カウプラン

登録日:2012/10/09(火) 17:24:32
更新日:2024/04/01 Mon 13:38:30
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漫画『PUMPKIN SCISSORS』に登場する人物で、同名の機関の設立者。
男性。
表向きには失踪したことになっている。

幼少の時から異様な速度であらゆる分野の学問を吸収し、異例の若さで大学教授の地位を得た。
その天才的…というより、遥か未来から来たんじゃね?なレベルの頭脳を軍の技術部が目をつけ、接触。
能力を最大限に発揮させるべく、国の力で開発研究の場を用意した。(それがカウプラン機関)

カウプランのチートっぷりは作中で『勝てなくて当たり前の、超常現象かなにか』と表現されている。
天才ってレベルじゃねーぞ…


普通、技術開発とは、手の届く範囲のモノを組み合わせ、試行錯誤を重ねながら一段ずつ着実に上へ昇っていく。

カウプランは、その逆だった。

自身が持つ知識と理論を組み合わせ、時代を一歩どころか百歩くらいは先をいく技術案をいくつも頭の中で組み立ててのけた。


軍に有用なものでも、時代の技術水準が追いつかず保留された案もかなりある模様。
作中では、先込め式の銃ができる前にボルト・アクション式の銃を発案していた。

いまいちピンとこない人のために例えるならば『木や石を使う程度で金属の存在・性質はよく分かっていなかった時期に、当然金属の精製法も確立されていないのに包丁の作り方を考えた(もちろん金属の性質を把握し金属の精製法も考えついている)』という感じか。

しかし、えてしてそれらは『時代に応じた技術の水準』を超えたものだったため、
例えばこの銃の件でもカウプランは少しずつグレードを下げ、「こっちは無理だけどこれならあんたらでも作れるっしょ」と、先込め式の銃の製造法を提供。
その後、技術水準は上がり短い間でボルト・アクション式の銃に移行した。


……確かに、問われればなんでも答える魔法の水晶玉のように、技術の発展に貢献した人物ではある。
しかし、技術を使う側の精神的な進化がそれに追いつかず、
戦場で戦車を走らせるようになっても一昔前の騎士がやる名乗りをスピーカー使って流したりと、なんだか調和のとれていない世界ができてしまった。
メタ的に言えば剣での斬り合いとミリタリー要素が混在する世界を構築するための作劇上の都合を付けるためのキャラとなっている。



【カウプランの特許の弊害】

研究費用を稼ぐために申請した特許制度により、カウプランは多くの特許を取得した。
コルトゥ博士曰く「気まぐれで技術の系統樹のいたるところに唾をつけた」。
先にも書いたように、カウプランの頭脳は遥か未来から来た時間旅行者としか思えないレベルである。
時代に見合う水準に達していない技術の特許を数多く取得しており、並大抵の技術者達が血を吐いて頑張っても、カウプランが取得した特許の壁に必ずぶち当たる。

単行本の15巻では、『カウプランの特許が俺等の発展を阻害してんだよ。そんなもん破棄しちゃおうよYOU達』という趣旨の演説があったが、どうなるのか……。


時代を先行しすぎた天才も、ある夜見た夢により死を畏れはじめた。
今まで自分は特別な存在だと思っていたのだが、自分はただの一個人にすぎなかったと知ってしまう。
世界が無限に続くなら、自分も永遠になって追従したかった。
恐怖と願望に急き立てられたカウプランは、そこから逃れるための研究を始めた。

(異常な研究は恐らくここから始まったものであり、それまでは様々な事象の追及や他者への優越感などにより、比較的まっとうな思考・研究をしていたものと思われる)


そして、
自分と完全同一の思考をするモノが存在するなら、自分が死んでも「カウプランが世界を永遠に追従し、思考しつづける」という事象が成り立つ!
という考えに至り、三つのプランを立てた。


【プランA】
集団にカウプランの複製を求める。
自分と近似値を示す人間を集め、徹底的に教育を施した高弟達を内核に、世界中の技術者を自分流に系統化し、思考体系の写し身にしようとした。
しかし、その体系を操作する人材が育たなかったため*1放置された。
内核を担うはずだった高弟達は、何人か亡命している。

なお、特許を「気まぐれで技術の系統樹のいたるところに唾をつけた」のは、気まぐれというよりはこのプランAに基づくものである。
最終的に放置した(それと追われる身になった)ために上記の様な状態になったものと思われる。

【プランB】
個にカウプランの複製を求める。
脳を弄って、カウプランと同じ思考をする脳を作りだそうとした。
そのために死刑囚や帝国法に当てはまらない人間を軍部から提供してもらい、彼等の脳を開いた。
この実験でカウプラン本人が外科的に脳を弄り、901を冠する部隊が誕生。
しかし軍は901を私物化して好きなように使いまわした上、データ還元をしなかったため*2、プランBが本当に成功したのかは立証できないままである。
この時本命ではないが、最低でも不可視の9番(インビジブルナイン)の903CTT*3と908HTT*4にも関わっている。

また、このプランの最中に帝国もカウプランは天才だが狂人であることに気づいた。
(別の言い方としては、まるで神の如く見えるが実際はただの人間。ミュゼもそう言及している。)
死に恐怖し始めてからも今まで通りの上辺は取り繕っていたものの、
その実愛国心などのフォローすらなく、非常に自己中心的な理由で研究機関を牛耳って、国の予算も使って非道な研究をしていることがバレたため、排斥されることとなった。

国としては明確に反対しているが、血生臭くて後ろめたい運用は実際にやっていたことや予算を出してしまっていた過去などからか、
彼の本性については表向き明らかにしていない(カウプランの遺物に頼らない体制もまだまだ実現はしていないがそれに向けた努力はしている)。









【プランC】
「老いた木を若い木に接いだら、どうなるだろう?」
「若い木の力に負けるのか…」
「それとも、老木の花を咲かせられるのか…」

「今は私が、カウプランよ」

明確な台詞はないが、ミュゼ(現カウプラン機関の女性)の回想シーンを見るかぎり、自らの手でカウプラン本人の何かを移植した模様。無茶が有り過ぎるが…。



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最終更新:2024年04月01日 13:38

*1 高弟達は知識・技術の一部分を別々に継承したが、体系の操作については知識というより自分とほぼ同じ思考が必要になるので育成したところでどうにかなるものではなかったのだろう。

*2 ただし軍の暴走というより元々カウプラン自身が低価格で効果的な部隊として901の非道な運用を提案している。カウプランにとって問題だったのはこのデータ還元されなかったという一点なのだが、自身の目的は隠していたり途中でバレたりしているので還元されなかったことも当然と言えば当然の話である。

*3 別の場面でこれと同じ効果を持つ散布して空気を経由して広範囲に体が弱い者にのみ効く毒とその治療薬を製造していたと思わしき描写が挟まっている。

*4 こちらは元々はミュゼが開発した医療用の薬液が元だが、期待したほどの効果は得られなかったことと、博士が効果を知りながら薬液の軍事利用を提案したことが最大の要因である。