餓狼伝説 戦慄の魔王街

登録日:2010/04/15 Thu 22:05:33
更新日:2023/11/23 Thu 12:19:15
所要時間:約 5 分で読めます




『餓狼伝説 戦慄の魔王街(せんりつのまおうがい)』は、今は無きコミックボンボンの増刊号で連載されてた漫画。
かの有名な格ゲー『餓狼伝説』のコミカライズ作品。


さて、
「ボンボン」
「餓狼伝説」
「コミカライズ」
とくれば、聡明なボンボン読者だった方ならば、某「うっお――っ! くっあ――っ! ざけんな―――っ!!」な餓狼伝説を思い出すだろうが、そっちじゃ無い。


ボンボン読者 対 餓狼伝説コミカライズ!


全国の餓狼ファンを爆笑と呆れに身悶えさせた細井版ボンボン餓狼。
純粋な少年、ボンボン読者の480円が書店の下、万感の期待を込めて放たれる!

迎え討つは、古今に比類なき最凶の原作ブレイカー、石川賢

“ボンボン読者よ、見ておれ、餓狼伝説は徹底的にネタ漫画にする”
爆笑滑稽ボンボン餓狼劇、戦慄の時間を見届けよ!


とりあえず、「これは餓狼伝説だ」という思いを完全に捨て去れば、迫力がありそれなりに見れる漫画。
だがあまりにもネタが多すぎるので、なんと言うかもうダメだ。

餓狼キャラ、特にボガード兄弟とギースのファンの方が読んでしまうとサニーパンチやギースの半ズボンなんてちゃちな物じゃ断じて無い、もっと恐ろしい原作クラッシュの片鱗を垣間見てしまうため、細心の注意が必要。

反面、話の筋自体は比較的分かりやすい勧善懲悪ものであり、「石川賢の漫画」としては新規ファンに対しての入門編としても丁度良いかもしれない。
氏の作品では割と希有な虚無らずちゃんと完結している作品という点もポイント。

単行本は講談社より全2巻、後に大都社から全1巻に纏めたものも刊行された。いずれも絶版。
一時期はebookjapanより電子書籍版も販売されていたが、版権の都合か現在はこちらも配信終了している。


あらすじ

香港のとある街、その名も「魔王街」で開催される「世界統一武道大会」に出場するため、テリー・ボガードら世界の武道家達が魔王街に集まる所から物語は始まる。
ちなみにこの魔王街、現地の方の話によると「入って生きて出て来た者はいない」。

単行本のアオリは「信ずるものは、己の拳のみ!!生きて出られるか、魔王街!!」。
この辺からすでに着いていけない読者がいるが、そんな軟弱者は無視してストーリーは進む。


魔王街に突入するメンバーは、
そして
  • ビッグ・ベア
折角舞台が香港なのに、何故ベア?と首を傾げた人も。恐らく石川氏が「巨漢キャラ」の枠を欲しかったのでは?という声も

アンディはテリー達が突入する前に魔王街に来ており、魔王街の住民に捕らえられている。

魔王街で開催されるという大会は、実はテリー達を誘き寄せる為の罠であり、
その真の目的は、古に眠った武道家「武帝王」を復活させる為に強い武道家を集め、殺す事だった。
武帝王は眠っている間にも意識を操る事ができ、自分の手足として、ギース・ハワードを復活させる

アンディの奪還、武帝王の部下との戦い、そして武帝王を守る百人の武道家との戦いを経て、遂にテリー達はギース、そして武帝王と対峙する!!


各キャラの扱い


◆ギース
原作のカリスマ性はどこへやら、作中ではずっと解説役、事ある事に「武帝王様お許しを~」とか言う、しまいにはテリー達に5対1でボッコボコにされる。
その後は何故かテリー側で解説キャラに回った後、そのままフェードアウト。魔王街の人々にコテンパンにされた?


◆アンディ
物語の冒頭で捕らえられ、催眠術をかけられてテリーと戦う。
テリーが「愛だ!アンディを救うには愛をぶつけるしか無い!」とか電波な事をほざき、怪しげなオリジナル技「爆指波」で救われるが、その後の活躍ぶりを見る限りどう考えても操られてた時の方が強い。
まぁ操られてた時は武帝王の謎パワーを注入されてたっぽいし、一応敵雑魚相手には無双できる程度の実力はあるので、テリー以外のメンバーに劣るってわけではないが。


◆舞
SNK屈指のお色気担当だけあって、事あるごとに脱がされる。
しかし「女性の胸が見えても、ゴム鞠が二つ付いてる様にしか見えない」と、女性キャラのエロスの無さに定評がある石川賢が描くだけあり、ピクリとも来ない。


◆ベア
パワーファイターっぷりを思う存分発揮、普通すぎて特に書くことが無い。子供好き。


◆ジョー
百人の雑魚を蹴散らすのと、道中でのvsサイボーグ格闘家しか見せ場がなぱん、後者はベアと出番が半々のため、やや影が薄い。
ちなみに服装はパンツ一丁ではない。


◆武帝王
古の格闘家で、世界を制覇すべく自ら人体の秘孔を突いて3000年の眠りに入り、ギースらを使って復活を目論む。
復活した後の強さたるや凄まじく、テリーら5人を安々と手玉にとる程。
顔付きがなんかバキに出てくる人っぽい。

使う技は
  • 魔空烈震波
  • 暴道竜天無爆烈
  • 飛竜超破爆烈
などと、技名からして怪しい物ばかりで、しかも実際にオカルト(悪霊を飛ばしたりする)。
つーか「~爆烈」言いたいだけちゃうんかと。石川氏の漫画でよくあるネーミングだし。

また、次元の狭間に存在する悪霊達を吸収しており、文字通り人間を超越している。


◆テリー
主人公にして、この作品における胡散臭さNo.1の男。
死者の声が感じとれたり、石で目潰しをしたり、しまいには死者の魂を吸収したりと、もはやテリーの姿をした何か。

テリーの使用技

  • サニーパンチ
細井版餓狼伝説にも出てきたボンボン餓狼伝統の技。
違う作者だというのに、サニーパンチなる技がでるのは、我々が知らないだけで、本当は原作のゲームでも使えるからなのだろうか?

  • パワーウェーブ(原文まま)
ゲームでおなじみのアレ、衝撃波を出す。

  • バーンナックル
同上、作中ではすごいパンチ程度の扱い。

  • クラックシュート
同上、クラッシュシュートと誤植された。

  • パワーゲイザー
これもゲームと同じ。相手に直接パワーゲイザーを叩き込むと、叩きつけられた相手の骨という骨が粉々に砕けて死ぬ。

  • 爆指波
操られたアンディを救ったオリジナル技。
ちなみにこの技を使う際に、死んだはずのジェフとタン=フー=ルーが語りかけてくるのだが、その話が
「全ての物質は同じ次元にあって…同じ力をもっている!」
「テリー!心を開け!宇宙の全てを受け入れろ!!」
と、実にゲッターと言うか、石川チック。

  • ビッグバンパワーショット
殺された人々の怒りを凝縮したアッパー、当然オリジナル。
この技で武帝王の腕が千切れ飛んだので、本家餓狼やKOFじゃショッキングすぎて使えないだろう。

  • 正義の拳
テリー曰く
「この世には必ず陰と陽がある!悪の陰を抑える善の陽があるのだ!!」とのこと。
なんかよくわからんが、そんな感じのエネルギーをぶつける技。


余談

テリー達の基本戦術は集団リンチであり、格闘家の誇りだの、一対一の戦いなどという便所のネズミの糞にも匹敵する考えは一切もっていない。

武帝王の「最強にして全ての格闘技の祖」「現代に蘇り戦う」「中国系」「ギースがその力を求める」
といった特徴はゲーム本編の秦の秘伝書や秦兄弟をめぐるストーリーと共通点が多い。
さすがSNK。微塵も面影がない原作ブレイクなコミカライズをうまくアレンジして逆輸入しているのである。



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最終更新:2023年11月23日 12:19