ウツボット

登録日:2012/09/04(火) 23:40:17
更新日:2024/01/22 Mon 14:19:42
所要時間:約 11 分で読めます




ウツボットとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。

■データ


全国図鑑No.0071
分類:ハエとりポケモン
英語名:Victreebel
高さ:1.7m
重さ:15.5kg
タマゴグループ:植物
性別比率:♂50♀50

タイプ:くさ/どく
特性:ようりょくそ(天候が晴れの時素早さが2倍になる)
隠れ特性:くいしんぼう(通常HPが1/4以下になった時に食べるきのみをHPが1/2以下になった時点で食べる)

HP:80
攻撃:105
防御:65
特攻:100
特防:100(初代)→60→70(XY以降)
素早さ:70
合計:490

努力値:攻撃+3

マダツボミがレベル21になるとウツドンに進化。ウツドンに「リーフのいし」を使うとウツボットに進化する。

■ウツドン


全国図鑑No.0070
分類:ハエとりポケモン
英語名:Weepinbell
高さ:1.0m
重さ:6.4kg

タイプ:くさ/どく

■マダツボミ


全国図鑑No.0069
分類:フラワーポケモン
英語名:Bellsprout
高さ:0.7m
重さ:4.0kg

タイプ:くさ/どく

■概要


見た目は巨大なウツボカズラそのもの(ただし、蔓の付きかたが異なる)で、
ミツのような香りの溶解液で獲物を誘い、一飲みで口の中に入れた獲物を骨まで溶かして捕食する。
また、蔓を生き物のように動かして獲物をおびき寄せる等芸達者な一面ももつ。

ジャングルの奥地にはコイツばかりいる地帯があり、一度足を踏み込んだら二度と帰ってこられない。
(じゃあなんでそんな地帯があるのを知ってんだよ?と、よくツッコミが入る。きっと誰かに通信・実況しながら入ったのだろう)

1.7mとデカい割にはものすごく軽い。まぁたぶん中身はほとんど空洞なのだろう。

ジョウト地方のキキョウシティには、ポケモン修行のために建てられた「マダツボミの塔」という三重塔がある。
マダツボミを模った像がいたるところにあり、内部で揺れている柱は巨大なマダツボミが変化したものと伝えられている。
野生のマダツボミは生息しておらず、中で修行をしているぼうずが使ってくる。


■ゲームでのウツボット


赤・緑』では、『緑』で5番道路から始まり25番道路までの広範囲にマダツボミが、12番道路以降はウツドンも現れる。
『赤』『青』では代わりにナゾノクサであり出現場所も同じだが、何故かあちらは野生のクサイハナは出ない。

レベル技にどくねむりまひという3種の粉技や当時はチート性能だったバインド技「まきつく」、最強のくさ攻撃技「はっぱカッター」と優秀なものが揃う。
最初の御三家選択でフシギダネを選ばなかった場合、はっぱカッターを使えるのはこの系統のみ。
カスミ戦でもナゾノクサの技が「すいとる(威力20)」なのに対してマダツボミは「つるのムチ(威力40)」なので火力に大きな差が出る。
野生ポケモンの捕獲からトレーナー戦まで幅広く使っていけるだろう。

トレーナーではタマムシシティジムリーダーエリカが先鋒としてウツボットを使うが、上述の通り技が優秀なため敵としても厄介な存在。
最初の御三家選択でヒトカゲを選んでいたとしても、普通に進めているとこの時点で使えるほのお技は「ひのこ」止まりなのでやはり苦戦する。

ちなみにウツボットは初代において最後にデータが作られたポケモンである。
(最初に作られたのはサイドン)

一応ラフレシアとは対のポケモン…のはずだが、今では明らかに登場頻度で負けてしまっている。
先のクサイハナとウツドンの、この頃から差別化の片鱗はあったのかもしれない。

食虫植物がモチーフの割に、特にに強いということはない(一方的に狩られるマスキッパよりはマシだが)。
第一世代のみむしはどくに弱かったが、どくもむしに弱かったので自分はむし技を4倍で食らってしまう。


■対戦でのウツボット


世代によって非常に浮き沈みが激しい稀有なポケモン。

第一世代

当時はくさタイプの技が全て特殊技だったため、攻撃の方が高いコイツの種族値との相性は微妙だった。
しかし当時はほぼ急所に当たるため実質威力110の「はっぱカッター」を使用できたのはコイツとフシギバナのみ。
よって実際はくさ技の火力という点ではこの2匹が突出した存在だった。
フシギバナには「やどりぎのタネ」がない点や素早さ・防御で劣るが、「まきつく」「しびれごな」が使える点で勝る。
当時の拘束系の技は自分より遅い相手を一方的にハメられたため凶悪で、麻痺との併用も効果的だった。
攻撃種族値の高さも「のしかかり」「すてみタックル」「はかいこうせん」等を使う際に活かすことが可能。
過去の入賞者の使用ポケモンが禁止になった99年公式大会では、ドわすれヤドランへのメタとして注目を集めた。
(フシギバナは97カップのファイナリストが使っていたため使用不可だった)

どくの攻撃技は「ようかいえき」と貧弱だが、はっぱカッターが強力なため問題にはならなかった。

上記の通りむしとりポケモンだが、この世代では むし4倍 である。
もっともむし技使いがスピアーパラセクト程度なのでまともに戦えばむしろ狩る立場ではあるが。

VC版環境ではフシギバナと同複合タイプ枠の需要を二分するようになり、評価が実機版当時より高くなった。「つるぎのまい」による崩し、「まきつく」によるハメがフシギバナとの差別化点。
とはいえランダムエンカウントのこちらよりも固定エンカウントのフシギバナの方が厳選を楽に行えるので、どちらかというとヘビーユーザー向け(そもそもVC版第一世代の厳選自体ヘビーユーザー向けなのだが)。

第二世代

急所率見直しによる「はっぱカッター」の弱体化に加え、くさ半減&どく無効のはがねタイプが出現。
さらにじめん等倍だったため猛威を振るっていたガラガラを止め切れず使用率激減。

一応、「ギガドレイン」「ヘドロばくだん」「めざめるパワー」を得たことで攻撃技自体は以前より充実している。

第三世代

特性が付くようになり「ようりょくそ」を得るも、コイツより足の速いくさポケモンは結構いたため、あまり注目されなかった。
ジュカインが登場したのも痛手だった。

第四世代

ダイパで技の物理特殊判定がタイプではなく技ごとになった結果、覚えるどくタイプの技が軒並み特殊になってしまった。
その上、くさの物理技もロクなモノが無いという状態となってしまい、種族値に反して特殊型での運用が基本という悲しい扱いに。

しかし

プラチナで念願の「リーフブレード」や「ふいうち」を手に入れ物理型での運用が可能に。
タイプを自由に選べる「しぜんのめぐみ」も攻撃範囲が狭いウツボットには嬉しい。
さらにHGSSでは遺伝で「ウェザーボール」を覚えられるようになったことで晴れパでの爆発力が上昇した。

第五世代

目立った弱体化は少ないもののシャンデラウルガモスが現れたことで迂闊に晴れパに組めなくなった。
一方で、隠れ特性キュウコンの登場で晴れパ自体は作りやすくなった為、使い勝手は良くなった。
また「せいちょう」が、晴れ下なら攻撃と特攻二段階アップ、と強化されたので、攻撃性能が高まった。
地味に遺伝で「パワーウィップ」を習得している。
特性で天候を変えてくるポケモンに対してそこそこ強いので、現在はチェリムと共に晴れパの守護神を務めることが多い。
「アンコール」で先制縛りも出来るので流し性能もそこそこ。

しかし

第五世代から眠りターンの仕様変更でせっかくようりょくそで先手を取ってねむりごなから剣舞やせいちょうを積んでも積んだターンに起きられて簡単に落とされてしまったり、
第四世代でせっかく習得した「ふいうち」も、第五世代のみの環境だと教える事ができない為、
隠れ特性との両立も出来ず仕舞いで結局はかなり逆風である。

実はふいうちがかなり読まれやすいのは内緒

第六世代

特防種族値が10上昇し70に。
どくタイプであるため、新タイプ「フェアリータイプ」に対して優位に立ち回れる。
さらにタマゴ技で「ゲップ」「アシッドボム」を新規習得した。

さらに「はたきおとす」が強化。
くさ・どくに耐性を持つはがねあく技が等倍になったことも追い風に。

しかし

天候特性が5ターンに制限され晴れパでの使用が難しくなり、粉系の技がくさタイプに効かなくなるという逆風も。
また、この世代ではファイアローが特に隠れ特性で大暴れしていたので、草タイプであること自体がハンデという傾向も強かった。

第七世代

「どくづき」を習得。意外なことに今まではなぜか覚えられなかった。これにより物理型も攻撃の幅が広がった。
前世代で草虫格闘を駆逐した天敵ファイアローが激減し、フェアリーが環境に蔓延っているため、かなり動きやすくなったのではないか。
USMではタマゴ技として「ちからをすいとる」も習得。ネマシュ系統から遺伝させよう。

第八世代

リストラ
しかもモロバレルはDLC『鎧の孤島』でガラル入りを果たしたので、草・毒複合唯一のリストラになってしまった。

リメイク版であるBDSPでは無事登場。
今作ではウェザーボールの技マシンがないためフシギバナなどが覚えられなくなったところを、こいつはようりょくそ持ちで唯一使える個性を得た。

しかしメインシリーズには結局出られないまま、一つの世代を越えてしまう。

第九世代

初期はリストラ継続。一体ウツボットが何をしたというのか。
しかし、DLC『碧の仮面』で待望の復帰。3年半ぶりに本編登場を果たした。

新技には微妙に恵まれておらず、「くさわけ」「のしかかり」等少し個性的とは言い難い習得。
一方、「とびつく」「とびかかる」「むしくい」となぜかむし技が充実しだした。
またかつて没収されていたふいうちがタマゴ技にて復活した。

ウツボットにとって朗報なのは、『碧の仮面』ではくさ・どく複合がモロバレルしかいない点。
暴れるならこの時のみである。『藍の円盤』でフシギバナとラフレシアが帰ってきてしまったので。

その不安にこたえるかのようにして2023年11月24日から開催された最強のヒスイダイケンキではまさかの最適性ポケモンとなり、第8世代の鬱憤を晴らすかの如く大暴れ。
詳しくは該当項目を参照。

■アニメでのウツボット一族



アニメではコジロウの手持ちとして登場し、出てくるたびにコジロウを丸呑みにして愛情表現しており、EDが「前向きロケット団!」だった頃のアニメーションでも見ることができる。よく死なないアイツ。
しかし手持ち入りも離脱も意外と呆気ないことになっており、いつの間にか加入、そしていつのまにかお別れ。
お別れエピソードのひどさは今でもたまに触れられる。

この愛情表現はAGのサボネアやD&Pのマスキッパなどに受け継がれることになる。
ただ、第1シリーズのコジロウの相棒といえばマタドガスなわけで、どうも影が薄い感はある。

しかし進化前のマダツボミは、当時リアルタイムで見ていた子にそれはそれは大きなインパクトを与えた。
無印編77話、ポケモンリーグ予選第四試合。対戦相手のカオルコはスピアーやストライクといういかついポケモンを使う剛の者。
フシギダネに2タテされてしまうが、これまでのアニメの流れを考えると3匹目は明らかに圧倒的に強いポケモンだ。

しかし出てきたのは、先の2匹に比べるとあまりに無害そうに見えるマダツボミだった。
「なぁんだ、3匹目は数合わせのポケモンか!」とナメてかかったサトシだが、このマダツボミが渋川剛気や郭海皇のような体さばきと強烈な技でフシギダネやピカチュウをあっさりと下してしまう。
もう後がないサトシが出したポケモンはベトベトン。ゲル状の身体でマダツボミの体術を無力化し、さらにはっぱカッターも難なく受け止めてしまう。そしてマダツボミをのしかかりで倒してしまうという相性勝ちで予選を制したのだった。

この回はベトベトンの初陣だったのだが、この柔道や空手や合気道を使いこなすマダツボミのインパクトの強さですっかり話題を奪われてしまう。
そして、当時かかとおとしの技なんて影も形も無かったので、原作では絶対にありえないあまりに自由なバトルは、それはそれは話題になったものであり、特にかかとおとしを受けた直後のピカチュウの顔は大人気だった。
今でも「ピカチュウにかかとおとしをかましたマダツボミ」の話を言えば、思い出す人もいるのではないだろうか。

ちなみにかかとおとしの技は、第九世代の『スカーレット・バイオレット』になってから登場した。
当然ながら格闘タイプの技なので、マダツボミは習得出来ない。
進化先がどう考えてもできなさそうな見た目だが…ゲーフリさん、ファンサービス期待します。


■ポケモンカードでのウツボット


ポケモンカードGBに登場する《ウツボット(ポケモンジャングル)》は、進化前よりなぜか火力が落ちるので非常に弱いカードとして人気がある。
あまりに人気だったため、このカードを軸にしたデッキを組んで行う身内大会すらあったらしい。
遊戯王で言えば《モリンフェン》……というより、進化の手間なんかを考えたら《魔王ディアボロス》とかに近いのだろうか。

だがその一方で《エリカのウツボット》というカードは非常に強力。
特殊能力「かおりのわな」は、毎ターンコイントスで《突風》を使えるという強力なもの。しかも「エリカのポケモン」専用サーチである《エリカのお付き》で進化前ともども簡単にサーチできる。
本体の技も3エネ50ダメージと、この時代にしては悪くない。これを軸に優位を築いていくことができるため、旧裏コミュでは今でもこのカードを軸にしたデッキが開発されることがある。
強いというより、ここまで来ると環境のマンネリ化打破の原動力のような枠である。

その後裏面が変更されて初の《ウツボット(海からの風)》も、この「かおりのわな」を持っている。
当時は《突風》が、コイントスが必要が必要になった《ポケモンリバース》というカードにナーフされていたせいで、ただでさえ強力だったカードが相対的に強化されてしまうという始末。
そのため草ポケモンを使わないデッキでもサポート専用として立てることすらあった。

その後は……まぁウツボット自体そんなにカード化されるわけでもないので……。
ド派手なやらかしのおかげでやたらと語り継がれ、その後もexやGXという枠を射止めたラフレシア。
そういった目立つ抜擢は一切なく、かつての時代を知る古老たちの間でひっそりと語り継がれるウツボット。
そう考えるとなんだか対になってる感じはしないだろうか。



インターネットの おくちに アニヲタ ばかり いる ちたいが あって
ついきしゅうせい してたら 2どと かえってこれない。

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最終更新:2024年01月22日 14:19