陸軍情報部第3課(PUMPKIN SCISSORS)

登録日:2011/08/21(日) 07:38:31
更新日:2021/10/19 Tue 22:05:29
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漫画『PUMPKIN SCISSORS』に登場する組織のひとつ。
主な舞台となる『帝国』、その陸軍に創設された部署で、通称は『陸情3課』または『3課』。
二人の主人公アリス・L・マルヴィン、ランデル・オーランドがここに所属している。


1課の実動小隊『クレイモア・ワン』などと同様に本課には『パンプキン・シザーズ』という名があるが、その由来は項目の最後にて。



【概要】

隣国・フロスト共和国との長い戦争が停戦という形で終わりを告げた後も、国内は戦争によって生じた二次的な問題に悩まされていた。多数の無職者、元兵士の野盗化などである。
そういった『戦災』にあえぐ国民を救うべく、『戦災復興部隊』というアナウンスのもとで3課は創設された。
具体的な活動内容は難民への食糧配給任務、戦後必要でなくなった武器在庫の回収手続きなど。つまりは戦争の尻拭いや、戦争で傷ついた人々のケアなどがメイン。 

だが3課に所属する人員がほんの少数であることが示す通り、実際のところ軍上層部はさして戦災復興に力を入れてはいない。というか、戦後3年が経過した時点ではまだそこに十分に注力できない。
結局のところ上層部から見た3課とは、「軍は国民のために頑張っていますよ~♪」と国内外にアピールし、それにより軍が予算を多く獲得するための口実に過ぎないのである。

だが、その「お祭り部隊」という国内の評価は嘘というわけではないが本来の目的を隠すためのダミー情報である。
永い戦争の傷跡から国家や兵士に反感を抱く民衆も多く、軍隊が前面に出ては心を開いてくれない場合もあるため
戦災復興のためという名目で帝国内の各地を回り、当時の戦争を経験していない若い小隊長とその部下たちが
「我々は戦闘を目的としない戦災復興のための部隊です」という体裁で国民に接触していくことで
警戒されずに民衆からの情報を収集するのが 3課の真の設立理由 だった。
ざっくりいうとウブな子猫ちゃんのフリをして自国民をスパイする部隊であり、
だからこそ戦災復興部隊が情報部に置かれているのであって
本気で戦災復興をする気はさらさらない
はず、だった、のだが……

そういった軍内部の事情があり、また基本的に安全な任務にしか就かないために他の部署からは『お祭り部隊』扱いされ、馬鹿にされるのが日常。
しかし実動部隊隊長であるアリスの熱意に引っ張られ、本人たちは本気で戦災復興を目指し日々活動している。
また、特に本編開始後、一人の伍長が赴任して以降は危険な状況に足を突っ込む機会も増えている。

前述した「3課の真の設立目的」のために3課の「建前上の権限」は思いの外広く
例えば犯罪者の捜査逮捕権は3課自体にはなく、現行犯逮捕しかできないのだが
「民を貪る人為戦災」と判断すれば現場指揮官の アリス少尉の判断 で社会的地位の高い人間や自分より高位の軍人でも 拘束したりボッコボコにしていた
ただしあくまで「実際に行使されると困る建前上の権限」なので主にハンクス大尉が様々な裏工作や手回しをした上で成り立っている。
よって3課の活動は常に綱渡りなのだ。

作中ではそういった彼ら3課の任務を中心として物語が動いていく。



  • 課長・ハンクス大尉
CV.チョー
禿げ上がった頭にぽっちゃり体型な、のどか……を通り越して昼行灯的な印象の男性。
しかし実際は常に先を読んだ動きで的確に実動部隊をサポートする切れ者で、またときおり見せる鋭い眼がただ者ではないことを物語っている。たまにマジで怖い。
1課課長のコネリー少佐とは付き合いが古く、目的の違いから会うたびに衝突するような仲。しかし互いに信頼しあっている面もあり、重要な情報をやり取りすることも。

かつて憲兵の任に就いていた時期があり、そこでは「八つ裂きハンクス」なる異名を持っていた。3課で戦災復興に全力を注ぐ姿勢をコネリーには「殺しすぎたことへの罪滅ぼし」と指摘されているが、その頃の詳細は明らかにされていない。



【隊員紹介】
ステッキンとマーキュリー号を除いた4名が実動小隊に属する。

  • アリス・L・マルヴィン(CV.伊藤静)
階級:少尉
後述のオーランド伍長と並ぶ作中の主人公で、3課における実動小隊の隊長を務める女性。
真面目で堅物な猪突猛進タイプだが、任務を通じて少しづつ多くのことを学んでいく。


階級:伍長
もう一人の主人公。
本編開始時にアリスらの小隊と出会った退役軍人。これを切っ掛けに復役、三課に配属された。
穏やかな風貌とは裏腹に、いざ戦闘となれば戦車相手に生身で近接戦闘を挑む作中きっての異常者。


階級:准尉
若干斜に構え、飄々とした態度の青年。士官学校時代はよく脱走を繰り返していたらしく、さらには『懲罰房からの脱獄魔』の呼び名をもつ問題隊員。
とにかく軟派な性格で、出会う女性の殆どは口説いている。情報部内にはそうして出来た「個人的な」交友関係があり、時にそれを利用して必要な情報を彼女らから引き出すこともある。

やたらと軽い言動が目立つが根は意外に真面目で、一人で思い悩むことが多いマーチスを諭したり、自らの行動の意義をアリスに依存するランデルを厳しく叱ったりと、仲間想いな面も見せるナイスガイでもある。
軍隊制式の格闘術は若干苦手。しかし「ルール無用の路地裏喧嘩なら百戦無敗」と豪語しており、任務における非常時でも器用に立ち回る。


階級:准尉
アレな人物が多い3課の中で唯一の常識人。オレルドとは幼馴染であり、現在に続く腐れ縁もあってよくつるんでいる。
眼鏡・小柄・華奢という見た目の通りに体術はやや不得手な青年。
代わりに、というべきか事務仕事に関しては優秀で、また手先が器用なために兵器局の手伝いも楽々こなす。
そういった繋がりから他の部署に顔が利き、特に兵器局の技術班主任である女性・ウェブナー中尉にとっては可愛い子分のような存在。
実動小隊としては主に車両の運転を務めるが、何とは無しにドリフトを決めるなどその技術は高い。

基本的に奥手なため、女性にはあまり縁が無かった。
しかし前述のウェブナーとの関係や、作中で知り合う他国の姫・セッティエーム(9歳)の存在など、にわかにリア充への階段を登り始めている。
なお包茎であることを非常に気にしており、『皮』という単語に敏感に反応することがある。そのくせ普段着にタートルネックのシャツを着ていたのは自虐なのだろうか。


階級:曹長
お世辞にも軍人には見えないお子様じみた女性で、救いようのないド天然にしてアホの子。オレルドからは『チビッコ』と呼ばれる。
実動要員ではなく事務専門要員として働く……が仕事は遅く、コーヒーを淹れれば(ほぼ必ずオレルドに)こぼす。
さらには一桁の計算すら間違うおバカさんだが、膨大な数値相手だと一目で計算できてしまう謎の能力持ち。
また特異な閃きの恩恵か、2課の暗号を予備知識なしで解いてしまうこともある。
その正体は帝国軍随一の『統合見解者(スクリプター)』。要はバラバラの断片的な情報から全体像を見いだすことに異常に長けている。

ちなみに歌が好きで、「敵性文化なので一般人には触れられない共和国の歌も、情報部なら見聞きできるから」というのが入隊理由。


  • マーキュリー号
階級:上等伝令兵待遇
3課が所有する♂の伝令犬。ステッキンからの愛称は『マー君』。
ふだんはだらしのない馬鹿犬っぽい様子だが、書簡の配達任務を確実にこなし、非常時では強健な戦いぶりを見せる。
しかし出かける先々で♀の犬に見境無く発情するヤリチンでもあり、一時は矯正所行きの処置もとられたことがある(治ってないけど)。ちなみに第1話でコネリー少佐に噛み付いた罰として、伍長相当の階級から上等兵相当へと降格されている。




【部隊名の由来】

戦災に苦しむのは力の無い平民ばかり。そして彼らを救おうとする任務にあたって障害となるそのほとんどが、私利私欲のために民を貪る貴族や権力者たち、つまり人為戦災だった。
そうした貴族・権力者たちを守る“金、暴力、権力”をブ厚いカボチャの皮に喩え、それらをぶち抜く頑健で巨大な刃となるべし――といった理念から3課は『パンプキン・シザーズ』という部隊名を名乗っている。

軍服についたワッペンのデザインも、大きな鋏とハロウィンっぽく切り抜かれたカボチャがモチーフ。



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最終更新:2021年10月19日 22:05