鉄鍋のジャン!の料理人

登録日:2011/11/22 Tue 16:00:59
更新日:2024/04/16 Tue 12:43:39
所要時間:約 7 分で読めます




鉄鍋のジャン!」及び続編の「鉄鍋のジャン!R」に登場する、料理人達。作品の項目に収まらないものの、やたら濃い奴ばかりなのでこちらで紹介する。
劇中の対戦結果のけっこうなネタバレ含むので注意



【無印】


尾藤竜二

【料理はXO醬】
お前は……えっと誰だっけ?
一応記念すべき作中初の五番町飯店外の料理人だが、XO醤職人とだけ覚えておけばいい。……料理人じゃないのかって? まあ、気にすんな。
こんなやつでも個別項目がある。霧子や楊の項目は無いのに。使い切りのかませなのに。


藤田貫一

【料理は薬膳】
中華薬膳『藤田』所属。作中では普通の薬膳を得意とするめちゃくちゃマトモなかませ担当その1。

中華料理人選手権予選でを使った薬膳スープを作り高得点を得るも、ジャンの毒キノコマジックマッシュルームスープに敗れる。
第二回大会では無事本戦進出するも、二回戦で鼻の通りを良くする餃子という微妙な代物を作り「ハナをかめばいいんじゃないのか?」の一言と共にザザビー本郷に敗退。どの道負けでももう少し味の方も評価してあげて。

『R』では「薬膳王子」の異名を持ち、一回戦で鶏のキンカン(親鳥の胎内でまだ殻ができていない)を使った薬膳スープで参加者中三位の高得点を叩き出すと健闘するも、特別ルール*1によってジャンに敗北。
こんな彼でも作中の扱いは(比較的)良い方。この時もジャンに料理を褒められているし。

ちなみに、初登場時は大谷子飼いの料理人である事を匂わせていたが、第二回大会までの間に縁を切ったのか、その後は別に審査で贔屓はされなかった。

ジャンの息子(ジャンJr.)が主人公の『2nd』では中華料理界の重鎮として登場。
大谷が開いた中華料理人の大会の審査員役を務める。


沢田圭

【料理は】→【料理は
鉄板料理を始め、と熱を扱う料理を得意とする、六本木のチャイニーズレストラン『崑崙』*2の跡取り息子。マイケル・ジャクソンみたいなウェービーヘアのナンパな料理人。中華なんだし大体火と熱は使うだろ。あと調理中ぐらい髪結わえなよ。
本人曰く、10歳の頃に料理の基本を極めたとの事であり、ダンスのように舞う調理や炎を使った派手な演出などで客を魅了することに長け、マイクパフォーマンスよる人心掌握にも抜かりは無い。
パフォーマンスしながらも的確な素材選びや食べやすく配慮した切り方、肉の下味付けや中国技法の油通しといった下処理も欠かさない「職人」である。どれもやって当たり前のことで評価される方がおかしいが。

ジャンに負け、更に一年後は霧子に負けたかませ担当その2。
どちらとも相手がメインキャラということもあり比較的見せ場は多かったものの、敗因はどちらもパフォーマンスに傾きすぎたこと。
味付け等の中身のセンスは凡庸。そもそもジャンとの対戦でも作った料理はただ高級肉を使っただけの串焼き(要はバーベキュー)でしかない。
一年後の大会でも高齢の崔会長に「もっと現代的なセンスが欲しい、羊のチーズを入れるとか」と言われるレベル。まるで成長していない……。
そしてその合間には店に乗り込んできた蟇目に料理を捨てられた上に殴られてケガさせられるという散々な目に遭っている。これに関してはおまわりさん呼んだ方がいい。

『R』では掌からリパルサーレイじゃなくて火を噴く色物になり、ジャンを倒そうとするが……。
見た目は更に派手だが、炎を使いながらも盛り付けに氷の皿を作る、灼熱の鉄板と冷やした鉄板を同時に扱うという風に、技術と実力は格段に増している。
第二回大会では厳しく言われた崔会長にも、「腕を上げよったな若造め」と褒められた。

後、イケメンで基本的に人当たりがいい為、女の子のファンが多い。かませになった後も、彼女たちがいたから立ち直れたとのこと。
何度負けてもファンの女の子から誰一人として失望されたり見捨てられたりしていない辺り、チャラい見た目に反して、素顔は意外と誠実な青年なのかもしれない。
ビッグ大谷杯の卵料理対決で作った料理『烏骨鶏の卵の2種のアイスクリーム・お麩のサイコロフレンチトースト添えアンズソース』は、かつてファンの女の子達にサービスで振舞った『燃えるゴマアイス』の進化版であり、彼女たちへの感謝の意を示した粋な逸品である。
この時の沢田は、文句なしでカッコ良かったのになぁ……

『2nd』では中華料理界の重鎮として登場。大谷が開いた中華料理人の大会の審査員役を務める。
(恐らくファンの女の子の一人と)結婚して娘を作っており、娘も料理人として同大会に参加している。


筍智英

【料理は伝統】
大柄でふとましい、宮廷料理人だった先祖の流れをくむ横浜の老舗『東洋楼』の料理人。
冬瓜で透かし彫りの彫刻をこなす刀工技術を始め、実力は確かだが沢田とは逆に派手さや新鮮味に欠けるかませ担当その3。
一応の見せ場があった沢田と違い、鳴り物入りで登場したのに二大会とも調理風景や試食シーンも省略されて楊や陸顔王の踏み台にされた可哀想な奴。
だが初登場時16歳という若輩ながら、店の調理場を仕切ってるあたり、東洋楼の未来は明るそうだ。

『R』ではプロレスラーのような巨漢となり、こちらもウルヴァリンよろしく拳から刃が飛び出す色物に。
「ウチの店の400年なんてクソクラエ。この筍智英が新しい伝統を作る」というポリシーの元、相反する伝統料理をコラボレーションし、味を一体にアレンジするなど、実力は格段に増した。そしてやっと試食シーンも描いてもらえた。
……が、2回戦で沢田と戦うもお互いの弱点を突き合った結果、試食シーンも描かれ評価もされたものの結局沢田とかませ同士で相討ち敗退したため両作通してジャン、キリコとの対戦は実現しなかった。あと別に上記の鉤爪は使ってない。使ったところでまともに料理できるのか知らんけど。
対戦前は沢田と互いに親友面していたが、相討ち後は化けの皮がはがれてお互い罵り合いつつ退場させられた。*3

『2nd』では彼も中華料理界の重鎮として登場。大丈夫かなこの料理界。
東洋楼は日本の中華料理店としては五番町に次ぐ2位につける店となっている様子。しかし店員に露出度の高いメイド服らしきものを着せるのはどうかと思う。
ただし、料理人の熟練度はその地位に比べると低いのか、突如現れた大谷一族に酷評を食らった。
結婚して息子を作っているが、見上げるような巨体の持ち主である。


河原裕司

【料理は科学(ハイテク)】
料理学校『河原クッキングスクール』所属であり、校長の息子。
様々な最新機器を駆使する、自称科学者にして料理人。調理時もマスクに手袋と料理人らしからぬ格好を見せる。
アナクロな料理人をイヤミに見下し、大会ではジャン並に同業や観客に嫌われている。
この前にジャンが戦った沢田とは正反対の嫌われ者だが、良く言えば中身を磨くこと以外に価値を見出している、悪く言えば料理をナメているという点では沢田の同類と言える。
とはいえ「的確な使い方をしている」とは弥一の評。他人からは気味悪がられる「マスクに手袋姿で念入りな消毒」という行動も、真空調理機を使った低温調理は雑菌が繁殖しやすく衛生面で注意が必要だから、という調理上必要な行為に過ぎない。

真空調理機を用いたほぼ全自動の料理でジャンと戦うが、経験のなさを突かれ盛大に挑発されて新茶の風味のあんをかけるという余計な一手間を加えたため大敗。
ただし、このひと手間をしていなくとも河原の料理はフカヒレ・トリュフ・中国ハムなどの高級食材が課題の若鶏と味が一体にならず、自己主張し合ってる嫌味な状態になってたとの事であり、ぶっちゃければ失敗作である。
この事に気付かなかった辺り、「グータラのマヌケ野郎」というジャンの罵倒もごもっともである。*4
ジャンが料理まで罵倒した数少ない相手であり、審査員も全員一口食べただけで箸を止めた。

翌年はその点を反省して実力を磨き、機械に頼らず本戦進出。意外と向上心はある様子。
ゼリーの中で泳いでいるような金魚餃子を作り、大谷や崔会長からも評価されるが、スグルの本当に泳ぐ金魚餃子に敗れる。*5
だが、当時の沢田・荀・藤田に比べれば実力は増した方であり、対戦相手の組み合わせ次第ではベスト8ぐらいまでには勝ち残れたかもしれない。

『R』では残念ながら未登場だが、『2nd』では結婚して息子を作っており息子にも料理を指導しているが、指導方針は最初に登場した時同様「デジタル機器至上主義」であり、それが原因でジャンJr.に敗北した。まるで成長していない……(二回目)
なおビジュアルはやや怪物っぽくなった。

ただし、デジタル機器に頼ること自体は決して間違ってはいない。『食戟のソーマ』で言うと薙切アリスの料理スタイルがよく似ている。
ごく一部の人間の才能や感性に依存しなければ作れないようなものを、大多数の凡人の手でも作れるようにできるということは素晴らしいことである。
しかし、それにあたってどういう工程を踏んでいるのかや機械作業によるデメリット、機械では決してできないこともあるといった点をしっかり学ばないといけない。
楽をすることはできるが、楽をするための努力を怠ることはできない*6のである。
河原親子はそこを取り違えており、機器に依存して負けるという結果に至ってしまった。河原裕司はジャン戦以降それを学んでいたのかもしれないが、息子には伝わらなかったようである。


大前孝太

【料理は努力】当たり前
浜松『麒麟飯店』の跡取り息子。
運動は得意、勉強は一番、中高と生徒会長で、本来は一流大学・一流企業にも進学・就職出来たが、その道を捨ててまで跡継ぎになる事を選んだ孝行息子*7という完璧超人
多くの料理漫画で見たようなステレオタイプのキャラで、正直山ザルよりよほど主人公っぽい。
……だがハッキリ言って彼は出てくる漫画を間違えた。
というかその手の「ステレオタイプな主人公キャラ」のアンチテーゼなんじゃないかと思えてくる。

「頑張るぞぉ」が口癖で、勉強熱心で最新の料理にも詳しいが、勝負経験の無さが災いし、冷めると極端に味が落ちる料理を作った上、あのジャンに先手を取られてしまい敗北。
この時、大前が作ったのは、作ったらすぐに食べないと油が分解してクソ不味くなる『ウナギとレンコンのココナッツミルク炒め』。審査員が数人ほどトイレに駆け出した程の破壊力だった。ちなみにジャンが先手で出したのは『ゆっくり味わいたくなる甘〜いスープ』である。
お察しの通り、ジャンの料理は彼の料理の評価を下げるためのもの。食べるのに時間がかかるのもさることながら、大量の糖分で満腹感を感じさせた状態となったことで、脂っこくなってしまった彼の料理は上記の拒絶反応を示されることとなった。*8
それでいて下記審査員の状況からすると大前が先手を取っていたとしても、十分すぎる程に勝負になる*9旨い料理を出すのがジャンクオリティ。
そもそもジャンが先手を取ったのも、大前がやたら盛り付けに手間取ってたので先出ししただけであり、ほとんど偶然である。彼への妨害行為は一切していない。

翌年は予選の炒飯勝負で小此木とバッティング。
徹頭徹尾真似された上にうっかり小此木の作ったマズいカニ炒飯(外見だけはそっくり)を間違えて提出してしまい早々に退場した。可哀想ってレベルじゃ……。
とはいえジャンは「長箸の先でつまんだモヤシや鉄オタマで掬った食塩を数グラム単位で重さを見分けるくらい料理人ならできて当たり前」という人物なので、他者に妨害されたわけでもないのに数秒前まで自分が作っていた料理と異なる炒飯をつかんで気づかず審査員に出す時点で同情する価値のないヘボ料理人とみなした*10のか、バレないように小此木をフォローする側にまわった。

劇中で散々な目に遭っているとはいえ、根本的に観察力に欠けているのが最大の難点で、作中で父親から言及されたように料理勝負そのものに向いていない。
初登場時は審査員の状況*11を、次の大会は自分の料理を、大して確認せずに事に挑んでいる。特に後者はそっくりに作られていると分かっていたはずなのに……。

あと、高校卒業してから料理の道に進んだ事からその素質と努力は確かなものであるが、彼は「努力」の方向性を微妙に間違えてしまっている感は少し否めない。
温かい常連客に囲まれて順風満帆と言えば聞こえはいいが、悪く言うと、周りから甘やかされ過ぎてしまっているのである。
事実、「店を有名にしたい」という意欲はあるのに彼は(店を継いで父を助けることを優先したのもあって)一度実家を離れて他所で料理修行といった経験をした事が一度もない。*12
上述の通り、海外の最新料理本をツテで入手するなど情報収集や自己研鑽はしており、件のココナッツミルク炒めとて「最近作り始めた料理を知っているとは驚きだ。よく勉強しているんだろうな(要約)」と弥一も感心したほど。
……だっだが、それも海外出張した親戚を頼っての「甘え」のある「努力」である。*13

オヤジさんも、本来なら進めたはずのエリート街道を捨ててまで後継ぎになった大前に嬉しい半面負い目も感じていたようで、(客に煽られてるのもあったが)ろくに厳しくしてやれない悶々とした態度を取っていた(図らずも甘やかしてしまっていた)ようである。
このように「努力」をポリシーにしていながら、オタサーの姫の男版みたいな、(ジャンとは別ベクトルの)閉鎖的な環境から一歩も出ずに周りからチヤホヤされ過ぎた、ぬるま湯の環境に入り浸ってしまっている傾向があるのは否めなかった。
オヤジさんはまだまだ元気で店も安泰なのだし、本当に店を有名にしたかったのなら、腕の研鑽の為に、一・二年ぐらい料理修行に出て、他店のライバル達に揉まれる「努力」を積むべきだっただろう。*14

そんな彼の本領は、基本的に空腹の客が料理を選び、作った料理が温かいうちに客の元に確実に届けられる実家の料理店でこそ発揮できるのだろう。
料理大会に出て有名になるよりも、地元で愛される町中華のままでいる方がいいと懲りた悟ったのか、続編の『R』には未登場。出なくて正解だろうが。

なお、勘違いされやすいが、高卒してるのでジャンよりも年上(初登場時で最低でも20歳前)である。


阿武隈源次

ゴツい山男のような北海道『胡ド王』(とどおう。ドはケモノ編に賓)のコック。
熊や鯨を好んで使用する、自称“お茶の間のアイドル”。その髭もじゃのゴツイ見た目で?(まぁヒゲ剃ると結構男前だけど)

予選で熊の掌のスープを作るもあっさり楊に敗れ、翌年の本戦で楊へのリベンジに燃えるも「中華というより日本食」という評価を受け惨敗した。

『R』にも登場するが、卵料理対決で熊をメインに押し出しすぎたため、審査員の評価が分かれ惜しくも敗退。
だって俺は熊源だもの、熊料理以外作るわけにはいかねーよ」と豪語し、「いいぞー!熊源ー!!」と歓声を浴びながら男らしく去っていった。
お前楊と戦うとき鯨肉の餃子作ってただろ。
ってことはポリシーは【料理は熊】なんだろうか??

『2nd』では結婚して娘を作っており娘(美人)も料理人として同大会に参加している。
娘もアイドル料理人扱いされ、人気者となっている模様。
ちなみに逆算すると、「R」時点で既に女房子持ちのパパだった訳である。


蟇目檀

【料理は才能】
元、五番町飯店の料理人。
かつては飯店の料理人も尊敬する好人物だったらしいが、二年半ほど中国で修行した結果、異常に尊大になって帰国。
その上東京中の料理人に道場破りして通り魔的に暴行を働き、ジャンの腕を二度も折り、小此木のまかないを口に入れるや本人の顔に吐きかけてボコボコにする……など、やりたい放題。
昔の面影がないほど冷酷で傲慢になってしまっている。一体、中国で何があったのやら……。
その豹変っぷりには過去の彼を知る霧子をはじめとした従業員全員が恐れをなした。ぶっちゃけ傷害罪で逮捕されてもおかしくないのに。
その上、五番町飯店の資金で留学していながらその成果を一切還元せず、店をもらって独立するという不義理まで働こうとし、オーナー直々に「お前を中国に行かせたのは間違いだった」と、事実上の破門まで言い渡される。

「料理は才能」と言いつつも、その手は鍋ダコ包丁ダコだらけであり、その血のにじむような努力に打ち出された技術はチートレベル。
だが、その技術に溺れすぎた結果、魚料理勝負で「鯉の丸揚げ甘酢餡かけ」というただ中国で学んだのをそっくり作っただけのオリジナリティのない料理*15を作ってしまい敗北。
そもそもその前に作った酢豚も五番町飯店で出してるモノの焼き増し版、三不粘(サンプーチャン)*16も技術は凄いものの既存のスイーツを作っただけ……と、根本的にオリジナリティに欠けてるのが最大の弱点。

実は大谷に買収されており、今度は節操もなく自分を負かしたジャンを自分の店に引き入れようとするが、特殊なケシの粉末入り麻薬麻婆豆腐*17VS血糖値激下げ参鶏湯という今作でも稀に見る毒料理対決の末に引き分け、引き抜きに失敗。ぶっちゃけ麻薬取締法違反で逮捕されてもおかしくないのに。コイツどんだけ罪を重ねてるんだ。
挙句の果てに大谷の一存で店をクビにされ、そのまま本編からフェードアウトとなった。*18
その後、中国にトンズラ戻り、五行とともに修行していることがある人物の口から語られる。

ジャンと対照的なタレ目、類似した態度といかにもライバルっぽく登場した割に、ジャン(の指示を受けた小此木)と戦ったあとフェードアウト。なんだったんだアンタ。

『R』ではスグルに雇われて帰国し、五番町飯店を訪れ、ジャンに勝負を挑む。
相変わらず技術は卓越しており、やっとオリジナリティのある料理を作った。その技術には霧子も「さすが蟇目」と呼び捨てで驚いていた。
この時点で敬意を全く抱いてなかったとしてもおかしなことではないが。


伍行壊

【料理は気】/【料理は成仏】
犬鍋
ジャンと五番町飯店を潰すために大谷が呼び寄せた料理人。“五行道士”の異名を持つ。上記の蟇目を大谷が叩きだして「蜃気楼」の料理長となり、ジャンと対決する。
普段は温厚な人物を演じているが、本性は非常に残忍でジャンとタメを張れる性格の悪さ。
食材の薬効を限界以上に引き出す彼の料理は食べたものの肉体を操り、強制的に食事を(たとえ出されるのが生ゴミでも)続けさせるほどで、その本質は目的のためには殺人さえ辞さぬ程の、手段を選ばぬジャンの上位互換
ジャンとの五本勝負を行うも、お互い勝つためなら何でもする性格故に段々相手への嫌がらせがエスカレートしていく。
詳細は個別記事を参照。


湯水スグル

【料理は
巨大財閥、湯水グループの跡取り息子。その上多才で幼なじみの美人執事もいるリア充
料理勝負で本職の料理人を破り、その写真をコレクションしていたが、100人目の相手として選んだジャンに敗北する。
その後一回の勝負を五回戦にまで引き延ばしたが、1勝4敗*19で最終的に格の違いを見せつけられて完全敗北。
とはいえ本職の料理人ではない自分たちが一勝でもしたことは大きいと、引き分けを主張して引き下がった。

絵に描いたようなボンボンで人を食った性格だが、料理に対する情熱と実力は本物。
……が、勝負の際は無尽蔵のコネと資金を惜しげもなく使って勝ちに来るという、負けず嫌いという点ではジャンの同類
高価だったり希少な食材を入手してはそれをジャンにひけらかすことで(負けず嫌いなジャンの性格を利用して)あえてそれ以下の食材で勝負させようとするといったもので、審査員の買収などは行っておらず、五行のような外道ではない。
まあ金に物を言わせて(さらに花梨から助言ももらって)るわけで、フェアかどうかは怪しいことに変わりは無いけど。
……それに、勝負中に相手の油をスリ替えるという割とあくどい妨害行為*20をしたのは言い訳できないが。実際大多数の料理人にはその手で勝ってきたみたいだし。

第二回大会では、湯水グループのコネを使って参戦。
河原との「ハイテク対決」を制しベスト8まで勝ち残るが、ザザビー本郷との大会屈指のベストバウトの末、たった一点差で惜敗した。

『R』ではグループの運営で忙しく、“大谷杯”へも審査員として参加する程度。その時の名義は甘えん坊将軍何でバレないんだろうね。
料理人としての自分を出せないことに不満を抱えている。

一度も試作したことのない料理を(助言込みとは言え)いきなり完璧に仕上げたり、16歳にして大検を取得(金とコネの力を使ったんじゃあるまいな)したり、鬼のような努力家の多い今作の中では随一の天才肌。
一見すると苦労知らずのおぼっちゃまに見えるかも知れないが、実は幼少期に飛行機事故で、下記の執事と自分以外一家全員死亡するというとんでもない悲劇を経験している。
救助が来るまで数日食べ物を集めて生き残るなど、この経験が今の彼を作ったのかも知れない。
なお、この時命を繋いだのが、第二回大会で使ったピスタチオである。


刈衣花梨

【料理は学問】
スグルの執事兼、嫁。
スグルとは9歳年上との事なので、年齢は初登場時25歳。
かつて飛行機事故にあった際の負傷を隠すサングラスと、(本作中では)比較的まともなサイズのが特徴。でもだんだん大きくなってるような気がする。
普段は一歩引いてスグルを立てているが怒ると怖く、その実スグルは彼女の尻に敷かれているがお互いまんざらでもない様子。爆発しろ

料理の腕はド素人で体力もなく、一品作っただけでバテるほどだが、人体生理学の知識を生かしてジャンに黒星をつけた数少ない人物。執事業は体力いらないんだろうか。まぁ幼少期の事故の影響で体力少ないのかもしれないけど。

ちなみに、3作目にあたる『2nd』ではスグルと結婚し、おそらくは双子の娘「あんん」「るぅい」がいる。日本だとDQNネームに片足を突っ込んだ名前だが、中華センスだろうか。
彼女自身も登場しており、経営者としての側面が強くなった様子。
この内あんんはキリコのような性格とジャンJr.との関係性をしており、策略で彼の恋人のふりをした際はかすかに顔に赤みがあるため、異性という認識はある様子(好意の有無は不明)。


ジュリアーノ本郷

フレンチの料理人で鴨料理の名手。今作では珍しい、中華以外の料理人。オネエ口調でしゃべる分かりやすいオカマキャラ
大谷日堂の手先としてジャン、霧子、楊に鴨料理を教えるとの体で晒し者にしようとするが、三人とも大谷の予想もつかない鴨料理を提供したため見事かませとなった……というか厳密には勝負すらしてない
大谷の命令で老舗料理店トゥール・ダルジャンのスペシャル料理「鴨のソテー 血のソースがけ」を披露しただけで、後はジャンたちの料理のリアクション要員と化した。

なお、本人はフランスで修業したことを自慢気に話したが、母親がフランス人の楊は「フランスが誤解されてしまうわ!!」と憤慨していた。


ザザビー本郷

【料理はユニバーサル】
フランスかぶれの家族を嫌い、中華料理の道へ進んだオカマっぽい男。
上記のジュリアーノ本郷の双子の弟であり、審査員として参加したコーディネーターの長男のミケロッティ含め、本郷一族は全員オカマっぽい造形となっているが、彼自身は兄貴のミケロッティを「ロン毛のオカマヤロー」と罵倒している。
同族嫌悪(親族だけど)っぽく見えるが兄二人に比べるとオカマ成分は少なめ(女口調程度)でなかなかにハンサム。

フレンチシェフになった次男、ジュリアーノを上回ったジャンを倒すために大会へ参加。
実力は本物で、中華料理にこだわらず、イタリアンやカリフォルニア料理などの様々な料理の技法を使いこなして藤田やスグルを下し、ベスト4まで勝ち残るもジャン・霧子・黄蘭青との四つ巴の戦いで一歩及ばず僅差で惜敗した。*21

『2nd』では中華料理界の重鎮として登場。お前もか。
ビジュアルは細くなりどことなく不健康っぽく見えなくもない。
大谷が開いた中華料理人の大会の審査員役を務める。


陸一族

黄蘭青を倒し、白蘭王の称号を奪おうと第二回大会に出場した陸顔王、陸麗花、陸延雀の三人。
結局は黄と戦うこともなく、延雀と顔王はジャンに、麗花は霧子に敗れる。
詳しくは該当項目参照。


【R頂上決戦】


大谷水月

【料理はパワー】
『R』に登場した、大谷日堂傘下の『極東中華厨房』所属の少女。16歳。やっぱり巨乳。
苗字で分かるとおり、日堂の(義理の)娘。実父が亡くなったとき、その莫大な借金を背負って路頭に迷いかけたところを遠縁の親戚であった日堂に料理人としての素質を見込まれて養女となり、借金も肩代わりしてもらった過去を持つ(実の親も経営はダメダメだが腕のいい料理人だったとのこと)。
その恩もあってか日堂を男前と評すし、ややファザコン気味。

コスプレマニアで、メイド服やナース、水着といったコスプレでの色仕掛けなど、使えるものは何でも使うが、ジュース缶を片手で握りつぶしたり、分厚いまな板を包丁で叩き切ったりするほどの規格外の怪力(包丁の切れ味の方がすごいわ)を生かした料理の実力は本物で“大谷杯”決勝まで勝ち残り、養父のためジャンを倒そうと意気込む。
ちなみにお転婆ぶりやコスプレや色仕掛けなどは日堂からも「料理人だったら料理で勝負しろ」と至極真っ当に説教されてる。

『2nd』では31歳。渡米しており、現在妊娠中。
『R』で「男は嫌いや。女の子の方がええ」と発言していたため矛盾が生じてるが、アメリカでは精子バンクがあるため、それを利用している可能性もある。
性的嗜好はそっちだけど、子供は欲しいというタイプだったのかもしれない。*22


ブルー・メナール

『R』に登場した、ボンテージメイド服を着込んだ大柄の髭面の料理人。容姿に関してはこの人に似てる。
前作の本郷家の連中と同様オカマ的造形であるが、こちらは性自認が女性であるかのような発言がある。

新興の中華料理チェーン店『十三龍』所属で、その筆頭料理人にしてリーダー格。他の料理人は当該項目を参照。
才能を認められずくすぶっていた自身を評価してくれた佐藤田に惚れ込んでおり、彼のためにジャンを倒そうとする。
立ち位置的には前作のザザビーと同じ実力あるかませだが
  • 大会では決勝で満点を取り、大谷にもジャンに匹敵する腕前と認められる
  • 途中で敗北した十三龍の同僚たちをかばう
  • 佐藤田に敗北を宣告されたにもかかわらず彼の意思を汲んで身を引く
など、単なるやられ役とは一線を画した技術と人格の持ち主。この漫画じゃ珍しい人格者的な料理人。

あと見た目はおっさんだが実年齢は26歳。にじゅうろくさい。結構若い。


佐藤田十三

【料理は魔法】
『十三龍』の責任者にして“厨房の魔術師”と呼ばれる料理人。
経営者の少女、エリザ・バートリーの執事のような立場も兼ねる。嘘か誠か、化学物理学はおろか錬金術まで修得しているという。
大谷杯で勝ち残ったジャンと一騎打ちを行い互角の戦いを見せる。

……が、数年に渡りエリザの下にいたことが災いして立て続けに全力で料理をするだけの持久力を失っていた。
さらに、自分に心酔するお嬢様のシェフというぬるま湯生活で、わずかのミスも許されない超ハイレベル勝負の緊張に耐えられるメンタルが鈍ってしまったのも理由である。

ちなみにこれまでの戦況は2回連続100点満点で引き分けという料理勝負慣れしてても緊張すること間違いなしの状態である。
とどめに直前の勝負で、細心の注意を払って水に配慮した料理を、ただ水道水で和えダレを割っただけという料理で相殺されており、肉体精神ともに限界だったと思われる。
オマケにジャンはエリザの実力行使(つーか殺人未遂)により全身がボロボロの状態。その事に気づきもしなかった事も精神的に佐藤田を打ちのめした。

『2nd』では顔を見せてはいないが、(アプローチに根負けしたのか)エリザと結婚している模様。


【2nd】


大谷千年

【料理はルックス】
『2nd』に登場した大谷一族の1番手。
日堂の甥で25歳。ボリューム感のあるピンクのアフロヘアーが特徴。
日堂の経営するスープ餃子専門店の店長を務めていたが、日堂の指示通りの原材料を使わず、独断で小麦粉を変更したり*23、手抜きで小麦粉の熟成が十分でないまま餃子の生地を作るなど料理人としても経営者としてもポンコツ。


大谷帯刀

【料理は体力】
『2nd』に登場した大谷一族の2番手。
ジャンJr.を潰すために日堂に招聘された料理人の1人。
大柄な体格だがジャンJr.からは「デブ」呼ばわりされ、他の大谷一族からも「体力以外取り柄がない」とボロクソに言われるなど実力は低い。
ジャンJr.に刀削麺の早作り勝負を挑むも惨敗する。なお彼が作った刀削麺はジャンが以前作った回転刀削麺と全く同じモノである。


大谷主水

【料理は斬新】
『2nd』に登場した大谷一族の3番手。
ジャンJr.を潰すために日堂に招聘された料理人の1人。
モヒカン状のヘアスタイルをしており「全てにおいて斬新な料理こそが客が喜ぶ」と考える。
イタリア料理風の七色刀削麺を作るが、中華料理というよりもイタリア料理という評価を受けジャンJr.とマリオに惨敗する。


大谷水蓮

『2nd』に登場した大谷一族の紅一点。
ジャンJr.を潰すために日堂に招聘された料理人の1人。


大谷木琴

『2nd』に登場した大谷一族の1人。
ジャンJr.を潰すために日堂に招聘された料理人の1人で大谷からも水月と並び別格扱いされている。
高校生の頃に秋山醤(父)の料理に感銘を受けると同時に料理人として怖れを抱き、ジャンJr.は父親に劣るとの評価を出している。




追記・修正は、大谷子飼いでジャンと初めて戦ったXO醤のリュウが蟇目や五行と一緒にRで再登場したことを覚えている方お願いします。

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最終更新:2024年04月16日 12:43

*1 早抜け戦だったが、8人中7人が決まっていたので、8人目は残った選手の中で最高得点の人物という事になった

*2 中国に伝わる伝説の山岳のことだが、「料理は炎」だけに「コンロ」とのダブルミーニングもあると思われる

*3 一応、1話の時点で内心はギスギスし合ってる伏線は設けられている。

*4 ちなみに、河原の料理が美味しくなりそうと言っていた弥一の予想が珍しくハズレている。が特に霧子や小此木からはつっこまれていなかった。

*5 味は互角だったが、発想の差で敗れた。

*6 実際、ジャンの手段は楽なように見えてそれを成立させるためには多様な知識を必要とする

*7 店の跡を継ぐ一番の理由が『食べてくれる人達の為に鍋を振るい続けるオヤジの背中に憧れた』から

*8 描写からして自分の料理の欠点に全く気が付いていない。この点では上記の河原と同じレベルの間違いを犯している。

*9 大前が先手だとしても満腹が近い状態から重い料理食べて純粋に満腹になった所でのデザート仕立てのスープなので、評価は変わらない。

*10 というか前年でのやりとりを全く覚えておらず、大会開始前に大前から名指しで批判された時も「誰だお前?」と返していた。ジャンの反応からしてすっとぼけてたり煽ったりしているわけではなく、本当に無関心かつ忘れているっぽい。

*11 この時点で、審査員たちは他の勝負の試食を散々しているため、純粋に満腹が近い状態だった。そのため、ジャンはスープ物で食べやすい形にしているのだが、それに気づかなかった彼は重いウナギ料理を作ってしまった。

*12 似たような境遇の霧子も、中国に料理修行に行くぐらいの気概はある。

*13 ちなみに霧子は「人に頼るのは甘え」と思い込んでおり、(良くも悪くも)何でも自分で考えて答えを出そうとしてしまう癖がある。飾り切りに関しても「(教えてくれるだろうけど)技術はその人の宝だから」として自分で何とかしようとしたし、春巻品評会の時は悪い方向に陥ってドツボに嵌った。

*14 ジャンは勝負後「オレみたいに一人になってみろ」と罵倒しているが、ある意味では的確な助言であったとも言えなくもない。

*15 この鯉はシメずに生きたまま調理されてる。すごい技術なのだが「生きてても死んでても味は変わらない」と評価された。残当。

*16 卵黄と緑豆デンプンとラードだけを使ってスライム状になるまでひたすらお玉で叩き続けて練り上げた卵スイーツ。「箸にも皿にも歯にもくっつかない」事から名付けられた。

*17 ジャンの項目でも書かれているが、一般的に成熟したケシの実は麻薬成分は含まれない。だがこれは蟇目が中国奥地で違法栽培されているのを見つけたスペシャルな代物で、成熟しても麻薬成分が消えず、持ち込めたということはつまり税関や麻薬探知犬すらも騙せてしまったとんでもないヤバいブツ。

*18 仮にジャンへのスカウトがなくても、上記のように道場破り&通り魔行為をやらかしたせいで傷害で指名手配されててもおかしくない。大谷は揉み消しにてんてこ舞いだっただろう……。

*19 その1勝も執事の刈衣花梨が挙げたもの。ただし勝負外でしっかり彼女のアシストはしている。

*20 ジャンは油のスリ替えに気付いており、敢えてスリ替えられた油を使って料理を完成させた。曰く「一流の料理人ならオタマから伝わる粘度で種類がわかる」との事。

*21 見かけは派手で味も評価されたが、課題のサメ肉の使い方が比較的オーソドックス(すり身中心)だったのが評価のマイナスになったのかもしれない。とは言え、ジャンと黄との差はたった三点であり、大健闘した事は違いない。

*22 実際、そういう人は割と多い。

*23 一応指示された小麦粉より安くて質がいいと言う理由はあったが