マモノ(NieR Replicant/Gestalt)

登録日:2010/12/30(木) 11:37:50
更新日:2024/01/18 Thu 22:52:11
所要時間:約 4 分で読めます




アクションRPG、NieR Replicant/Gestaltに登場する敵。黄色や深緑色の体色をしているが、それが常に流動しているためハッキリした外見は大型のマモノしかわからない。

大小様々な個体がいて、中には合体して巨大なマモノになる者もいる。言葉のようなものを話し、傷つけば血を流すなど、どこか人間に似ている。マモノ同士で階級もあり、下の者は上の者に従順。
様々な個体がいるが、「日光を浴びると消滅する」と言う共通点があり、晴れの日の日中には姿を現さず、曇りの日にしか活動出来ない。しかし後に甲冑を装備し晴れの日でも活動する個体も現れるようになった。(Nierの世界では夜はない)

基本的に人間にとって害なす敵で、ヨナが攫われてからは勢力を拡大し、甲冑を着込むマモノが現れるなど脅威は広がりつつあり人々の生活は困窮の一途を辿っている。

中には争いを好まない、共存を望むマモノもいるが…







以下ネタバレ含む





正体は白塩化現象による人類滅亡を阻止すべく、ゲシュタルト計画により肉体と魂を分離した魂。つまりは人間である。
ぶった切った際に飛び散る、生々しい出血を見て嫌な予感がした人もいるのではなかろうか。
だってDODの系列だもの。

■ゲシュタルト体とレプリカント体
ゲシュタルト体=マモノとは魂のみの人間。レプリカント体=本作の人間は崩壊体になる危険や白塩化現象などの脅威が去った後にゲシュタルト体が人間に戻るための器。本来はただの器に過ぎないがいつしか自我や人格を持つようになった。
おそらく、自身のレプリカント体であればゲシュタルト体は任意に融合することができるが、その場合でもレプリカント体の意識は消滅せず、日光に弱いという欠点もそのままである。
なお、何故白塩化症候群の根絶が完了してからすぐに再生計画を実行せずに数百年も放置していたのかは不明*1

■崩壊体
自我を失い狂暴化したゲシュタルト体。厳密には、後述する魔素供給を受けても自我の崩壊を止められなくなった個体であり、崩壊体であっても狂暴化しているとは限らない。オリジナル・ヨナなどがその例である。
崖の村の住人と融合していた個体がいきなり口調がおかしくなったところを見るに、おそらく精神的負荷がかかると狂暴化が加速されるなどの危険性があるため、魔王の城のようなシェルター施設から放逐されてしまったと思われる。
自我の崩壊はゲシュタルト体が抱える致命的な問題であり、どうあがいても回避することはできない。
オリジナル・ゲシュタルトの魔素を取り込むことで比較的に安定して存在出来るようだが根治は出来ていない模様。また、コールドスリープなどで深い眠りにつけば進行はしなくなる。
ただ、コールドスリープ例がほとんど見られない辺り、大量に実行できる対策ではないようである。
ニーアを襲うマモノの大半はこの崩壊体だがこれらは一部に過ぎない。

資料集にて崩壊体はレプリカントが世界を統べればいいと考えるある科学者により意図的に仕組まれた可能性が示唆されている。
しかし、レプリカントには寿命などが普通に存在し、生殖能力を持たない上に崩壊体からは創り出せないため、発想自体が致命的におかしい
どこから出たのかもわからない「赤き竜」の撃墜命令という前例もあるため、何者かの暗躍も考えられる。
そもそも、DOD3での描写を見る限り、魔素の力を受けたものは継続的に供給を受けないと精神崩壊するのは既定路線である*2

レプリカントたちからは人間を襲う存在としてマモノと言われている。しかし人の姿を失ったとは言え正真正銘の人間であり、崩壊体でない者は愛情や優しさを持ち、レプリカントとの共存を望む者や子どもを大切にする者もいる。
問題はゲシュタルト体の言葉はレプリカントには一切通じないため、健常体と崩壊体の区別が一切つかないこと。
例外的に、レプリカントと融合した場合は会話が可能。

二周目からは一部のマモノの台詞に字幕が付き、そのどれもが実に人間らしい感情を持っていることが判明する。そしてプレイヤーは、マモノの声が理解出来ずただただマモノを憎むニーアを操作し殺さなければならない。
対するカイネはマモノの声が聞こえるため、攻撃するのを躊躇ったり、敵だと自分に言い聞かせるなど非常に悲哀を誘う場面が多い。


以下、代表的なマモノ

  • テュラン
カイネの左半身に取り憑くマモノ。粗暴な言動が目立つ。マモノだろうが人間だろうが殺せればいいとしてカイネに力を貸しており、隙あらばカイネを乗っ取ろうとしている。後にカイネの感情に触れ、心変わりする。崩壊体になる運命にある。
(以下ドラマCDより)
人間だった頃は由良正義といい、自衛隊に所属していた。頭はキレるが部下の扱いは酷く、故に人望は皆無。
ゲシュタルト化後に器を発見、処分された。以降ゲシュタルト体のままさ迷うことになる。

  • ヘンゼルとグレーテル
石の神殿で白の書を守る2対一体のマモノ。お互いを深く信頼しており、自尊心を高め合っていて、白の書を守る日々を誇りに思っている。ヘンゼルはニーアに殺され、グレーテルは茫然自失の日々を送るが、下等な小さなマモノたちの優しさに触れ、傲慢な自分を見つめ直すようになる。
ニーアと再戦した時のグレーテルの言葉には涙腺崩壊必至。

  • クレオ
マモノ狩りによってロボット山に追われた子どものマモノ。母はクレオを逃がすために囮になって殺された。
ロボット山の兄弟の兄が事故で死んだ際は同情するなど、優しく、素直で可愛らしい性格をしている。後にロボットのP33と出逢い、ピーちゃんと呼ぶほと仲良くなった。外の世界に旅立つ約束を交わすが、ニーアに殺された。
一周目では意味がわからなかったP33の行動も二周目以降で…

砂漠の狼達を統率する犬型のマモノ。詳細は項目にて。

  • ウェンディ
崖の村に出現したマモノ。
崖の村では、どういう経緯かは不明だが何体かのマモノが住民に融合して潜んでいた(崖の村は環境上強い日光が差さないので比較的生活はしやすい)。
しかし、正体を隠し切れてはおらず、魔物が入り込んだことが村全体に伝わってしまい、住民は化け物かもしれない隣人の恐怖におびえていた。
一方、マモノは崩壊体ではなく、安全に暮らしたいだけで中には家族と仲良く暮らしているものもいた*3
そこにマモノ絶対殺すマンことニーアが訪れたことで正体を現し、村全体がパニックに陥ってしまう。
その果てに生まれたのがウェンディであり、ゲシュタルト体どころかレプリカント体まで取り込んだ狂気と憎悪の塊である。
その敵意は全住民の総意として、混乱と死をもたらしたニーアに向けられることとなる。
ちなみに、そもそも偽りの手紙で崖の村に誘き出したのかは誰かは不明*4

  • グース
赤ん坊のマモノとその親が合体した集合体。外見はイノシシ。多くの同胞を殺したニーアたちに怒りを燃やしている。非常に子煩悩な所が窺い知れ、ニーアたちに襲い掛かるのも無理はない。
集合体となったマモノは自我が崩壊してしまうが、融合対象が自我の弱い赤ん坊だったためか融合するきっかけとなった憎い敵が目の前にいるためか、自我が保たれていた。
いくらダメージを与えても起き上がり、起き上がる度に密室に毒の霧をばら撒くという非常に凶悪な戦いを仕掛けてくる。プレイヤー的にはその前の追撃での即死の方が厄介だが。
仮面の王と相討ちとなって殺された。

  • 神の樹
神話の森の最奥にある御神木。その実態は、無害な魔素を利用したネットワークの端末の一つ。
本来であればただのシステムの一つに過ぎなかったが、長きにわたる稼働で魂を獲得。その魂が魔素と反応してマモノ化していた。
詳細は不明だが、魔素を通じて人間やレプリカントたちの記憶をプールしておく機能があった様子。
どうやらある時を境に記憶が流れ込まなくなってきた上にいつの間にかプールしていた記憶も消滅してしまったらしい。
魔素の精神干渉力を利用し、住民に信仰を与えていたらしく、管理機能が停止した後は信仰心が一気に地に落ちた。
ニーアに死の夢の元凶と判断されて殺された。その特異な立ち位置からか、当人(?)を含む作中人物が知らない何かを秘めていたようで、唯一ニーアを憎むことなく鍵を託すように満足して消滅した。
謎の多い作中イベントの中でも、ニーアたちがサウンドノベル世界に辟易して思考を放棄していることや半端に情報を開示してくるせいで謎度が高い。
ちなみに、端末が破壊されても記憶情報が全抹消されるわけでもネットワークが消滅するわけでもないらしく、それらは後に機械生命体が利用している。
+ 考察
記憶が流れ込まなくなった時期について、語られた範囲での出来事は5年程度で立て続けに起こった風ではないのでおそらく魔王の役割放棄は関係ない。
また、現在は全く記憶が流れ込んでこなくなったらしいことを考えると、きっかけはレプリカントの自我獲得と思われる。
レプリカントたちがシステムの歯車であった時は機能の一環として記憶を収集できていたが、獲得した魂が記憶と結びついて収集できなくなってしまったのだろう。

そして、その事態は神の樹自体にも適用される。
マモノ化した樹の中枢は、多くが失われたとはいえ莫大な記憶を保有している。そこに樹と密接にリンクした住民たちの魂が結合してしまい、本人ではない記憶故に本人では決して収束できず二度と目覚められない死の夢へとつながったと考えられる。
また、プールした記憶の消滅も、ニーアが観測した「記憶を貪るマモノ」というビジョンからして、マモノ化した当人が取り込んで消費してしまったと思われる。

最後に、この樹には決して見過ごすことのできない秘密が存在する。それは、決してありえないはずの描写。
何かというと最初のイベントの際の村長である。
死の夢に取り込まれた村人を助けに行く姿にデジャビュを感じたという。本人は気のせいだと言っているが、気のせいではなかったとしたら?
「並行世界とかあるんだからおかしくはない」と思うだろうが、少年期に分岐はない。つまり、異なる可能性などその時点で観測できるはずがないのである。
考えられるのは、DOD3の鉄塊などからうかがえる真実。世界そのもののループである。
作中世界群は、ニーアの世界から何かを経てDOD3の時代からやり直しているということが予想されている。そのループの持越しの中に、ネットワークに残された記憶があると思われる。
ただ、その場合は端末崩壊後にネットワークを扱っていた何者かがループの先に何らかの情報を送ったことになる。
「ネットワークに触れていて、彼方に情報を送った存在」というと機械生命体が候補に上がるが…。


  • ルイーゼ
設定資料集に掲載されているSS「人魚姫」及びver.1.2247…での追加シナリオに登場するマモノ。座礁した船の中で郵便配達員に発見された。彼がルイーゼにご飯を与えたり、読み書きや歌といった文化を教える中でお互いに家族愛のようなものが芽生えた。次第にそんな恩人とも言える郵便配達員に嫌われたくないと考えるようになり、人間(レプリカント体)になることに執着し始めた。そして人間になる手段として、海岸の街のレプリカントを食べるようになる。しかし、それが文字通り致命的問題であった。
合体もしていないただの1人のマモノに過ぎないが、強大な力を有していて流石のカイネもたじろぐほど。日中で体が消滅してもそれを上回る回復力を持つ・大きさは最大100mを超える(目測)など他のマモノと一線を画している。配達員がいなければ全滅していただろう。最後は配達員の「お前なんか……嫌いだ!!」という言葉と、ニーアの放った黒の槍を受け入れ消滅した。


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最終更新:2024年01月18日 22:52

*1 ヨナの精神崩壊が不可避である事実も、計画を実行してしまえば後の祭りなので障害にはならない。彼自身の戦闘力の多くは黒の書に依存しているので、計画後に機能停止させてしまえば彼が自棄になって大量虐殺を始めたとしてもアンドロイドが防げる。

*2 DOD3の発売はニーアの後であるが、横尾氏の中ではちゃんと全体が繋がっているらしい。

*3 もっとも、マモノの存在に怯える住人の存在を無視して平和に暮らしていると宣う辺り、既に思考回路が壊れつつあるともいえる。ニーアの出現で発狂し、我が子を襲うものまで出ているので、怯えていた住人の方が正しかったと思われる。

*4 マモノたちは事前にやってくることを察知していたが、誘き出すメリットが全くなく村人の姿で油断させて奇襲を仕掛けるでもないのでおそらく違う。一番怪しいのはデボルとポポルだが、贄がそこにあると確証を持っていないので厳しい。