帝モンスター(遊戯王OCG)

登録日:2010/03/11(木) 19:43:16
更新日:2024/04/21 Sun 17:52:10
所要時間:約 40 分で読めます





遊戯王オフィシャルカードゲーム(以下OCG)に存在するモンスター群。
すべて「○帝」と付いた上級・最上級モンスターであり、初登場はまだ「生け贄」が用語として使われていた第3期

立派な名前を頂くだけあって、強力な効果を持つモンスターが多い。
全員がアドバンス召喚成功時に発動する効果を持ち、星5~6の上級モンスターであり、攻撃力2400、守備力1000で統一されているのが特徴である。
また、上位種として星8で攻撃力2800、守備力1000の最上級帝も存在する。

攻撃力はリリース1体で召喚されるモンスターとしては十分。
効果も発動さえすれば優秀なものばかりなので、いかにしてアドバンス召喚するためのリリースを確保するかが彼らを使いこなすカギとなる。

ちなみに、各帝の名前は「○○てい〜」と言うのが正式名称だが、カテゴリ全体を指す場合は訓読みで「みかど」と読まれることが多い。
「てい」と読む人もいるが、Vジャンプなどを見る限りではKONAMI公式の読み方は「みかど」らしい。
後に魔法・罠カードのみではあるが「帝王」が正式カテゴリとなったことから、そのまま「帝王」と呼ばれることも。


帝紹介

+ 詳細は以下
『天を切り裂く雷』
《雷帝ザボルグ/Zaborg the Thunder Monarch》
効果モンスター
星5/光属性/雷族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動する。
そのモンスターを破壊する。

光属性の帝。
攻撃名は「ローリング・サンダー」効果名は「デス・サンダー」
アドバンス召喚に成功した時、モンスターを1体破壊する。
なかなか強力な効果だが、対応範囲や再利用されやすい点で「邪帝ガイウス」に劣る。
一応光属性・レベル5なので「セイクリッド・プレアデス」のX素材などとして差別化はできるのが救い。

なお、強制効果で全フィールド上を参照するため、「ザボルグ」しかモンスターがいない場合、自身が破壊される。
出すタイミングには気を付けよう。
進化形が自決推奨の効果になったのはのはだいたいこのせいだと思われる

記念すべき最初の帝なのだが、こいつだけ収録されたのが3期でレベルは5。
おまけに字レアだったので「EXPERT EDITION Volume.2」で再録されるまでスーレア版が存在しなかった。
1パックにアルティメットレア仕様のカードが多数封入され始めたのは4期からのため、アルティメットレア仕様も存在しない。
帝モンスターの開祖だが登場が少し早かったが故に他の帝と比べて統一感がなく、扱いにも若干不遇さが見える。
この当時はシリーズ化する予定はなかった可能性がある。

余談だが、2007年世界大会の準優勝者商品であるマッチキルモンスター「エンペラー・オブ・ライトニング」はザボルグにそっくり。
同じ雷族であり、名前を直訳すると「電光の皇帝」となることからこちらを意識したのだろう。


『凍てつく極冠』
《氷帝メビウス/Mobius the Frost Monarch》
効果モンスター
星6/水属性/水族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した時、フィールドの魔法・罠カードを2枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

水属性の帝。
攻撃名は「アイス・ランス」効果名は「フリーズ・バースト」
アドバンス召喚に成功した時、魔法・罠を2枚まで破壊できる。
他の帝と違って任意効果なので1枚、又は破壊しない事も可能。
そのため相手の場に除去できるカードが無くとも自滅せず、打点として出す事ができる。

除去できる枚数自体は他の帝よりも多いが、最近は「強制脱出装置」や「ブレスル」などのフリーチェーンカードが多く、空振りすることもしばしば。
また、1回でもこのカードを使うと相手はリバースカードをあまり伏せなくなるので、2枚目以降が腐りやすいという欠点もある。
3枚積みは控えた方がいいだろう。
性質上攻撃反応罠には滅法強い。

2番目に登場した帝であり、レベルが6になったのはこいつから。
おそらく「伝説の都アトランティス」の適用中にアドバンス召喚できなくなるのを防ぐための配慮だろう。

人造人間-サイコ・ショッカー」とは互換的な性能だったが、だいたい同じくらいの時期に環境から姿を消した。
現在だとペンデュラムスケールを2枚まとめて割れるのがそこそこ魅力的。

別に氷帝学園は関係ない。


『燃え滾るマグマ』
《炎帝テスタロス/Thestalos the Firestorm Monarch》
効果モンスター
星6/炎属性/炎族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動する。相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。
捨てたカードがモンスターカードだった場合、そのモンスターのレベル×100ダメージを相手に与える。

炎属性の帝。
アドバンス召喚に成功した時、相手の手札をランダムに1枚ハンデス。モンスターならレベル×100のダメージを与える。
相手の手札が0枚になる場面は少ないため、割と状況を選ばないで出していける。
強制効果だが、相手の手札が無ければ自分がハンデスされるという事も起こらない。

モンスターカードを捨てさせた場合、わずかばかりのバーンダメージがあるが、墓地にいた方が都合のいいモンスターを焼いてしまうと逆にピンチに。
とりあえず「暗黒界」が相手なら出してはいけない。

後に登場した「炎帝近衛兵」との関係は不明。

「炎帝」だが、別に唯一神は関係ない。
ネタで【ポケモン】を組むならばお父さんとともに使えるか。
出た当初は他に比べると場を打開してくれる効果ではなく地味だったせいか評価が低く、不遇な扱いをされていたという点では共通していなくもない。


『揺るぎない大地』
《地帝グランマーグ/Granmarg the Rock Monarch》
効果モンスター
星6/地属性/岩石族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドにセットされたカード1枚を対象として発動する。
セットされたそのカードを破壊する。

地属性の帝。
アドバンス召喚に成功した時、フィールドにセットされたカードを1枚破壊する。

セットされていればモンスターか魔法・罠を問わずに破壊できるが、やはり除外できる「ガイウス」に劣る。
テキスト上、魔法・罠をチェーンされると「セットされた状態ではなくなる」ため破壊できないという欠点もある。
「ガイウス」抜きにしてもモンスターなら「ザボルグ」の方が範囲が広く、裏守備でモンスターを出されることも減っているため、帝の中では優先度が低い。
また魔法・罠のセットカードの除去をしようにもチェーンされた表になっても破壊可能で、2枚破壊出来て自滅もしない「メビウス」に劣る。
2枚破壊する「メビウス」ですらチェーンされるのが悩みなのに、1枚しか除去できないこいつでは尚更響く。
効果をアテにするならば、「ランドロープ」でのサポートは必須。

しかし「E-HERO ダーク・ガイア」の融合素材として優秀なため、TF3では「ガイウス」共々覇王御用達。
どこで評価されるのか分からないのが遊戯王OCGの世界である。

岩石族だが、収録されたのは「THE LOST MILLENNIUM」ではなく「FLAMING ETERNITY」。


『吹き荒れる烈風』
《風帝ライザー/Raiza the Storm Monarch》
効果モンスター
星6/風属性/鳥獣族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。
そのカードをデッキの一番上に戻す。

風属性の帝。
アドバンス召喚に成功した時、フィールドのカード1枚をデッキトップに送る。
対応範囲は「ガイウス」と同等。

デッキトップへのバウンスはカードの再利用を許すが、見方を変えればドローロックに繋がる。
相手は次のターン、そのカードしかドローできないため、実質的にドローを1回潰したのと同じ効果がある

相手が次のターンに取れる戦術は「前のターンまでに準備しておいたもの」だけとなってしまうため、
元々対抗策を準備していなかった場合、攻撃力2400のライザーが丸々2ターン好きに暴れることができる。これは怖い。
「破壊」と異なり、「戻す」効果を防げるカードも少ないため、「スタダ」などで妨害もされにくい。

ドローロックを狙うならチェーンされると無駄になってしまう魔法・罠ゾーンのカードより、ほぼ確実に戻せるメインデッキに入るモンスターを狙いたい。
再利用されたところで場を打開できないカードや、凌ぐために仕方なく裏守備でセットしてきたようなカードが狙い目。
エクストラデッキのカードを対象にした場合デッキロックはできず再利用を許すことになるが、墓地から蘇生されたりコストにされることは無い。

なお「ザボルグ」同様、フィールド上に他のカードがない場合は自身が自分のデッキトップに戻ってしまうので、ちょっぴりドジっ子。
まあ、こちらは魔法・罠も対象にできるのでそのような状況は少ないだろうが。

第5期に登場したため、こいつのレリーフはイラスト全体に加工が施されている。
帝唯一の元制限カード。


『渦巻く悪意』
《邪帝ガイウス/Caius the Shadow Monarch》
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。
そのカードを除外し、除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、相手に1000ダメージを与える。

闇属性の帝。
アドバンス召喚に成功した時、フィールドのカードを1枚除外する。
さらにそれが闇属性モンスターなら1000ダメージの小さくないオマケ付き。
単純にして強力な効果のため、付いたあだ名が「除外ウス」「キチガイウス」。

「ライザー」と同じく破壊ではないので、破壊への耐性を無視できる。
また、除外されたカードを再利用する手段は少ないため、他の帝よりも格段に安心感がある。

なお、フィールド上に他のカードがない場合は例のごとく「ガイウス」自身が除外されるが、闇属性なので自動的に1000ダメージ与えられる。
ガガガガンマン」などのように、相手ライフが1000以下の場合はコレで勝負がつけられる。
ライフ100くらいになると鉄壁と化すアニメと違って、現実のデュエルでライフが1000を切るのは本当に危ない。

これまでの帝はパック出身だったが、ストラクチャーデッキの看板としてまさかの登場を遂げた帝。
帝モンスター初のストラク初登場だけでなく、上級モンスターがストラクの看板になるのも初であった。
このストラクチャーデッキ「帝王の降臨」はこれまでの帝も全て収録されたため、かなり人気があった。
何故か海外版ではコンセプトが【次元帝】から【次元ビートダウン】と大きくコンセプトが変わっているが。

アルティメットレアは海外版のみに存在する。

ここまでで6属性が揃っていることと、これ以降の帝がパッとしない奴らばかりであるなどから、彼らを「6帝」と称することも多い。
事実、下記の「新たなる帝」や「家臣」はこの6体を基準にしている。

『輝ける戦神』
《光帝クライス/Kuraz the Light Monarch》
効果モンスター
星6/光属性/戦士族/攻2400/守1000
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊し、破壊されたカードのコントローラーは破壊された枚数分だけデッキからドローできる。
(2):このカードは召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。

「ザボルグ」~「ガイウス」で6属性の帝が揃った後に登場した、7体目の帝。
フィールドのカードを2枚まで破壊し、持ち主にその枚数分ドローさせる効果を持つ。
これまでの帝とは異なり、召喚・特殊召喚でも効果を発揮できるが、召喚・特殊召喚されたターンには攻撃できない。

攻撃に制限がかかり、相手のカードを破壊するとドローされてしまうため、
他の帝と異なり邪魔なカードを割ってビートダウンする戦術には向かない。
むしろ「自分の不要なカードを破壊してドローを加速する」のが主な使い方。
例えば「早すぎた埋葬」でこいつを蘇生し、埋葬とこいつを破壊すれば、「強欲な壺」と同じ効果が得られる。

かつては、
①墓地の「フェニブレ」で墓地のこのカードを除外し、フェニブレを手札に戻す
②フェニブレを捨てて「D・D・R」を発動、除外されていたクライスを特殊召喚
③D・D・Rとクライスを破壊して2ドロー
といったループコンボが多数開発され、もっぱら1ターンキルのお供として今日も墓地とフィールドと除外ゾーンをぐるぐる回っていた。

最近は、後述の「アイテール」の効果で呼び出され、ドロー加速に貢献している。
「ブリリアント帝」では、用済みとなった「ブリリアント・フュージョン」を割って手札に変換できる。


『暗黒の覇王』
《闇帝ディルグ/Delg the Dark Monarch》
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1000
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、相手の墓地に存在するカードを2枚までゲームから除外する事ができる。
さらに、除外した数だけ相手のデッキの上からカードを墓地へ送る。
このカードは召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。

「クライス」と同じく召喚・特殊召喚に対応しているが、発動ターンに攻撃できない。
相手の墓地のカードを2枚まで除外という「ラプソディ・イン・バーサーク」のようなメタ効果を持つ。
しかし、その後で相手の墓地を肥やしてしまうため、イマイチ一貫性がない。

ライトロード(遊戯王)」や「インフェルニティ」のキーカードを除外するのが基本だが、結局同じカードを墓地に送ってしまう可能性も無きにしも非ず。うーん……
アドバンテージを得てるのかよくわからないカードな割に、攻撃できないデメリットはクライスと同じなため大変使い難い。

「不闇帝(不安定)」の謗りも受けているが、闇属性・魔法使い族でサポート自体は豊富。


『誘う漆黒』
《魔帝アングマール》
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した時、
自分の墓地の魔法カード1枚を除外して発動できる。
除外したその魔法カードの同名カード1枚をデッキから手札に加える。

PREMIUMPACK18で登場がアナウンスされた新たな闇属性の帝。
漫画版ARC-Ⅴで帝を操る沢渡が繰り出した。効果は墓地の魔法カードを除外して同名カードをサーチするというもの。

複数積まれているなら何でもサーチできるため効果自体は非常に強力。
ただ、アドバンス召喚でしか効果が発動できず、制限カードのサーチはできない点に注意が必要。

漫画では墓地の魔法カードを選択し、そのカードをコピーして発動するという物だった。
このままだと凶悪な制限カードも再利用出来てしまうので、OCG化に際しての弱体化は必然と言えよう。




新たなる帝

一時は環境デッキだったものの、アドバンス召喚の衰退と共に一線を退いた帝だが、
第8期になってからリメイクされた最上級の帝モンスターと、エクストラデッキの利用を制限するアドバンス召喚のサポートカードが出始めた。

最上級帝は共通点として、攻撃力2800/守備力1000の星8で、
アドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる効果と、対応属性のモンスターをリリースした場合に追加効果を得る。

リリース軽減には既に召喚した帝を利用できるので、あって困る効果ではない。

基本的に追加効果の発動まで狙いたいので、「始原の帝王」で補助するか、なるべくデッキ内の属性は絞りたい。
従来の帝デッキに無理をして入れるよりも、2体のリリース要員を用意できる属性デッキに対応属性のものを採用した方が良いこともある。

+ 詳細は以下
《剛地帝グランマーグ》
効果モンスター
星8/地属性/岩石族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
このカードがアドバンス召喚に成功した時、フィールド上にセットされたカードを2枚まで選択して破壊する。
このカードが地属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。
●デッキからカードを1枚ドローする。

「地帝グランマーグ」が生まれ変わった最上級帝。
破壊するカードが2枚に増えたが、相変わらずセットカードにしか対応できない
地属性をリリースすると追加効果でドローもできるが、やはり召喚反応罠などにかかるとリカバリーが難しい。
「冥帝従騎エイドス」や「冥帝エレボス」との兼ね合いを考えると、基本的に「怨邪帝ガイウス」が優先されるだろう。

「地帝グランマーグ」と同じく「ランドロープ」でサポートしたり、種族や属性を活かすなどの工夫が求められる。

最上級帝のトップバッターを飾ったカードだが、見ての通りあまり強いカードではない。
その上、スーパーレアという強気のレアリティで登場したためハズレアと評判が悪かった。
その後の最上級帝シリーズは持ち直すものの、トップバッターのこいつがコケたためかメビウスとテスタロスはレアリティダウンしレアでの収録となったため、スーパーレア仕様が存在しないという事態が発生した。
ある意味罪深い存在である。


《凍氷帝メビウス》
効果モンスター
星8/水属性/水族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
このカードがアドバンス召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カードを3枚まで選択して破壊できる。
このカードが水属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。
●この効果の発動に対して相手は選択されたカードを発動できない。
攻撃名は「インペリアル・チャージ」
効果名は「ブリザード・デストラクション」

「氷帝メビウス」が生まれ変わった最上級帝。
破壊するのが3枚に増え、しかも追加効果でチェーンを許さないため、安全に伏せカードを無力化できる。
水属性のリリース要員には、帝全般と相性の良い「黄泉ガエル」や「粋カエル」などがある。

大抵の罠は処理できるのだが「召喚を無効にする」カウンター罠には要注意。
「神の通告」は通用しないが、「神の宣告」や「神の警告」は喰らってしまう。


《爆炎帝テスタロス》
効果モンスター
星8/炎属性/炎族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
このカードがアドバンス召喚に成功した時、相手の手札を確認して1枚捨てる。捨てたカードがモンスターカードだった場合、そのモンスターのレベル×200ポイントダメージを相手ライフに与える。
このカードが炎属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。
●相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

「炎帝テスタロス」が生まれ変わった最上級帝。
ハンデスがランダムからピーピングハンデスになり、モンスターカードを捨てさせた時のバーンダメージが2倍になった。
さらに、追加効果で捨てたカードを問わず1000ダメージを与える。

「最上級テスタロスは2枚ハンデス」と予想されていたこともあったが、流石に遊戯王において2枚ハンデスは危ないためか、これまでの最上級と違い数量を増やすのではなく性質を強くすることで対応された
ダメージ量は増えているが、ハンデス枚数は「炎帝テスタロス」と変わらない。
効果自体は禁止カードである「押収」の強化版ではあるが、
召喚のしにくさから、ピーピングハンデスのリターンに見合うか評価が分かれている。
追加効果はわざわざ狙う程のものではないため、炎属性をリリースに含めるという部分はあまり意識せずに済む。

使うなら、後述の「エレボス」「アイテール」と組み合わせた先攻ハンデスを狙いたい所。


《烈風帝ライザー》
効果モンスター
星8/風属性/鳥獣族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚と自分または相手の墓地のカード1枚を対象として発動する。
そのカードを好きな順番で持ち主のデッキの一番上に戻す。
このカードが風属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。
●フィールドのカード1枚を対象として持ち主の手札に戻す事ができる。

《風帝ライザー》が生まれ変わった最上級帝。
フィールドからのデッキトップバウンス効果に加え、墓地からもデッキトップに戻せる。
また、追加効果でフィールドからもう1枚手札へバウンスする。

追加効果と合わせて2枚の除去は強力。相手の墓地から不要なカードを戻せば最大2枚のドローロックになる。
墓地利用を防ぐことができるし、自分の墓地からも戻せるためキーカードを再利用できる。

幻獣機デッキなら、トークンと一緒にリリースすることでアドバンス召喚しやすい。

第9期になってから登場したため、こいつ以降の最上級帝にはテキストに番号が振られており、レアリティもスーレアに固定された。


《轟雷帝ザボルグ》
効果モンスター
星8/光属性/雷族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動する。
そのモンスターを破壊する。
破壊したモンスターが光属性だった場合、その元々のレベルまたはランクの数だけ、お互いはそれぞれ自分のエクストラデッキからカードを選んで墓地へ送る。
このカードが光属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。
●墓地へ送る相手のカードは自分が選ぶ。

《雷帝ザボルグ》が生まれ変わった最上級帝。
モンスター破壊効果は進化前から全く進化していないが、破壊したモンスターが光属性だった場合、
レベル、ランク問わずその数値分『お互いの』エクストラデッキのカードを墓地に送る。

加えて、このモンスターのリリース元が光属性なら、相手のエクストラデッキを確認したうえで自分が選んで墓地送りできる。
この光属性対応効果は恐らくガイウスの対になるから追加されたのだろう。
ペンデュラム関係を除けば、エクストラデッキに直接干渉できる珍しいカード。
中でも自分のエクストラデッキに直接干渉出来るカードは非常に少ない。

自分のエクストラデッキも対象となるが、ミラクルシンクロフュージョンを使うタイプのデッキや波動竜騎士 ドラゴエクィテスを使うデッキの場合はエクストラのカードを複数枚能動的に落とせる手段となる。
ゲール・ドグラに比べると扱いにくいが、ライフコストがないのが利点である。

また相手の場に光属性がいなくてもこのカード自身が光属性なので、
アドバンス召喚に成功して自身を破壊すれば、ほぼ確実に相手のエクストラデッキから任意の8枚を墓地送りにできる。
光属性には幸い「フォトン・サンクチュアリ」という使いやすいアドバンス召喚サポートがある。

後述のサポートカードはエクストラからの特殊召喚を封じる効果持ちが多いので、
あえてエクストラデッキを0枚(or汎用カード数枚)にして戦うのもありだろう。

もっと細かい使い方は轟雷帝ザボルグの個別項目で。

進化前の強化が多い最上級帝の中では進化前のフィールドのモンスターを破壊する部分は強化されておらず、追加効果のエクストラ破壊がメインとなっている。
そのため進化前と運用目的が大きく異なる。
珍しいエクストラデッキを大量に破壊できる効果のため度々需要が上がる。


《怨邪帝ガイウス》
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。
そのカードを除外し、相手に1000ダメージを与える。
除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、そのコントローラーの手札・デッキ・エクストラデッキ・墓地から同名カードを全て除外する。
このカードが闇属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。
●この効果の対象を2枚にできる。

フィールドのカードを1枚除外し、それが闇属性モンスターならば同名カードをフィールド以外のあらゆる場から除外できるようになった。
闇属性にとって天敵ともいえる効果であり、首尾よくキーカードやエースカードを根こそぎ落とせれば大きなリターンを得られる。
ついでにバーン効果が対象の属性を問わなくなったので、確実にダメージを与えられる。

闇属性をリリースして召喚すれば2枚除外できるようになり、一気にフィールドのカードを削れる。
幸い《冥帝従騎エイドス》が闇属性なので追加効果は狙いやすい。場合によっては《冥帝エレボス》をリリースすることも選択肢に入る。
ややこしいが、2枚除外したとしても与えるダメージは1000で固定なので与えるダメージは進化前と変わらない。

進化前と同じく安定して強力なので最上級帝の中でも評価は高いが、やはり強制効果なのが唯一の難点。
先攻1ターン目に握っても使いにくさの方が目立ってしまうので採用枚数はよく考えたい。

なおこいつが収録された「ザ・シークレット・オブ・エボリューション」から一般パックにシークレットが復活したため、最上級帝で唯一シクレア版がある。




帝の上を行く帝

過去のストラクチャーデッキをリメイクしたストラク「真帝王降臨」にて登場した最上級の帝。
最上級帝とレベル・ステータスは同じで、アドバンス召喚したモンスターを使えばリリースが1体で済む。
後述の「帝王」カードをコストにした効果を2種類持ち、うち1つは帝モンスターのサポート効果になっている。

アドバンス召喚成功時の効果である(1)の効果発動時のコストはデッキのカードでもOK。
コストがコストになっていないような気もするが気にしてはいけない。

+ 詳細は以下
《冥帝エレボス》
効果モンスター
星8/闇属性/アンデット族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキから「帝王」魔法・罠カード2種類を墓地へ送り、相手の手札・フィールド・墓地の中からカード1枚を選んでデッキに戻す。
(2):このカードが墓地にある場合、1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに手札から「帝王」魔法・罠カード1枚を捨て、
自分の墓地の攻撃力2400以上で守備力1000のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

闇属性の最上級帝。
「始原の帝王」がベールを脱いだ姿。その大きさは他の帝たちを上回る威容である。
アドバンス召喚に成功した時の効果は範囲の広い対象を取らないデッキバウンス。
枚数こそ1枚とやや物足りなさを感じさせるものの、大半の耐性をすり抜ける除去かつ墓地・フィールドにカードがなければハンデスでもOKと圧倒的な利便性を誇る。
さらにデッキバウンスなおかげで「フィールドから離れた時・場合に発動する効果」の発動も許さないという利点も。

地味にアンデット族なので、アンデ以外のアドバンス召喚を封じるアンデットワールド下でも活動可能。
また自身が墓地にいるだけで「帝王」カードをコストとしたサルベージが可能。
自己サルベージするだけでなく、自分以外の帝までも対象にできるその器、まさに帝王。


《天帝アイテール》
効果モンスター
星8/光属性/天使族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキから「帝王」魔法・罠カード2種類を墓地へ送り、デッキから攻撃力2400以上で守備力1000のモンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。
(2):このカードが手札にある場合、相手メインフェイズに自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。
このカードをアドバンス召喚する。

光属性の最上級帝。
《真源の帝王》がベールを脱いだ姿。
アドバンス召喚に成功した時の効果は帝をはじめとしたモンスターのリクルート。
殴った後で手札に回収し、アドバンス召喚用の後続を用意できる。

指定してるのは帝ではなくステータスなので、意外なところでは地球巨人 ガイア・プレートダーク・シムルグなどもリクルート可能。エクストラ利用は縛られないためランク8エクシーズにもつなげられる。

手札にある時は連撃の帝王を内蔵し、自力で相手ターンにアドパンス召喚が可能。
サクリファイス・エスケープやデッキ圧縮だけでなく、第一の効果によってクライスを特殊召喚し、「アーティファクト・モラルタ」のような動きも可能。
ただし、クライスの効果はチェーン2以降になるとタイミングを逃すため、注意。
何かの効果にチェーンする形でなければ問題ない。


《邪炎帝王テスタロス》
効果モンスター
星10/炎属性/炎族/攻3000/守1000
このカードは相手フィールドのモンスター1体と、アドバンス召喚した自分のモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚した場合に発動できる。
相手の手札をランダムに1枚除外し、相手に1000ダメージを与える。
アドバンス召喚したレベル8以上のモンスターをリリースしてこのカードがアドバンス召喚した場合、さらに以下の効果を適用できる。
●フィールドのカード1枚を除外し、そのカードが炎・闇属性モンスターカードだった場合、その元々のレベル×200ダメージを相手に与える。

2023年発売の『DUELIST NEXUS』で登場した最上級帝モンスターの新入り。炎属性だが路線は炎と闇の合体方式。
壊獣宜しく相手フィールドのモンスターもリリースして巻き込めるようになったのが最大の特色で、実質モンスター除去も可能。
固有効果はアドバンス召喚に成功した場合ハンデス+1000バーンを与える誘発効果と、
召喚時にアドバンス召喚されたレベル8以上のモンスターをリリースした場合は、フィールドのカード1枚を除外し、それが炎・闇属性ならばその元々のレベル×200バーンを与える追加効果の2種類。
追加効果はモンスターカードを参照とするため、魔法・罠ゾーンに居座る炎・闇属性モンスターを対象にしても効果が発動できる。
帝モンスター中最大の攻撃力を得たためフィニッシャーとしても十分強力。




家臣モンスター

帝達をサポートする下級モンスター群。
最初にカード化されたのは「氷帝家臣エッシャー」だが、カテゴリーとなったのは「クロスオーバー・ソウルズ」で残りの家臣がカード化されてからになる。
「家臣」モンスター全員が自身を特殊召喚する効果を持つ。

また、「真帝王降臨」で登場した「従騎」モンスターは全員が自身以外の攻撃力800/守備力1000のモンスターを特殊召喚する効果を持っており、
ステータスも攻撃力800/守備力1000で共通している。

また「エッシャー」を除いた家臣は、アドバンス召喚のリリースに使われると発動する効果を持ち、
特殊召喚効果を使うとエクストラデッキから特殊召喚できなくなるデメリットがある。

従騎は少し毛色が違うが、特殊召喚効果を使うとエクストラデッキから特殊召喚できなくなるデメリットと、アドバンス召喚と関係した効果を持っているのは同じである。

+ 詳細は以下
《氷帝家臣エッシャー》
効果モンスター
星4/水属性/水族/攻 800/守1000
(1):相手の魔法&罠ゾーンにカードが2枚以上存在する場合、 このカードは手札から特殊召喚できる。

「氷帝メビウス」の家臣。
ジャンプビクトリーカーニバル2014のプロモーションカードとして登場した最初の家臣。
リリース要員だけでなく、シンクロやランク4エクシーズにも利用でき、「サルベージ」にも対応している。

他の家臣より先にカード化したためか、エクストラデッキからの特殊召喚を制限するデメリットや、アドバンス召喚のためにリリースされた時の効果を持たない。
そのため、家臣の中では若干浮いた存在になっている。


《雷帝家臣ミスラ》
効果モンスター
星2/光属性/雷族/攻 800/守1000
「雷帝家臣ミスラ」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。 このカードを手札から特殊召喚し、相手フィールドに 「家臣トークン」(雷族・光・星1・攻800/守1000)1体を守備表示で特殊召喚する。
このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた場合に発動できる。
このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにアドバンス召喚できる。

「雷帝ザボルグ」の家臣。姿からして恐らく女性。
他の家臣とは違い、特殊召喚効果には発動条件とコストが必要ない代わりに、
特殊召喚効果を使うと相手フィールドにトークンを生成する。

相手に利用される前にザボルグ等を呼んで破壊したい。(2)の効果で轟雷帝に繋げたりも出来る。
変わった所では光属性のトークンを押し付ける点を利用してA・O・Jに出張させる事も可能。

相手フィールドにトークンを生成してしまうのは基本的にはデメリットだが、裏を返せばフィールドが空であることが発動条件になるカードの発動を阻害することができるとも言える
また、そもそも《真帝王領域》の影響下であればトークンの利用方法は極めて限定的になるため、トークンを放置して問題になること自体がレアケース。
《天帝従騎イデア》《冥帝従騎エイドス》とは異なり召喚権を温存できる強みもあり、下級モンスター群の中ではこれらに次いで使いやすい1枚。可能な限り優先して投入したい。



《炎帝家臣ベルリネス》
効果モンスター
星3/炎属性/炎族/攻 800/守1000
「炎帝家臣ベルリネス」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札を1枚捨てて発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。
このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた場合に発動できる。
相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んでエンドフェイズまで除外する。

「炎帝テスタロス」の家臣。
手札1枚を捨てて特殊召喚出来、相手の手札をエンドフェイズまで除外出来る効果もある。
が、帝デッキでは手札を増やしにくいので使い所が難しい。
「ディアボリックガイ」や「ダッシュガイ」などの墓地発動可能なカードと組み合わせたい。
手札除外効果もピーピング付きとは言え、エンドフェイズには戻るので直接アドバンテージには繋がらない。
上級モンスター等のハンデスしたくないカードを先に除外しておけばテスタロスの効果を補助できる。


《地帝家臣ランドローブ》
効果モンスター
星4/地属性/岩石族/攻 800/守1000
「地帝家臣ランドローブ」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターを裏側守備表示にする。
このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた場合、「地帝家臣ランドローブ」以外の自分の墓地の 攻撃力800/守備力1000のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

「地帝グランマーグ」の家臣。
相手モンスターをセット状態にする事でグランマーグの効果で破壊出来る様にする。
また、リリースされると家臣をサルベージする効果を持つ。

厄介な永続効果、「ベエルゼ」などの破壊耐性、「アブゼロ」の様な
表側表示で場を離れる時に効果を発揮する連中を封じつつ、グランマーグに繋いで安全に処理出来る。

アドバンス召喚でリリースされると墓地の家臣もサルベージできるので後続に繋げやすいのも利点。
ただし、相手の場に表側表示がいないと腐ってしまうのが難点か。


《風帝家臣ガルーム》
効果モンスター
星3/風属性/鳥獣族/攻 800/守1000
「風帝家臣ガルーム」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのアドバンス召喚されたモンスター1体を持ち主の手札に戻して発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた場合に発動できる。
デッキから「風帝家臣ガルーム」以外の攻撃力800/守備力1000のモンスター1体を手札に加える。

「風帝ライザー」の家臣。
風属性らしく、帝を手札に戻して特殊召喚出来るので、帝の効果を再発動するチャンスが作れる。
リリースされたら後続の家臣をサーチ出来るのも便利。
ランドロープをサーチすれば次ターン、ランドロープの効果でガルームをサルベージ→ガルームの効果でランドロープサーチ、とアドバンテージを稼ぎながら動ける。


《邪帝家臣ルキウス》
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 800/守1000
「邪帝家臣ルキウス」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地のレベル5以上のモンスター1体を除外して発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた場合に発動できる。
相手フィールドにセットされたカードを全て確認する。
この効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

「邪帝ガイウス」の家臣。
(2)の効果で奈落等を躱しながら帝を安全に出せるのが魅力。
他の上級モンスターも恩恵に預かれる上、☆1なのでワン・フォー・ワン等でも出せる為、インヴェルズ等への出張要員としても優秀。

ただし、特殊召喚の際に墓地の上級モンスターを消費するため、序盤には出しにくいのが欠点。


《冥帝従騎エイドス》
星2/闇/魔法使い族/800/1000
「冥帝従騎エイドス」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。
このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにアドバンス召喚できる。
(2):墓地のこのカードを除外し、「冥帝従騎エイドス」以外の自分の墓地の攻撃力800/守備力1000のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
《冥帝エレボス》の従騎。
アドバンス限定の二重召喚を内蔵しており、墓地から除外することで家臣を蘇生させることもできる。
後述する《天帝従騎イデア》との相性は抜群でセットでの運用が基本になるが、単体で見ると《増殖するG》《灰流うらら》の二大手札誘発に引っ掛からないという強みがあり、初動の安定性ではむしろこちらの方が上。
《真帝王領域》や他のリリース要員とセットで握れればしめたもので、高確率で初動の展開を進めることができる。


《天帝従騎イデア》
星2/光/戦士族/800/1000
「天帝従騎イデア」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「天帝従騎イデア」以外の攻撃力800/守備力1000のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
このターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、除外されている自分の「帝王」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
《天帝アイテール》の従騎。
召喚・特殊召喚時に家臣をデッキからリクルートしてくることができる。
上のエイドスとの相性は最高で、イデアを召喚してエイドスをリクルートすればアドバンス召喚の権利を回復した上で二体のリリースが確保可能、
墓地のエイドスを除外してイデアを蘇生すれば召喚権を使わずにリリースが二体並ぶ。
「真帝王降臨」を買ったならばまずはこいつをサーチするために「増援」を入れよう。

(1)(2)のどちらも帝王においては非常に重要な効果になるが、一時的にとはいえ貴重な召喚権を割かなければならないのが難点。
特に1ターン目の展開において非常に痛い部分であり、《天帝従騎イデア》または後続の《冥帝従騎エイドス》のどちらかに妨害を撃たれるとそこであっさり展開が止まってしまうという脆さも抱えている。
そのため、《冥帝従騎エイドス》と共に帝王であっても採用を見送られるケースも珍しくなく、リリース要員を他で確保する初動の安定性をより重視した派生デッキも生まれている。





サポートカード

帝モンスターのアドバンス召喚を補助したり、サーチによって後続を確保していくれる便利なカード群。

一部のカードはエクストラデッキにカードがないことを参照するが、「真帝王領域」のような強力なものもある。

+ 詳細は以下
《進撃の帝王》
永続魔法
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドのアドバンス召喚したモンスターは効果の対象にならず、効果では破壊されない。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。

アドバンス召喚したモンスターに、ハムドオベリスクのような強力な耐性を与える。

召喚後は実質バニラになってしまう帝だが、《真帝王領域》や《帝王の溶撃》は帝モンスターの維持が条件になっているので、間接的にこれらのロックを強固にできる。
相手側としては、EXデッキからの展開や場のモンスター効果を封じられた上で、耐性を突破できる除去手段や2800以上の打点を用意しなければ盤面を崩せないので、対処手段が大きく限られることになる。
ロックに重点を置いた構築であればピン刺ししておくと心強い1枚。
自身の効果でも破壊できなくなるため轟雷帝ザボルグで自身を選択できなくなることには要注意。

イラストは「地帝グランマーグ」を中心として「氷帝メビウス」「炎帝テスタロス」「風帝ライザー」「雷帝ザボルグ」「邪帝ガイウス」の6体の帝が描かれている。


《帝王の開岩》
永続魔法
「帝王の開岩」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法・罠ゾーンに存在する限り、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):自分が表側表示でモンスターのアドバンス召喚に成功した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●そのモンスターとカード名が異なる攻撃力2400/守備力1000のモンスター1体をデッキから手札に加える。
●そのモンスターとカード名が異なる攻撃力2800/守備力1000のモンスター1体をデッキから手札に加える。

アドバンス召喚の成功時、上級か最上級の帝をサーチできる永続魔法。
デメリットとしてエクストラデッキからの特殊召喚ができなくなる。
リリースによって失ったアドバンテージを即座に回復することができる。

他のサーチ対象には、このカードがある限りエクシーズには使えないがモンスターをアドバンス召喚すると特殊召喚できる「イリュージョン・スナッチ」
帝と同じように通常召喚が必須でモンスター効果を封じる「威光魔人(マジェスティー・デビル)
デッキによっては簡単に特殊召喚できる「ダーク・アームド・ドラゴン」や「地球巨人 ガイア・プレート」などがある。
構築次第で採用枚数が最低の1枚から最大の3枚とガラッと変わるカード。採用枚数は実際に使用している構築のタイプを踏まえて考えたい。
構築によってはこのカードが事故要因になる上、効果を2回使わないとアドバンテージはプラスにならないのがネック。
変わった使い方としては、帝の召喚にチェーンして効果を発動することで、相手妨害のタイミングを逃させるといった芸当ができる。

イラストは「剛地帝グランマーグ」が描かれている。名前は「開眼」との語呂合わせか。


《帝王の凍志》
通常罠
(1):自分のエクストラデッキにカードが存在しない場合、自分フィールドのアドバンス召喚した表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターは効果が無効になり、このカード以外の効果を受けない。

一切の効果を受けない強力な耐性を与えるが、対象のモンスター効果も無効となってしまう。

帝は召喚時効果しか持たないため、召喚後はバニラ同然のの帝モンスターの他、高ステータスで召喚しやすい光神機などとの相性が良い。
完全耐性は強力だが、罠カードであることと、アドバンス召喚時の効果を無効にしてしまうこと、発動するのにエクストラデッキ0枚を前提とするなどリスクも大きい。

イラストは「凍氷帝メビウス」が描かれている。名前は「闘志」との語呂合わせか。


《帝王の溶撃》
永続罠
自分のエクストラデッキにカードが存在せず、自分フィールドにアドバンス召喚したモンスターが存在する場合にこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法・罠ゾーンに存在する限り、アドバンス召喚したモンスター以外のフィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。
(2):自分エンドフェイズに自分フィールドに、アドバンス召喚したモンスターが自分フィールドに存在しない場合にこのカードは墓地へ送られる。

アドバンス召喚したモンスター以外にのみ効く「スキルドレイン」。「帝王の凍志」と同じくエクストラデッキ0を前提とする。
相手の大半の効果発動を封じつつ自身の帝は効果を使い放題と非常に強力。これ1枚で機能不全に陥るデッキも少なくない。
ただし、フィールド以外での効果発動は可能なこと、帝以外でもあえてアドバンス召喚を行えば自由に効果を使えるなどいくつか抜け道もある。
また、帝はともかく従騎の効果も封じられてしまうのが難点。考えなしに発動すると自分の首を絞めることになるので、発動タイミングは見極める必要がある。

(2)の効果によりアドバンス召喚したモンスターをコントロールしていないと自壊してしまうが、これが発動するのは自分エンドフェイズ時。仮に相手ターンに自分のモンスターをすべて除去されても(少なくともそのターンは)そのまま残り効果を封じ続けるため、ほとんど気にする必要はない。


イラストでは「爆炎帝テスタロス」が描かれている。名前は「要撃*1」または「邀撃*2」との語呂合わせか。


《帝王の烈旋》
速攻魔法
「帝王の烈旋」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(1):このターン、アドバンス召喚のために自分のモンスターをリリースする場合に1度だけ、自分フィールドのモンスター1体の代わりに相手フィールドのモンスター1体をリリースできる。

「クロス・ソウル」と比較すると、アドバンス召喚するだけならバトルフェイズができるという点で上位互換。ただしあちらは一ターンに複数枚利用できアドバンス召喚以外のリリースにも扱える。
速攻魔法なので「アイテール」や「連撃の帝王」との相性もいい。

リリース要員の確保と相手モンスターの除去という2つの役割のこなせる優秀なカード。
除去として見た場合「対象を取らないリリースという形での除去」であり、その除去性能の高さは溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム壊獣ラーの翼神竜-球体形等と同列に扱われるほど。
欠点として、魔法カードの効果を受けない・効果を受けない耐性は突破できないこと、このカード自体を無効にされることは十分あり得ることなどがある。
その優秀さから複数枚投入が推奨されるが、先攻1ターン目に引いてもあまり使いどころがないのは玉にキズ。
ライトニング」なしでは突破に苦労する「RR-アルティメット・ファルコン」にも対処可能なのは心強い。

イラストは《烈風帝ライザー》が描かれている。


《帝王の轟毅》
速攻魔法
(1):自分フィールドのレベル5以上の通常召喚された表側表示モンスター1体をリリースし、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、属性を1つ宣言して発動できる。
フィールドの全ての表側表示モンスターは、ターン終了時まで宣言した属性になる。

上級モンスターをリリースすることで、フィールドの表側表示のカードの効果を無効にする。
モンスター効果だけでなく魔法や罠カードの効果も無効にできるが、当然モンスターをリリースすると場が空いてしまうので、他にフォローできるカードを用意しておきたい。
他のカードと違い、別にアドバンス召喚したモンスターである必要はないため、妥協召喚できる上級モンスターなども使える。
地味にキャントリップ付きなので手札に詰まった時にも使える。

さらに墓地のこのカードを除外することでフィールドのモンスターの属性を変更できる。
これにより、属性がバラけたデッキでも「轟雷帝ザボルグ」など、最上級帝が持つ追加効果の発動を狙える。
なお、怨邪帝ガイウスの効果は発動できないので注意(除外した時に属性が元の物に戻っているため)。

イラストは「轟雷帝ザボルグ」が描かれている。


《始源の帝王》
永続罠
(1):このカードは発動後、効果モンスター(悪魔族・闇・星6・攻1000/守2400)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する。
このカードは罠カードとしても扱う。
(2):このカードの効果でこのカードが特殊召喚した場合、手札を1枚捨て、属性を1つ宣言して発動できる。
このカードは宣言した属性として扱い、このカードと同じ属性のモンスターをアドバンス召喚する場合、2体分のリリースにできる。
(3):このカードの効果で特殊召喚されたこのカードが存在する限り、自分はこのカードと同じ属性のモンスターしか特殊召喚できない。

罠モンスターの1つ。
さらに手札を捨てると属性を変更してダブルコストモンスターとなる。
モンスターとしてのステータスはガイウスの攻守を入れ替えたものになる。

最上級帝のリリース要員になり、追加効果も発動できるため、サポートとしては上々。
変わった扱い方では神属性を指定して相手に送り付けることで一部を除いた特殊召喚を封じることができる。


《連撃の帝王》
永続罠
(1):1ターンに1度、相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにこの効果を発動できる。
モンスター1体をアドバンス召喚する。

1ターンに1度、相手ターンのメインフェイズと相手ターンのバトルフェイズにアドバンス召喚ができる永続罠。

「血の代償」と比べると、自分のターンには使えず1ターンに1度のみだが、相手ターンのメインフェイズに発動でき、ライフコストもない。
そのため、モンスターが出てきたところで帝モンスターを召喚し、除去効果で妨害することができる。

イラストは「爆炎帝テスタロス」と「凍氷帝メビウス」が描かれている。


《帝王の深怨》
通常魔法
「帝王の深怨」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):手札の攻撃力2400/守備力1000のモンスター1体
または攻撃力2800/守備力1000のモンスター1体を相手に見せて発動できる。
デッキから「帝王の深怨」以外の「帝王」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

手札の帝を見せることで「帝王」魔法・罠のサーチができる通常魔法。
帝王カテゴリに属していればとにかく何でもアクセスできる万能サーチ魔法であり、派手さはないが帝王デッキを支えるキーカードの1枚。

「汎神の帝王」との相性が抜群で、汎神でドロー→汎神効果で深怨3枚見せて深怨サーチ→深怨で汎神サーチの流れでデッキを大幅圧縮可能。
同じアドバンス召喚テーマである【クリフォート】に搭載するのもアリだろう。

イラストは《邪帝ガイウス》が描かれている。名前は「深淵」の語呂合わせか。


《真帝王領域》
フィールド魔法
(1):自分のエクストラデッキにカードが存在せず、自分フィールドにのみアドバンス召喚したモンスターが存在する場合、
相手はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):自分のアドバンス召喚したモンスターの攻撃力は、相手モンスターに攻撃するダメージ計算時のみ800アップする。
(3):1ターンに1度、自分メインフェイズにこの効果を発動できる。
自分の手札の攻撃力2800/守備力1000のモンスター1体を選び、そのモンスターのレベルをターン終了時まで2つ下げる。

条件を満たすことで相手に強力な制限をかけられるフィールド魔法。
エクストラデッキが0枚で、自分フィールドのみにアドバンス召喚したモンスターが存在する場合、相手はエクストラデッキから特殊召喚できない。

主力カードをEXデッキに詰め込んでいる現代のデッキにとってはまさに天敵と言える効果。まずはこのロックをどうにかしない限り何もできないというデッキも少なくない。
とはいえEXデッキにさほど依存していないデッキがあるのも事実で、刺さるデッキにはとことん刺さる一方で刺さらないデッキにはまったく刺さらないのは致し方なしといったところ。

また、攻撃時のパンプ効果も+800と、なかなか無視できない上昇率。
手札の最上級帝のレベルを下げることで、一体分のリリ-スで召喚できるようになる効果もある。

環境上位だった帝デッキ抑制のため2016年4月1日の改訂で制限カードになったが、同年10月1日から準制限カード、2017年10月1日に制限解除された。

イラストには「始原の帝王」と、それに忠誠を誓うように跪いている帝たちが描かれている。


《真源の帝王》
永続罠
「真源の帝王」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード2枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから1枚ドローする。
(2):このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。
このカードは通常モンスター(天使族・光・星5・攻1000/守2400)となり、
モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。

帝王魔法罠用のプチ貪欲……だがなんと永続罠なのでフリーチェーンで使える。

それよりも重要なのは(2)の効果。墓地リソースを除外してモンスターとして復活する。
ステータスはザボルグの攻守を入れ替えたもの。なので帝系列にしては珍しくレベル5になる。

好きなタイミングで蘇生できるリリース要員としての便利さは言うまでもなく、帝としては邪道だが、光レベル5なので「セイクリッド・プレアデス」のエクシーズ素材にもなる。
コストとして墓地リソースの除外を要求されるが、天帝従騎イデアの(2)の効果を発動すれば除外ゾーンの帝王カードをサルベージできるため、これを逆手にとってあえて欲しいカードをコストにし、除外ゾーン経由で手札に呼び込むといった芸当も可能。
なお、1ターンに1度の制限がついてはいるが、この手の効果にしては珍しく繰り返し使用できる。


《汎神の帝王》
通常魔法
「汎神の帝王」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札の「帝王」魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「帝王」魔法・罠カード3枚を相手に見せ、
相手はその中から1枚選ぶ。そのカード1枚を自分の手札に加え、残りをデッキに戻す。

「帝王」魔法・罠をコストにするトレード・イン。
墓地で効果を発揮する「真源」の帝王を捨てれば無駄がない。
さらっとこちらの効果には1ターン内での発動制限が掛かっていない。

後半の効果は、墓地から除外することで「帝王」魔法・罠をサーチするというもの。
サーチ先にサーチカードの「帝王の深怨」があるので実質万能サーチである。
同名カードもサーチでき、パワー・ツール・ドラゴン方式のサーチなので同名カードを3枚見せれば確定サーチになる。なんてパワーカードだ。

帝デッキでは実質的に「強欲な壺」と同等の手札補充となるパワーカード。
さらに、連発可能なドロー能力を買われて1ターンキルを行うマジエク帝にも使われてしまったため、2016年4月1日の改訂で制限カードとなったが2018年1月1日の改訂で準制限カードになった。さらには2018年4月1日の改訂で無制限カードに戻っている。輪廻天狗やサモプリ、貪欲の解除も合わせると、アドバンスプッシュということだろうか……?


《再臨の帝王》
装備魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地の、攻撃力2400/守備力1000のモンスター
または攻撃力2800/守備力1000のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
(2):モンスターをアドバンス召喚する場合、装備モンスターは2体分のリリースにできる。

守備表示限定なため攻撃要因として扱うには1ターン待つか表示形式を変えるカードを用いなくてはいけない。専ら最上級帝を出すコストとして扱うことになるだろう。帝王モンスターは効果無効化の影響が殆ど無いのでデメリット効果はあまり気にならない。




【相性のいいカード】

《黄泉ガエル》や《粋カエル》を利用してリリース要員を確保する。

  • 次元ギミック
次元帝】を参照。

  • ジェネクス
《A・ジェネクス バードマン》をリリース要因として使用でき、黄泉ガエルを手軽に墓地に落とせる《ジェネクス・ウンディーネ》
それからサーチ出来る《ジェネクス・コントローラー》も便利。
レベル3ジェネクス+ガイウスでクロキシアンを出して相手モンスターを永続コントロール奪取する事も。

  • 《ダーク・アドバンス》
漫画ARC-Vで沢渡が使った罠カード。
墓地に落ちた攻撃力2400以上/守備力1000のモンスターをサルベージし、そのままアドバンス召喚出来るというもの。
「帝王」カードではないがどう考えても帝サポートである。
単純に墓地に落ちた帝を効果発動させつつ復活させると考えれば強力だが、「帝王」カードではない為サポートが受けられないのがネック。
なお、漫画では帝をアドバンス召喚扱いで蘇生するという効果だった。そのままだと処理がややこしすぎるのでサルベージ+アドバンス召喚になっている。

エクストラデッキの使用を制限するデメリットがいくつかの「帝」サポートと重複していることと、属性依存ではない全体強化が可能なことから一考の余地がある。

忘れられがちなモンスターを特殊召喚する効果・墓地を肥やす二次作用のどちらも好相性。
帝デッキにとってはとてもありがたい「召喚権を温存してデッキからリリース要員を呼び出せる効果」であり、多少の博打になっても通すことができればリターンは大きい。
デッキから飛び出てくるのが帝モンスターになる可能性は大いにあるが、余程帝モンスターの採用枚数を絞ってなければ1~2枚程度はリリース要員として使い捨てにしてしまっても問題はない。もちろん下級モンスターを呼び出せれば万々歳。
モンスターのレベルも主に1・2・6・8とそこそこバラけているので、推理を当てられるリスクも低めと、意外と好条件が揃っている。
墓地肥やしについても《汎神の帝王》《真源の帝王》が落ちれば即座に効果発動でき、《冥帝エレボス》が落ちてしまっても手札次第ではサルベージから召喚に繋げられる。その他魔法・罠カードも墓地から除外ゾーンに送りさえすれば《天帝従騎イデア》の効果でサルベージが狙える。

  • 《アンカモフライト》
自身を破壊する代わりに1ドローするペンデュラム効果、EXデッキに他のカードが存在しない場合にEXデッキから自身を特殊召喚するモンスター効果を持つ。
後半のモンスター効果の特徴から、ペンデュラムモンスターでありながらEX0枚の帝王デッキと相性が良いという特異なカード。
効果がスムーズに通れば1ドロー+召喚権を温存してフィールドにモンスター1体の計2アドバンテージを稼げる、帝王にとっては理想的ともいえる潤滑油。

しかし、欠点となるのが魔法・罠ゾーン→EXデッキ→モンスターゾーンという一連の動きそのもので、
これが各種帝王サポートの「EXデッキから特殊召喚できない」「EXデッキにカードが存在しない」といった発動条件とことごとく競合する。
どちらのカードを発動するか二者択一で選ばなければならなかったり、EXデッキにこのカードが残ってしまうことで帝王サポートの効果が無効になってしまったりといったリスクがある。

一見平凡なようでその実非常に扱いが難しいハイリスクハイリターンなカードで、採用するかどうかは構築や好みで分かれるところ。

11期問題児集団の一角「クシャトリラ」カテゴリの効果モンスター。
1つ目のポイントは攻2800/守1000の帝ステータスであること。
しかし単に帝ステータスというだけであれば他に有用なカードはいくらでもあるのだが、このカードのもう1つのポイントは(1)のクシャトリラ共通効果にある。
召喚権を使わずチェーンブロックを組まず非常に緩い条件で特殊召喚可能なので、帝ステータスの最上級モンスターでありながらこれ自体がリリース要員としても抜群に使い勝手がいいという全く別の顔を併せ持つ。
カード1枚で最も重要な2つの役割をその場の状況に応じて使い分けられるため、事故率の低減に大きく貢献してくれる。
OCGの方では禁止になってしまっているがマスターデュエルでは制限として生き延びている《クシャトリラ・フェンリル》からのサーチに対応しているのも強み。ちなみにその《クシャトリラ・フェンリル》も汎用カードとして当然採用できる。

最上級モンスターとして見ると本家帝と異なり直接アドバンテージを得ることができないのがやや弱い。(3)の効果で最低限の仕事はこなせるといったところか。
出張パーツとして使う以上(2)の効果がインクの染みと化してしまうがこのあたりは仕方のないところだろう。


【帝を組みたい】

という方にお勧めなのはやはり帝ストラクであるストラクチャーデッキR「真帝王降臨」だろう。
初期の帝六体が勢ぞろいし、帝王サポートカードや家臣もフル投入。
再録枠にもソウル・チャージやマスマティシャン、バトルフェーダーに虹クリボーなどの有用なカードが入っている。
エクストラデッキ無しでも戦えるので3000円でデッキが完成する

「怨邪帝ガイウス」などの最上級帝や「クライス」は入っていないため、
さらなる強化を望むならその辺を適宜購入するといいだろう闇帝? 知らんな

ちなみにリメイク前の「帝王の降臨」も名ストラクとして知られ、3つ買えば十分なデッキになる商品の先駆けともいえる存在であった。
パーツ単位でも強力な再録カードを抱えており、当時の大人気商品に。
売り切れも多発したため、入手に苦労したデュエリストも多いのではなかろうか。
3つ買ってからザボルグとかグランマーグを首にした人は、たぶん時効成立済みなので謝罪しましょう。


【弱点】

  • エクストラデッキの制約
いわゆる【0帝】と呼ばれる構築で生じる問題。
《真帝王領域》や《帝王の溶撃》の効果条件を満たすためにエクストラデッキを0枚にするという非常に珍しい構築であり、それがそのままデッキ名の由来にもなっているのだが、そのせいで高確率でデュエル開始時点で相手に戦術がバレてしまう
エクストラデッキに依存しないテーマ自体は今でもそこそこあるのだが、墓地に送るだけで効果が発動できるカードの存在や、壺系ドローソースのコストにするといった用途があるため、やはりエクストラデッキを完全に0枚にするというのは余程特殊な事情がない限りあり得ない。
エクストラデッキからの展開はできず、その他の用途での利用もできず、情報面でも不利を背負うという三重苦になってしまっている。
  • 汎用札を積み辛い
上記のエクストラデッキの制約とも関連するが、単純計算で通常のデッキより15枚分枠が少ないため、汎用札を入れる余裕が少ない。当然その分デッキパワーは落ちてしまう。
  • 妨害に対する弱さ
「リリース要員を場に用意して帝モンスターをアドバンス召喚する」というシンプルな動きのため、相手側からするとどこに妨害を撃てば止まるかが非常に分かりやすい。
アドバンス召喚が必須で特殊召喚では代替が効かず、妨害で召喚権を失ってしまうと取り返しがつかないのだが、その割に召喚権を増やせるサポートにも乏しい。
特に手札誘発が妨害の基本になって久しい現代では先攻1ターン目でもまったく油断できず、かといって対策カードを積む余裕もあまりなく、なんとか枠を確保するか相手が手札誘発を握っていないのをお祈りするしかない。
構築を工夫することである程度はカバーできるが、ぶっちゃけ家臣従騎をバッサリ切り捨てて汎用カードや他テーマのギミックに頼るという解決策になる。

総じて、帝モンスターの効果や《真帝王領域》を初めとする一部のサポートは今でもそこそこ通用する性能だが、その他多くの魔法罠や家臣従騎が完全に力不足になってしまっているという状況である(9期に今の原型が成立したテーマなので当然と言えば当然ではあるが…)。2023年には《邪炎帝王テスタロス》の登場が話題になったが、実際に今でも細々と帝を使い続けているユーザーからは「新規帝はいいから新規魔法罠や下級の方をくれ」ともっぱら不評なほどであった。

【歴史】

第4期に成立し、コンボ性が強いながらも安定した除去能力から広く使われてきた。
長らく【スタンダード】という名のグッドスタッフが主流だった環境に一石を投じた記念碑的なデッキでもある。

かつては「ガエル帝」などの帝デッキがそれまでのグッドスタッフデッキを蹴散らしてトップデッキとなり、
2007年世界大会ではトップ8だけで43枚の帝が採用されていた。

だが、シンクロ召喚エクシーズ召喚の登場で環境が加速し、アドバンス召喚頼みの帝はどうしても遅さが目立つようになった。
現在では残念ながら帝デッキ自体が一種のファンデッキになってしまっている。
次元帝の項目もご覧頂きたい。

……しかし、最上級帝やエクストラデッキへの制約を要求するものの優秀なサポートカードの帝王や家臣の登場で地味ながらテコ入れは続いていた。
9期に入り、それらのサポートが上述の「真帝王降臨」で一気に結実する。
潤沢なサポートによる最上級帝の安定したアドバンス召喚、アイテール・連撃・烈旋による相手ターンへの執拗な干渉、轟雷帝や領域といった(互いの)エクストラ絶対使わせないカードによって再び環境レベルのデッキにまで昇華された。

その分、メタも要求されるプレイイングスキルも大幅に増加したのはご愛敬。


【余談】

帝の数が少ない頃は「最強の帝は混沌帝龍-終焉の使者-」というジョークがあった。

エラッタ前の性能ならば確かに最強と言って差し支えないだろう。

禁止カードで、すでに保釈金を払って出所し、効果は弱体化した筈だが、やっぱり強い。

他にも帝と名の付くモンスターは
  • 「雷帝神」
  • 「女帝カマキリ」
  • 「水陸の帝王」
  • 「裁きを下す女帝」
  • 「音楽家の帝王」
  • 「機皇帝」シリーズ
などと意外といるが、基本的には9体の帝を指して「帝」と呼ぶ。
帝と言われて女帝カマキリや水陸の帝王が浮かんだ人はちょっとすばら…異常かもしれない。
特に女帝カマキリは名前もかなり帝っぽいので、ライザーが出るまで風帝扱いされたりするなどしていた。



【アニメでの活躍】

アニメGXにて登場。
当時は雷氷地炎の四体しかいなかったため「四帝」と呼ばれ、斎王の妹の刺客として十代達の前に立ちふさがった決闘者が使用。
それぞれ雷丸、氷丸、岩丸、炎丸という使用する帝にちなんだ名前の連中だった。

未OCGの専用サポートカードなどもあり、四帝全てを使った特殊召喚モンスターも存在した。

アニメ版『遊戯王ARC-V』ではネオ沢渡により「氷帝メビウス」が再登場。
榊遊矢のペンデュラム召喚デッキに対し、二枚のペンデュラムスケールを一気に潰せることから採用されたと思われる
(この頃はまだ『ペンデュラムモンスターは破壊されたらエクストラデッキに行く』というルールを所持者の遊矢でさえ把握していなかった*3ので
ペンデュラムスケールの破壊を第一に考えるのも無理はなく、非常に理に適っていたと言える)。
更に、「氷帝メビウス」をリリースして「凍氷帝メビウス」をアドバンス召喚している。
しかし、黒マスクの男が使う「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン」に攻撃力を吸収されて倒された。

漫画版『遊戯王ARC-V』では沢渡慎吾が「冥帝エレボス」や「冥帝従騎エイドス」「魔帝アングマール」サポートとして「ダーク・アドバンス」を使用している。
「真帝王降臨」の発売時期だったため、宣伝も兼ねていたのだろう。
また、「帝王の再覚醒」という専用のサポートカードも登場している。

【ゲームでの活躍】

遊戯王マスターデュエルのソロモード「絶対の帝王」にて彼らの物語が紹介された。
内容をざっくり言うと「破壊の概念」「目につくもの全てを破壊し尽くし、壊せるものがなければ別の世界に行ってそこでもぶっ壊していく」というまるで災害のような扱いである。
エレボスはそんな破壊の帝の最たるもので元祖とも言える存在らしい。
しかしそんな中アイテールだけは、帝に破壊された世界を再生する存在として登場。
人々はその再生を受け入れるが「アイテールも帝王の1人なのだろうか」と「再生された世界も再び破壊されるのだろうか」という疑問を抱く。
それでもアイテールはなんの見返りを求めることもなく世界を復興させる…という内容で締めくくられている。

そもそも物語でも「帝王は目につくもの全てを破壊する」以外のことはわからず「なぜ壊すのは不明」「眼前の破壊するものを認識できてるのかも不明」と余計に謎が増える始末であった

一方遊戯王クロスデュエルで語られた家臣達の設定だが、「髪の毛のセットが大変なので雷の加護はいらないと思ってるミスラ」「あまりの暑さに鎧は汗だくだがやせ我慢しているベルリネス」「地帝の一歩は地震なので耐震強度が試されているランドロープ」と妙に微笑ましい設定が語られている。




童帝アニヲタ
星6/病み属性/萌え族・効果
攻2400/守1000
このカードが親の人生をリリースしてアドバンス召喚に成功した時、フィールド上の項目1枚を追記・修正する。

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最終更新:2024年04月21日 17:52

*1 待ち伏せのこと

*2 迎撃のこと

*3 実際は直前の素良戦で知ったのだが、それを沢渡が知る由もなかった。