沙条綾香

登録日:2012/01/02(月) 13:14:32
更新日:2024/04/15 Mon 20:12:07
所要時間:約 8 分で読めます




「自己評価ではあるが、わたしの性格は最悪だ」

Ayaka Sajyou


Fateシリーズの原点になった『Fate/Prototype』の主人公。
CV:花澤香菜
キャラクターデザイン:武内崇

マスター階梯:第七位
天使階級:権天使 (Princes)
魔術回路/質:C
魔術回路/量:C
魔術回路編成:正常

一人称は「わたし」。
魔術系統は黒魔術(ウィッチクラフト)全般。
令呪の刻印位置は胸部中央。一枚羽。

眼鏡っ子で、一見おとなしめというか暗め。
いつも色んなものにツンツンドキドキしており、見かけによらず攻撃的な面を持つ。
自分の性格の他、外見や過去や魔術師としての技量の低さなど様々なものにコンプレックスがあり、常に自分を卑下している節がある。

八年前の聖杯戦争で父とを失っており、天涯孤独。
沙条の家で独り暮らしをしている。

Prototypeにおける魔術は現在の型月世界の魔術と比べると陰湿さの漂うものとなっており、綾香の使っていた黒魔術は生き物の血や命を使って奇跡を起こす類のものだった。
だが、綾香本人が過去のトラウマから生き物を殺す事を苦手としているため、亡き父親からの言いつけで毎朝魔術儀式を行うものの生贄用の鳩を殺せずに結局は自分の血で代用する日々だった。
そのため沙条家の魔術工房(ガーデン)には鳩がどんどん増えている。
ちなみに黒魔術の腕はどうかというと、毎朝の魔術儀式でも上手く扱えず失敗ばかりでこれもまた綾香のコンプレックスになっていた。

後にセイバーからの「そういう婉曲な嫌がらせは君向きではない」という忠告から、
性に合わない元素変換(フォーマルクラフト、恐らく凜とかが使う感じの火とか風とかの攻撃魔術)に魔術形式を乗り換える事に。

鴉に妙になつかれ、その羽根を使った魔弾(黒魔術の初歩の初歩)などを攻撃手段とする。

『Character material』のイラストに比べて『Prototype material』では、
制服の色や瞳の色が変わった(瞳は式のような黒い目から凛の目のように青くなった)。
また眼鏡も厚くなっており、アニメのキャラデザでも「メガネ優先」と書かれていた。

敢えて地味に装っているが、眼鏡を外すと美人さんというある意味王道キャラ。
眼鏡を外すと目の色どころか髪の色も明るくなる素敵仕様。
その姿に乙女座チックな古代ウルクの英雄王が一目惚れし求婚するほど。
傷んだせk…蒼崎橙子と同じく性格まで変わる(凛の猫被り時と普段くらいの差)。
ちなみにこれらの設定を聞いた時磨伸映一郎が泣いて修正を求めたらしい。



『Character material』『Prototype material』において断片的に語られた物語

そもそも沙条は魔術師の家系だった。
天才だった姉(平凡だった綾香のコンプレックスの元)は八年前の聖杯戦争に最後まで勝ち残るも他界。
同じく八年前に死去した父親に「いずれおまえも聖杯戦争に参加する」と言われていたが、本人は絶対にイヤ、と逃げてきた。
しかし父と姉の命日の夜、ランサー(Prototype)に襲われ、命の危機に瀕した際、胸に令呪が顕れ、セイバーを召喚。
助けられ、仕方なく共に聖杯戦争を戦っていくことになる。
新入りマスターが最強のサーヴァントを呼び寄せ、共に闘うという要素は『Fate/stay night』の主人公・衛宮士郎に受け継がれ、
また、素直になれない少女とそれを窘める年上の男性という関係は遠坂凛アーチャー(Fate)のそれに受け継がれる事となる。

綾香にとってセイバーは理想の王子様であり保護者のようなもの。
しばし口論をするものの、その都度セイバーに丸め込まれる。

物語中盤に毒を患うようで、アーチャーとセイバーが解毒剤を賭けて闘うシーンがある。
この頃にはセイバーにラブラブとか。
その後バーサーカーとの戦いでセイバーを失い、ある約束を行いランサーと契約。
セイバーを取り戻す事に成功する。
などが明かされている。

「わたし―――わたしは……」
「お姉ちゃんみたいには、できない、けど……!」

「でも戦う。何もできなくても、戦いを選ぶことぐらいは、私にもできるんだから――――!」

戦いを通じ、少しずつ性格改善(トラウマから脱却)していく。その過程はやはり型月の王道主人公である。




「『雑草』などと言う名前の草などない!!」


他の作品にゲストとして登場する時はだいたいアーチャー、ランサー、セイバーに囲まれた乙女ゲー主人公状態で登場する。

ランサーは勿論だがセイバーも割とやりたい放題なので(アーチャーが止めることこそあれど)綾香はひたすら振り回される。


後述の『氷室の天地』を描いている磨伸映一郎が脚本を勤めたドラマCD『船上のメリークリスマス殺人事件』でも主人公兼語り部として登場。
なに? タイトルの時点で頭痛い? 大丈夫、ボケしかいないその場でツッコミ役を任された綾香よりはマシだ。

某センチメンタルな乙女座っぽいアーチャー、レッツパーリィとか言いだすランサー、ボケ倒すセイバー、
繋がっちゃいけない根源に繋がってメタ発言を連発する愛歌に逐一ツッコミを入れる彼女の心労が気になる貴方は、コンプティーク2012年12月号を買おう!(宣伝)

ホントセイバーは馬鹿なの?死ぬの!?

ストリートで鳴らしたこの実戦的なパンチ!

うーわー、もう突っ込むのもめんどくさくなってきた…


2013年エイプリルフール企画『路地裏さつき ヒロイン十二宮編』では


ネズミー系アイドル

AYAKA

として登場。
地味な見た目に反して最終的にイケメン3人に囲まれる超勝ち組だの何だのとどやされる羽目になった。


ひむてん版綾香にギャグ時空に適応してしまった綾香にprototypeの綾香を会わせるとかいう悪魔の企画の際には遂に自分に対してひたすらツッコミを入れるハメになった。


◇『氷室の天地 Fate/school life
穂群原学園2年A組に在籍する女生徒として在籍している。氷室鐘以上に飄々としているとか。

世界観の違い(メタ的に言うと後述の事情)からか、鬼畜ロリ魔法少女レベルでprototypeとは性格が変わっている。
趣味は山菜の採集で、よくデカいリュックを背負って山に山菜を取りに行っている。
相当の猫被りを被っている模様だが氷室に婚約者探しの協力を求められたり、一定信頼はある模様。

…しかし正式に協力すると約束なんかしてないってのに、たいがいお人好しだな私も……

明言こそはされていないが魔術師である事を示唆されている。

実は『氷室の天地』は「第四次聖杯戦争後、言峰がstay nightより少し多めに遠坂家の資産を手放した」世界線であり、
ひむてん世界の沙条家は手放された資産のひとつである極上の霊地を買い取り東京から冬木市へと拠点を移した。

遠坂家が手放した良質な霊地を現在は彼女が所有しているため、遠坂凛からは度々いびられている。

彼女が登場しているのは加藤茶が『西遊記』の世界観にいるようなものらしい、と言う言葉が広まり過ぎて、
作者の磨伸映一郎本人が「ちゃうねん…、アレはあくまでネタやねん…」と申し訳ない気分になった。

上記のように、黒魔術より元素変換の方が適性がある彼女だが、実は内に鬱積したものが相当あったり陰気な気質の影響で黒魔術の方も案外適性が高く、
コツさえ掴めば姉程ではないがかなりの使い手になり得るという。
が、その陰気な性質の魔術故に極めれば極める程地味さも増していく。
氷室における彼女は、「動物を生贄に出来ないなら植物で代用すれば良い」と視点を変えたことで一皮剥け、そのまま黒魔術を邁進して魔術と共に地味さを究めつつある存在であるとのこと。
ちなみに師匠は某グレートビッグベン☆ロンドンスターで、
ヴォイニッチ手稿を解読したとある天才の兄弟子も居たりする。

ちなみに何故彼女はプロトの彼女と性格が大きく違ったりしてるのかと言うと、
当時この作品を出す際に磨伸映一郎がきのこから、「プロトはFate源流であるので、綾香もFate各ヒロインの原型である」とのアドバイスを貰ったため、
磨伸本人がど○ろ方式でFate各ヒロインからの特徴を再構成してこの様な性格となったらしい。ちなみに大食い要素はセイバー、ツンデレは凛、陰湿は桜、眼鏡は氷室から。
というか当時はそもそもFate/Prototypeが少しばかりの設定のみで世に出ておらず更に出す想定もしておらず、
実際の綾香の性格を把握してるのは作者の奈須きのこ本人と限られた関係者のみだったという事情があったりする。

しかし上の性格も綾香の演じてる「キャラ」であるらしく、数少ないシリアスな場面ではプロト本編での彼女の性格も少しだけ顔を覗かせたりする。
なお、眼鏡による性格のON/OFFはなく純粋に視力が低い模様。パーフェクトナチュラル眼鏡っ娘

二年生のときの球技大会では氷室鐘美綴綾子と組んでセパタクローに参加した。
決勝に進出したが、衛宮士郎柳洞一成ワカメの2年C組チームと故意に乱闘を起こし、ともに失格。

体育祭ではパン食い競争という名のホットドッグ大食い競争に参加。
見事優勝する。

陸上部三人娘など、クラスメイトとはそこそこ仲良し。

変なお好み焼き屋によくいる。













「叶わないかも、そもそも関わる必要すらないかも……」

「なんて弱い考えを完全封殺できるほどに私は強くないけど……」

「『やれることをやらずに逃げた過去』―――」

「―――そんな重荷を一生抱えて生きれるほどの強さも持ち合わせてないっぽいのよ これが!」

日常生活の傍ら聖杯戦争の被害が最小限になるよう裏で暗躍しており、本編と氷室の天地で聖杯戦争の被害が微妙に異なるのはこのせい*1
ただ、残念ながら『氷室の天地』はあくまでも氷室たち一般人目線の物語の為、綾香の活躍が本作で語られる予定は全く無いとのこと。

なお、こちらの世界の綾香にもちゃんと姉がおり、しかも生存しているようなのだが、こちらの世界では、理想の王子様に出会うことが無かった為、人畜無害の駄目人間化してしまったらしい*2

姉の愛歌との仲は愛歌が人畜無害のバカ姉となった事もあって良好。
本来は綾香も第五次聖杯戦争にマスターの一人として参加する予定だったが、愛歌のおかげで参加しないで済んだらしい。

後にバカ姉の尻拭いのためにルーマニアへと飛んでいる。

Fate/strange Fake
そっくりな眼鏡少女「アヤカ・サジョウ」が登場。髪をブロンドに染めた綾香らしきキャラのまさかの登場にファンも度肝を抜かれた。
そもそもPrototype世界はお祭り系作品以外ではほぼ関連しない、設定からして別物の所謂型月世界観とは別の世界観とファンの間から認識されていたのが理由だが、実際作者の成田も「『Prototype』の彼女とはそもそも宇宙が違うので別人」と発言している。

しかしもう一方で「(『氷室の天地』の彼女とは)……無関係とは言いきれない……」と意味深な言葉も…
また6巻最後でフラット・エスカルドスがアヤカとの遭遇時「本当に綾香に似てる(意訳)」と発言し、「アヤカ」と「綾香」は別人と判明。(別な場面ではこの世界の綾香もルーマニアにいる事が示されている)。
その直後フラットが「アヤカの身体の秘密」を告げようとして斃れたため真相は未だ不明だが、7巻ではアヤカがセイバーの過去と思しき風景と共に謎の悪夢と見る様子と、それに対する自身の感情への困惑が描かれた。

さらに8巻ではフラットを追って来たルーマニアにいる沙条綾香を知るエルメロイ教室の生徒達、そして冬木出身の遠坂凛に遭遇し、これまでなんとなく異邦から来た旅人扱いだったせいで脇に置かれていた何故か綾香そっくりだけど別人なアヤカの過去が話題になる事に。
本人の記憶はそれでも「冬木では蝉菜マンションにいた」「冬木での知り合いに(『氷室の天地』登場の)後藤くんと角隅くんがいる」くらいしか明らかにならず、状況的に詳しく調べる余裕も無かったため一端はそこで終わったが、
8巻ラストである彼女の正体に繋がる意外な可能性が示され、アヤカの見た悪夢の実体は「アヤカ自身がかつてある人を手に掛けた『赤ずきん』本人」という罪の記憶だと判明。
果たして彼女の罪の理由、そして今の彼女が「沙条綾香」の姿に至った原因とは…。



追記・修正は愛しさとせつなさと心強さでホットドッグ早食いに優勝してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • TYPE-MOON
  • Fate
  • Prototype
  • 痩せの大食い
  • 穂群原学園
  • メガネを取るとキャラも変わる
  • 眼鏡を外すと美人
  • 氷室の天地
  • ゴールドヒロイン
  • ネズミー系アイドルAYAKA
  • 善人だけどいじけ体質で負けず嫌い
  • 原点なのに新参
  • 主人公
  • 魔術師
  • 黒魔術
  • マスター
  • 花澤香菜
  • 眼鏡
  • メガネっ娘
  • 逆ハーレム
  • 趣味は雑草集め←「雑草」などと言う名前の草などない!!(キリッ
  • 大食い
  • 氷室さんのー、ちょーっといいトコ見てみたいー
  • 沙条綾香
  • 前作主人公

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月15日 20:12
添付ファイル

*1 作者によると『氷室の天地』は「桜ルートVer.1.5」らしい

*2 綾香曰く「バカお姉ちゃん」