宮内洋

登録日:2011/02/01 Tue 23:23:31
更新日:2024/03/15 Fri 09:15:28
所要時間:約 7 分で読めます





愛と、勇気と、正義と、希望。そういったものを与えるのがヒーローであります。


宮内洋とは、俳優である。

概要

1945年6月17日生まれ、千葉県出身*1
幼い頃から丹波哲郎と親交を持ち、高校卒業後弟子入りを目指すが丹波の勧めで大学に進学。
卒業後東映ニューフェイスとしてデビューし、71年にドラマ『キイハンター』で準レギュラーを獲得。
2年後の73年、『仮面ライダーV3』の主人公・風見志郎に抜擢される。


この作品が彼の人生を大きく変えた。


休日だったにもかかわらずオーディションに呼び出された彼はふてぶてしい態度で到着するが(オーディションだと聞かされずに呼び出されたらしい、ドアを蹴破って入って来たという証言もあるが本人は否定)、
逆に好感を得られて見事に役を手にする。
だが当時はまだ特撮の仕事がマイナーだったため、師匠の丹波はスーツアクターの仕事が来たと思ったらしい。
当然彼も『仮面ライダー』という作品を全く知らず、当時高級品だったビデオテープとビデオデッキを購入し役の研究に真摯に取り組んだ。
「危険なアクションもスタントなしでやりたい」と積極的にスタッフにかけあっており、現在ではV3の代名詞として知られている走行中のバイクの上で両手を離して立ちながら変身ポーズというシーンも彼自身の提案。
中でも爆破シーンには拘りがあったらしく(本人曰く「爆破シーンが大好き」)、撮影所長に「火薬をもっと出してくれ」と直談判までしたとのこと。
そして火薬の中でアクションすることも厭わないため、腕や足には小石が容赦なく打ち寄せ、一生ものの痣がいくらか残ってしまったという。
しかしそれを宮内は「アクション俳優としての勲章」と言って憚らず、「スタントマンが嫌がることをやるのが宮内洋」と毎度誇らしげに語っている。
おかげで次作『仮面ライダーX』以降の撮影がかなり過酷になったらしく、現場では「これくらい宮内は成し遂げたぞ!」と怒号が飛んだとかなんとか。速水亮氏からも『V3っていう火薬大好きのバカと比較されて大変だった』とボヤかれた

その甲斐あってかV3は大ヒットし、その後も特撮作品を中心に多くのドラマや映画・Vシネマに出演している。
中でも特撮作品については
  • ヒーロー番組は教育番組である
  • ヒーローが武器に頼ってはいけない*2
  • 風見志郎は食事をしない
  • ヒーローがだらしない格好をしない
  • 変身前に傷だらけになって苦戦する事で変身後のカタルシスを生み出し、視聴者に「痛み」を解らせる

等独特の美学を持っており*3、これらは近年の作品批判とも取れる上、実際に平成ライダーに否定的な発言をした例もある為に批判も多い。
だがV3が変身する時の掛け声をエコーが綺麗になるように「ブイスリャー!」と叫んだり、
役柄によって目線の高さを変えたりするなど細かな気配りをする辺りは、流石プロという意見が多数である。
また自分の演じたキャラクターのフィギュアが製作される時も、自分の服装と少しでも違うと正式なフィギュアとして認めないというこだわりも持っている。
余談だが、「バイスリー!」と叫んだ時は流石におやっさん役の小林昭二さんに叱られたらしい。
小林氏は後輩を大変可愛がっており、彼が亡くなった時の宮内氏は涙ながらに「おやっさんは死んでない!」と叫んだそうだ(但し、本人は否定)。

近年では、特撮ヒーローが長年続いてきた事に感慨深い気持ちがあるのか、上記の評判を知ってか、はたまた歳を重ねて丸くなったからか、最近のヒーローに対しても昔ほど辛辣ではなく、割合好意的な意見を述べている。
中でも『林修の今でしょ!講座』の仮面ライダー特集に出演した際は
  • V3はやはり火薬」「V3だから火薬も3倍」と爆破シーンについて熱弁を振るう
  • 前述した壮絶なエピソードの数々を満面の笑みで語る
  • ↑に唖然とした司会の陣内智則氏から「ドMってことでいいですか?」というツッコミに「MiyauchiのMですから」と小粋なジョークを返す
  • 「V3はバッタかトンボか」という話題になった際、隣に座っていた藤岡弘、氏に「バッタかい?トンボかい?」と詰め寄り、半ば強引に「バッタ」と言質を取る
  • 平成・令和ライダーの映像技術には率直な賞賛を送りつつ、陣内氏から「V3でももう適いませんか?」と尋ねられると「1番はV3です」「いつでもいらっしゃい」と対抗意識を燃やす
  • ザリガーナのしょぼい必殺技「甲羅崩し」について「(当時から見ても)おかしかったですよ」と即答
などのお茶目な姿を見せ、どちらかと言えば硬派なイメージを持っていたファンを驚かせた。

近年、『ミラーマン』関係のインタビュー企画で佐々木剛と共にゲスト参加し、主演の石田信之を激励した。
宮内は、当時は東映所属*4のために円谷プロ作品に一度も出演することができなかったので、常にライバルとして意識はしているが、裏を返せば無念さもあると語っている。
オリジナルビデオの『ウルトラマンVS仮面ライダー』では『ウルトラセブン』主演の森次晃嗣とインタビューに応じており*5
「ウルトラマンも不滅ですが仮面ライダーも不滅です」と、互いを認め合う趣旨の発言を行っている。

2008年には閉塞性動脈硬化症を患い、生命の危機に瀕するが、人工血管を入れる大手術をして一命を取り留める。
本人曰く「本当に改造人間になってしまった」とのことだが、その後の経過は良好で飲酒ができるまでに持ち直し、70を越えてもジム通いによる体型と足腰の維持を欠かさず行えるまでになっている。
今は悪いところはどこにもない。強いて言うなら頭が悪いことくらい」とジョークまで飛ばせるほど。
現在はテレビ俳優としての活動頻度は減っているものの、ファンイベントを回るためほぼ1週間丸々遠征するなど現在でもファンを慮った活動を続けている。

代表作

東映特撮作品にレギュラー出演する場合は風見志郎役を除き、オープニングでの紹介順が最後になる。

仮面ライダーシリーズ

宮内氏がV3として客演した作品

その他仮面ライダーシリーズ

  • 立花藤兵衛(仮面ライダー THE FIRST)

メタルヒーローシリーズ


スーパー戦隊シリーズ


その他



余談

  • 一時はアカレンジャー・海城剛役の誠直也氏と同じ事務所に在籍していたこともあり、近年はイベントで行動を共にする事が増えている。また、キカイダー・ジロー役の伴大介氏とも共演の機会が多い。
  • 水木一郎氏とはV3の歌唱指導の際に、水木氏から態度を咎められて口論に発展。しかし互いに言いたいことを言い合ったことで「コイツとは腹を割って話せる」「お互いに似ている」と感じたことから大笑いの後に和解。一転して親友となった。水木氏の訃報を聞いた時は流石に相当落ち込んでいたようである。


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最終更新:2024年03月15日 09:15

*1 出生地は中国の瀋陽、当時は満州国の奉天。

*2 ただしアオレンジャーやビッグワンやズバットは専用武器を持っているし、V3も戦闘員の武器を流用した事が何度もあった。武器に頼りきりになるのが良くないだけで使う事自体はOKといった意味合いだろう。

*3 因みにヒーロー番組は教育番組であるというのは東映も同じ考えで、ライダーやスーパー戦隊の俳優陣にはプライベートでも常に子供達に見られている事を意識して行動するように通達している。

*4 現在は東映が芸能事務所を廃止しているため、気兼ねなく他社の作品に参加している。

*5 両作品の初代がスケジュールの都合で参加できなかったための措置。2011年にBlu-rayが発売された際は特典映像として黒部進と藤岡弘、の対談が実現した

*6 続編「特救指令ソルブレイン」にも登場。更にその続編である「特捜エクシードラフト」にも同じキャラクターながら警視監として終盤でゲスト出演している。

*7 「ガオレンジャーVSスーパー戦隊」にも過去の戦隊ヒーロー達のまとめ役として登場。新命明・三浦参謀長と夢の共演を果たし、「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊」にも出演。

*8 主人公・二代目麻宮サキこと五代陽子の父親役として登場。彼女の出生に関わる重要な役どころを演じた。

*9 殺陣の際には忍者ハットリくんの様な青い忍装束を着ており、による戦闘を得意としていた。悪代官の屋敷に潜入した際、で突かれる事もあったが、吉宗に忠実なキャラで任務を全うしていた。しかし、吉宗を庇って撃たれ、死亡してしまう。