四聖獣(デジタルモンスター)

登録日:2011/10/22 Sat 11:55:40
更新日:2023/12/11 Mon 08:36:52
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四聖獣はデジタルモンスターに登場する組織、及び属するデジモンのこと。


【概要】

四神の中国語読みに由来するその名の通り、デジタルワールドの伝説の四聖獣(四神)として東西南北に鎮座し、その計り知れない力で神話の時代からデジタルワールドの安定を保っている4体である。

四聖獣にはいくつかの共通点があり、輝く四眼を持ち、体外に不死と絶大なパワーを生み出すという十二個のデジコアを浮遊させている*1

デジタルワールドを安定させる存在で自ら行動を起こすことはなく、それぞれが手足となる十二神将(デーヴァ)を三体ずつ使役する。
無駄な影響を与えないようにデジタルワールド深部=最外部(他のデジモン達とは違う空間)にいるため基本的に会うことはできない。

【各作品での四聖獣の扱い】

アニメ『デジモンアドベンチャー』(及び関連作品)

太一達の先代の選ばれし子供達のパートナーデジモン達が四聖獣になったと語られている。

本編第53話ではゴマモンを除いた5体のみがシルエットとして登場していた。

「デジモンアドベンチャー 15th Anniversary Blu-ray BOX」の初回限定特典ドラマCDで
  • アグモン →黄龍(ファンロンモン)
  • ガブモン →青龍(チンロンモン)
  • ゴマモン →白虎(バイフーモン)
  • ピヨモン →朱雀(スーツェーモン)
  • テントモン→玄武(シェンウーモン)
  • パタモン →四聖獣にならず、皆のバランスを保つのを見張る役割を持っていた
と詳細が公開された。

上述したようにシルエットではゴマモンがいない5体のみだったが、本編のテイルモンの様に、ゴマモンが途中で加わった可能性はある。
また、先代パルモンは元からいなかったか、テイルモンの様になんらかの切っ掛けで失われてしまったのかもしれない。

デジモンアドベンチャー tri.』では第4章「喪失」冒頭の回想シーンに登場。
子供達とデジモンは計5組。ホメオタシスの意思を受け、メガドラモンを除く4体が四聖獣への進化を果たす。
劇中では完全体→四聖獣のみの登場だったが、『デジモンリアライズ』ではメガドラモン以外の4体を意識したと思われる進化ルートが設定された。
  • カメモン→    ディノヒューモン→オロチモン   →シェンウーモン
  • ベアモン→    グリズモン→   ローダーレオモン→バイフーモン
  • エレキモン(紫)→タスクモン→   トリケラモン  →チンロンモン
  • ムーチョモン→  アカトリモン→  ヒポグリフォモン→スーツェーモン
メガドラモンがその後、ファンロンモンへの進化を果たしたかは不明。
また、上記で語られたパタモンに該当する存在がどうなったのかも不明。

ちなみに、この先代の選ばれし子供達の出来事は本編より10~20年程度しか前の話ではない。
だが、この時点ではデジタルワールドと現実世界は時価の流れが異なっているため、02のチンロンモンが太古の存在であるような描写ととくに矛盾することはない。

アニメ『デジモンテイマーズ

四聖獣の設定は基本通りだが、配下の十二神将(デーヴァ)はすべてスーツェーモンがデジモンのデータの残骸から作り出した存在で、十二体とも彼が使役している。

ゲーム『デジモンストーリー』

テイマーが主軸(※世界観のベースはセイバーズ)故か、それぞれのランクに応じたオブザーバーとして登場。
物語終盤で操られる形で戦うNPC限定。
本格的に仲間として使えるのはシリーズ3作目「ロストエボリューション」からとなる。



【四聖獣デジモン】


シェンウーモン

世代 究極体
タイプ 聖獣型
属性 ワクチン種
必殺技 霧幻(むげん):敵の周辺に濃い霧を発生させて幻影を見せ、敵の精神を破壊する。
得意技 黒雹
双竜波
方角:北
モデル:玄武
巨木を背負った双頭の亀の姿をしており、頭部は亀のようにも蛇のようにも見える。
(2つの頭部は微妙にデザインも異なっている)
四聖獣の最長老で温厚な性格の持ち主、水を変幻自在に操る。
他の四聖獣同様、伝説の存在で力は神に匹敵するといわれている。

部下の十二神将

  • ヴィカラーラモン(亥)
  • クンビラモン(子)
  • ヴァジラモン(丑)

アニメへの出演

:八奈見乗児
デジモンテイマーズに出演。
声はゲンナイさん。というか主人公のパートナーの中の人的には亀仙人といった所か。
大きく目立った出番はなかったがデジタルワールドを救うために尽力した。

ゲームへの出演

デジモンストーリーにおいて、ブロンズテイマーのオブザーバーを担当。
一人称は『ワガハイ』。
その容姿から主人公に驚かれたが、咎めるどころか「ヒャッヒャッヒャッ、すこしビックリしたかの~?」と受け流すほどのお茶目な好々爺として描かれている。
終盤ではBTテイマーズに操られて、トロピカしょとうのボスとして君臨する。設定上では水属性技の使い手だが、植物の特性を持っている為か作中では電気属性(ムシクサキ)の技を使ってくる。(まあ、初代はサクヤモンがクォ・ヴァディスを使ったりと覚える技が滅茶苦茶だったりするので気にしてはいけない。)
なお、アドベンチャー裏設定での進化前であるテントモンは本作ではオブザーバーの補佐を務めており、口調もアドベンチャー同様に関西弁である。

ロストエボリューションではプレイヤーキャラクターとして実装。テントモンではなく、ゴマモンの進化ツリーにおけるカメモンルートから進化できる。ここで設定通りの水属性使いとして扱われ始めた。



チンロンモン

世代 究極体
タイプ 聖竜型
属性 データ種
必殺技 蒼雷(そうらい):神の怒り。天空から激しい雷を落とす。
得意技 風絲華電(ふうしかでん)
雷神之舞
方角:東
モデル:青龍
雷の力を操り、雷に鎖が巻き付いた様な龍の姿をしている。
余程の事がない限り人間や弱者に協力せず、味方になることがない中立の存在。
聖竜三体と邪竜一体で構成される『四大竜』の聖竜の一体*2*3で、最も神格化されている。


部下の十二神将

テイマーズではいずれも強キャラポジションである。
  • ミヒラモン(寅)
  • アンティラモン(卯)
  • マジラモン(辰)

アニメへの出演

デジモンアドベンチャー02にて初登場。
声:小杉十郎太
前作の間は封印されていたが、ホーリーストーンをブラックウォーグレイモンに破壊され、子ども達のデジヴァイスの力に刺激されて解放された。
事の顛末を教え、無印組に完全体(二度目はアグモンを究極体に)に進化する力を与え、インペリアルドラモンへの進化の道を切り開く………など、今作のキーマンの一人と言える。

テイマーズにも登場しており、こちらでは設定通り中立を保っており、後先考えずに行き過ぎた行動をとるスーツェーモンをたしなめる。

ゲームへの出演

初代デジモンストーリーではメディアに初めて出演した四聖獣だけあって、ノーマルテイマーのオブザーバーとして登場。
一人称は『ワタシ』で性格は他のメディアとそう変わらない。
終盤ではBTテイマーズに操られて、てんくうパレスのボスとして君臨する。

ロストエボリューションではプレイヤーキャラクターに昇格するが、ガブモンからではなく、パタモン→エンジェモン→ホーリーエンジェモン→ゴッドドラモンを経てこの姿に進化する。




スーツェーモン

世代 究極体
タイプ 聖鳥型
属性 ウィルス種
必殺技 紅焔(こうえん):爆音とともに敵を灼熱の渦で包み、全てを焼き払う裁きの焔。太陽のプロミネンスに匹敵する。
得意技 煉獄爪
残火
方角:南
モデル:朱雀
四枚の翼と紅い体を持つ鳥の姿をしている。
常に炎を纏い、意味無く近づく者は焼き尽くされると言われているほど、性格は極めて荒々しい。
チンロンモンやバイフーモンのように中立ではなく、デジモン側に重きを置く。


部下の十二神将

  • サンティラモン(巳)
  • インダラモン(午)
  • パジラモン(未)

アニメへの出演

テイマーズに出演。
声:森山周一郎
テイマーズでは十二神将全てを従え、デジタルワールドを救うために、デジエンテレケイアー(クルモン)の捜索に向かわせる。
また、インプモンに契約を持ち掛け、力を与えてベルゼブモンにする。
十二神将達も主と同じく、デジモンが人間の力を借りて進化するのを良しとせず、任務と誇りのためにテイマーズと激突。
単独行動や行き過ぎた行動が多いためか、テイマーズに倒されたり、ベルゼブモンの糧となったり、小春になつかれたりと次々に部下を失い、最後は翼も失って、デ・リーパーに敵わず墜落してしまった。

ゲームへの出演

初代デジモンストーリーではゴールドテイマーのオブザーバーを務める。テイマーズでの立場を考えると中々感慨深い役所である。
一人称は「ワレ」で、主人公に対しては尊大かつ厳しい態度で接するが、洗脳から脱する為にソニックウェーブを放って主人公を吹き飛ばしてしまった際には気遣うなど無情なデジモンという訳ではない。
終盤ではBTテイマーズに操られて、ようがんリバーのボスとして君臨する。

ロストエボリューションではプレイヤーキャラクターに昇格。こちらではきちんとピヨモン→バードラモン→ガルダモン→ホウオウモンを経て進化する。恐らく本作では一番アドベンチャーでの設定に忠実だと思われる。



バイフーモン

世代 究極体
タイプ 聖獣型
属性 データ種
必殺技 金剛(こんごう):口から敵を金属化させる波動を放つ。
この波動を受けた者は動くこともできず、錆び、朽ち果てるまで死ぬことはできない。
得意技 鉄甲爪
青銅砲
棘輪尾
方角:西
モデル:白虎
鋼の属性を持つ虎の姿をしている。
他の四聖獣同様、神話の時代からデジタルワールドに君臨している。
また、四聖獣の中で一番若いながら、一番パワーがある。
チンロンモン同様、中立的存在で基本的に何かの味方をすることはない。
後述の誤植で唯一被害にあっていない。と思われたが…

部下の十二神将

  • マクラモン(申)
  • シンドゥーラモン(酉)
  • チャツラモン(戌)

テイマーズでは三匹とも好戦的な性格ではない上に、ロクな死に方をしていない。
特にシンドゥーラモン。

アニメへの出演

他の四聖獣と同様にテイマーズに登場。
声:辻新八
デ・リーパーを抑え込むために力を使い、初登場した際は唸り声をあげ即グロッキー状態に……
話すシーンも少なく、四聖獣の中で最も地味。

ゲームへの出演

初代デジモンストーリーではシルバーランクテイマーのオブザーバーとして登場。
人物像はテイマーズではあまり掘り下げられなかったのだが…。
なんと本作では一人称は『ボク』で本作では若々しく物腰が低い性格で、かつてクラヴィスエンジェモンの親友だったアルファモンが離反した事に心を痛めているという設定になっている。
本来の設定である中立の立場とはほど遠いのはこの際気にしないでおこう。
終盤ではBTテイマーズに操られて、カチコチさんみゃくのボスを務める事となる。戦闘ではなんとキュウビモンの狐龍炎を使ってくる。

ロストエボリューションではプレイヤーキャラクターに昇格。
ゴマモンではなく、青い虎柄の獣という特徴が強調されたのか、ガブモンから進化する。
なんと進化前は驚くなかれ、あのエンシェントガルルモンだったりする。
しかし、進化元のエンシェントガルルモンとバイフーモン本人のプレートが手に入るのはエンディング後である為、大抵のテイマーは最初に仲間になるガブモンをオメガモンに進化させてしまう事が多いのが玉に瑕。


【関連種】

ファンロンモン

方角:中央
モデル:黄龍

四聖獣をまとめ、デジタルワールド中央に鎮座しており、四聖獣がそれぞれの属性を操るのと同様にファンロンモンは“大地(世界)”の力を操る。

詳細は該当項目にて。

???

デジモンアドベンチャーにてパタモンは「5体のバランスを保つのを見張る役割」……他の聖獣が麒麟しか思い浮かばない……
でも、チィリンモンは完全体だし、究極体はスレイプモンだし…

ファンロンモンをある天使型デジモンが封印したという設定から、やはりパタモンは四聖獣同様にデジタルワールドの秩序を守る三大天使またはそれに準ずる天使型に進化した、というのが妥当だろうか。

デジモンストーリーでは四聖獣がそれぞれのランクに応じたオブザーバーを務めるが、何故かプラチナテイマーのみクラヴィスエンジェモンがオブザーバーを担当している。
つまり、彼こそパタモンの究極体なのではないかとも解釈できる。
カードゲームでは彼の進化前はホーリーエンジェモンとなっている他、設定ではデジタルワールドを崩壊させうる力を持っている為、候補に挙げられてもおかしくはない。


【誤植】

デジモンを語る上で欠かせないのが“誤植”である。ファンとしては欠かしたいものではあるが
四聖獣はそれらの一番大きく、最も有名な被害者であろう。

四大竜や四聖獣のリーダーと言っても過言ではないチンロンモンは、とある場所で、
チンチロモン
…何ともマヌケな名前になった。ざわ…ざわ…
チン○ンモンじゃなくてよかった

後にバイフーモンも、とあるゲーム内でイフーモンと誤植されていたことが判明した。

……が、これらは些細なものである。ただのタイプミスだろうしね。



次に紹介するものこそが、デジモン誤植界にて最も有名とされるものである。

その誤植とは、一部のゲーム機において
玄武っぽい亀形のデジモンの名前が スーツェーモン と表示され
朱雀っぽい鳥型のデジモンの名前が シェンウーモン と表示されていた
というものである。

それに気付いたバンダイは、以下の設定を公開した。

「長年蓄積されたデータを整理するために人間がデータを弄ったため、
 デジタルワールドの一部が消失し、位相のズレによって方位や名前が逆転した」

つまり「D-3やD-ターミナルで表示が違っているのはミスではなく、そういう設定だ」と主張したのである。
いくら影響が大きすぎるからとはいえ「仕様です」と言い張るのは…

しかも、記事によっては間違っていた状況を表す図が
「北:シェンウーモン:鳥のような姿のデジモン」だったり
「北:スーツェーモン:亀のような姿のデジモン」だったり
方位と名称は合ってるのか、方位と姿は合ってるのかも曖昧だったりした。

なお、攻略本などでは朱雀っぽいデジモンのイラストに「スーツェーモン(ゲーム上では シェンウーモン)」と書かれている。


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最終更新:2023年12月11日 08:36

*1 本来デジコアはデジモンに一つで、アンデット系や余程のデジモンでなければ体外に晒すことはない

*2 彼が四聖獣のみならず、四大竜の一員とされるのは、中国に四神同様に四方を龍が守護するという伝承があるため

*3 命名法則も四神と同じで、両者共に青龍がカウントされている