/06 Wed 16:37:03
所要時間:約 5 分で読めます




「陸上1課の隊員はベッドじゃ死ねない」…覚悟はしていたさ!

ナイフで刺されて死ぬ
銃で撃たれて死ぬ

けどよ――
けどよ――

燃やされるってなんだよ…

――陸上1課「第3の隠剣(トライ・ダガー)」所属__
諜報部隊員 スマイソン――



単眼の火葬兵(アルト・シュミート・イェーガー)

Pumpkin Scissors(パンプキン・シザーズ)』に登場する戦闘部隊の一つ。
正確に言い例えるなら殺戮部隊とでも言うべきか。

秘匿された戦闘部隊『不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)』の部隊の一つであり、正式部隊名称は「908(キュウマルハチ)HTT」。
コンセプトは「障害物の排除」。
部隊名の由来は日本に伝わる単眼単脚の鍛冶(火を扱う)妖怪「一本だたら」。
自国から遥か遠く離れたまるで関係のないジパングのことを勉強しているカウプラン先生の知識欲旺盛な様子が窺える。
(作中では「共和国」の民謡にある妖怪・邪神がモデルとされている。)


武装は背負った火炎放射器
しかし強烈過ぎる火炎放射によって自分自身をも焼いてしまうという致命的な欠点があった。
延焼を防げる優秀な防護服もあったのだが、重篤な火傷(熱の伝達)までは防げなかった。

しかし防護服の中を火傷から人体を守ってくれる『保護液』と呼ばれる液体で満たし、
ずっと着用させ続けることで歩兵によるこの火器の運用を可能にした。
そのため908HTTの軍服は金魚鉢のような窓付きヘルメットと分厚い耐熱防護服の組み合わせになっている。
(呼吸・食事・排泄行為などは専用器具により着用したままでも可能になっている)


詳細は後述するがこの火炎放射はただただ脅威の一言であり、
攻撃方法は非人道的ではあるが、確かな戦果を挙げていた。


しかし、この『保護液』なる液体は実によくできた存在である。
どういう理屈で人体を保護しているのだろうか?









「おい、お前…アゴ落ちたぞ…?」


そんな魔法の様な液体などあるわけもなく、保護液は痛みを感じなくさせる麻酔の様なものに過ぎなかった。

開発者のミュゼとしては元々本当に重篤患者向けの医療用薬液を作ろうとしていたのだが、痛みの緩和までが精一杯だった。
この医療用薬液を「これでも使い道がある」としてカウプランが兵器利用に転用させたのが『保護液』と908HTTの顛末である。


もちろん908HTTにはそんな事情は知らせておらず、完璧な耐熱効果があるとだましていた。
実際熱さ(痛み)は感じなかったために誰一人として疑う者はいなかった。

そしてひとしきり戦場を回った後に防護服を脱いだため、既に限界を迎えていた肉体がすぐさま崩れ落ちることになった。
一応そこから多少年月が経っても保護液に包まれたままなら(内圧やら風化防止やらの関係か)肉体は仮にでも保たれて戦闘すら出来るのだが、
一度外気にさらされると保てなくなる程限界を迎えていることには何一つ変わりない。



908HTT最後の生き残りのハンス(CV.間島淳司)が生き残った理由は、
戦争中防護服を着用し続けていたために隊員全員が早くすっきりしたくてすぐさま脱いでいたのだが
ハンスのみ不器用から防護服を脱ぐのにもたついていた。
そして体が崩れゆく最中の隊員の警告によって脱がずに済んだため。


なお、この出来事から隊員が途中傷ついて露見するなどはなかった模様なので、
全員ほぼ無傷で戦いぬいた無敵の隊になっていたと推測される(恐らく対人戦のみで対戦車などの無茶な戦いはなかったと思われる)。



『単眼の火葬兵』たる彼らの唯一にして最大の武器が先にも紹介した火焔放射兵装(フレイム・スロウワー)である。
背中に背負った燃料タンクと燃料を放射する火焔銃で、立ち塞がる“障害物”を焼き掃う。

この火焔を少しでも浴びれば、強力な付着性燃料を染み込ませて放射する炎は水でも注ぎ落とせず、
頭部まで炎が達すると酸素を燃やし尽くすので呼吸は奪われ、焦熱と窒息の苦痛に苦しみながらも、断末魔の叫びを上げることすら叶わず絶命していく。
対処法にランデル・オーランド伍長がとった「燃料の染み込んだ皮膚ごと吹き飛ばして脱出する」方法があるが、とても普通の人間には到底真似できる筈はない。そしてまた入院である。

この武装、本来の目的は家屋やバリケードなどの障害物の除去と普通だった。
水でも消せないこの火焔で「やっちゃいけない殺し方」を思いついてしまったため、
人道に反する戦いを禁忌とする帝国では公式上、廃止された。表向き。裏はこの908HTTである。



本編中で戦災とみなされたハンスは、伍長と地下道にて文字通り「熱い」戦いを繰り広げたが、殺人鋏で耐熱服をチョン切られるもトドメは刺されなかった。
しかし恐怖部隊「第1の大剣(クレイモア・ワン)」による徹甲弾の一斉射撃で殺害された。


その後の戦いで『火焔放射兵装』は、仲間と認めた男の元で新たな猛威を振るう事となる。
しかし、彼は保護服も何も纏わず*1、ただ無慈悲に殺すべく…

【主な台詞】

「コノ服ヲ着テ俺ノ体…
 “熱サ”消エタ “温カサ”消エタ “寒サ”消エタ

 ソシテ心カラモ…
 “熱サ”消エタ “温カサ”消エタ

 ナノニ
 “寒サ”ダケ 消エナイ」

「サムイ サムイ」
「心…サムイ…」
「ミンナガイレバ…温カカッタノニ」
「ミンナ…モウイナイ」
「会イタイ…ミンナニ会イタイ…」
「炎ノ中ナラミンナニ会エル」
「ダカラ焼ク 人間ヲ焼ク」
「人間焼ケバ…少シダケ心温カイ」



ツイキ…シュウセイスレバ、スコシダケアッタカイ…

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最終更新:2024年03月06日 16:37

*1 一回きりなのと彼は人外じみた体つきと体力の持ち主なので、多用した908HTTと違って死ぬまでのダメージは負わなかった