バルベリト(悪魔)

登録日:2012/03/16(金) 09:50:06
更新日:2023/04/28 Fri 04:56:05
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◆バルベリト◆

「バルベリト(Balberith)」はユダヤ/キリスト教の世界観から誕生した中世の「神秘学」や「悪魔学」で言及される悪魔
地獄の七大君主にも挙げられている。

堕天した智天使の一人にして「ソロモン72柱」では序列28位に置かれる、26の軍団を率いる地獄の公爵。
……場合によっては別の悪魔として分けられて記述されている事もあるものの、
一般的には同じく堕天使である「ベリト(ベリス)」と同じ悪魔とされる事が多く、「バアル・ベリト」とも呼びかけられる。

その名からも判る様に、偉大なるセム語族の主神バアルの御名から派生した悪魔の一柱とも考えられているが、
この悪魔の名が聞かれる様になったのは中世以降の事であり、特に起源に由来した伝承は残っておらず、
人間を殺人と冒涜に誘う「悪魔」らしい「悪魔」としてのキャラクターが付けられている。



【概要】

に乗った、若く勇猛な騎士の姿で出現する地獄の公爵(王冠を掲げた王ともされる)。
その姿とは裏腹に弁舌に長けた詭弁家であり、地獄の偽典長と大神官を務める。
人間と悪魔との間に交わされた契約を見守る地獄の記録保管室の支配者であるともされている。
嘘吐きが契約の管理者で良いのか?……と、思わないでも無いが、バルベリトの詭弁は悪魔に有利に契約を働かせる為の悪知恵の顕れなのだと解釈されている。

別名とされる「ベリト(Berith)」には鉱物の知識に長けた錬金術の悪魔としての性格が付けられており、召喚により術者に失われた鉱脈の知識を明かすとされている。
「ベリト」はポルフィ、ベアル、ボフィ等の別名のある赤い馬に乗った騎士であると考えられており、
上記の様に役割は一致していないが、姿と矢張りバアル神に由来する名前がバルベリトと同一視された理由である様である。

非金属を貴金属に変える悪魔として、錬金術師から信望を受けた悪魔であろう事は想像に難くない。


【悪魔の位階】

「バルベリト」に纏わる、ある意味で最も有名な伝承が17世紀に明かされた「悪魔の位階」の伝承だろう。
1610年にフランスのエクサン=プロヴァンスの修道院で、マドレーヌと云う修道女に悪魔が憑く事件が起き、神父セバスチャン・ミカエリスが悪魔祓いを行い、
その一団の一人として取り押さえたのがバルベリトであり、
この時にミカエリスに締め上げられたバルベリトは思わず、地獄の悪魔達の位階と名称を明かしてしまったと云う訳。


■第一階級
ベルゼブブ
レビアタン
アスモデウス
アスタロト
◆ウェリネ
◆グレシル
◆ソネイロン
◆バルベリト

■第二階級
◆カレアウ
◆カルニウェアン
◆オエイレト
◆ロンエル
◆ウェリエル

■第三階級
◆ベリアス
◆オリウィエル
◆イウウァルト


……以上が、バルベリトが明かしたとされる「地獄の階級」だが、何故か上位の階級の方が頭数が多かったり、何よりも耳慣れない悪魔が多いのが特徴で、
これらの事からバルベリトが逃がして貰う為に吐いたか、或いは教会を混乱させる為の「」であるとされる事が多い。
また、バルベリトは「聖バルナバが苦手である」と嘯いてもいるのだが、これも何処までが真実かは不明である。

※このエピソードは、元々は5世紀に偽ディオニシウスが制定したものの、
他の伝承との矛盾から「神学」に常に混乱を巻き起こして来た「天使の9階級」を皮肉る為に生み出されたともされている。

……しかし、これを書いたミカエリスの著作は創作として「面白くない」事で有名だそうな。


【主な登場作品】

ゲーム『女神転生』シリーズ
「堕天使」として複数の作品に登場。

漫画パタリロ!
ベールゼブブ配下の嘘吐き魔王ベリトとして登場。




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最終更新:2023年04月28日 04:56