不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)

登録日:2011/08/22(月) 03:41:02
更新日:2022/11/18 Fri 23:01:57
所要時間:約 4 分で読めます




誰よりも辛い戦いをさせられながら、

誰からも認めてもらえない兵士……か……


――陸情3課、____
ハンクス大尉の独白――




《不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)》

Pumpkin Scissors』の用語のひとつ。
帝国軍にとって戦場では不吉とされる、“9”の番号を頭に持つ非公式部隊の通称。


【概要】

作中の主な舞台となる『帝国』は、3年前の停戦に至るまで隣国の『フロスト共和国』と長期にわたる戦争状態にあった。
その戦時中の帝国内において、秘密裏に生み出された異常極まる部隊を指す言葉である。

例えば、味方の多大な犠牲にも構わず敵を討つ者。
非道な手段を以って殺戮を行う者など。

いずれも「人倫にもとる戦いを忌避する」帝国においては存在自体が汚点とされるために、昔も今も『彼ら』の名は公的文書に乗ることを許されていない。
しかしながら戦場においては『彼ら』に関する情報がまことしやかに、それも大量に飛び交っていたらしく、帝国・共和国を問わず多くの兵士の間に様々な噂や逸話が残っている。
そうした虚実入り混じった状況の果てに、“表向き存在しない”『彼ら』はやがて『不可視の9番』の呼び名をもつこととなった。


因みに帝国が戦場で“9”の数字を不吉とするのは、初代皇帝が9月9日に戦死したから。




【部隊紹介】

名前だけ明かされたものが1つ、実際に姿を見せたものが3つとなっている。
数字が連番であるのなら他に少なくとも4部隊が存在するが、未だ登場に至っていない。
それが単に未登場なためか、それとも既に全滅しているためかは不明。


901ATT
対戦車猟兵部隊(Anti Tank Trooper)。
別名『命を無視された兵隊(ゲシュペンスト・イェーガー)』。
生粋の戦車キラーであると同時に、己の命も平気で投げ出す狂気の部隊である。
どのくらい狂気かと言うと鬼火のような青い火を灯すランタンと、口径13mmの滑空銃『ドア・ノッカー』『三式装甲剥離鋏』(ボルトカッターみたいなもん。伍長の物には「マルマン・チェーダ(断末魔)」と彫られている)のみ(過去の回想で手榴弾も使っている描写はあるが…)で戦車に突っ込んでく程度である。
オマケに滑空銃なので射程が殆ど無いに等しい。その為、巨大な鉄の塊である戦車に生身で突っ込んで張り付き0距離射撃を敢行するのである。
ちなみに銃の名前の由来は扉を叩く様に押し当てる為『ドア・ノッカー(扉を叩く者)』となっている。
ハサミの方は劇中で、殴る、刺す、バラバラするなど、悪い意味でかなり使いこなしている。ぶっちゃけ伍長は装甲剥離に使ってない。


■903CTT
化学戦術部隊(Chemical Tactics Trooper)。
別名『死灰を撒く病兵(クランクハイト・イェーガー)』。

『化学弾頭』に対応した特殊戦車を主力としており、その主砲からは榴弾以外に様々な薬品・毒薬の類が撃ち出される。
扱う物の中でも特に脅威とされるのは、『K-3(キルヒ3号)』と呼ばれる空中散布型の戦術毒を搭載した弾頭。それ一発につき村一つを全滅寸前に追い込むことすら可能で、その危険性から国際条約で使用を禁じられている程の代物である。


停戦まで生き延びた部隊長・ヴォルマルフ中尉の回想では、仲間の死に打ちひしがれる彼自身の姿が描かれている。……のだが、この死が『敵の攻撃による戦死』なのか、『自分たちの扱う毒に巻き込まれたもの』なのかは読者には判然としていない。
仮に後者であったのならどうにも救われない。


さらにそうした戦いを演じながらも誰からの賞賛も無く、そも存在を認められることすら無かったという現実は、停戦後生き残った彼らに野盗化という道を選ばせた。
そしてとあるダムと近隣の村を占拠していたところ、その調査任務を請け負った3課と遭遇するのが本編第1話の流れである。


その時の903の残存戦力は、特殊戦車1両、野戦砲2台、小銃隊数十名。
3課に協力した元901所属・ランデルとの激闘の果てに戦車は沈黙させられ、搭乗していたヴォルマルフ含む3名は死亡、他の小銃隊は逃げていった。
この時点で903CTTは壊滅したと思われる。



■906FTT
別名『翼無き降下兵(ファルシルム・イェーガー)』。
第1話で名前だけが明かされた部隊。
詳細は一切不明だが、名前の時点で(隊員自身に対して)死亡フラグ臭が……。



■908HTT
別名『単眼の火葬兵(アルト・シュミート・イェーガー)』。
火焔と燃料を諸共に放つ火焔放射器を用い、敵を建造物ごと焼き払うための部隊。
その生き残りであるハンスは、皮肉にも“同類”のランデルと戦う羽目になる。
詳細は項目を参照。




【カウプラン機関との関係】
これら部隊の装備開発や隊員確保に関しては、帝立科学研究所『カウプラン機関』が関与したとされている。
またこの機関は『不可視の9番』に所属していた人物に対し、その死体を研究のために回収・解剖する権利を持っているとか。



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最終更新:2022年11月18日 23:01